本文
認知症とは
認知症は誰もがなる可能性があります
認知症とは、様々な病気により脳の神経細胞の働きが徐々に変化し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障を来した状態をいいます。高齢化の進展とともに、認知症と診断される人も増加しており、65歳以上の高齢者を対象にした令和4年度(2022年度)の調査の推計では、認知症の人の割合は約12%、認知症の前段階と考えられている軽度認知障害(MCI ※ )の人の割合は約16%とされています。
これを新潟県の高齢者人口に当てはめると、令和7年に認知症の人が約93,000人、軽度認知障害の人が約111,000人と推計され、両方を合わせるとおよそ3人に1人が認知機能にかかわる症状があると考えられます。(ただし、軽度認知障害の方全てが認知症になるわけではありません)
また、65歳未満で発症する認知症は、若年性認知症と呼ばれます。平成29年度から令和元年度に行われた調査によると、県内には約760人の若年性認知症の人がいると推計されています。
- ※MCI=Mild Cognitive Impairment
- 記憶障害などの軽度の認知機能の障害が認められるが、日常生活にはあまり支障がないため、認知症とは診断されない状態。MCIの人のうち年間で10%から15%が認知症に移行するとされている。
認知症の主な症状
記憶障害(もの忘れ)
認知症の中心的な症状は「記憶障害(記憶力の低下、もの忘れ)」です。加齢に伴うもの忘れでは体験の一部を忘れるのに対し、認知症に伴うもの忘れでは体験そのものをすっぽりと忘れてしまうことが増えていきます。昔の経験は覚えていても、さっき言ったことなど最近の出来事を記憶しにくくなります。
例えば:食べたメニューを忘れるのではなく、食べたこと自体を忘れてしまう。伝言を忘れていると指摘されても、伝言があったことじたいを思い出せない。 など
見当識障害
今の時間や今いる場所など、いまの自分がおかれた状況がわかりにくくなります。多くの場合、時間・場所・人の順に進行します。
- スマートフォンなどのリマインダー機能を利用したり、周囲の人に声かけをしてもらうなど、苦手になったことを補う方法がたくさんあります。
理解・判断力の低下
考えるスピードがゆっくりになったり、同時に二つ以上のことを処理することがむずかしくなります。また、いつもと違う出来事が起こると混乱しやすくなったり、目に見えないしくみが理解しづらくなります。
- 何事も本人のペースでものごとを進めることが大切です。慌てたり、焦ったりすると、できるはずのこともうまくいかないものです。
実行機能障害
目的に従って計画を立てて実行したり、その結果を振り返りながらものごとを進めていくことがむずかしくなります。
- 段取りよく進めることはむずかしくなっても、個々の動作は保たれていることが少なくありません。
- 例えば、食事作りの 「献立を立てる」 「冷蔵庫にあるものも考慮して人数分の食材を買う」 「ご飯を炊きながら同時におかずを調理して、夕食の時間に間に合わせる」という一連がうまくできなくても、「野菜を切る」「お米をとぐ」など個々の動作は上手かもしれません。うまくできることに目を向け、周りの人が声かけやサポートをするとよいでしょう。
「認知症かな?」と感じたら ~認知症に関する相談先~
認知症は早期発見、早期診断、早期対応が重要です。認知症の中には、他の病気が原因で症状が現れている場合もあり、その病気を治療することで認知症の症状が改善されたり、治したりすることができます。また、アルツハイマー型認知症や脳血管性などの認知症は治すことはできませんが、早期から治療を受けることで、認知症の症状をやわらげたり、症状の進行を遅らせることができる場合があります。認知症かな?と感じたら、早めにお住まいの地域包括支援センターやもの忘れ相談医等に相談しましょう。
《 新しい治療薬について 》
近年は、アルツハイマー病の要因とされる脳内のアミロイドβを取り除いて、アルツハイマー病による軽度認知障害と軽度の認知症の進行を遅らせることが期待される抗アミロイドβ抗体薬による治療も行われています。薬の使用に当たっては、投与が適切か様々な観点から検査・診断が必要になりますので、まずはかかりつけ医や認知症疾患医療センターに相談しましょう。
《 認知症ケアパスについて 》
認知症ケアパスとは、認知症の容態に応じ、相談先や、いつ・どこで・どのような医療・介護サービス等を受けられるのかの流れをあらかじめ地域ごとにまとめたものです。お住まいの市町村の「認知症ケアパス」については、市町村高齢者福祉担当部局や地域包括支援センターにお問い合わせください。
認知症の発症リスクの低減
認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症や血管性認知症は、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)との関連があるとされています。例えば、バランスの良い食事を心掛け、定期的な運動習慣を身に付けるなど、ふだんからの生活管理が認知症のリスクを下げると考えられています。また、難聴も認知症のリスク因子のひとつであるといわれているため、聴こえにくさを感じたら、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
認知症に関する情報資材

もしも 気になるようでしたらお読みください<外部リンク>

あたまとからだを元気にするMCIハンドブック<外部リンク>

本人にとってのよりよい暮らしガイド<外部リンク>
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)






