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令和5年2月15日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0558611 更新日:2023年2月16日更新

(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

 

1 日時 令和5年2月15日(水曜日) 10時32分~12時23分

 

2 場所 記者会見室

 

3 知事発表項目(10時32分~11時16分)

 ・令和5年度当初予算案について

 ・中期財政収支見通し等について

 ・令和4年度2月補正(冒頭提案)予算案について

 ・令和5年2月議会定例会提出議案について

 ・令和5年度組織改正について

 

4 質疑項目(11時16分~12時23分)

 ・令和5年度当初予算案等について

 

知事発表

(令和5年度当初予算案について)

 (令和5年度)当初予算案の概要、資料1-1ですが、これで概略をご説明させていただきます。まず1ページ目、予算の規模はここにございますように、2月の冒頭補正を入れて1兆4,138億円。一体的にこの補正予算と当初予算を編成したということで、規模としては1兆4,000億円余り。(令和)5年度の当初予算だけで見れば、1兆3,400億円ということになります。新型コロナウイルス感染症の関係で5類に移行した後、これまでやってきた事業がどのタイミングで、どういうふうにやめるのかとか終了するのかとか、その辺はまだ未確定な部分が多いのですけれども、一定の想定のもとに事業を年度全体で見通しているものもあれば、夏には終えてしまうもの。そうした一定の想定のもとに新型コロナ関連の事業は積んでいます。予算編成に当たっての視点ということですが、端的に言えば足元の課題である物価高騰とか、(令和4年)8月の大雨災害への対応、あるいは鳥インフルエンザの対応等、足元での課題にしっかり対応して、厳しい環境に置かれた方々への支援や、経済社会活動がしっかり回るような取り組みをしています。もう一つは、やはり中長期の県の成長・発展に向けて必要な取り組み。特にこれまで何度もこの場でもお話ししていますが、三つの重要な取り組むべきことがあると思っています。一つ目は脱炭素の取り組み。二つ目はデジタル化、デジタルトランスフォーメーションの取り組み。そして三つ目は分散型社会への取り組みということです。この分散型社会の取り組みというものに非常に関連しますが、新潟が選ばれる地となるように、特に若い世代等に新潟を選んで住んでもらう、働いてもらう、あるいは挑戦してもらう。そうした選ばれる場となるために、特に子育ての環境整備に力を入れたいと思って予算編成に臨んでいます。子育て支援に大きく力を入れた事業としています。その他、当然これまでも力を入れてきた、例えば防災・減災対策ですとか、起業・創業支援、あるいは健康や医療の充実、交流人口の拡大、こうしたこれまでも取り組んできた重要課題についても引き続きしっかりと事務事業を見直して、より効果的なもの、効率的なものになるように工夫を入れたつもりです。歳入歳出のそれぞれのポイントが1ページ、2ページに書いていますけれども、県税収入は増加が見込まれます。対前年度で約80億円増えると見ています。その結果、県税収入が増えれば(地方)交付税等は減ってしまいますので、その減が見込まれています。そしてこれが大きいのですが、財源対策的基金の繰入金、つまり貯金を下ろして予算を組むということをこれまでずっとしてきたわけですけれども、これがとうとうゼロということで、言うなれば貯金を下ろさずに予算を組めた、収支均衡が図られたということです。それから2ページ目は今申し上げたことです。投資事業については、令和3年度補正と令和4年度当初予算を合わせて2,160億円でしたけれども、来年度は2月補正と令和5年度当初予算を合わせて2,205億円ということで、事業費としては45億円の増加になります。しかし、実負担をご覧いただきたいのですが、721億円に抑えていまして、これは公債費負担適正化計画で定めた実負担の上限額の範囲内で、いろいろな工夫をして、国の有利な財源を活用して事業費を確保したというところです。行財政改革の取り組みは、今申し上げた通り収支均衡を達成できたということです。3ページ目以下は、主なものをかいつまんでお話してまいります。物価高騰への影響を受けている県内事業者への支援というところで、ゼロゼロ融資の返済が始まっていきますが、これは1月からスタートしていますけれども、新たな融資枠を設定しています。保証料の補助制度も合わせることで、保証料をゼロで借り換え等に対応することができるということです。それからLPガスの高騰への対策ということで、LPガスを使用している中小企業、あるいは個人事業主を対象に負担軽減の支援を行うことにしています。それから後でも触れますけれども、地域公共交通の維持のために航路、地方バス、高速バス、地方鉄道、そうした地域公共交通の燃油高騰の影響を受けている事業者への支援を予定しています。その他4ページ目は、フードバンク等への支援。これまでもやってきたところですが拡充します。それから先ほど申し上げた昨年8月の大雨災害の復旧に取り組むこと、あるいは鳥インフルエンザの防疫対策。市町村の支援をたくさんいただきましたので、市町村が使った防疫作業に要した旅費や手当等についても助成をすることにしています。5ページ目以下は、先ほど申し上げました新潟県がこれから中長期的に成長・発展していくために重要と考えている取り組みの一つ目である脱炭素社会への転換ということで、官民連携して、雪国型ZEHの普及促進に本格的に取り組みます。また県の施設の脱炭素化ということで、特に太陽光発電設備を導入する。これを民間企業の活力を生かした形でPPA(電力販売契約)モデルと言っていますけれども、これを生かして進めていきたいと思っています。それから6ページ目ですけれども、基地港湾の整備、洋上風力の導入に向けた港湾の施設整備を進めていきたいと思っています。それから農業分野も脱炭素の各種の取り組みを支援してまいります。7ページはデジタル改革で、これも昨年度から力を入れているところですが、オンライン診療のモデル事業を始めたいと思っています。どういうやり方がいいかということを今年度研究、調査してきた中で、実際に一つのモデルを実施してみようということです。それから遠隔教育は、既に文部科学省の支援をいただいて実証事業を進めていますが、さらにこれを拡充して遠隔授業の全県実施に向けた段階的な準備をしていきたいと思っています。その他、電子図書館の整備として、電子書籍システムの導入を図りたいと思っています。その他、産業のデジタルトランスフォーメーションですとか、行政のデジタルトランスフォーメーションもいろいろな支援制度、あるいは行政で言えば電子契約システムの導入なども進めていきたいと思っています。それから分散型社会は9ページですけれども、これがまさに子どもを生み育てやすい環境の整備ということで、これはまとめて後ほど17ページで説明しますので省略します。関係人口の創出やU・Iターン施策の推進ということで、今年度から県版の地域おこし協力隊の導入を始めていますが、来年度はさらに拡充して、この地域おこし協力隊の仕組みをさらに活用していきたいと思っています。それから就職活動がどんどん早まっていることもあって、学生などの早い段階からU・Iターンの働きかけを進めるという発想で、県外学生の1DAY企業訪問ですとか、いろいろな事業をやってみたいと思っています。企業誘致は、特に若者に魅力的な職場となるIT関係の企業など、成長性の高い産業を誘致するということで、これまでもいろいろやってきていますが、さらにその拡充を進めてまいります。11ページからは、これまでも進めてきた重要課題を政策パッケージという形でお示ししています。防災・減災対策の推進が最初の政策パッケージですけれども、引き続きしっかりやっていきます。またソフト部分というところで、「チームにいがた」という、災害が起きたときなどに県と市町村が相互に協力、連携しながら対応に当たっていく仕組みを作って、実際に活躍していただいています。このマネジメント業務を、よりしっかりできるように市町村職員向けの研修なども行うことにしています。いずれにしても、防災・減災対策はハード、ソフトの両面にわたって、しっかり取り組んでまいりたいと思います。安全・安心というところでは、SNSを使った児童虐待防止のための相談事業を、LINEを使って始めようと思っています。12ページは地域医療と健康立県の取り組みです。これまでも説明してまいりましたが、地域枠を来年度拡大しまして、70人の地域枠を設けることにしています。12ページの下の部分は、県央基幹病院の開院に向けた取り組みで、建設事業が本格化しますので、設備の導入等を含めてしっかり予定の開業日に向けて準備を進めてまいりたいと思います。また、県立加茂病院と吉田病院の指定管理への移行の準備もしっかり進めてまいりたいと思います。13ページは健康づくりの続きですけれども、歯みがきスペース環境整備等モデル事業。これも口腔衛生習慣をしっかり定着させていくというところで、こうした事業にも取り組んでまいりたいと思いますし、補聴器の利用促進・調査事業も進めたいと思っています。原子力防災対策は目新しいものは特にありません。14ページは産業構造の転換、意欲ある企業等への支援による県内産業の活性化ということで、政策パッケージにまとめています。特にネスパスは、現在表参道にあるネスパスが建物の耐震基準を満たさない、老朽化して取り壊されるということで、退去しなくてはいけないわけですけれども、その移転先として銀座地区を選定しました。良い物件が見つかりましたので、そこにネスパスを新たに移すというか、銀座ネスパスのような、まだ名前は決まっていませんけれども、開設のための準備作業に当たりたいと思います。その他、知恵を出していろいろな事業を新規に設けていますので、ぜひこの後、部局から詳しく説明しますのでご確認いただきたいと思います。例えば県内企業とスタートアップ等の新たな連携・協業の促進ということで、オープンイノベーションの場を作っていきたいと思っています。あとは工業技術総合研究所の機能強化ということで、基本計画を策定することにしています。15ページは起業・創業、政策パッケージの6番目ですけれども、これまでも力を入れてまいりましたが、先ほども申し上げましたけれども県内企業とスタートアップ等の新たな連携・協業の促進という事業も進めたいと思います。事業承継はオープンネームによる承継希望者の掘り起こしの支援。多くの場合、事業承継は表に出さないで誰か引き受けてくれる者がいるかいないか、マッチングを探していくわけですけれども、あえてオープンにして、この事業にはこういう想いがあるということを事業者が明らかにした上で、それをやってみたい、引き受けてみたいという方を探すという仕組みを意欲的にやろうとしている市町村なども出てきています。それを支援して事業承継のさらなる推進を図っていきたいと思っています。それから農林水産業が儲かる産業、稼げる産業、成長産業になるようにということで園芸振興基本戦略などを作って取り組んでまいりました。引き続き、園芸のさらなる拡大に向けて取り組んでまいりますし、国もみどりの食料システム戦略により環境との調和、循環型社会と農林水産業の調和といったところも進めていますので、それに対応した取り組みをしっかりやってまいりたいと思っています。16ページに細かい具体的な事業が書かれていますが、米粉の需要拡大の取り組みを引き続きしっかりやってまいります。水産業の振興を「舫い(もやい)プロジェクト」と言っていますが、あるいは林業の振興は「つなぐプロジェクト」と言っていますけれども、こうした取り組みをしっかり関係者と連携して進めてまいりたいと思います。スマート農業も当然ながらこれまでもやってまいりましたが、さらに加速させていきたいと思います。17ページが、先ほど申し上げた子育てに優しい社会の実現ということです。お手元に資料もあるかと思いますけれども、子育てに優しい社会の実現に向けた結婚・子育て支援強化ということで、子育てに優しい新潟の実現に向けて、大きく三つの柱を立てています。一つ目は経済的な支援。妊娠・出産から子育てに至る経済的な支援の部分です。それから真ん中が、妊娠・出産の前の、そもそも結婚のところから支援していきましょうというところで、早い段階からのスタート。そしてもう一つは子育ての環境、子育てに優しい環境を社会全体で、子育てを応援する、祝福する。そうした環境づくりを進めていきたいと思っています。具体的には、一つは10億円の基金を作ります。これは電気事業会計で、実は令和5年度と6年度で県の水力発電事業の売電価格が大きく上がりましたので、利益といいますか受益が大きく伸びます。そのお金を活用して、基金を作って子育てに力を入れるというところをはっきりさせていきたいと思っています。具体的には、とりあえず現段階では10億円の基金を作りますというところまでなのですが、具体的にこの経済的な支援をどんな形でやるのかというのは、2枚目の資料の方をご覧いただきたいのですが、今具体的な、詳細な制度設計に向けて詰めの調整をしています。イメージで聞いていただきたいのですけれども、まず妊娠と出産の際に、それぞれ5万円の給付をするということは国も表明をしています。もちろん県も一緒になってこれをやるのですけれども、妊娠・出産までは国の制度と連動しますけれども、その先も切れ目なく応援してまいりましょうということで、入園する2歳児のころ、それから入学する5歳児のころに、お金が子育て世帯にいくように、一つのイメージですけれども金融機関と連携して、出生時に定期預金をお渡しする。2年後、あるいは5年後に、お金は5万円が一つのイメージなのですけれども、5万円と利息が付いてくる。また、これももちろん金融機関とこれからの制度設計の中で、それぞれの金融機関が場合によっては、協力あるいはアイデアによって、さらにその金融機関が独自の子育て支援の、何らかのサービスを付け加えていただくこともあり得ると思っています。そうした社会全体で、子育てを祝福し応援しますよというメッセージです。正直な話、5万円で直ちに子ども1人持ちたいかと言われれば、そんな単純な問題では決してないと思いますけれども、まさに官民連携して、社会全体であなたの子育てを祝福し、応援していますよという、そういうメッセージという言葉を使いたいと思いますが、強いメッセージになるような仕組み、事業だと考えています。事業のイメージはそういうことで、もう一つ国が妊娠と出生時に経済的な支援をするということで、その先を県独自の今言った定期預金などを利用した仕組みを新たに作りたいと思っていますが、手前の先ほど申し上げた結婚という段階でも経済的な支援を考えています。これは既に国が市町村と連携する制度があるのですけれども、それに県が市町村負担分をさらに2分の1支援する形で、若い夫婦が結婚して新居に入る。そのときの入居費用や、場合によっては住宅を取得してリフォームする費用、そうした引っ越し費用とか、こうしたものを支援することで結婚へのプラス、踏み出す一歩、背中を押す一歩にしたいと思っています。もう一度、最初の1枚目の方に戻っていただきまして、経済的支援の部分と結婚支援の部分をお話しました。その他、結婚支援コンシェルジュなど、これはまだ仮称ですけれども配置して、市町村の取り組みを支援するとか、今もやっているハートマッチにいがたを、さらにオンラインで登録できるようにするとか、SNSを活用したアプローチなども結婚支援という形で進めたいと思っています。後は既に今年度から設けている地域の世話焼き人の方々の活動支援など、こうしたこともやっていきたいと思っています。最後に環境の部分で、これは子育て応援プラスと名付けて、日常生活の様々な場面で子育てを応援しています、後押ししていますという環境をつくっていきたいと思っています。これは少し書いていますけれども、例えば博物館や美術館など、親子ふれあい促進事業ということで子ども連れ、親子で来れば無料にする。そうした日を設けたり、スポーツチャレンジ推進事業ということで、親子のスポーツ教室などを設定する団体を応援、支援するとか、ふるさと新潟木づかい事業などは木育とも言うべきなのでしょうけれども、県産材の利用促進にもつながりますけれども、子育て・教育施設で、県産材を使用した木製遊具の導入などを支援していきましょうと。あるいはU・Iターン実現トータルサポート事業は子育て世帯のお試し移住です。移住体験ツアーのようなものを市町村がやる場合に、それを支援しましょうとか。いずれにせよ、子育て応援プラスという名前のもとに、いろいろな子育て中の方々を優遇したり応援したりする。そういう事業を広く展開していきたいと思っています。それから気運醸成というところにもつながるのですが、子ども政策推進のための条例を、来年度制定したいということでその準備を進めたいと思います。それからこれは国の方針でもあるのですけれども、児童福祉と母子保健の一体的支援ということで、こども家庭センターを設置する。その運営体制の整備を支援してまいります。さらには新潟が、いかに子育て環境の整備に力を入れているか、子育てに優しい社会であるかということを、県の内外にしっかり発信していきたいと思っていまして、それにも力を入れたいと思います。本県の優位性と書いてありますけれども、地域の子育て支援拠点、これは全国1位でたくさんあります。4歳以下の人口千人当たりの密度で見れば、全国1位です。それから保育所の待機児童も今はいませんし、保育士の配置基準が国の基準の倍、例えば1歳児の場合は、子ども3人に対して1人の保育士を配置できるように支援をしています。こういった新潟県の子育て支援の特徴なり強みをしっかり発信して、若い世代に新潟を選んでいただく。そのきっかけにしていきたいと思っています。18ページの下の方の、女性活躍の取り組みは引き続き力を入れてまいります。19ページは交流人口の拡大ということで、これもいろいろな新しい知恵を工夫しています。新潟県文化祭をさらに拡充したいと思っていますし、指定文化財の一斉公開事業なども行おうと思っています。面白いのは中央日本四県の新潟、長野、山梨、静岡の4県で毎年サミットを開いていますけれども、そこで合意しまして、お互い文化財の巡回展をやっていきましょうと。その中で今度、翡翠をやりたいと思っていますし、サイクルツーリズムを促進しようということで、この中央四県でも日本海から太平洋へのサイクルルートを作ろうということで、取り組みが始まっています。そうしたサイクルツーリズムの推進、あるいはアーバンスポーツ。鳥屋野潟公園にスケートパークを作りますので、それなどを利用して子どもや親子を対象としたスポーツイベントの開催支援ですとか、あるいはスポーツ合宿は非常に地域の経済効果が大きいのですけれども、さらにそこに文化合宿なども加えて、合宿の促進なども取り組んでまいります。また20ページのアドベンチャーツーリズムという、今欧米ではこうした言葉、ワーディングが随分人口に膾炙(かいしゃ)するようになっていますけれども、アドベンチャーツーリズムの推進。あるいはずっと申し上げています新潟の魅力、新潟の観光、交流人口の拡大の二本柱。スノーリゾート新潟とガストロノミー、食ですよね。この二つの大きなこの魅力をしっかりプロモーションしていきたいと思っています。あとは「佐渡島の金山」の世界遺産登録のための必要な事業もしっかりやっていきます。それから実は環日本海経済研究所、これは今度県立大学の研究所に移行します。形としては環日本海経済研究所、ERINAですけれども、解散する形になりますので、出捐金が返還されます。そのお金を活用しまして、(新潟県国際)交流推進基金を新たに作りたいと思っています。21ページはさらなる拠点性向上に向けた交通ネットワークの整備ということで、特に交通資源をフル活用した持続可能な移動手段の確保。地域の皆さん、住民の足を確保する取り組み。様々な交通手段をフル活用して、地域の持っているスクールバスですとか旅館の送迎バスですとか、もちろん自家用車、様々な交通資源があります。これをフル活用して、住民の皆さんの移動の足、便利な移動の足にしていきたい。そこにデジタル技術をうまく活用することで、可能になることがたくさんあると思っています。あとは地方鉄道、地域鉄道の活性化。それから国際線の運航再開に向けた支援、あるいは新規就航のためのインセンティブ。22ページ目は万代島地区の朱鷺メッセですが素晴らしい施設で、今回もG7の財務大臣中央銀行総裁会議も開催される、大きな国際会議も開ける良い施設ですが、さらにここを機能強化できないかということについて、調査を始めたいと思っています。23ページは教育の関係ですけれども、アントレプレナーシップ教育、起業家精神を養うような教育についても充実させていきたいと思っています。あとは不登校対策のスクールカウンセラーの配置等を進めてまいりたいと思っています。あとは部活動の段階的な地域移行を進めていくわけですけれども、大きな方向はもう国から示されているわけですけども、そのためにかなり環境整備が必要になると思っています。そうしたコーディネーターの配置なども進めていきたいと思っています。24ページ以降はこれまでお話した事をもう1回取りまとめていますので、参考にしていただけたら(と思います)。特に人口減少問題は、我が県が抱える最も深刻な課題ですが、この人口減少問題への対応。特に選ばれる新潟というワーディングをしていますけれども、この選ばれる新潟になるために、先ほどの子育て支援なども含めて、どういった政策、事業を展開するのかを24ページから27ページまでまとめてあります。28ページは行財政改革の取り組みということで、国への働き掛けがうまくいって、地方交付税はここにありますように脱炭素化推進事業債の創設、あるいは公立病院の経営機能強化のための地方財政措置の拡充が実現できました。そして事務事業の見直し等によりまして、もちろん税収の増加ということもあって、先ほど申し上げました一般財源ベースでの40億円の収支改善により収支均衡、いわゆる貯金を下ろさずに予算を組むことができたということです。28ページ、29ページは行財政改革の取り組みをまとめています。30ページは投資(事業)について、先ほどお話しましたけれども実負担をぎりぎり抑えながら工夫することで、地方財政措置が有利な県債や国の補助金などをうまく活用することで、必要な事業量を確保できました。32ページ以下は資料ですので、ご覧いただければと思います。

・資料1-1 令和5年度新潟県当初予算案の概要 [PDFファイル/4.5MB]

・資料1-2 令和5年度当初予算案における主な事業 [PDFファイル/4.34MB]

・資料1-3 令和5年度当初予算案(計数資料編) [PDFファイル/1.13MB]

・資料 「子育てに優しい社会」の実現に向けた結婚・子育て支援強化について [PDFファイル/994KB]

 

(中期財政収支見通し等について)

 資料2が中期財政収支見通しですけれども、これも5ページにまとめています。(新潟県)行財政改革行動計画を定めて、資料2-2がそうですけれども、令和5年度が最終年度です。これに向けて、いろいろなことをこの4年間やってきたつもりです。資料2-2の2ページ目に、先ほどから繰り返し申し上げていますが、決算額、一般財源ベースでワニの口のように開いていたものをようやく閉じることができて、かつ、会社の経理等で言えば利益も出せるようになったというところまで来た。少なくとも、収支相償うところまで持ってくることができたということです。そして、災害等に備えた230億円の財源対策的基金をしっかり確保しながら、もう一つの大きな課題であった公債費の負担が令和13年度にピークを迎えるわけですけれども、そのピークに対応するために積み立てをしておくといいますか、お金を取っておく。そうした取り組みをすることで、山を越えることができる。いきなりあるとき、100億円ぐらい上がる公債費をその年だけで対応するのは不可能で、事前に少しずつ貯めながら対応できるようにしていく。つまり、山を崩すということですけれども、山崩しをやることにして公債費調整分、県債管理基金に積んでいく。それが資料の2-2の左側です。令和9年度末で448億円まで蓄えることができる、積むことができるという見通しが立ったということで、行財政改革の最終年度で、一定程度成果を上げることができたのではないかと思っています。

・資料2 報道資料(中期財政収支見通し等) [PDFファイル/245KB]

・資料2-1 中期財政収支見通し [PDFファイル/2.67MB]

・資料2-2 歳出歳入改革の取組状況 [PDFファイル/1.11MB]

 

(令和4年度2月補正(冒頭提案)予算案について)

 資料3は冒頭補正の部分ですけれども、内容は先ほど一括してご説明しました。当初予算とこの2月の冒頭補正予算は一体で編成しているということでご理解いただきたいと思います。

・資料3 令和4年度2月(冒頭提案)補正予算概要 [PDFファイル/508KB]

 

(令和5年2月議会定例会提出議案について)

 資料4は主な議案の概要ですが、先ほどから説明の中で申し上げています、(新潟県)国際交流推進基金条例、それから(新潟県)子育て等応援基金条例が予算と大きく関係していますが、その他は手数料の改正等の条例改正になっています。2ページ目には冒頭の補正の中で関わってくるものとして、職員の特殊勤務手当で、鳥インフルエンザの殺処分が大変な作業だったわけですけれども、その防疫等の作業手当があまりにも些少であるというのが現状でしたので、これを増額する条例を県議会にお諮りしたいと思っています。また県の病院局の医師確保対策の基金も、ご寄附いただいたものを積み立てる基金を作りたいと思っています。

・資料4 令和5年2月県議会定例会提出の主な議案 [PDFファイル/462KB]

 

(令和5年度組織改正について)

 最後に資料5ですが、組織は今年度、大きな組織改正をしましたので、大きなものはございません。一つは子ども政策室を設置します。子ども政策のまさに中心、頭脳となるところです。それから芸術文化の振興で、これまで県の文化振興財団が行っていた様々な事業や活動を県と一体化しまして、県の中に芸術文化振興室を設置したいと思っています。

・資料5 令和5年度組織改正の概要 [PDFファイル/178KB]

 

質疑

(令和5年度当初予算案等について)

Q 代表幹事(UX)

 行財政改革行動計画策定から最終年度という中で、来年度の収支均衡を保たれたと。あともう一つ、令和13年度に迎える公債費の実負担のピークにも対応できるということですけれども、知事は当初から県民に我慢をという言葉を用いてこられましたけれども、令和13年度までに対応できるとしたその見通しを含めて、何か県民にお願いやメッセージがあれば・・・。

 

A 知事

 お願いではなくてむしろ、本当にこれまでいろいろな関係者にご協力いただいて、職員も給料をカットして協力いただいているわけですけれども、令和5年度までの行動計画の中で、先ほど申し上げた一定の成果を上げることができる見通しが立ったということで、これまでの協力に本当に感謝申し上げたいと思います。ただこの先は、もちろん今見通しが立ったと申し上げましたけれども、当然経済社会の変動はどんなふうになるか、国の地方財政に対する姿勢もどう変わるか分かりません。まだまだ不確実の部分がありますので、引き続き注意深く見ていかなければいけない。先々を見通しながら行動していかなければいけないというところで、そういう意味では引き続き、県民の皆さんには県の行財政というものに関心を寄せていただきたいと思っています。

 

Q 代表幹事(UX)

 令和13年度まで対応できるとした見通しの根拠といいますか、その辺りは・・・。

 

A 知事

 中期財政収支見通しを見ていただきたいのですが、これから5年分を、もちろん一定の条件をおいての見通しですけれども、これで見ればしっかりする。令和13年の公債費の山に対応できる貯金ができるということで、山崩しができますねという見通しが立ってきたという事です。

 

Q 代表幹事(UX)

 もう一つ、今回の新年度当初予算案の目玉として一つ、子育て支援というところがあると思います。現状の新潟県の子育て環境、課題を知事は今どう捉えていらっしゃるかということと、それを受けてどういう子育て環境を目指していきたいかというのは・・・。

 

A 知事

 これまでも子育て支援ということは力を入れて取り組んできていたと思います。従って、先ほど新潟の強みということで、例えば地域の子育て支援拠点。これは市町村のご努力ですけれども。全体ではまさに全国トップクラスの環境を用意している。あるいは保育士の配置などで非常に手厚い、質の高い保育ができる環境をつくってきた。そうしたこれまでの努力を、もっとしっかり伝えていかなければいけないということは、思っているのです。それに加えて今回、結婚から出産、そして子育ての節目節目まで経済的な支援も行うということの中で、質問は結局、子育て支援の政策への思いということでいいですか。

 

Q 代表幹事(UX)

 どういう子育て環境を目指していきたいと。

 

A 知事

 まさに新潟が選ばれるような、そういう子育ての環境がある新潟に行ってみたい。住んでみたい。そこで子育てをしたいと若い世代が思っていただけるような環境をつくっていきたい。まさに全国トップクラスの、子育てに優しい社会を官民挙げて、社会全体でそういう環境をつくるということを目標にしたつもりです。ですから、これから制度設計を詰めますけれども、単純に例えばお金を5万円差し上げましたと。これも間違いなく経済支援ではありますけれども、例えばそこに金融機関と連携する形でひと工夫入れると、まさに社会全体で、先ほどから使っている言葉ですけれども、応援していますというメッセージ、祝福していますというメッセージになると思っています。そうした知恵を出して、職員が本当に去年の秋以降、いろいろと関係者と議論しながら、ここまで練り上げた事業ということになると思います。そして経済支援だけではなく、もう一つ子育て応援プラスと言っていますけれども、子育て環境の部分で、これも既に新潟県は強みがあると思っているのですが、それをさらにもっと良いものにしたい。これもやはり官民挙げてなのです。社会全体で、いろいろな生活の場面で、子育てを応援していますよというメッセージが伝わるような、そういう事業が次々と生まれたらいいなと思っています。

 

Q 新潟日報

 予算全体のイメージとして、二期目で最初の当初予算になるわけですけれども、最も重視した部分は・・・。

 

A 知事

 特別な気負いはないですけれども、今まで申し上げたことを少しまとめて言えば、一つはやはり子育て支援というところ。というよりも、新潟県の成長発展のために重要な取り組みが三つありますと。脱炭素、デジタル、分散型社会ということを常々申し上げてきましたが、この取り組みをしっかり進める予算というところは、非常に意識していました。繰り返して、脱炭素とデジタルとそれから分散型。この分散型社会の形成という中に、大きな要素として入ってくるものが子育て環境だと思っています。それが若い世代に選んでもらえる大きな要素だと思っていましたので、中でも子育て支援というところについては、力を入れた予算であると思っています。

 

Q 新潟日報

 行財政改革行動計画で掲げた、歳入歳出の収支均衡も・・・。

 

A 知事

 二つ目は、行財政改革行動計画が最終年の5年目になりますので、そこで当然ながら一定の成果を示したいというところはありました。予算編成に当たっての、二つ目の視点はそれです。それから三つ目にもう一つ意識したことがありまして、例えば若手の政策提案なども、もう4年やってきていますが、非常にレベルが上がってきていると思うのです。今回7つほどあった提案をほとんど採用しています。少しデフォルメしながらという部分はありますけれども採用しています。去年の秋口からいろいろな政策ディスカッションを庁内でやりながら、予算編成に向けていろいろな知恵出しをしてきたつもりです。そうした職員の創意工夫が予算の中に、自画自賛で恐縮ですけども随分見られるのではないかなと。これまでの事業の拡充、あるいは新規の政策に随分といろいろな工夫が入った事業ではないかなと思います。限られた予算、お金の中でいかに政策目的、事業目的の効果を上げていくかというところを、しっかり考えてもらった予算だと思っています。

 

Q 新潟日報

 まさにそういう工夫という中で、今回のこの子育て支援策も打ち出されたと思うのですけれども、基金を創設して、それを金融機関と連携してやっていく・・・。

 

A 知事

 そうですね。これが一つ今考えている、来年度の早いうちに事業化したいと思っていますけれども、基金を作るということが既にメッセージですよね。子育て支援に力を入れるのだということを、世の中に打ち出しているわけですけれども、それを具体的にどう使うのかが今、最後の制度設計の詰めをしているところです。

 

Q 新潟日報

 最終調整中というところではありますけれども、こういったスキームの事業というのは初めてではないかというところで、かなりインパクトがあるのかなと思いますけれども、やはりメッセージとして強く発信するという意味で、こういうインパクトのある初めての、珍しい取り組みというところは意識されたのでしょうか。

 

A 知事

 正直、何か目新しいことをやろうというよりも、まだここにお集まりの皆さんはそういう世代ではないかもしれませんが、私は子どもがいて、孫がいる世代ですけれども、孫を持ったときによく見聞きされるでしょうけれども、おじいちゃん、おばあちゃんが学資保険をあげるということがありますよね。学資保険はいろいろありますけれども、一番ポピュラーなのはかんぽ生命でしょうか。そこから実はヒントを得ていまして、学資保険も18歳になるまでの節目節目でお祝い金をもらえるという仕組みですけれども、まさにおじいちゃん、おばあちゃんの世代が、子どもが生まれたことを祝福して、子どもの子育てを応援するための仕組みであるわけですけれども、それと同じようなものができないかというところが、発想のスタートです。

 

Q 新潟日報

 来年度中に事業を予算化というところで、歳入は基金ということで今回示されましたけれども、事業化までは最終調整というところで、本当にぎりぎりまで庁内の議論が続いたと思うのですけれども、学資保険がヒントというところがスタートで、相当いろいろ・・・。

 

A 知事

 そうですね。何でも大なり小なり新しい事業はいろいろな課題がありますので、議論をすれば何か新しい課題が出てくるとか、関係者と話をすると、そういう問題が起きるのかとか、今でもその途上ですけれども、もう少しそう意味で緻密に詰めなければいけないところがあります。でもそれを去年の秋口から、いろいろなやりとりをしながら、ここまできたという、そんな感じですかね。

 

Q 新潟日報

 知事自身も少し触れられていましたけれども、今想定されているのは節目で5万円・・・。

 

A 知事

 一つのイメージですけれども。

 

Q 新潟日報

 それで果たして効果がどうあがるかという・・・。

 

A 知事

 もちろん先ほど申し上げたように、5万円をもらうから子どもを一人持ちたいかと、そんな単純なことではないですよね。ただ、何度も申し上げていますが、そこはやはり社会全体であなたの子育てを支援していますよという強いメッセージにはなると思います。

 

Q 新潟日報

 いわゆる現金給付になるわけなので、ばらまきという捉え方もされるかとは思うのですけれど・・・。

 

A 知事

 そうは思いません。ばらまきという言葉自身、ネガティブなイメージを込めた言葉ですから、そういう批判があり得るかどうかは分かりませんけれども、今申し上げたこの事業の思いは、そういう子育てを社会全体で支援するということです。

 

Q 新潟日報

 基金の原資となるのが、売電収入が上がって・・・。

 

A 知事

 そこは一つのきっかけなわけですよね。

 

Q 新潟日報

 今のところ2年間ということで、今後この事業を継続していくに当たって、基金の原資といいますか、どのように運用していくかということが課題としてある・・・。

 

A 知事

 そこはもちろん、しっかり見ていかなければいけないと思います。売電の価格が、特に再生可能エネルギー、水力についてはその価値が当分上がっていくのではないかと見てはいますが、もちろんそうした財政の状況はしっかり踏まえての事業にしていかなければいけないと思います。

 

Q 新潟日報

 知事としては長いスパンでこの基金を・・・。

 

A 知事

 もちろん長いスパンで考えたいです。

 

Q 新潟日報

 今の子育ての、5万円、5万円の(給付)事業なのですけれど、複数年度にわたってということですけれども、知事としてはどれぐらいの期間で継続していこうと・・・。

 

A 知事

 基本的に終わりのない制度で、今新潟県で大体1万2,000人強、1万2,000人から1万3,000人の子どもが生まれているわけですけれども、そうした子どもを持つ家庭に終期なく毎年交付したい、支援をしていきたいと思っています。

 

Q 新潟日報

 細かいですけれども、先ほど知事仰った、できれば来年度の早いうちの事業化という話ですけれども・・・。

 

A 知事

 そうですね。今年の6月議会なのか、それとも9月議会なのか、そんなイメージでいます。

 

Q 新潟日報

 そうしたときにこれだけ注目されたら、いつから対象になるのかとか・・・。

 

A 知事

 それはこれからもちろん詰めますが、できれば年度当初からにしたいと思います。

 

Q 新潟日報

 例えば、年度当初に妊娠が分かった方とか・・・。

 

A 知事

 出生ですよ。妊娠とか出生時には、国と連携して5万円の寄付というはほぼ政策として固まっているわけですけれども、もちろん国の予算が成立しないといけませんが、それのその先ですよ。要するに国の政策にさらに横出しでということですよね。あと国の方は、もちろん児童手当の拡充ですとか、様々その他にも子育て支援は力を入れて今議論が進んでいますので、そういう意味では本当に社会全体で、もう既に全国的に子育て支援の環境整備というのが進んでいるわけですが、その中にさらに新潟県としてオントップで、環境整備をさらに一歩進めたいという思いです。

 

Q 新潟日報

 この人口減少問題で知事も先ほど仰ってましたけれども、分散型社会を目指しますということで、重点的に予算を手当てしたのは2022年度、今年度、要は1年前に発表された予算にはもう既に分散型社会の関係で予算を盛っておりまして、それに続き重点化するのは2年度目になると思うのですけれども、一方で今年度事業やっても、例えば直近の調査、国の調査など見ると、やはり新潟県の人口流出というのは、社会減というのはかなり数自体も多くて、なかなか改善傾向がないと思うのですけれど、その辺りはやはり今回これだけメッセージを出して重点的に事業をやることで、さらにその効果というのは、繰り返しになるのですけれど、どれぐらいだと・・・。

 

A 知事

 効果は期待していますよ。ただ、やはりこういうもの即効いてくるものではなくて、やはり効果が出るまでには一定の時間かかると思っています。ゆっくり効く薬のようなものだと思っています。

 

Q 新潟日報

 あと全体の予算の印象なのですけれども、どうしても知事が就任されて1期目は、やはり財政難がかなり手足を縛ったり、新型コロナウイルスが途中からあってその対応に追われたりして、なかなか制約が多い1期目の中で、今回2期目の初めての予算ということで、かなりカラーと言えばいいのか、知事がやりたいことを反映されているような印象があるのですけれど・・・。

 

A 知事

 あまりそういう意識は私自身にはないですけれどね。割と淡々とやってきたつもりではあります。繰り返しになりますけれど、県財政が非常に厳しいというのは就任して初めて分かったわけで、それの処方せんを作って、この4年間やってきたということに一つの区切りを、これでもう終わりではないのですけれども、一つめどを付けたという思いは確かにあります。だからこれは一つめどを付けたので、また何か目指すところの課題に向かって何かやらなければという気持ちは確かにありました。

 

Q 新潟日報

 今仰った行財政改革に一定のめどが付いたという・・・。

 

A 知事

 めどというと安心してしまうといけないのですけれども、一つ見通しが立ったというぐらいだと思います。

 

Q 新潟日報

 来年度、行財政改革の最終年度でありますけれども、改めて先ほども触れましたけれど、ご自身や職員の臨時的給与削減というのをやっていますけれども、もう来年度で基本的にはやはり終わりということで・・・。

 

A 知事

 気持ちはそうですね。もう4年間という約束でやってきたことなので、それで終わりにしたいと思います。

 

Q 新潟日報

 その後の新たな行財政改革行動計画の、例えば第二弾になるのか、今後の方針は。

 

A 知事

 そこは庁内で議論が既にありまして、毎年決算が出る9月と、それから今の2月にこうした中期(財政収支)見通しなどを発表しておりますので、一つはこの9月のときに今後の財政運営の基本的なスタンスのようなものを示す方がいいのではないかという議論をしています。

 

Q 新潟日報

 先ほど給与削減の話がありましたけれども、この改革の中で各種団体への補助金などもかなり削減したところもあると思います。その辺りも元に戻すことになるのですか。それとも・・・。

 

A 知事

 それはよりその効果が上がるような補助制度に切り換えたというところはあると思いますけれども、それでもう既に制度見直しが終わっているということです。

 

Q 新潟日報

 財政中期収支見通しでも触れられていますけれども、今後の課題になるのは金利の上昇というのもある・・・。

 

A 知事

 そうですね。

 

Q 新潟日報

 この間も会見で聞かせてもらいましたけれど、その辺りの不安要素というのは。

 

A 知事

 そこは非常に注視していかなくてはいけないと思っています。注意深く見ていかなければいけない。ですから、もう終わったわけではないのですということを先ほどから申し上げている。安心してはいけないのですと。引き続き、健全な行財政ということを意識して取り組まなければならない。従って、そういったスタンスをもう少し示すようなものがやはりこの行財政改革行動計画に代わるものとして、いるのではないかという思いはありますということでありまして、もう自由になりましたということでは決してない。仰るように、まだ見通せない不確定要因がたくさんありますので。経済情勢は常に変動していますので、しっかり注意深く見ていかなければならないと思います。

 

Q 新潟日報

 投資的事業なのですけれども、公債費負担適正化計画で毎年度キャップがはめられている中で、金利が上がってしまうとできる事業も減ってしまうというのもあると思うのですけれども、そういう意味だと金利が上がると、要は公共工事の安全・安心につながる部分も減っていく可能性もあるのでしょうか。

 

A 知事

 もちろん。金利が上がることの影響というのはまだ分かりません。一方で、金利が上がるということは経済が非常に元気になっている部分もあるので、たぶん県税収入も伸びる要素があります。従って分母も増える可能性がありますので、その辺を注意深く見ていかなくてはいけないと思います。

 

Q 新潟日報

 必ずしも金利が上がるので、県にとってマイナスというわけではないと・・・。

 

A 知事

 そうですね。そこは分からないです。一つは分子に与える影響というのはすごくある。公債費が上がってきますのでもちろんあります。実負担が増えていく部分はもちろんありますし、一方で分母に与える影響もありますので、それは定期的に見通しを立てて、健全な行財政運営に努めていくということだと思っています。

 

Q 朝日新聞

 5万円、5万円の定期預金も含めた子どもを育てる新しい経済支援の所得制限については、一定の高い所得の人は、これからはじくというような所得制限についてのお考えはいかがでしょうか。

 

A 知事

 今の段階では考えていません。最終的な制度設計の詰めをしていきますけれど、所得制限を入れたりすると事務的にも非常に煩雑になっていきます。制度的にも複雑になっていくという部分もありますが、そもそもの考え方として、社会全体であなたの子育てを応援していますよ、祝福していますよというメッセージというふうに捉えると、それは誰に対しても子どもを持った全ての方に対して、そういうメッセージを届けたいと思っています。

 

Q 朝日新聞

 その関連ですけれども、特に国の児童手当の所得制限をどうするのかという議論の中でも、やはり知事が仰ったように社会全体で子育てをするのか、あるいはやはり一義的には家庭が責任を持つのかという論点があると思います。そこを踏まえた上での知事として、社会全体での子育てというのを重んじられるという・・・。

 

A 知事

 そんな抽象的な議論をやっても私はあまり意味がないと思います。とにかく子どもを持つことは、みんなが祝福しているのだと。みんながそれを支えてくれているのだという両親の気持ちを作ってあげたいということなのですよね。子どもを持つことはいいことなのだという環境をつくってあげたいという極めてシンプルな発想です。

 

Q 日刊工業新聞

 資料1-1の2ページを見ますと、産業構造の転換と書いてあります。予算の字面とか金額とか見ていますと、構造の転換という少し言い過ぎかなという印象もあるのですけれども、知事の産業構造の転換というどういうイメージというか、ロードマップというのはどういうお考えなのかというのが一点目。その上で今回の予算の編成に当たって、産業政策の目玉がどの辺になりますでしょうかというのが二点目です。

 

A 知事

 そうですね。構造の転換点というのは少し言葉が強いかもしれませんね。従来使ってきて、そのまま使っている感がありますね。よく付加価値の高い産業構造を目指すとか、そういう言い方をしています。要するに中小企業が多い新潟県の産業構造の中で、なかなか価値が取れない。どうしても下請け的な企業が多い中で、付加価値を取れる産業構造にしていきましょうという思いを込めた言葉であったということで、それをそのままある意味で使ってきているということであります。予算の中で、そういう産業構造を見直してというところにつながるような目玉は何かありますかというところは、これは多分私が就任以来、この4年半余りやはり起業・創業とか新しいことにチャレンジする環境にしていく必要があるのだとずっと申し上げてきたのですけれど、そうした新しいことに挑戦する、それを応援する産業界というか、そういう環境エコシステムというところをつくっていきたい。それにつながる政策がやはりスタートアップ拠点の、これまでであれば整備であったし、これからもスタートアップ拠点を核として、スタートアップ、要するに起業・創業したばかりの歩き始めた企業と、そして県内企業の新たな連携や協業を促す取り組みに2,000万円ぐらいで、金額としては大したことないかもしれませんけれど、予算を付けていますけれども、オープンイノベーションという言葉を使って、これは非常に効果を期待している事業であります。あるいは農林水産業も園芸振興と言ってきたのも、ある意味では稼げる農業、成長産業としての農業を目指す中で、要するに稼げる、儲かる農業をやっていきましょうということの支援、取り組みでもあったわけです。引き続き、多くのお金を付けて園芸振興には、関係者と一緒に取り組んでいきたいと思っています。その他、園芸に引き続いて水産、そして林業も戦略を作りましたので、こうした政策はもう明らかに先ほど申し上げた産業構造を付加価値の高いものにしていく取り組みにつながっていると。ある意味で、新しいことへの挑戦を後押しする政策、事業と言えると思っています。

 

Q 日刊工業新聞

 車がEVになっていくと部品が減って、県内の中小企業への打撃が大きいのではないかなという心配の声あるのですけれども、そういう意味でスタートアップと仰いましたけど、既存企業の新規事業の挑戦、それも織り込んでいる・・・。

 

A 知事

 そうですね。県内企業とスタートアップと新たな連携というところ、14ページを読んでいただきたいのですが、県内企業やものづくり企業が新たな技術開発、新分野参入などを促進するためというところ。狙いは県内企業の革新でもあります。もちろんスタートアップの支援でもあります。両方一緒に。これを結び付けると大きな効果を生むのではないかと。

 

Q 新潟日報

 子どもの給付金についてお尋ねしたいのですけれども、先ほど知事は、金融機関によっていろいろなオプションが組めるのではないかという・・・。

 

A 知事

 期待を言っただけで、今は制度設計中ですから。

 

Q 新潟日報 

 イメージとしては、県内全ての金融機関が関わっていくような仕組みなのでしょうか。

 

A 知事

 そうなれば一番いいのですけどね。これからそこはまさに協議を進めていかなくてはいけないところですよね。

 

Q 新潟日報

 給付金を給付する時期なのですけれども、2歳ごろから5歳ごろと意図をお尋ねしたいのですが、やはりお金がかかる時期はもう少し高等教育に進んでからだという指摘もあると思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

 

A 知事

 それは国の政策全体の中で、例えば高等教育の無償化とか順次進めてきていると思いますね。それはこの政策だけで何か解決できるものではなくて、いろいろな政策なり、もちろん国の政策や市町村の動きなども合わせての問題だと思います。

 

Q 新潟日報

 その中で県としては、入園と入学に・・・。

 

A 知事

 そうですね、だから妊娠、出産と来たので、次は入園とか入学とかの節目節目をイメージして今、制度設計を進めているというところです。

 

Q 新潟日報

 その先というのは、また市町村や国という・・・。

 

A 知事

 義務教育に入った中で、あるいは高校の授業料の無償化とか、大学での給付型の奨学金とか、いろいろな支援制度はできていると思います。

 

Q 共同通信

 同じく子どもの支援金の話を伺いたいのですけれども、保育園の入園タイミングは結構まちまちだと思うのですけれども、これは一律で2歳ごろにされる予定・・・。

 

A 知事

 今は定期預金をイメージしてご説明しているので、2年なのか3年なのか分かりませんけども、2歳ごろということを申し上げたのです。

 

Q 共同通信

 引き落としできるタイミングというのは、0歳で入園されるパターンでも大体2歳ごろに設定されるというお考えで・・・。

 

A 知事

 定期預金が満期になる。2年定期だったら、2年後ということですよね。それを受け取った日からですよね。

 

Q 新潟日報

 子育て基金についてご説明されていたと思うのですけれども、例えば商品券とかではなくて基金を作って、最終調整中だと思いますけれど、定期預金として、学資保険がヒントだというということですけれど、商品券とか現物とかそういうものではないところの思いというのは。

 

A 知事

 それはいろいろな考え方あると思うのですよね。でも、先々本当にお金が必要になるときにそのタイミングで現金が届くということは、人によってお考えが多少違うかもしれませんけれども、先にもらってしまうとひょっとしたら、何に使うか分からないというところもあるかもしれないという中で、まさに子育てに使っていただく可能性が上がるのではないでしょうか。

 

Q 新潟日報

 中期財政収支見通しの財政の状況で、先ほどもお答えにはなられましたけれども、新潟県の財政状況というのは、繰り返し仰っているかと思いますけれども、まだまだ金利の上昇とか不確定なものに対応できる余裕がない状況と見ていらっしゃる・・・。

 

A 知事

 そうですね。そんな強い体力があるとはとても思っておりません。

 

Q 読売新聞

 中長期的な取り組みで、今まで新型コロナ感染拡大に入ってから知事はずっと三つの柱を言われていたと思うのですが、今回新たに子育て環境整備を出されたという、このタイミングというのは、全国的にこの子育て支援という動きが強まっているところもあるかと思いますし、もしくは子育ての環境といいますか、切実さみたいなものが出てきているのか、もしくは県の方のこの行財政改革で一定の道筋というお話もありましたけども、そういったことも踏まえてというところでしょうか。

 

A 知事

 三つの柱の中の分散型社会の形成というところは、これは前から申し上げている人口減少問題への対応というところでもあるわけで、その人口減少問題の対応という中に、若い世代が新潟を選んでもらうということを言ってきたわけです。その選んでもらうためには何が必要かと考えたときにやはり子育ての環境だと。生活するのなら、子育てするなら新潟でと考えてもらえるような事業が必要ではないかというところに、ディスカッションの中から、そういう方向感が出たということなのですよね。もちろん結果として、今、非常に国も、こども家庭庁等を作るとか、子どもということに対して世の中の関心も上がってきているというのも、もちろん背景には議論の一定の方向の中であったのかもしれません。あるいは、それからこういうお金が出るということも、新たな財源として期待できるものが出てきたというところも後押しになっているのかもしれません。ただ議論のスタートとしては、選ばれる新潟づくりというところから入っています。

 

Q NHK

 予算に盛り込まれている3つの検証の総括検証委員会の関係で、検証総括委員会開催に向けての予算を付けていらっしゃるので、これも池内委員長の任期をどうするのかという議会議論になるのかなと思うのですけれども、以前の会見の時に、膠着状態が続いた場合、一定の判断を示さなければならないという話をされたのかなと思うのですが、これやはり議会答弁の中で一定の方向性を示すというお考えなのか・・・。

 

A 知事

 当然、ご理解いただけるように検証の総括委員会を開いていただけるようにお願いしたいと思っています。

 

Q NHK

 3月末の任期のタイミングというのはぎりぎりという理解で・・・。

 

A 知事

 そうですね。

 

Q NHK

 今朝の一部報道で、副知事人事の関係で、佐久間副知事が7月任期ですが、4月で退任という報道がありましたけれども、これについても人事案は。

 

A 知事

 それは憶測の報道ですので、しかるべきときに、お話したいと思います。

 

Q BSN

 知事が掲げていらっしゃる三つの柱のうちの一つのデジタル化について、個別の政策のところで伺うのですけれども、へき地におけるオンライン診療のモデル事業ということが掲載されていまして、このへき地の医療過疎ですとか、問題が非常にあると思うのですけれども、これは最終的にもう県内全域で県としても広められたらと・・・。

 

A 知事

 そうですね。今年度はそういうモデルという、どういうやり方が遠隔医療ということで有効かという調査をやってきている中で、訪問看護ステーションなどをうまく活用していこうという一つの実証事業になると思います。これはうまく機能するということが確認されれば、全県に展開したい。そうした試みだと思っています。

 

Q BSN

 オンライン診療で診療ができれば、助かる患者さんは非常に多いのかなと思うのですけれども、モデル事業から始められて、今後県内に広がっていくという見通しがあるとすれば、オンライン診療への期待を・・・。

 

A 知事

 オンライン診療と言っているのは、オンラインでやること自体、もちろんそこが従来ないところというか、これまでもあるのですけれども、それがうまくワークするためには、ここのポイントは看護師を介在させるということなのですよね。例えば、ご家庭で本人が機器の扱いに習熟していれば、ご本人がネット環境をちゃんと整えて、お医者さんところに、遠隔診療、ネット診療を申し込めばいいという議論も、もちろんそういうことをやれる人もいると思いますけれども、ご本人はとてもそういう知識がないとか、そこを動けないとか、そこに家族が助ければいいという、それも期待できないケースもある中で、一定の医療行為ができる看護師が訪問して、その現場にいて、医師とオンラインでつないで、医師の指示のもとに一定の医療行為ができると。この仕組みが最も効果的ではないかという、果たしてその通りかどうかというのを実証事業でやっていきたいと思います。

 

Q BSN

 デジタルで、教育のところにも予算が付いてらっしゃいました。デジタル採点システムというのがありましたけれども、これのイメージ、マークシートですか。デジタル改革の実行の行政のDXというところ、個別の事業のところで恐縮なのですけれども、テストの採点とか集計をデジタル化するというところがあって。8ページです。

 

A 知事

 具体的な問題であれば、この後のブリーフィングで確認していただけますか。

 

Q BSN

 林業の方にも予算を割いていらっしゃると思うのですけれども、林業の担い手不足というところには、知事はどういうふうに課題を抱えていらっしゃると思いますか。

 

A 知事

 林業の担い手不足という(問題は)極めて深刻だと思っています。そもそもそういう伐採をする施業者にもっともっと活動を活発化してもらいたいと思っているわけです。人がいないからなかなか活動ができないのだという議論と、鶏と卵のようなところがあるかもしれませんけれども、施業を活発化させる、活性化していくためには、人の確保が必要であり活性化すれば、人もまた集まってくるというところもあると思います。そのために、川上から、川上というのは森林の伐採の施業のところ。川中の、それを製材する(ところ)。そして川下のハウスメーカーなどそれを実際使う(ところ)。この川上から川中、川下までのつながりを強くしていこうと。それが今までの新潟県には欠けていた、弱かったという反省のもとに基本戦略を作ったわけです。関係者間のつなぐプロジェクトというものを今年度から展開している。それをさらに来年度は推し進めていきたいと思います。それが最終的に担い手の確保につながっていくと思っています。

 

Q BSN

 学校の採点にデジタルを導入するですとか、そういったところで、今学校の方でも、ICT教育ですとか、デジタルもだいぶ取り入れて、いろいろやっていると思うのですけれども、学校でデジタル採点ができるとなれば、職員の負担だとかも減っていくという方向になると思うのですけれども、その辺り学校で教員の方が抱える負担とか、それに対して軽減するだとかというところへの知事の施策への期待をお願いします。

 

A 知事

 この施策は、多分、間違いなくそういう効果を期待していますよ。教員の働き方が非常に負担が重くなっているという中にあって、そうした事務的な部分をデジタルの技術を活用する中で、負担軽減できると思います。期待をするところですね。

 

Q UX

 新潟空港の活性化について、いくつか予算が付いていると思うのですけれども、新潟空港の活性化に向けた予算計上の狙いと、今後の課題みたいなことを伺えますでしょうか。

 

A 知事

 空港に関しては、空港そのものという、航空ネットワークの充実というところは、これまでもやってきたいろいろな各種のインセンティブの事業などが中心で、空港そのものの将来構想をにらんだ、何か手を入れていくべきというところは、具体的に何か事業が立っているかな。

 

Q UX

 空港そのもののハードとかではなくて、ネットワークの・・・。

 

A 知事

 ネットワーク充実というところは、例えば新規就航する事業者へのインセンティブとして、使用料の補助をしますよとか、広告宣伝費を応援しますよとか、それはこれまでもやってきたことで、それをもっと規模を拡大したり、対象を広げたりとかということはあると思いますけれども、新規のものは、今思い当たるものがないです。

 

Q UX

 一応、国際線の新規就航、運航再開に向けた取り組みが拡充・・・。

 

A 知事

 拡充ですよね。

 

Q UX

 (拡充)になっていたりするので、そういったところも含めて、こう予算・・・。

 

A 知事

 ですから、今までもそういうインセンティブを付ける制度があったのですけれど、それを今度、対象を広げるとか、手厚くするとか、それは今回盛り込んであると思います。

 

Q UX

 トキエアの就航もあるので、そういったところの空港活性化の期待とか・・・。

 

A 知事

 それはもう言うまでもないというか、新潟空港の活性化ということはずっと課題として考えています。どうしたら活性化できるか、より多くの航空ネットワークが張られて、多くの人が行き交う空港になれるかというところで、いろいろな工夫をしてきているものの一つだと思いますけれども、それはやはり地域経済の大きなインパクト効果というものを期待しているところであります。新規のトキエアもそうですし、国際路線でも新たな就航を考えているエアラインがおいでですので、そうしたところを後押ししていきたい、あるいは引っ張り込みたいと思います。

 

Q UX

 公共交通全体の話で言うと、トキ鉄(えちごトキめき鉄道)への投資であったりとか、なかなか厳しいかなと思う予算計上もあったりするのですけれども、知事としては、今回の予算に限らずというか、これからの地域交通ネットワーク全体として、どういうふうにしていきたいと思われますでしょうか。

 

A 知事

 非常に抽象的なご質問ですけれど、交通というものについての思いは、私自身も仕事で、何十年も携わってきたということもあって、交通ネットワークの充実というところは、すごく意識しているつもりです。基本的にその事業者を保護するという発想はないと言ったら言い過ぎですけれども、そういう観点ではなくていかに地域の人たちが、あるいは観光で来る人たちが便利なものになるか、利便性の高いものになるか、質の高いサービスを受けられるかというところを考え方の基軸にして、この問題に取り組んでいきたいと思っています。例えばローカル線の問題などは、これはもちろん会社経営などとも当然絡んでくる話で難しいのですけれども、本当に地域の皆さんにとって、どういう形が望ましいのか、生活が便利になるのか、活動が便利になるのかという、それに資する交通の形態、システムはどうあるべきかというところをしっかり地域の皆さんと考えていきたいと思っています。もちろん鉄道の場合は、特にやはり全国的ネットワークという議論があるので、つながっているということの価値をどういうふうにそれを評価するか。その価値を維持するのに、誰がお金を出すべきなのかとか、そうしたらもう当然、国の政策などと大きく関わってきますので、そこは全国知事会の動きなどもにらみながら、考えていかなくてはいないと思っています。

 

Q UX

 仰ったように地域の足を確保するというのと、一方でその投資したお金が1.5倍とかというふうに返ってくるような、その、いわゆるB/C(ビーバイシー)評価で、1を超えてくるみたいなそういう投資ばっかりではない部分の難しさと、そういう悩みというものもあるのかなというふうに行政でも・・・。

 

A 知事

 それは公共交通の議論をやると常にありますよね。投資効果、そのB/Cの議論は、公共事業などでも、今や定着した考え方ではありますけれども、どこまでそのベネフィットの部分を考えられるかというのは、いろいろな意見ありえますよね。その効果の部分ですよね。(効果を)どう計算するのかというのは、なかなか数字だけで議論できないような感情的なものも情緒的なものもあるような気がしますよね。

 

Q UX

 やはり野放図にというのが、知事の問題意識として・・・。

 

A 知事

 これまでそういった行政に携わってきた人間としては、一方でそれはあります。それはわがままなのではないのですかというような感情もありますよね。ですから、この問題は非常にセンシティブで、判断が難しいテーマだと思います。大なり小なりそういうところは、他のいろいろな課題でもあるのですけどね。例えば、高等学校の再編統合などにも感情、情緒的なところは当然ありますよね。そうしたものをどういうふうに忖度していくのかというところは、難しい課題ですね。

 

Q UX

 今回の予算で特にそういうのが・・・。

 

A 知事

 来年度予算の中で、それは予算の問題というよりも、個別の問題の解決、取り組みに当たって起きてくる問題だと思います。

 

Q 新潟日報

 デジタル化の関係で、教育の遠隔授業の推進についてお伺いしたいのですが、今、国の事業を活用して、既に一部地域の県立高校でやられているかと思うのですけれど、今回は新たに全県の実施に向けて準備を始めるとあるのですが、かねてから知事は、今ほどのお話ではないですけれど、学校の統廃合について、こういった遠隔授業を活用することで、回避の可能性もあるのではないかということで、お話があるかと思うのですけれど、今回、全県実施に向けて、より一層進めていくという方針が示されたのかなと思うのですが、その辺の思いだとか期待感とかは。

 

A 知事

 たびたびこういった場でお話しておりますので、繰り返しになるかもしれませんけども、やはり小規模校であっても、その子どもたちの学びを保障してあげられる質の高い教育をちゃんと提供できる環境をつくってあげたいというときに、このデジタルというのは非常に有効な手段だと思っています。最大限活用して、そうした地域の小規模校でも、子どもたちが良い教育を受けられるように、そういう環境を目指していきたいと思います。

 

Q 新潟日報

 一方で小規模化が進むと、今、中学校でやられていますけども、部活動が維持できなくなってしまうだとか、学校行事の面だとか・・・。

 

A 知事

 ですから、地域移行という方向になるわけですよね。学校教育の中でやりきれなくなると、それはもう少し広い地域で、子どもたちのスポーツ活動を支えていこうということです。地域でスポーツを進めるというのは、それはそれでまた別の良さもあるわけですよね。もちろん学校でそういう部活をやることの学校教育の良さあるのですけれど。なんにせよ、そこは良さをできるだけ生かし、マイナスをできるだけ減らす努力は関係者でやっていくしかないということですかね。

 

Q 新潟日報

 県立高校でも小規模化が進んで、なかなか部活動でも団体競技ができないとことか、そういう競技もあるかなと・・・。

 

A 知事

 そうなのですよね。二つの学校が一緒になってやるとか、そういうことをせざるを得ないですよね。

 

Q 新潟日報

 そういった問題もこの遠隔授業で・・・。

 

A 知事

 スポーツ活動みたいなリアルなものに、この遠隔が直ちに何か効果を持つことは少し難しいように思いますけれど、授業というところでは非常に有効な手法になるのではないかと期待しています。

 

Q 新潟日報

 組織改正について、今回それほど大きなものはないということだったのですけれど、子ども政策室が作られて、今回の目玉であるこの子ども政策を中心にやっていくのだと思うのですけれども、改めてその狙いだとか、県庁として・・・。

 

A 知事

 狙いというか、子ども政策を企画し、調整して、実施していくというところで、司令塔になる組織だと思います。

 

Q 新潟日報

 先ほども質問があったのですけれども、三つの検証の総括等という予算は、新年度の4月以降に(検証)総括委員会を開く費用という理解でいいでしょうか。

 

A 知事

 積算の詳しいことは後で部局に聞いていただけますか。

 

Q 新潟日報

 4月以降にも総括委員会を開くことを念頭に置いてということでしょうか。

 

A 知事

 とにかく今は、年度内に開くことに向けて最大限の努力をしている最中ですので、その先のことについては今、見通しが立たないですね。

 

Q 新潟日報

 4月以降に総括委員会が仮に開かれるとして、そのときは池内委員長かどうかというのはどうでしょうか。

 

A 知事

 ですから、年度内に開いていただきたいということで調整しているところですので、その先のことを語るタイミングではないですよね。

 

Q 新潟日報

 子育て応援定期預金の関係で、社会全体で子育てを応援しているというメッセージを発するものだという位置付けもよく分かりますし、知事が仰ったように基本的に終わりがない事業なのかもしれないのですが、とはいっても事業なので、始める以上は目指す社会像ですとか、こういった時点になったらゴール、成果が出たと評価できるのではないかといった、漠然としたイメージかもしれませんけれども、知事として、この事業を始めて成果が出たと言えるのはどんな社会になったときだとお考えでしょうか。

 

A 知事

 一つ分かりやすいのは、実際に子育て世帯が増えるということでしょうね。

 

Q 新潟日報

 それは指標の一つかもしれませんけれども、合計特殊出生率が上向くとか・・・。

 

A 知事

 その指標もあるでしょうね。いずれにせよ、私は出生数が増えるというところは分かりやすい指標だと思いますが、それを別な形で見るのが合計特殊出生率という考え方もあるでしょうし、あるいは社会移動の数字の中で、20代や30代が増えることなども政策の効果を検証する指標になるかもしれませんね。

 

Q 新潟日報

 社会全体で応援しているというメッセージ、県民全体で子育てを応援するという機運を醸成していくために、令和5年度で新たに取り組むというようなイメージがありますか。

 

A 知事

 そうです。

 

Q 新潟日報

 具体的に、県民運動というと少し言葉が違うかもしれませんけれども、県民全体に気運を醸成していくために、知事から県民に向かってどんなメッセージを出したいですか。

 

A 知事

 ですから、選ばれる新潟を目指しましょうと。若い世代に新潟に住んでみたい、新潟で子育てをしたい、子育てをするなら新潟だと言ってもらえるような、そういう環境をつくっていきましょうということを県民の皆さんに呼びかけたいです。

 

Q 新潟日報

 地域医療の関係ですと、目玉はオンライン診療のモデル事業だと思うのですけれども、働き方改革等も迫っている中で、働き方改革の支援事業に関しては前年度と同じぐらいの予算が積まれていますが、その辺りの危機感といいますか、知事としてどうにかしないといけないと、今回の予算には反映されていますでしょうか。

 

A 知事

 項目としては立っていますが・・・。

 

Q 新潟日報

 前年度と同じぐらいになっていますが、特に新規事業等はあまり見当たらない・・・。

 

A 知事

 そこに直接関わってくる新規や拡充というのはないのかもしれません。働き方改革も非常に広い言葉なので、例えば育児休暇の支援制度などは拡充しているものがあったと思うのですけれども、そうしたものも働き方改革につながる部分ではあるかもしれませんね。

 

Q 新潟日報

 地域医療の関係で、県央基幹病院を中心とした県央地域の医療再編の項目が多いように感じるのですけれども、周産期医療再編に伴う妊婦支援事業というのは・・・。

 

A 知事

 これは産科の配置を全県的に考えていかざるを得ない中で、仮に産科がなくなるような地域が出てきたときに、妊婦が産科に行く負担が増えるわけですよね。そうしたものを応援することで、産科の全県的な最適配置を後押ししていこうという事業です。

 

Q 新潟日報

 産科医を一気に増やすことはかなり難しいということが表れているのかなと・・・。

 

A 知事

 それはそうですよね。少し想像していただくと、ある日突然、産科医が何十人も増えるということはないので。

 

Q 新潟日報

 こういったところでカバーしようという・・・。

 

A 知事

 そうです。こういう形でのカバーもあり得るのだと思います。

 

Q 新潟日報

 鳥インフルエンザ対応について、今回、市町村など職員の負担に対する目配りといいますか、措置が入っていると思うのですけれども、知事としても、やはり今後もいつ発生してもおかしくない状況の中で、より持続可能な体制を作っていく必要性を感じているところでしょうか。

 

A 知事

 それは既に農林水産省等、国に要望しています。新潟県のみならず、北海道東北地方知事会の形でも要望しています。青森県も大変な殺処分をしたわけで、そうした経験の中からもう少し国の支援、人的な支援も財政的な支援もお願いしたいと思っています。

 

Q 新潟日報

 今回22億円の予算を計上されていて、おそらく既に発生している3件で必要となる額を積み上げたという部分が大きいと思うのですけれども、この22億円の規模感はやはりなかなか大きな規模になったという印象でしょうか。

 

A 知事

 規模は大きいですよね。もちろん国からの補助金等が入ると思いますけれども、概ね2分の1だと思いますので。

 

Q 新潟日報

 脱炭素について、2050年のカーボンゼロ達成に向けて、2030年に2013年度比で(温室効果ガスを)46%削減するという目標を立てています。昨年公表された数字では23%ぐらいまで排出量の削減が進んでいたかと思うのですけれども、知事の感触としては、さらにスピードアップが必要なのか、それともこういった予算の政策を打っていって、今のペースで46%を十分達成できるという分析なのか・・・。

 

A 知事

 そこは私自身も今経験がないですね。確か20数パーセントまで進みましたよね。正確な数字は少し記憶にないのですけれども。半分ぐらいまできたのは事実です。ただここから先、半分まで来たから後の半分も同じようにいくかは、そうとは限らないですよね。残るほどハードルが上がっていくようにも思います。そうすると、もう一段ギアを上げないといけないという感覚も持っています。今回、例えば新潟県版の雪国型ZEHを大きく後押ししていこうと思って予算を付けていますし、公共施設、県の施設からPPAモデルで太陽光の導入促進ということで、やれるところはとにかくやっていこうという姿勢で臨んだ予算です。効果を見ながらもう一段、どんなことがやれるのか考えていかなければと思っています。

 

Q 新潟日報

 県民一人一人が意識を変えて・・・。

 

A 知事

 そうですね。それは新潟県に限らず、全国的に言われて久しいのですけれども、日々の生活なり行動の中で、省エネや脱炭素を意識して具体的な行動につなげてもらうというのは、お金の問題というよりも、意識改革はすごく難しいですよね。お金を積めば意識が変わるのかと、そんなことはない。もちろん、そういう啓発活動をしっかりやるということかもしれませんけどね。

 

Q 新潟日報

 一つの意識の変え方として、住宅についての補助を手厚くして・・・。

 

A 知事

 そうです。これは明らかに効果が出ますので。特に新潟は暮らしの中で出てくるCO2は、やはり冬季の暖房なのですよね。これは新潟県の排出量の中のポーションが大きいので、ここに手を入れるというのは合理的な考え、政策事業だと思います。

 

Q 新潟日報

 2030年の目標に達する、大きい成果を生む政策であると期待されている・・・。

 

A 知事

 期待していますが、検証しながら次の手をまた考えなければいけないかもしれませんね。

 

 

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。

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