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【柏崎】観光地域づくりの活動紹介(柏崎観光地域づくり人材育成塾 塾生インタビュー)第5回

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0181157 更新日:2019年5月29日更新

 柏崎地域の広域的な観光振興に取り組んでいる柏崎地域観光推進協議会では、新しい柏崎地域を担う人材を発掘するため、「柏崎観光地域づくり人材育成塾」を開講しており、参加している塾生は、柏崎地域を何とか盛り上げたいと熱い気持ちを持って、活発な活動を展開しています。
 「柏崎観光地域づくり人材育成塾」では、平成30年度、公益財団法人 内田エネルギー科学振興財団の助成を受けて、塾生が、柏崎地域で観光・交流分野の先駆的な活動をしている若い事業家に、事業に対する考え方、地域とのつながり、生き方などについてインタビューし、情報発信する取組を行っていますので、ご紹介します。

(リンク)広域的な観光推進に取り組んでいます(柏崎地域観光推進協議会)


(第5回)「菓子工房やしろ」 矢代 愛[やしろ あい] さん

 柏崎市出身。高校卒業と同時に家業を手伝い始める。2000年20歳の時にジャパンケーキショー金賞受賞。2003年ジャパンケーキショー一般部門で銀賞受賞。現在は、菓子工房やしろの二代目として地元食材を活用したここでしか食べられないスイーツ作りに力を入れています。
(インタビュアー 橋本 和明 [はしもと かずあき]さん)  菓子工房やしろ 矢代愛さんの写真 菓子工房やしろ 矢代 さん

家業を継ぐ気は全くなかった

――最初から家業を継ぐつもりでいたんですか
矢代 全くありませんでしたね。東京に憧れがあったから出ようと思ったんですけど、家業の人員がどうしても足りなくて、高校を卒業したら手伝うことになったって感じですね。  
 ずっと親の後ろ姿を見てきて、初代だからすごく苦しい姿も見てきたし、夜中まで働いて朝早くからおにぎりを食べながら工房で働いていて、それを見てたらどうしてもやる気にはなれなかったですね。日曜日もどこにも連れてってもらえなかったし、すごく寂しかったんです。
 なので、私は絶対この職につかないで土日休みのある普通の仕事に就いて、温かい家庭を作りたいって夢見てたんですね。でもどうしても人員が足りなかったから嫌々ながら始めたって感じでした。

やる気になれば嫌いでも道は拓ける

――その嫌だった気持ちはどこから変わっていったんでしょうか
矢代 最初はもちろん「もっといろんなところを見たかったのに。いろんな人に出会いたかったのに」って思ってたんですけど、でも、嫌々ながらも作っていくうちに「どうやったら作業が早くなるか?」とか色んなことを考えて働いていくうちに少しずつ楽しくなってきて、自分の中でも「ここしか自分はもうないんだから、なんか楽しみを見つけよう」とか「考えられることをやっていこう」って思うようになっていきましたね。
 その中でも一番大きなキッカケは20歳の時に父親に「ジャパンケーキショーのジュニア部門で出てみないか?」って誘われたことですね。私は高校を出てすぐに働き始めたので、製菓学校も出ていないし、周りのことも何も知らない、自分の技術がどの程度のものかもわからないという状況で自信なんてなかったんですけど、本を見たり父親からアドバイスを受けながらショーを目指したら銀賞に選ばれたんです。
 その時「あぁ人間死ぬ気になれば、やる気になれば、嫌いでもなんでもそれなりにできるんだ。こんな自分でもできるんだから大嫌いからでも道が拓けることがあるんだ」って思ったんです。そこから少しずつ気持ちが変わり始めましたね。

小さな自分の成長が嬉しい

――仕事をしていて楽しいと感じるのはどういう時ですか
矢代 ほんとに小さいことなんですけど、イチゴのヘタ取りが早くなったとか、この飾り付けが早くできるようになったとか、そんなほんと小さなことですね。そんな小さな自分の成長から、毎日やっていると出来るもんなんだなぁって思えて嬉しいですね。

スイーツを通して柏崎を盛り上げたい

――柏崎の他の商品や企業さんとたくさんコラボしていますね
矢代 やっぱり柏崎を盛り上げたいっていう気持ちからですね。最近の柏崎は今まであったお店がたくさん潰れていってるじゃないですか。コラボはとても労力を使うし大変です。お互いの意見が一致して動くまでに時間が掛かります。自店だけの発信でいいってやり方もできるんだけど、でも、それだけだと楽しくもないし、面白くもない。それに、いろんなとことコラボすることによってお菓子を通してこんなに柏崎で頑張ってるんだよって伝えることができるし、強くなれると思うんです。

「ここじゃなきゃ食べれない!」を目指して

――お店のコンセプトは?
矢代 お店のコンセプトは、「新潟でもっと手作りプロジェクト」といって柏崎の素材を使った地産地消の取り組みを進めてます。ケーキ屋さんってどこにでもあるじゃないですか。だからそれじゃあ、これからはダメだろうなと思って柏崎にあった素材をスイーツに取り入れて、ここじゃなきゃ買えない、ここじゃなきゃ食べれないっていう商品を考えて販売しています。例えば、マコモダケとか青大豆きなことかイチゴとかいろんな柏崎の素材を使わせてもらってますね。
 地産地消も柏崎を盛り上げていこうという思いで、スイーツを通して柏崎のいいもの美味しいものを紹介していければなあと考えてます。意外と地元の人も地元の特産品を知らなかったり食べてなかったりするので、そうしたキッカケづくりにもなればいいなと思っています。
――特にこだわっているのは、どんなことですか
矢代 私はケーキ屋さんらしい部分も好きなので、同業者とかケーキ好きな人に、美味しいのは当たり前なのですがデザインの良さを魅せたいっていう想いはありますね。今は写真を撮ってSNSにアップしたいって人も多いですし、全国にパティシエの人はたくさんいるのでそうした人たちに負けないように、ケーキ職人としてデザインにはこだわっていますね。 菓子工房やしろのドーナツの写真

もっとお客さんを喜ばせたい

――今後の展望や目標は?
矢代 これは理想ですけど料理人の方が朝に市場へ行って、「今日はいい食材が入ったから、これで今日のお客さんに振舞おう!」ってことがケーキ屋さんで出来たら凄くいいなあって思いますね。東京とかではバーみたいにお客さんの目の前でスイーツを作ってワインと一緒に楽しんでもらうって感じのお店はもうあって、そんな動きとか匂いが感じられてお客さんに喜んでもらえるようなことが出来たらなあとは思いますね。まぁケーキ屋さんはこういうものだっていう従来の考えが定着してしまっているので、すごく大変なことだなあと思うんですけどね。

嫌いだから続けられた

――仕事を続けてきて、いま感じていることを教えてください
矢代 ほんとに死ぬ気になればなんでもできるんだなぁって思います。努力すればなんでもできる可能性がある。ほんとにこんな自分なのに、ここまでやっていられるよって思うんです。
私も娘がいるんですけど、今の子供たちって何もやってないのに、何もみてないのにすぐに諦めちゃうじゃないですか。それって凄くもったいないことだと思うんですよね。やってみたら意外と身近にあるものが自分に合っていたりするかもしれないのに。もっと前向きに見ればいいのになぁって思いますね。私もこの仕事を続けてみて、根性とかメンタルとか子供の頃とすごく変わりましたしね。
――続けられた要因は?
矢代 私が続けられたのは嫌いだったからだと思うんですよね。好きだったら幻滅とかするじゃないですか。「こんなはずじゃなかった!」とか、何回も叩きのめされたり、周りからいろいろ言われたりして、でも、私は嫌いだったら上がるしかなかったんですよね。嫌いだったから別に「親の七光りだろ」とか何を言われても平気でした。そういう意味では好きってことのほうがもろいいかもしれませんね。今って好きなことを仕事するべきだって風潮がありますけど、別にそれが正しいとか決まってるわけでもないですしね。なんか今の子たちって一瞬の迷いが遅れになるみたいな時代で、横が見れなくなってる気がして、ある意味かわいそうだなあと思うんですけど、迷っても大丈夫だよってことは伝えたいですね。

一番大切にしたいのはお客さんの声

――生き方や働き方で大切にしていることは?
矢代 一番はお客さんの声ですね。今はSNSも発達していますけど、私は直接お店に足を運んでくれるお客さんの声を、お客さんを一番大事にしたいって考えています。
 直接お店に足を運んでくれるって何よりも凄いことだと思うんですよ。何軒もケーキ屋さんがあって、どんな有名なパティシエのお菓子も手に入る中で、うちを選んでくれて柏崎まできてお土産に買ってってくれる。「こないだ貰って美味しかったから買いに来たんだ!」って言葉をくれたりして。それがもう一番大事にしたい宝物ですね。

振り返ってくれる人が増えれば

――これからの柏崎について考えていることを教えてください
矢代 自分も東京に憧れたから、出たいって気持ちは分かるんですけど、一回振り返ってもらって柏崎にもこんなにいいとこがあるんだよって知ってもらって、少しでも柏崎に残ってくれる人がいればそれだけで明るいのになぁと思いますね。もちろん一回東京に出るのもいいと思います。むしろ一回出たほうが地元の良さとか有り難さがより一層わかってくると思うので。でも、一回出てもいいので、こんなにいいとこあるじゃんって振り返ってくれる人が増えればいいなぁと思いますね。

「菓子工房やしろ」 矢代 愛[やしろ あい] さん インタビュー(PDF形式  258 キロバイト)

(リンク))菓子工房やしろ<外部リンク>


◇柏崎観光地域づくり人材育成塾 塾生インタビュートップ

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