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トキの野生復帰に向けた取組

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0476521 更新日:2024年2月7日更新

県の鳥「トキ」

写真提供:佐渡トキ保護センターの画像
(写真提供:佐渡トキ保護センター)

国際保護鳥に指定され、学名「ニッポニア ニッポン」でも知られる新潟県の鳥トキは、昭和56年に野生で生息していた佐渡ですべて捕獲して以降、現在まで中国の協力を得ながら人工繁殖に成功してから、飼育下におけるトキの数は順調に増加し、平成19年には100羽を超え、平成20年にトキの放鳥を開始しました。
平成24年以降は野生下での繁殖が実現し、平成26年には当面の目標「60羽の定着」が達成され、平成28年には42年ぶりに野生下生まれ同士のペアからヒナが誕生し、巣立ちを迎えるなど、トキの野生復帰は着実に進んでいます。

トキの野生復帰に向けた取組

(1)佐渡における取組

トキ野生復帰シンボルマークの画像
トキ野生復帰シンボルマーク

 今後の野生復帰の目標とその達成に向けた取組方針が「トキ野生復帰ロードマップ2025」(令和3年7月)で示され、「国内のトキが自然状態で安定的に存続できる状態となる」という最終目標達成に向け、新潟県ではトキのエサ場となるビオトープの造成や、人とトキの共生に向けた地元理解を促進したり、島外からの人的・物的支援を図る事業等を継続的に実施しています。

放鳥の様子の画像
放鳥の様子

 日本でトキが減少した理由の一つは、生息環境の悪化です。私たちは経済的に豊かな生活を求めて自然に過大な負荷をかけ、自然の循環を断ち切ってきました。その結果、日本でも多くの生物が絶滅の危機に瀕しています。
 トキは、自然の循環が維持されていて、様々な生物が生息する環境の中でなら生きていけるはずです。トキの野生復帰は、自然の循環が維持された社会システムを創り出す試みです。
 野生復帰を考えるとき、最も大きな課題はこの社会システムをどうやって創り出すかと言う点です。これは、私たちの日常生活や経済活動を含む地域社会づくりそのものと言えるでしょう。
 地域社会づくりは、行政だけで行えるものではなく、地域住民、研究者、行政等が協働して初めて乗り越えられる課題です。

写真提供:佐渡トキ保護センターの画像
(写真提供:佐渡トキ保護センター)

 佐渡では、トキの野生復帰に向け、行政を始め地域住民、NPO等による餌場の復元やビオトープ作り、里山の保全活動、環境保全型農業への取組、小中学校での環境教育等が実施されています。
 トキは健全な生態系のシンボルであり、トキが安心して暮らせる環境は、私たちに本当の豊かさをもたらしてくれます。
 近年、生物多様性や生態系の重要性が認識され、日本各地で様々な取り組みが始まりました。
 ねぐらに戻るトキの群れが夕日を浴びて飛んでいく光景は、言葉では言い表せない程美しいものです。
 健全な生態系が維持されている証として、日本各地でこの光景が蘇るよう今後も継続した取組が必要です。

 

(2)本州における取組

 環境省では、トキの安定的な存続を図るために、「トキ保護増殖事業計画」を変更し、将来的な本州等におけるトキの定着を目指した取組を事業計画に位置づけるとともに、下位計画である「トキ野生復帰ロードマップ2025」においても、本州等において複数の地域個体群を形成することを最終目標としたところです。
 これらを受け、環境省では本州等においてトキの定着に向けて生息環境整備等の取組を行う「トキと共生する里地づくり取組地域」を選定しました。

トキ野生復帰推進事業

 トキの野生復帰に向けた社会環境整備のため、トキの野生復帰の取組の情報発信を行い、全国で新潟県の環境イメージを高めるとともにトキ野生復帰活動への理解を深め、支援者・参加者の拡大と、自然環境に対する県民満足度の向上を図り、更に企業や学校、各種団体等の環境保全活動の創出・発展等に寄与することを目的として、以下の取組を行っています。

体験ツアー

 トキ野生復帰活動に関連する体験活動や学習活動を行う体験ツアーを通じて、野生復帰を支える活動の理解者・支援者の拡大に取り組んでいます。


 

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