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下鳥家3代の功績~三丈掘

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0219875 更新日:2019年10月18日更新
上江用水路の工事は全国的に見ても有数の難工事と言われています。石山を洞穿し、山麓を迂回して水路を掘る作業で、特に有名なのが三丈掘です。岡嶺丘陵地の麓の高台を切り開いて三丈(約9メートル)も掘り下げることや櫛池川のトンネル約160メートルを掘るなど当時としては稀に見る難工事となりました。
この工事で忘れてならないのが庄屋下鳥冨次郎です。下鳥家は、祖父から父、冨次郎まで様々な反対や苦難に立ち向かい3代にわたり上江用水の掘り継ぎに尽力され、完成させたのが冨次郎でした。この工事の推進にあたって、冨次郎自ら現場指導に当たり、30余か村の郷民は上下一体となり、死命をささげて協力しました。
しかし工費は莫大であり、冨次郎は自分の田畑を売って、その資金に充てましたが、さらに、不足したため自分の生活を切り詰めて不足を補い、完成させました。
三丈掘
 その後、冨次郎はこの功績が認められ、幕府より白銀を賜り名字帯刀が許され、武士に列せられました。さらに、冨次郎はこの工事に当たって日ごろより北辰大明神を尊崇し、その神助によって大事業が達成されたことから、冨次郎の他界後、上江北辰大明神として鎮座することとなりました。
北辰大明神
 上江用水は四百余年前に開削が始まったと言われており、完成までに三期工事で約200年近くもかかりました。岡嶺丘陵の地下に入り、櫛池川の下を隧道で通っており、その延長は633メートルに達します。通過区間は集落が多く、それらの出入口に幹線用水路を横断して、その数は数十か所にもなります。

 毎年7月17日には当時の功労者への感謝と、五穀豊穣を祈願する上江北辰神社例大祭を挙行しています。また、小学生や地域住民を対象とした「農業用水利施設現地学習会」の見学コースのひとつにもなっており、地域農業に対して重要な役割を果たしているとともに、地域住民との関わりも深い施設となっています。
農業用水利施設現地見学会
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