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上越市内の米作発祥の地~青野池
青野池改修前
青野池(上越市青野)は、今から600有余年前に虫川城主(現:浦川原区)杢田(もくた)肥前守によって、周辺農民の農業用水源として掘削されたと伝えられています。その当時から稲作のための農業用水源として重要な役割を果たし、湖面面積25ヘクタール、貯水量575,000トン、120ヘクタールの水田をかんがいしています。この恩恵により、農業用水源として地域農業の礎を担うとともに地域文化に深くかかわっており、多くの水生動植物の生育・生息の場にもなっています。その豊かな自然環境は「やすらぎ・環境教育の場等」としても多様な役割を持っています。
青野池改修後
青野池中央部の弁天島には、かんがいの守護神「弁天天女」がまつられており、地域住民によって祭礼が行われています。島に通じる中道に植生している榛の木は神秘的な景観を魅せてくれます。なお、青野池周辺は遺跡調査により「上越地域の稲作発祥の地」であることが判明しています。昨今、全国的に農業者が減少するなか、従来の維持管理の継続が難しくなっており、農業用施設の保全管理の脆弱化が懸念されていますが、歴史的文化価値が高く、貴重で豊かな自然環境を今に残す地域資源「青野池」を後世に引き継ぐため、土地改良区と地元地域が一丸となって保全管理を行っています。※平成22年3月11日、農林水産省主催により開催された第4回ため池百選選定委員会で、青野池はため池百選に選定されました。