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保健情報に関する話題、保健・衛生用語

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0044621 更新日:2019年3月29日更新

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保健情報に関する話題、保健・衛生用語(解説は項目の後に記載)

  • インフルエンザに関するQ&A
  • 遺伝子組換え食品についてのQ&A
    • 1. 遺伝子組換え食品とはどんな食品ですか?
    • 2. 遺伝子組換え食品にはどんなものがありますか?
    • 3. 遺伝子組換え食品はどのようにチェックされていますか?
    • 4. 遺伝子組換え食品と非組換え食品は消費者にもわかりますか?
  • O157をはじめとする腸管出血性大腸菌についてのQ&A
    • 5. 下痢原性大腸菌とはどんな細菌ですか?
    • 6. 腸管出血性大腸菌とはどんな細菌ですか?
    • 7. 腸管出血性大腸菌にはどんなものがありますか?
    • 8. 腸管出血性大腸菌の感染原因は何が考えられますか?
    • 9. 腸管出血性大腸菌を予防するにはどのようなことに注意すればよいですか?
  • ウイルス性食中毒に関するQ&A
    • 10. 「ウイルス」とはどんなものですか?
    • 11. 食中毒を起こすウイルスはどこにいますか?
    • 12. 食中毒を起こすウイルスにはどんなものがありますか?
    • 13. 「ノロウイルス」による食中毒の症状はどのようなものですか?
    • 14. 「ウイルス性食中毒」はいつごろからありましたか?
    • 15. 「ウイルス性食中毒」はどのような経路で発生しますか?
    • 16. 「ウイルス性食中毒」をどうすれば防げますか?
    • 17. 食材や器具についたウイルスをどうすれば除去できますか?
  • 保健・衛生用語
    • 18 .Q熱とは何ですか?
    • 19. オウム病とは何ですか?
    • 20. つつが虫病とは何ですか?
    • 21. ウイルス性急性気道感染症とは何ですか?

解説

インフルエンザに関するQ&A

遺伝子組換え食品についてのQ&A

1.遺伝子組換え食品とはどんな食品ですか?

 農薬使用量の削減、農作業の軽減を目的に、従来の農作物に対して遺伝子の挿入・組換えをし、除草剤抵抗性、害虫抵抗性などの形質を獲得させた農作物を言います。その農作物を原料にして加工した食品も含みます。栄養価などをアップした高機能性作物もあります。

2.遺伝子組換え食品にはどんなものがありますか?

 現在、日本国内で流通しているのは大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、なたね、綿実、てんさいの6作物ですが、国内での栽培はなく、すべて輸入しています。大部分が米国からの輸入で、ラウンドアップ・レディ大豆、トウモロコシBt11、ニューリーフ・ジャガイモなどの品種が有名です。

3.遺伝子組換え食品はどのようにチェックされていますか?

 遺伝子組換え食品の安全性は食品衛生法により規定され、流通にあたっては薬事・食品衛生審議会の厳しい安全性審査にパスしなければなりません。実際の流通には分別生産流通管理と呼ばれる管理方式が徹底され、組換え食品と非組換え食品は分別して流通されます。また、農林水産省のJAS分析試験ハンドブックおよび厚生労働省のガイドラインに基づく科学的な検査により、組換え食品は検証・監視され、検査結果によっては食品衛生法により販売の禁止、改善措置等の措置が講じられます。

4.遺伝子組換え食品と非組換え食品は消費者にもわかりますか?

 2001年4月からJAS法および食品衛生法により、大豆やとうもろこしなどの対象農作物及び、これらを原材料とした(一部の)加工品は、「遺伝子組換え」あるいは「遺伝子組換え不分別」の表示が義務付けられています。また、非組換え食品には任意による表示ですが「遺伝子組換えでない」もあります。

O157をはじめとする腸管出血性大腸菌についてのQ&A

5.下痢原性大腸菌とはどんな細菌ですか?

 大腸菌は家畜や人の腸内に存在しており、ほとんどのものは無害ですが、大腸菌の一部には下痢を引き起こすものがあり、下痢原性大腸菌と呼ばれています。

6.腸管出血性大腸菌とはどんな細菌ですか?

 下痢原性大腸菌の一種で、体内に入る菌量がわずかでも、ベロ毒素という猛毒を出して、出血性下痢を起こしたり、腎臓や脳に障害を起こしたりします。子供や老人など体力のない方は時に重篤な症状を示し、死亡することもあります。

7.腸管出血性大腸菌にはどんなものがありますか?

 ベロ毒素を出す大腸菌としては、O157が有名ですが、O26、O111などO157以外にも様々なタイプがあり、同様の症状を起こします。

8.腸管出血性大腸菌の感染原因は何が考えられますか?

 感染原因として次のことが考えられます。

  1. 加熱が不十分な食肉の摂取
  2. 食肉からの二次汚染食品の摂取
  3. 汚染された水や野菜の摂取
  4. ヒトからヒトへの二次感染
  5. 保菌動物との接触による手指などからの感染

 特に「4」ヒトからヒトへの二次感染は家庭内感染など、かなりの頻度で認められます。

9.腸管出血性大腸菌を予防するにはどのようなことに注意すればよいですか?

 本菌に感染している家畜または感染者の糞便等により汚染された食品や水による経口感染がほとんどですが、他の食中毒菌と同様に熱に弱く、消毒剤でも容易に死滅しますので、次の点に注意すれば感染を最小限にくい止められます。

  1. 手指や調理器具は十分に洗う。
  2. 75℃、1分以上の加熱で死滅しますので、食品は十分に加熱する。
  3. 調理後の食品は速やかに食べ、やむをえない場合は冷蔵庫に入れ早めに食べる。
  4. 井戸水等の衛生管理に注意する。
  5. 生肉が触れたまな板、包丁、食器等はよく洗った後に熱湯で十分消毒する。
  6. 野菜は流水で十分に洗い、ブロッコリーなどの形が複雑なものは湯がく(100℃の湯で5秒間程度)。

ウイルス性食中毒に関するQ&A

10.「ウイルス」とはどんなものですか?

  1. 大きさ
    食中毒をおこすノロウイルスの大きさは、直径約30nm(ナノメートル)です。これは1ミリメートルの100万分の30の長さです。可視光線の波長は400nmから760nmですから、ウイルスはこの波長よりもはるかに小さく、光学顕微鏡では見ることができません。細菌はこの200倍くらいの大きさです。
  2. 増殖のしかた
    ウイルスは、動物や植物に感染し、その細胞の分裂・増殖機能を利用して自分も増殖します。細菌は栄養や温度などの条件がそろえばどこでも殖えますが、ウイルスは食品に付着してもそこで増えることはありません。

11.食中毒を起こすウイルスはどこにいますか?

 食中毒を起こすウイルスの感染源には、次のものがあります。

  1. 体内にウイルスを含む(例:生かき・保菌者)
  2. 外部にウイルスが付着(例:保菌者の手指、それで汚染されたもの)

12.食中毒をおこすウイルスにはどんなものがありますか?

 胃腸炎症状をおこすウイルスの代表的なものは、下の表のとおりです。

ウイルス名 主な感染源 患者の傾向
ノロウイルス 嘔吐物・下痢便・汚染食品 子供・成人・老人
サポウイルス 嘔吐物・下痢便・汚染食品 子供・老人
アストロウイルス 嘔吐物・下痢便 乳幼児に多い
ロタウイルス 嘔吐物・下痢便・汚染食品 乳幼児に多い
A型肝炎ウイルス 下痢便・汚染食品 成人に多い
腸管アデノウイルス 下痢便・汚染食品 乳幼児に多い

参考:「急性胃腸炎」と「食中毒」の違い
 急激な嘔吐と下痢があれば、一般的に病名は「急性胃腸炎」となります。病原体の感染によるときは更に「感染性」、「非細菌性」、「ウイルス性」などの原因名が付加されます。食品や調理者が感染源の「急性胃腸炎」の場合には、その再発と拡大防止を図る必要があるため、「食中毒」とされ、食品衛生法に基づいた措置がとられます。

13.「ノロウイルス」による食中毒の症状はどのようなものですか?

 発症から治癒までの経過は、だいたい次のとおりです。

  1. 感染後8時間から36時間で激しい嘔吐、下痢が始まる
  2. 症状は約1日続く
  3. 38度以上の発熱は少ない
  4. 発症の3日後には軽快する
  5. 死者はいない

14.「ウイルス性食中毒」はいつごろからありましたか?

 日本国内で、ウイルスが疑われる食中毒が最初に報告されたのは、新潟県佐渡郡沢根町(当時)で昭和23年初春に発生した集団胃腸炎事件です。これは、本病に感染し死亡した人の葬式に参列した人から、沢根町全体に爆発流行が起こっています(公衆衛生,第15巻第1号p.26-28(1954),福見秀雄「傳染性下痢症について」)。この原因調査では人体実験が行われ、下痢便を細菌濾過器で濾過した液のわずか0.0001cc(1mlの1万分の1)で発症することが確認されています。このウイルスはNiigata agentと名付けられましたが、現在は小型球形ウイルスの中の、ノロウイルスと推定されています。ノロウイルスは下痢便1ml中に1,000,000個以上あると推定されるので、この実験では10個くらいのウイルス量で発症したことになります。なお、現在は国内でボランティアによる人体実験が行われることはありません。なお、この事件の後、同じ年に山形県、和歌山県などでも相次いで集団発生があり、最初の全国流行として注目されました。

15.「ウイルス性食中毒」はどのような経路で発生しますか?

 新潟県内では、次のような感染経路で、食中毒が起こっています。

  1. 嘔吐・下痢患者からの感染(ヒトからヒトへの感染)
    1. 飲食店の事例
      (1)下痢をしている乳幼児→(2)おむつ交換した母親の手→(3)母親が賄い食を調理→(4)従業員が感染→(5)宴席の会食者で集団発生
    2. カラオケボックスの事例
      (1)嘔吐・下痢をして休暇中の調理員→(2)多忙のため、新規の支店から応援呼び出し→(3)支店でにぎり寿司を調理→(4)二次会の団体客で集団胃腸炎
    3. ホテルでの事例
      (1)フロントで客が嘔吐→(2)嘔吐物を従業員が拭き取り→(3)従業員が感染→(4)その後、他の従業員が感染→(5)宿泊客に集団発生
    4. 保育所・小学校での事例
      (1)家族に嘔吐患者→(2)児童が保育所・小学校で嘔吐→(3)保育士、教師が後始末→(4)連続的に児童で患者発生
  2. 汚染された食品・水からの感染(環境からヒトへの感染)
    1. 汚染海域で養殖された牡蠣の生食による事例(非常に多い)
      (1)患者下痢便→(2)下水→(3)河川を汚染→(4)河口付近の海域を汚染→(5)かきが体内にウイルスを取り込む→(6)汚染物が入ったかき内臓の生食→(7)消費者が発症
    2. 水の汚染による飲食店での事例
      (1)トイレ・下水の不備→(2)地下水汚染→(3)受水層の消毒不良→(4)汚染飲料水→(5)利用客が発症

16.「ウイルス性食中毒」をどうすれば防げますか?

 汚染食品の摂取は別として、調理者自身が「ウイルス性食中毒」の原因とならないための最大の注意点は、次の2点です。

  1. 嘔吐や下痢をしたら、その日から1週間は絶対に調理作業に従事しない
  2. 家族に嘔吐や下痢があったら、家族全員、丁寧に頻繁に手洗いをする

 誰でも、ウイルス保菌者が加工した食品を食べる可能性は、絶無ではありません。さらに、日常的に消費される生牡蠣には、ノロウイルスが高い割合で含まれていると推定されます。体内へのウイルスの侵入を、目で見て防ぐことはできないので、常に感染した場合を想定し、次のような衛生的な作業管理を行うことが大切です。

  1. 毎日、清潔な作業衣に交換
  2. 手洗いを丁寧にする
  3. 素手で食品に触れない
  4. 新しいマスクを着ける
  5. 使い捨て手袋は頻繁に交換する
  6. 調理従事者のトイレは毎日消毒する
  7. タオルの共有はしない

17.食材や器具についたウイルスをどう除去するか?

  1. 加熱
     食材の内部や外部に付いているウイルスを殺す最良の方法は、加熱です。新潟県の食品衛生監視員、小林、永田らの調査(2003)により、かきフライの調理では180度で音が変わるまで2分間揚げ、この状態から冷ますとかきの中心温度が80度に下がるまで2分以上かかり、実験的に加えたポリオウイルスの感染力が失われることがわかりました。これ以下の調理温度では、ポリオウイルスは生きていました。この180度2分調理はかきフライがおいしくできる調理法でもあります。(冷凍食品は完全に解凍しないとこの温度に達しないので、確実な解凍が必要です)。
     器具、器材には「熱湯」が有効ですが、ただ流すだけの短時間の接触は効果がありません。
  2. 消毒薬
     まな板、ボール、布巾などの器具・器材の消毒に使用します。
    1. 次亜塩素酸ナトリウム(細菌、食中毒ウイルスに有効)
       器具や布巾等に付着したウイルスや細菌の消毒に100~1,000ppmで使用します。次亜塩素酸ナトリウムを6%含む消毒剤は60,000ppmになるので、100倍に希釈すると600ppmになります。通常は汚れを洗い流してから、100~300ppmの濃度で数分~1時間接触させて使用します。汚れがひどいと効かないことがあります。
    2. 70%アルコール(細菌に有効、食中毒ウイルスに無効)
       細菌の消毒に効果があります。SARSウイルスやインフルエンザウイルスのように脂肪質の外膜に包まれたウイルスでは効果がありますが、食中毒を起こすウイルスにはこの外膜がないので、あまり効きません。
  3. 紫外線
     ウイルスや細菌の消毒に効果があります。しかし、影の部分には全く効果が無く、影の部分でなくても油脂が付着した場所は紫外線が吸収されるので、殺菌できません。使用するときには、汚れを洗い、乾燥させなければなりません。

保健・衛生用語

18.Q熱とは何ですか?

 Q熱は、犬、ねこ、牛などの動物から、呼吸器を介してヒトに感染する「人畜共通感染症」のひとつです。この病原体はリケッチアの一種で、感染動物の乳汁や胎盤など、分泌物や排泄物中に多く含まれており、放置されたものが乾燥し、飛散することにより感染が拡がると考えられています。症状は、動物では軽微ですが、ヒトでは急性の高熱と頭痛がみられ、場合によっては肺炎を起こし、重症になることがあります。これまで日本国内にはない病気と思われていましたが、1993年に初めてQ熱の患者が報告され、国内での存在が確認されました。

19.オウム病とは何ですか?

 オウム病は、主にオウムやインコなどの飼鳥からヒトに感染する「人畜共通感染症」のひとつです。オウム病病原体は、ヒトのトラコーマや性病の原因菌と同じ仲間のクラミジアです。この病原体は病鳥の排泄物中に多く含まれており、ヒトへの感染は、乾燥して塵埃とともに飛散したものを吸入することでおこります。ヒトでの症状は、気管支炎、肺炎などで、時に重症に陥る場合があります。新潟県内でも患者が報告されています。予防には、小鳥の健康管理と排泄物を放置しない清潔な飼育環境づくりが大切です。

20.つつが虫病とは何ですか?

 つつが虫病は、病原体Orientia tsutsugamushiを保有するツツガムシ(ダニの一種1mm以下)の幼虫に刺されることによって感染し、二週間程度で発病します。主な症状は、持続性の発熱(38~40度)、発疹の出現(顔面・胸腹部・四肢)、皮膚の柔らかい場所に見られる刺し口(瘡蓋)があげられます。感染機会は、山菜採取や畑仕事中が最も多く、新潟県内では、主に春期と秋期に発生します。感染を防ぐためには、山林、草地に入る時は肌の露出を避ける、虫除けをつける、野外活動後に入浴し、ダニを洗い落とすなどの手段があります。

21.ウイルス性急性気道感染症とは何ですか?

 鼻腔から咽頭、気管、肺までの呼吸器にウイルスが感染し、一時的に急な経過をとって炎症を起こす病気の総称です。鼻炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎など様々な診断名があり、いわゆる「風邪」と呼ばれていますが、その90%以上がウイルスによるもので、乳幼児から高齢者に至るまで広く罹ります。インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルスなどを含め、現在約200の病原ウイルスが知られています。

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