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技術委員会電子会議室(柏崎刈羽原子力発電所の緊急安全対策と福島県における原子力災害について)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0043289 更新日:2011年5月13日更新

議題

 5月19日に開催する技術委員会では、柏崎刈羽原子力発電所の緊急安全対策と福島県における原子力災害について議論していただきます。

 当日は、原子力安全・保安院及び東京電力から説明を受け、質疑応答を行いたいと考えております。
 福島における原子力事故の検証が十分なされていない中ですので、

  • 放射性物質放出のベントが必要になった経緯、原因
  • 津波による被災前に地震により致命的な被害は無かったのか
  • 水素爆発が起こった経緯、原因と防止できなかった理由
  • 各号機の被災状況の違いの原因
  • 短半減期の放射性物質やプルトニウムなどが検出された原因
  • 津波対応を主眼とした緊急安全対策で地震被害についても対応できるのか
    など、確認を要する事項が多々想定されますので、事前に質問事項等がありましたらお願いいたします。

参考資料

  1. 柏崎刈羽原子力発電所の緊急安全対策について(東京電力(株)資料)[PDFファイル/2.19MB]
  2. 福島第一原子力発電所事故を踏まえた他の発電所の緊急安全対策の実施状況の確認結果について(原子力安全・保安院資料)[PDFファイル/3.32MB]

委員意見

立石委員(4月26日)

ご意見等
 柏崎刈羽原子力発電所の安全管理に関する新潟県技術委員会の審議に当たって
原子力安全委員会ならびに原子力安全・保安院の出席のもとに福島第一原発の過酷事故に関する検証を求める
 以下、新潟県柏崎刈羽原子力発電所の安全に関わる問題として提起します。十分な審議が行われることを求めます。
 経済産業大臣は3月30日、稼働中、建設中の原子力発電所を有する全電力事業者に対して、「平成23年福島第一・第二原子力発電所事故を踏まえた他の発電所の緊急安全対策の実施について」なる指示文章を発し、同日、原子力安全・保安院も、同じ題記の文章において緊急安全対策の実施状況の報告を求めました。その指示、ならびに求めに応じ、東京電力(株)は4月21日、「柏崎刈羽原子力発電所における緊急安全対策について」を報告し、同日、安全・保安院はこれを受理しました。また、同院は4月25日と26日、柏崎・刈羽原子力発電所に立ち入り、この安全対策の実施状況の検査を行っています。
 しかし、3月11日の東北地方太平洋沖地震による地震動と津波を契機とした福島第一原子力発電所が過酷事故に至った経緯、実相は未だに明らかにされていません。緊急安全対策だけでは、柏崎刈羽原子力発電所の安全性が担保されることにはなりません。柏崎刈羽原子力発電所の安全管理に関わって議論するに際して、この過酷事故の経緯、実相を明らかにすることが先決です。技術委員会に原子力安全委員会並びに原子力安全・保安院の出席を求め、以下の諸点についての審議を求めます。

1.地震発生の翌日に第一原子力発電所1号機が水素爆発を起こすに至った経緯の解明を求めます
 NHKが4月8日に発表した1~3号機の炉内水位、圧力、ドライウェルの圧力変動によれば、1号機では地震発生後わずか7時間後に、燃料体が露出するまでの水位の高さが45cmとなり、さらにその8時間後には燃料体が露出する水位まで低下しています。炉圧も急速に低下、ドライウェルの圧力が急上昇しています。2号機、3号機ではその時点ではまだ4m前後の水位を保っています。津波によって1~3号機の電源が同時に喪失したとする説明では、この時系列変化は説明できません。地震によって1号機では機器/配管に損傷を受け、そこから冷却水が漏れていたのではないでしょうか。
 NHKが発表したこの炉水位、炉圧、ドライウェル圧力の変動を示す表はきわめて不十分です。安全・保安院はこうした水位・炉圧変化を示す表を東京電力(株)から入手されているのかどうか、されているとすれば、なぜ、それを公表されないのか。直ちに公表することを要求します。又、安全・保安院はそれを用いて、事故に至る経緯について、東京電力(株)の報告待ちではなく独自に解析を行われたのかどうか、その解析結果を踏まえ、1号機が本震の翌12日に水素爆発を起こすに至った経緯に関する見解を明らかにしてください。

2.「耐震設計審査指針(2006年改定)」の検証を求めます
 3月11日の東北地方太平洋沖地震本震による、福島第一原子力発電所の2号機・3号機・5号機の建屋基礎版での地震記録は基準地震動Ssから想定された応答加速度を一部の周期で超えていたことが4月1日になって明らかにされました。また、東北電力(株)女川原子力発電所では、3月11日の本震だけでなく、4月7日の宮城県沖地震でも、1号機基礎版で基準地震動Ssに対する最大応答加速度を超える地震動を観測しています。現実の地震動記録が、基準地震動Ssから求められた建屋、機器・配管の応答加速度を超えたことは、原子力発電所の耐震安全性の根幹に関わる問題だと存じます。指針を策定された立場から、安全委員会はこの事実に対してどのようにお考えなのか、見解を明らかにしてください。

3.「耐震設計審査指針(2006年改訂)」に基づく、全原子力発電所のバックチェックのやり直しを求めます
 環太平洋地域では2004年のインドネシアスマトラ島沖の地震、2010年のチリ沖中部の地震など、M8.8~M9.0のプレート間地震が相次いで生起していました。このことからすれば、東北地方の太平洋岸でも、当然、M9.0の地震が起こりうることを原子力発電所の耐震安全性の確保に関わる評価においても反映させるべきであったと存じます。にもかかわらず、東京電力(株)の福島第一・第二原子力発電所、東北電力(株)女川原子力発電所のバックチェックにおける東北地方太平洋沖に於ける震源断層の評価では、地震調査研究推進本部による2002年の海溝型地震の長期予測をもとに、発生領域を細分化して、個々の領域での発生の検証を軸に最大M8.2規模の地震の想定にとどまっていました。今福島第一原発の過酷事故はこの想定するべき地震の規模、そして、それによって発生する津波の規模を過小に評価していたことに最大の原因があると存じます。耐震設計審査指針の設計思想そのものが問われる問題であり、バックチェックの全面的なやり直しを求めるものです。安全委員会並びに安全・保安院の見解を求めます。

4.津波対策について
 地震随伴現象としての津波に対する対策があまりにずさんであったことは明らかです。津波に対する安全性を担保する指針としては、2006年の耐震設計審査指針が不十分なことも明らかです。私は、新潟県の「地震、地質の小委員会」や「技術委員会」で、2002年の土木学会原子力委員会津波評価部会による「評価技術」だけでは、十分な津波対策とはいえないと主張してきました。
安全委員会は現行の耐震設計審査指針における津波対策の不十分さについて、「指針」上、どのように克服されるのか、また、安全・保安院は、電源喪失、津波対策として、今回報告を求めた対処療法的な「緊急安全対策」で済ませるおつもりなのか、どうか、見解を明らかにしてください。

衣笠委員(4月26日)

ご意見等
 標題について、主として「5.今後の対策について」に沿ってコメントを記します。
(1)防潮堤の設置
 添11-(2)の(擁壁タイプ)は、耐波力の上から問題があり、敷地側に転倒した場合、緊急時の構内アクセス及びオペレーションの傷害となるので要再検討。同(盛土タイプ)は、転倒しなくても、設置時点で構内アクセス及び緊急時オペレーションの傷害となる要再検討。

(4)ガスタービン発電機車等の追加配置
 必要な出力については添4-(1)、(2)に記されているが、発電機を必要とする期間及びその間の燃料及び冷却水の補給についての記述がない。

(8)水源の確保
 添11-6に記されている中央土捨て場に貯水池を設ける案については、当該地点は残土を盛り立てただけである事から、耐震性の慎重な検討が必要。

(9)高台への緊急時用資材倉庫の設置
 (8)と同じ。

(10)その他

  1. 外部電源の多重化
    同一変電所からの2回線は、当該変電所が被災すれば外電が途絶える事になり、多重化ではない。異なるルート・変電所から給電する多重化が図られるべき。
  2. 構外アクセス道路の高規格化
    (4)及び緊急時オペレーションに必要な大型車両(含むがれき撤去のための戦車)の通行のため、構内のみならず構外のアクセス道路の液状化対策等の高規格化が必要。
  3. 緊急対策室(免震重要棟)について
    1Fの事故対応では、免震重要棟の果たした役割が多い反面、居住性の問題が指摘されている。遮蔽性能、収容力、通信機能等のチェックが必要。
  4. Jビレッジ相当の施設について
    1Fの事故対応では、機材の集積や従事者の宿泊等にJビレッジが大きな役割を果たしたと聞く。柏崎刈羽でそのような役割を果たせる施設が有るのか?
  5. オフサイトセンターについて
    1Fの事故対応では、オフサイトセンターの果たした役割が見えない。オフサイトセンターの耐震性および遮蔽性能については従来から指摘がなされていたところ。更に今回の事故で、本店・保安院・原安委との連絡体制等についても、十分な機能を果たしていないように見受けられる。

 上記の3、4、5については、1Fの事故が有る程度収束を見た段階で、1Fの事故対応の反省に立って検討・改善される事が望まれる。

角山委員(4月28日)

ご意見等

  1. 添付資料ー3(4)
    「緊急時対策組織による判断」とありますが、これは6通りの対応手順の中で、この手順だけに表れている組織です。この組織の構成、権限(何をどこまで決定できるのか)、組織構成員に異常がある時の対応方法等はどのようになっているのでしょうか。
    また、他の対応手順における作業を開始するか否かの決定はどこで行うのでしょうか。
  2. 添付資料ー3(6)
    図では熱交換器建屋(水没時)の排水が直接海に向かっていますが、これは何ら処理されることなくそのまま海に排出されということでしょうか。
  3. 添付資料-5(1)及び(2)
    主要機器の設置位置中に、非常用デイーゼル発電機を追加した方がよいと思います。
  4. 添付資料ー6(8)
    水中ポンプ(可搬式)(除熱用)が1台となっていますが、これで十分なのでしょうか。また、この1台はどこに常置するのでしょうか。

吉川委員(5月14日)

ご意見等
1.柏崎には7プラントあり、過日の中越沖地震の被災を受けてその復旧工事では耐震強化対策+防火対策等が強化されました。
 今回の応急対策はとくに津波対策+全電源喪失対策+全冷却機能喪失対策が検討されたものと理解していますが、すでに対応されている耐震強化対策+防火対策との重複(たとえば水源の確保)は考慮されているでしょうか?
 逆に今回の応急対策では、耐震強化、防火の方面では大丈夫でしょうか?

2.福島第一の状況では、1号炉ではすでに圧力容器がメルトダウンしていたこと、さらに格納容器に穴があいていて漏水があるのか、また、その箇所も分からないこと、4号炉の爆発は燃料プールの燃料露出の結果による水素爆発ではなさそう、ということが最近報道されており、いわゆる工程表どおりにはいかないなどといわれています。
 事故発生当初の対応が遅いと事故収拾が一筋縄でいかない事態になることが痛感されます。福島の場合、いわゆるベントが遅れたことがまず第一、次に海水注入になかなか踏み切れなかったことが第2に挙げられています。
 今回の応急対策を見ていますと、こういった事態を反映して、ベントや注水を時間的に早めるように、また確実にできるようにすることに注意しているようです。
 一方、福島第一と柏崎とではプラント建設の時代が異なり、柏崎のBWRは福島の古いBWRとは形式が違うので、柏崎プラントと福島プラントとを相互比較すれば有利な点、不利な点があるのではないかと思われますが、そういう観点での比較分析と応急対策への反映をしているのでしょうか?
 特に福島では、ベントに手間取ったことが後の事態進展を悪化されたようですが、柏崎の場合、環境へ放射能放出が不可避なベント操作の面でどのように工夫されており、また、応急対策ではその操作決定を迅速にするためどのように配慮されましたか?

3.TMIやチェルノブイリ事故の後、欧米では90年代にシビアアクシデントの研究が進み、既存原子炉への対策や新型炉でのシビアアクシデントフリー化が安全設計に反映されました。しかし、わが国では『日本の原子力技術ではそのようなシビアアクシデントの発生は考えられないが、万一のため事業者の自主保安活動としてシビアアクシデント対策を勧告し、規制庁はそれを評価する』といったことが90年代に安全委員会により決定されて、各原発においては事業者が自主保安活動としてシビアアクシデント対策が補強されたと聞きました。歴史的にも世界有数の地震津波災害の多いわが国において、こういった規制当規制当局の事業者任せのシビアアクシデント対策が、結果として今回の福島の事態を招来しているという見方が内外にあるようです。
 また、最近原子力学会誌に掲載されたMDEPと称する多国間の規制基準を比較評価するプログラムの紹介記事には、シビアアクシデント対策についてもMDEPの活動が紹介されていて、その内容によると最近の欧米の世界動向ではシビアアクシデントフリーにする安全設計(具体的には全電源喪失でも自然通風で除熱できる格納容器やコアキャッチャなど)、テロや航空機墜落にも壊れない原発設計を志向しており、日本のシビアアクシデントに対する規制は欧米での規制動向とは15年遅れていると指摘されています。
 今回、福島事故に鑑み、安全委員会や保安院には事前の相談無く、政府の超法規的行政判断で浜岡原発は全機運転停止されました。
 政府は、運転中の原発停止は浜岡だけで、他の原発には停止を求めないと述べていますが、保安院は浜岡の運転についてはどのようなお考えでしたか?また、現政権の浜岡停止を前提として、柏崎プラントの運転再開についてはどのように考えられますか?

4.最近、IAEAの呼びかけで3月末にウイーンにて、福島支援チーム活動のWSがあったようで、アメリカの会社のかたから福島第一の事故当初のシミュレーションをRELAP/SCDAPというシビアアクシデント解析用プログラムで行った結果を報告した、というメールをいただきました。
 また、最近の国会質疑で共産党の吉井議員がJNESのレポートでMELCOREという同様のシミュレーションコードで今回のような事故の結果を、昨年10月報告書としてだしているといったことを述べていました。
 ここで、東電、保安院への質問ですがこのようなシビアアクシデント解析プログラムで今回の福島事故のシミュレーションを行い、破損したプラント状況の予測といった活動はされていますか?もしやっておられるなら、情報公開をお願いします。

鈴木元衛委員(5月16日)

※鈴木委員のご意見については質問の項目を記載しました。ご意見の本文については、下記のPDFファイルをご覧ください。

  • 【質問1】本対策が前提としている、「巨大地震とそれに伴う津波」によって電源喪失が生じるという想定の意味が不明である。以下の点を明らかにされたい。
  • 【質問2】KKにおける「対策」の有効性を評価するために、地震直後のF1、F2の状況を明らかにされたい。
  • 【質問3】上記に関連して、地震直後のF1-1号機ではLOCAが生じたのではないか。であれば、KKの地震時でもそれを検討する必要があるが、しかし「緊急対策」にはそのことは全く入っていない。これは重大な問題である。
  • 【質問4】除熱装置の耐震性
  • 【質問5】冷温停止までのシーケンスがうまく表現されていない。
  • 【質問6】信号回線およびセンサー系の耐震性
  • 【質問7】ベントに関して
  • 【質問8】対応策に関して
  • 【質問9】緊急点検結果に関して

鈴木元衛委員のご意見本文[PDFファイル/253KB]

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