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「新潟県道路施設維持管理計画」の運用をはじめました
新潟県の道路施設の現状
多様な自然環境と広大な県土を有する新潟県内の道路延長は約37,600km(全国8位、平成25年4月1日時点)で、そのうち新潟県が管理する道路延長は約5,400km(都道府県別で全国3位、平成25年4月1日時点)となっており、道路延長が長い分、数多くの道路施設が存在しています。
新潟県の管理する道路施設の多くは、1950年代から1990年頃にかけて数多くの施設が建設されており、今後施設の高齢化が急速に進行し、将来的に大きな財政負担の発生・集中(施設の更新費用、大規模な補修費用等)が懸念されています。
新潟県の取組み
こうした現状に対応するため、橋梁やトンネルをはじめとする道路施設について、適切な時期での維持・補修やライフサイクルコストの低減、事業費の平準化を図ることにより、道路ネットワークの安全性・信頼性を確保し続けるため「道路施設維持管理計画」を策定しました。
計画策定に際しては、安全性を重視したうえで効率的な計画となるよう、学識経験者からなる専門委員と行政委員による検討委員会を、橋梁については平成19年度から24年度にかけて「新潟県橋梁長寿命化検討委員会」を開催し、その他の道路施設についても平成24年度と平成25年度に「新潟県道路施設維持管理検討委員会」を開催しました。
なお、橋梁については、平成21年度に橋梁長寿命化修繕計画を策定し、平成22年度から運用を開始して橋梁の長寿命化に取り組んでいます。
対象とする道路施設
道路施設維持管理計画では、施設量の多い施設、補修・維持管理費用の大きい施設から、右表の施設を対象としています。
基本方針
最適な管理体系の構築
定期的な点検を実施して状態を把握することで、最適な補修時期を検討します。
メリハリのある維持管理を実施
管理目標を設定することで、メリハリのある維持管理を目指します。
データを活用した効率的管理
各施設の諸元、点検結果、補修履歴の一元管理を行います。
時間軸を考慮した段階的な導入と継続的な改善
各種データの蓄積・活用により維持管理計画の精度向上を図ります。
データベースシステム、マネジメントシステムを活用したPDCAサイクルを実践し、常に改善を図っていきます。
これからの維持管理の流れ
管理区分を設定します
各施設の特性や設置環境等を考慮して、施設の管理区分(1~4、5は計画の対象外)を設定します。
施設の高齢化に伴う維持管理費の増大に対応するため、施設の特性や設置環境を考慮して経済性の観点も取り入れながら、メリハリを付けた維持管理を行うことで、道路ネットワークの安全性・信頼性を確保していきます。
また、その時々の社会情勢の変化に合わせた維持管理を実施できるよう、管理区分については定期的(概ね5年間隔)に見直しを実施していきます。
管理区分のイメージ
施設の点検を実施します
通常パトロール(日々実施している道路パトロール車での確認)に加えて、各施設の状態を把握するために定期的な点検を実施して、施設の損傷状態(健全度)を把握します。
点検結果をデータベースに登録することで、常に最新の施設状態を把握します。また点検結果は、今後の補修計画検討や次回点検結果との比較検討を行う際の重要な資料となります。
なお、新潟県では計画策定に先駆けて、平成20年度より県の点検要領に基づき、各種道路施設の点検を実施しています。
道路施設の点検の様子
最適な補修計画を検討します
各施設の管理区分とデータベース(点検結果とこれまでの補修履歴)に基づき、最適な補修計画を検討します。
補修計画の検討に際しては、個々の施設だけではなく道路施設全体を見渡して、検討時点から50年間の中長期計画と、実際の事業実施時期を検討するために10年間の短期計画を検討・策定します。
なお、中長期計画は概ね5年ごとに、短期計画は毎年度見直しを行い、常に最新の施設状態を反映させます。
施設の補修を実施します
短期計画に基づき、施設の補修工事を実施します。
補修完了後は、施設の状態をデータベースに登録することで、常に施設の最新状態を把握します。
補修情報や点検結果を蓄積し、フィードバックすることで、より最適な維持管理を目指します。
PDCAサイクルのイメージ
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