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作物研究センター栽培科では、近年の高温に対応した栽培方法を調べるために、OTCを用いた栽培試験を行っています。
近年は暑い日が多く、イネにとっても厳しい生育環境です。
高温によってイネが体力を奪われ、人間でいう夏バテのような状態になると、生育や収量に悪影響が現れます。
特にイネの穂が出た後は暑さの影響を受けやすく、主成分であるデンプンの生成が不十分になり白く濁って見えるお米:白未熟粒 が発生しやすいと言われています。
高温に負けない元気なイネの栽培は、新潟のお米を守るためにも重要な課題です。この課題に対応するため、本研究センターでも様々な研究が進められています。
高温に対応したイネ栽培の研究の一つとして、作物研究センター所内のほ場では、オープントップチャンバー(OTC)を使った試験を行っています。
OTCとは、上部が開放された温室のような設置物です。ほ場に設置されたOTCの内側の空気は、太陽の熱によって外気よりも高い温度になります。これによって、イネにとって過酷な猛暑年を再現した試験を行うことができます。
OTC設置の作業風景です。組み立てたOTCをほ場に一基ずつ運び、イネを囲うように置きます。
ビニールを下ろしたら、設置完了です。
本年度は、登熟期間※の高温の影響を調査するため、イネの穂が出る時期に合わせて8月上旬に設置を行いました。写真のOTCは、長倉ほ場東側で8月下旬頃まで稼働予定です。
登熟期間※…作物が成熟する期間のこと。イネでは、穂が出た後のお米の粒ができる期間のことを指す。
長倉ほ場のイネも大きく育ち、田んぼ全体が穂の色に染まってきました。穂の中のお米も少しずつ重たくなり、だんだんと穂の頭が下がっていくのがみられます。もうじきに秋の訪れが感じられそうですね。
8月中旬の長倉ほ場のイネとOTC 逆立ちするナツアカネ♀