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松之山温泉で行われているバイナリー地熱発電の実証試験について
実証試験の背景と概要
平成21年度に本県が実施した調査を受け、環境省の地球温暖化対策技術開発等事業(競争的資金)として、平成22年度から3カ年の予定で、「温泉発電システムの開発と実証」を実施しています。(受託者:地熱技術開発株式会社、共同研究者:国立大学法人弘前大学及び独立行政法人産業技術総合研究所)。
本事業では、地熱発電の一つである温泉発電の普及に向けて、温泉や電力系統に影響を及ぼさない温泉発電システムの実用機を開発し、新潟県十日町市松之山温泉において実証試験を行うこととしています。
湧出温度約70~120℃の高温温泉では、大気中に熱を放散させる等により温度を低下させてから浴用等に利用される事例も多くみられます。温泉発電は、この温度差エネルギーを有効活用して発電を行うものです。また、水より低い沸点を持つ媒体を温泉の熱で沸騰させ、その蒸気でタービン発電機を回して発電するシステムはバイナリー発電と呼ばれ、100℃以下の温泉熱を利用するバイナリー発電システムとしては、国内初の実用レベルの試験運転となります。発電した電力は、東北電力株式会社を通じて近隣地域へ供給されます。
県は、今後、実証結果を踏まえながら、県内他地域での導入促進に努めます。
実証施設の概要
- 定格出力:87kW
(年間発電量は一般家庭100世帯分程度の使用電力量に相当) - 機器寸法:3.2m×3.6m×5.5m(発電ユニットの幅×奥行×高さ)
- 使用媒体:アンモニア-水混合媒体
- 使用熱源:温泉(泉温97℃)
- 試験運転期間:12月16日から約1年間(予定)
※バイナリー地熱発電とは
80~150℃の蒸気や熱水を熱源として、アンモニアなど、低沸点の媒体を加熱・蒸発させて、その蒸気でタービンを回し発電します。2つの媒体(水と低沸点媒体)を利用することからバイナリーと呼んでいます。
通常の蒸気発電に使われる地熱より低い温度、または、小規模な蒸気・熱水が利用可能で、温泉井に適用できる可能性があります。
松之山温泉における実証施設(全景)
松之山温泉における実証施設(発電設備)
平成23年12月16日に行われた松之山温泉バイナリー地熱発電実証試験開所式
実証施設位置図
関係資料
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