本文
島民クローズアップ・インタビュー(テーマ:“育む(はぐくむ)”)vol.35
島内で頑張っている人を紹介する「島民クローズアップ・インタビュー」をお届けしています。
佐渡地域振興局の各所属や事務所が「育む(はぐくむ)」というテーマをもとにふさわしい方を訪ね、インタビューを実施します。
会長の塚本さん(写真左)と事務局長の市橋さん(写真右)
第35回目は、佐渡トレッキング協議会会長の塚本健二(つかもと・けんじ)さんと同協議会事務局長の市橋弘之(いちはし・ひろゆき)さんを訪問しました。
年々人気が高まっている佐渡のトレッキングですが、さらなる魅力の向上と、入山者に佐渡の山を安全に楽しんでいただくための活動に日々奮闘されています。
Q1 佐渡トレッキング協議会の設立の経緯を教えてください。
近年、佐渡の山の人気の高まりとともに、特に残雪期に中高年の遭難や道迷いが増えてきていたのですが、佐渡には遭難防止のための組織がありませんでした。
そこで、佐渡市役所を中心にトレッキング関係者が組織設立の検討を進め、平成22年12月に、行政、山岳系の団体、地元集落、観光関係者などから構成される佐渡トレッキング協議会が設立されました。
Q2 活動の内容について教えてください。
佐渡の山が持つ特色を「資源」と捉え、その保護・保全と活用、さらに安全対策などの事業を行っています。
まず、地元の集落などからご協力をいただきながら、道張りやルートの維持、道迷い防止のための目印テープを付けたりしています。
快適な環境を保つためのトイレの設置や管理も大切で、利用者からいただいた協力金はトイレの維持管理に利用させていただいています。
さらに、年2回、春と秋に「トレッキング講習会」を開催して、トレッキング技術の向上やコースの案内を行っていますし、ブログや「山旅紀行文」で佐渡の山のPrにも取り組んでいます。
遭難時に大切な情報源となる登山届の受け付けも大切な仕事です。
トレッキング講習会
山旅紀行文(写真左)とトレッキングマップ(写真右)
『佐渡トレッキング協議会ブログ』にリンクします<外部リンク>
Q3 佐渡のトレッキングには、どのような魅力がありますか。
最大の魅力は、雪解けの頃の花です。種類や量がとても豊富で、いろいろな花を楽しむことができます。雪割草やカタクリも素晴らしいですし、特にシラネアオイの群生は日本一とも言われています。
夏の海の景色や海から吹いてくる風の爽快感、秋の紅葉もとても良いですよ。
雪割草
シラネアオイ
Q4 おすすめのコースを教えてください。
カタクリ
どのコースも楽しめますが、春のアオネバ登山口~ドンデン山荘コースがおすすめです。春の花は見応えがあります。ドンデン高原を1周するコースも春の主な花はすべて見ることができます。
『佐渡トレッキングルート情報』(佐渡観光協会)にリンクします<外部リンク>
Q5 佐渡のトレッキングで注意していただきたい点をお聞かせください。
遭難や道迷いを防ぐために残雪期にはガイドを付けていただきたいですし、装備にも注意が必要です。通常のトレッキングの装備に加え、軽アイゼン、ストックは用意した方がいいです。
それから、植物の盗掘は絶対にやめてください。
春に限らず、無理な登山計画は立てないこと、危険を感じたら引き返すことも大切です。
Q6 協議会が設立されて3年になります。立ち上がって間もないということもあり、ご苦労も多かったのではないですか。
佐渡のトレッキングを取り巻く環境は以前より良くなってきており、活動の成果が現れつつあると手応えを感じています。
春は田植えの最中にも問い合わせが頻繁にありたいへんですが、お客様の「ありがとう」や「とても良かった」という声がとても励みになります。
Q7 今後の活動の方向性については、どのようにお考えですか。
安全、安心なトレッキングができる環境の整備、さらに、お客様の満足度向上のためのガイドのレベルアップや佐渡のトレッキングの情報発信に努めていきたいと考えています。
インタビュアーから
塚本さんと市橋さんからは、インタビュー記事にまとめるのがたいへんなくらい、多くのお話をしていただき、熱い想いが伝わってきました。
佐渡トレッキング協議会の皆さんのように、入山者の安全や安心につながる活動に地道に取り組む方たちがいらっしゃるからこそ、我々がトレッキングを楽しむことができるのだと改めて感じました。
今後、佐渡のトレッキングがますます多くの人を魅了するように、県も連携してPr活動などに取り組んでいきたいと思います。(佐渡地域振興局企画振興部 山田)