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つうくり市民会議(基本理念)
つうくり川づくり案について
川づくり案は、全ての関係者が立場を越えて共通の認識に立ち、「治水」、「川の利用」、「川の環境」、「川とのかかわり」の視点から、「通船川・栗ノ木川下流」の将来のあり方と具体的な方針を示すものです。
この川づくり案は、2000年5月からつうくり市民会議で検討が進められ、2001年3月に再生検討委員会に提言されたものです。
基本理念
大河を結び、雄大なる砂丘と広大なる水田からの流れを受けて、自然豊かに、子供が泳ぎ、船が通り、流域に活気が溢れ、次世代に誇りをもって贈れる川に!
共通認識
川づくり案を提言するに当たり、通船川・栗ノ木川下流について共通の認識を持つことが大切です。
- 通船川・栗ノ木川は新潟の激動の歴史を語り、おもいでや文化をはぐくんできました
- 通船川・栗ノ木川は川とそのほとりに棲む生き物のいのちをはぐくんでいます
- 通船川・栗ノ木川は海面下の地域を日々24時間水没から守っています
- 川は太古から氾濫を繰り返してきた場所では、浸水の危険とうまくつきあうことが必要です
- 貯木場は、企業の活動に利用されているほか、遊水機能が大きく治水上必要です
- 鋼矢板護岸は新潟地震の震災復興として緊急に整備したものです
- 構造物の地震対策は効果的・効率的に対策を行うことが必要です
- 川の姿は流域におけるすべての人の営み、川とのかかわり、倫理観の現れです
- 川づくりの方向は地域と川の関係の再構築など大きく変わろうとしています
治水
基本方針:安心した暮らしをみんなでつくりだす“つうくり”
具体的方針
- 低水路方式・遊水機能の維持及び排水・通水能力の向上
8・4水害と同じ雨でも川からあふれないようにする。 - 流域内の貯留能力の向上
流域に降った雨を貯留したり、地面へ浸透させ、下水道や川へ流れ込む水の量を減らす。 - 水害に強いしくみづくり
水害についての危険度をだれもが把握できるほか、地区レベルでの対応が可能な設備を整える。また緊急連絡体制や復旧対応の備えを整える。 - 周辺環境に応じた護岸づくり
沿川部の士地利用や環境などから、川幅を広げ緩傾斜護岸をできるだけ導入する区間、現形状を維持する区間などをそれぞれ検討し整備する。 - 排水機場などの主要施設等の地震対策の強化
海面下の地域を24時間水没から守っている主要施設等の地震対策をおこなう。 - 下水道(雨水)の整備促進(逆流防止含む)
8・4水害と同じ雨でも床上浸水をなくすことを目標に下水道の整備を促進する。
川の利用
基本方針:川の豊かさを誰もが分かちあえる“つうくり”
具体的方針
- 筏・貯ホ場などの企葉活動だけでなく、釣り、舟運などの時代にあった多様な刺用の促進
企業活動のほか釣りや舟遊び、舟運など時代のニーズにあった利用を進める。 - みんなが川の豊かさを分かち合えるルールづくり
利用者が川の豊かさを分かち合えるルールをつくる。またそのルールを市民に周知し、譲り合いながら多様な利用ができるようにする。 - 安全に釣りや散策なとができる川岸の整備の促進
安心して釣りや散策などができる環境を整備するとともに、万一転落した場合でも自力脱出及び第三者による救助が可能な整備を図る。 - 川の利用に合わせたサーヒス施設等の充実
利用者(釣り・散策等)が適宜休憩等を取れるとともに、川沿いの集える場(広場等)を各地区に設置し、近くにボート等の船着き場も設置する。また、企業が安心して活動できるしくみ(筏航行の危険回避等)もつくる。
川の環境
基本方針:生き物すべてにやさしく水のきれいな“つうくり”
具体的方針
- 閉鎖水域の実状を踏まえた水質浄化対策の促進
汚さない、取り除く、きれいな水を入れる
親水、魚類の生息、水遊びに適した水質をめざして、川に流入する水の浄化対策を進めるとともに、浄化用水の導入をおこなう。さらにヘドロの処理方策を検討するとともに、可能となった施策から実施する。 - 地域の健全な水循環の形成
流域内の保水・貯留・浸透機能の確保、流入水・河川水の水質改善及び身近な水の確保などにより健全な水循環の形成を図る。 - 自然豊かな阿賀野川等と有機的に結び、生息する生物の多様化を促す整備の促進
流域内や信濃川、阿賀野川、鳥屋野潟との環境上の連続性を確保し、また魚類や鳥類の生息、生育を可能にするとともに、周辺の環境と調和しながら潜在の水生植物、草木類が豊かに繁茂できるようにする。 - 新潟の市街地を流れる川として誰もが安心して川に親しめる水辺づくり
子供、高齢者、障害者など、だれもか安心して川に親しめる水辺までのアクセスと水辺の整備を図る。 - 砂丘台地をはじめ地域に広がる緑と一体となったうるおいのネットワークづくり
川沿いから周辺地域のじゅんさい池等の緑の拠点を気軽に散策できる環境にする。 - 市民が健康を増進できる憩いと集いの場づくり
緑豊かな川沿いの管理用通路を散策・ジョギング、木陰のベンチでの休息、広場に集まっての自然観察会など、それぞれの余暇を楽しめるようにする。 - 新潟の顔となれる川づくり
川の歴史を感じ、地域固有の風景をかもし出し、市民に愛される新しい空間をつくる。 - 緑豊かなうるおいの軸づくり
緑の回廊の骨格となるよう、護岸や管理用通路沿いには季節の移り変わりを知らせる草花や緑があふれる川とする。また水際には水生植物の繁茂を促し、水辺環境を保全する。
川とのかかわり
基本方針:川を通して自然と社会を学び、人のこころと絆をはぐくむ“つうくり”
具体的方針
- 川を活かし地域を活牲化ずる新たな営みをはぐくむ川づくり
- 市民・企業・行政等あらゆる立場の人が相互に援助しあい、川に係わりながら地域を活性化する活動をはぐくむしくみをつくる。
- 川を活かし合う多種多様多彩な仕事「川業」を起業できるしくみをつくる。
- 沿川地域の災害時に役立つ川づくり
緊急時には管理用道路を緊急車両が通行できるようにするほか、沿川地域の火災に河川の水を有効に活用できるようにする。 - 新潟地震、川蒸気など流域の歴史と文化を世代を越えて語りつげる川づくり
これまでの川と人とのかかわりの歴史や残されている文化等を次の世代に語りつげるようなしくみをつくる。 - 子供から大人まで自然、社会を学べる川づくり
子供が日常の川での遊び方、危険性を学ぶとともに、川の豊かさも体験できるしくみをつくる。また水害等自然の驚異、水循環と地域社会のかかわり方、事故と自己責任のあり方などを流域の大人や利用者が学び議論できるしくみをつくる。 - 市民・企業・行政等が立場を超えた理解とそれぞれの役割を実践できる川づくり
市民会議等の活動を継続し、「見試し」を基調とした川にかかわる地域活動を市民・企業・行政等あらゆる立場の人が参加して進める。 - 都市河川と流域のあり方およびその先進的な取り組みについて受発信できる川づくり
常に川づくり・地域づくりを研究し、既成概念にとわられないアイディアを持ち寄り、先進的な取り組みを市民・企業・行政等あらゆる立場の人の協力で実行し、発信していく。