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BSE Q&A
Q:BSEとはどんな病気ですか?
A:BSE(Bovine Spongiform Encephalopathy:牛海綿状脳症)は、1986年に英国で初めて発見された牛の病気です。BSEに感染した牛は、異常プリオンタンパク質と呼ばれる異常化した細胞タンパク質が脳などに蓄積し、脳の組織がスポンジ状になるために牛海綿状脳症と名付けられました。感染から発症までに数年かかり、発症すると神経過敏や異常姿勢などの神経症状を呈して死に至ります。
Q:牛はどうやって感染しますか?また人や他の動物にうつりますか?
A:牛への感染は、BSEを発症して死亡した牛を原料として作られた飼料(肉骨粉)を牛に食べさせたことよって広がったと考えられています。このため、現在では肉骨粉を牛に食べさせることは法律で禁止されています。BSEの病原体が人に感染すると変異型クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)になると言われていますが、まだはっきりしたことはわかっていません。vCJDはほとんどイギリスで発生していますが、イギリスでは1989年以前にハンバーグなどの原料として、異常プリオンタンパク質が多く蓄積すると言われる脳を用いていたことが多くの患者を出した原因ではないかと言われています(日本ではこのような食習慣は一般的ではありません)。他の動物では、2005年フランスにおいて、ヤギでBSEの感染が発見されましたが、豚や鶏での自然感染は今まで報告されていません。
Q:乳製品は安全ですか?
A:国際的な専門家会議で、BSEは牛乳によって伝達されないことが報告されました。実際にも、BSEの母子感染の例はなく、牛乳中から異常プリオンタンパク質が検出された例もありません。このため、イギリスなどのBSE発生率が高い国においても、牛乳および乳製品は安全であると考えられています。
Q:特定部位とはなんですか?
A:特定部位とは、牛がBSEに感染した際に異常プリオンタンパク質が蓄積すると考えられている部位のことで、頭部(舌、ホホ肉を除く。)、背骨、せき髄、小腸の一部がこれに当たります。筋肉などのように、特定部位以外の部位では感染性は見出されていません。特定部位を焼却することや、これらによって食肉が汚染されないように衛生的な処理をすることが法律によって義務づけられています。私たちは、BSE検査の結果にかかわらず、と殺されるすべての牛の特定部位について、厳重な廃棄確認を行い、記録を保管しています。