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豚の肺炎
一部廃棄が最も多い臓器は肺です!
ここでは、肺に見られる病変の一部について紹介します。
正常な肺
豚マイコプラズマ肺炎
肺の上部などに、桃色で透明感のある柔らかい病変を形成します。他の肺炎を引き起こす基礎となることも多く、生産性の低下を招きます。飼養環境の悪化を防ぎ、ワクチンの接種による予防が大切です。出荷された豚の半数以上がこの肺炎にかかっています。
原因となる病原体はMycoplasma hyopneumoniaeです。
濃い桃色の部位が病変部
豚胸膜肺炎
肺に暗赤色で硬い結節性の病変を形成します。胸膜炎を併発することが多く、急性型では死亡することもあります。
原因となる病原体はActinobacillus pleuropneumoniaeです。
やや黒く隆起している部位が病変部
胸膜炎
肺炎が悪化し、炎症産物である線維素が肺の表面に広がった状態です。
悪化すると横隔膜と肺が癒着し、廃棄される部位が拡大します。
肺と横隔膜が癒着
肺膿瘍
厚い結合組織に囲まれたものが多く、中に膿汁を含みます。解体時に膿瘍が破壊されると、枝肉の汚染につながります。
黄色の液体が膿汁