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田掻(たぁか)き観音「病の民に代わり田植え」

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0561382 更新日:2023年3月1日更新

2月16日(木曜日)放送

新井田 悠 記者

収録様子

放送内容

(佐野局長)=FMながおか 放送局長 佐野 護さん

(新井田記者)=新潟日報社 長岡支社 報道部 写真記者 新井田 悠さん

 

今日は、新潟県・新潟日報・FMながおかコラボ企画「地域の魅力発信します!」をお送りします。

 

(佐野局長) 本日は1月12日の新潟日報朝刊に掲載された「民話の里 訪ねて」の記事を書かれた、新潟日報長岡支社の記者 新井田悠さんに、長岡市越路地域の「田掻(たぁか)き観音」についての話をお伺いいたします。新井田さんどうぞ宜しくお願い致します。

(新井田記者) よろしくお願いします。

(佐野局長) これ「田掻き観音」。

(新井田記者) そうですね。

(佐野局長) 珍しい名前で呼ばれている観音様なんですね。

(新井田記者) そうですね。長岡市の越路地域の朝日(ちょうにち)寺というところに安置されている観音様で、信心深い農民が病気になったときに、代わりに農作業をしたことで「田掻き観音」と呼ばれるようになったそうです。

(佐野局長) これはありがたい観音様ですね。これ、実際にはどんな観音様なんでしょうか。

(新井田記者)はい、木像で背丈はだいたい60センチくらいです。朝日寺の本堂の奥の部屋で大切に祀られています。

(佐野局長) 大切に祀られているその様子がですね、1月12日のこの新潟日報の記事に写真で出ております。観音様に手を合わせてらっしゃるこれ、ご住職の方がいらっしゃいますね。これはどなたなんですか。

(新井田記者) これが、朝日寺の永井朝雄ご住職ですね。

(佐野局長) あらためて、この田掻き観音っていうのはどんなお話なんでしょうか。

(新井田記者) はい。鎌倉時代に越路の浦村っていうところに藤左衛門さんという正直な農家の方がいらっしゃって、敷地の中に観音様を祀っていたそうです。ある年、田植えの時期に家族全員が病気になってしまって、床(とこ)に伏ってしまったということなんですね。田植えの時期を逃してしまいそうで、みんな心配してたんですけれども、元気になった藤左衛門さんが田んぼを見に行くと、既に田植えが終わっていたということなんですね。

(佐野局長) すでに田植えが終わっていたという。病に伏していたのに。

(新井田記者) そうですね。

(佐野局長) 元気になって見に行ったら。もう田植えが終わってると。

(新井田記者) そうなんです。藤左衛門さんは誰が田植えをしてくれたのからなくて、ずっと不思議に思っていたそうなんですけれども、ことのいきさつを報告しようと思って観音様がいるお堂に行ったところ、中で観音様と絵馬が泥だらけになっていたということなんですね。その姿を見た藤左衛門さんは「観音様のおかげ」だと気付いて、とても感謝したということなんですね。

(佐野局長) 観音様や絵馬が泥だらけになったと。これ観音様がやってくれたんじゃないかと。

(新井田記者) ということになりますね。

(佐野局長) あの、絵馬も泥だらけになってるんですね。

(新井田記者) はい。絵馬が田んぼを掻きならしてくれたということだそうです。

(佐野局長) 絵馬でならして植えるみたいな。

(新井田記者) 観音様が植えたということだそうです。

(佐野局長) なるほどね。とても慈悲深い観音様と絵馬ですね。

(新井田記者) そうですね。その後も藤左衛門さんの一家は、代々田掻き観音を大切に祀ってきたそうです。大正時代には火災にあったお堂からご主人が身をていして観音様を救い出したというエピソードも残っています。

(佐野局長) 藤左衛門さんの思いが伝わってきますね。

(新井田記者) そうですね。朝日寺の永井ご住職は「藤左衛門さんの日頃の行いを見ていた観音様が、困ったときに力を貸してくれたんじゃないか」というふうに話しておられました。

(佐野局長) そうなんですね。実際にですね、この記事の写真を見ると、観音様のですね足元がちょっと白くなってますよね。田んぼに入った跡なんじゃないかと。

(新井田記者) そういうふうにいわれていますね。

(佐野局長) あらためて、この取材をとおしてですね、思ったことラジオをお聞きの方にメッセージをお願いいたします。

(新井田記者) 実はこの記事が新潟日報に掲載されたあと、藤左衛門さんの末裔の方から会社にお電話を頂きまして、記事が載ったということを、とても喜んで下さいまして、多くの方にこの観音様の話を知ってほしいんだと、いうふうに願っておられました。私としても、大切な教訓が含まれている話だと思っていますので、多くの方から知ってもらえたら嬉しいなと思っています。

(佐野局長) 普段はですね、新井田さんはカメラを持ってらっしゃいます。

(新井田記者) そうですね、はい。

(佐野局長) いろんな現場に行ってカメラを持っていらっしゃるんですけれど、今回はこの取材をされたと。

(新井田記者) そうですね。本当は、末裔の方に記事を書くときに、お話しを伺えれば一番良かったんですけども、記事に載ったあとでしたが、実際にお話しをすることが出来て、喜んで頂けて私としても大変嬉しく思っております。

(佐野局長) 越路の「田掻き観音」の物語を知りたいという方はですね、1月12日の新潟日報朝刊「民話の里 訪ねて」の記事をぜひご覧ください。新井田さんどうもありがとうございました。

(新井田記者) ありがとうございました。

 

(佐野局長) 次回の放送は、2月24日金曜日です。天狗岩「村人懇願 湧き水が復活」の記事を書かれた三木ゆかりさんが登場します。

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