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むらかみ・いわふね珍風景(珍風景番号51)
関川村の大蛇伝説(珍風景番号51)
蔵の市の石碑 琵琶・笠・杖が描かれています
今回は「大したもん蛇まつり」にちなんだ珍風景をご紹介します。
お祭りの舞台となる関川村には、古くから「大里峠(おおりとうげ)」という伝説が伝わります。大里峠伝説は、1人の琵琶法師が大蛇から村を守るお話で、大したもん蛇まつりのモチーフになっています。一説によると、大里峠伝説は、過去に関川村を襲った洪水を物語にしたものと言われています。関川村では、大里峠伝説や大したもん蛇まつりにより、過去の水害を後世に語り継いでいるのです。
お野立て公園(関川村荒川台)には大里峠伝説に登場する琵琶法師の石碑があります。お祭りの時期には、今でも多くの人が訪れるそうです。また、公園脇の遊歩道には、大里峠伝説レリーフも飾られ、伝説を今に伝えています。過去の水害を風化させまいとする関川村の思いを感じるスポットを紹介しました。
大里峠伝説
その昔、蛇喰(じゃばみ)という集落に忠蔵と“おりの”という夫婦が住んでいました。ある日、忠蔵は大きな蛇を仕留め、味噌漬けにして樽に詰めます。忠蔵は「決して樽を覗いてはいけない」と言い付けますが、“おりの”は好奇心から樽を空け、蛇の味噌漬を全て食べてしまいます。禁を破った“おりの”は、なんと大蛇に姿を変え、行方をくらましてしまいます。
数年後のある晩、蔵の市(くらのいち)という琵琶法師が大里峠で休んでいると、突然女が現れ琵琶を弾いてくれと頼みます。蔵の市が身の上を尋ねると、女は“おりの”と名乗り、大蛇に身を変えてしまったと答えます。さらに女は、荒川一帯を氾濫させ自分の住処にすると蔵の市に打ち明け、「他言は無用」としながらも、蔵の市に逃げるように伝えます。
驚いた蔵の市は、“おりの”の計画と大蛇が鉄を嫌うことを村人に伝えます。村人たちは、蔵の市のおかげで大蛇を退治することができましたが、「他言は無用」という“おりの”との約束を破った蔵の市は、村人へ伝えた直後に息絶え、琵琶と笠と杖を残して消えてしまったといいます。
大蛇になってしまった“おりの”
大蛇(おりの)の話を聞く蔵の市
村人に話しを伝える蔵の市
遊歩道のレリーフが大蛇伝説を伝えています
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