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教育下越371号

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0589235 更新日:2023年6月15日更新

教育下越371号

いじめをしない、許さない、命を大切にする意識の醸成

 新潟県教育委員会では「令和5年度 学校教育の重点」で、「いじめをしない、許さない、命を大切にする意識の醸成」を3つの領域で推進しています。

 道徳教育では、思いやりをもち、自己や他者、社会にとってよりよい判断ができるよう、ねらいに即した多様な指導方法を取り入れるなど、「考え、議論する道徳」を推進することを掲げました。文部科学省では、「特別の教科道徳」の趣旨や理念の実現を図るため、「考え、議論する道徳」の授業づくりの参考となる映像資料等を提供する「道徳教育アーカイブ」を設置しています。

 人権教育、同和教育では、新潟県人権教育基本方針のもと、差別を許さず、自他を大切にして行動できるよう、「生きる」を活用するなど、同和教育を中核にした人権教育を推進することを掲げました。教職員意識調査(令和元年度実施)で、「人権教育、同和教育を推進する上で、あなたが困っていることは何ですか。」という設問に対して、「指導に自信がなく、間違ったことを教えないかと不安だ」の割合が前回調査より11ポイント増加していました。県では、令和4年3月に「教職員研修の手引き」を改訂しました。研修等で積極的な活用をお願いします。

 特別活動では、他者への理解を深め、集団や社会における人間関係をよりよく形成することができるよう、学級活動や児童会、生徒会活動での話合いを大切にするなど、児童生徒主体の活動を推進することを掲げました。国立教育政策研究所では、「特別活動指導資料」「特別活動映像資料」を作成しています。推進・充実に向け、積極的な活用をお願いします。

児童生徒の事故防止を

5月31日現在の交通事故、傷害事故の件数と状況は以下のとおりです。( )は昨年度の数値。

○ 交通事故:11件(2件)

すでに昨年度の発生件数を上回っています。自転車乗用中、一時停止や左右の確認をせずに、交差点に進入するなどの事故があります。

~交通事故防止についての指導ポイント~

1 自転車の安全な乗り方

車道への飛び出しは絶対にしないこと、交差点の安全な通行の仕方、交通標識の正しい理解、ヘルメット着用の奨励。(4月1日から自転車利用者へのヘルメット着用が努力義務となりました。)

2 安全な歩行の仕方

飛び出しは絶対にしないこと、道路横断時の安全確認の徹底、事故にあったらすぐに知らせること。

 

○ 傷害事故: 9件(15件)

今年度、9件の発生報告(全て管理下)がありました。休憩中や授業中の骨折が7件と多く発生しています。

~傷害事故防止についての指導のポイント~

1 危機回避能力の育成

教職員の目の届きにくい活動中では、安全な行動の仕方を身に付けさせる。

2 施設設備など学校環境の安全点検と確認

教職員が、フェンスのほつれやグラウンド地面のガラス片など、「万が一」を想定して確認する。

3 水の事故防止、熱中症予防の対策

暑さが本格化し、休日等に川や海等で遊ぶ児童生徒が増えます。大人と一緒に遊びに行くなど、安全対策について指導する。また、室外と室内の温度差や、室外での活動に十分気を付け、環境や状況に応じて給水、休息等を取るなど熱中症予防に適切に対応する。

「話合い活動」で学級経営の充実を

「学習指導と生徒指導は両輪である」という言葉があります。この両輪をつなぐ重要な役割を担うのが「学級経営」です。 学習指導要領及び学習指導要領解説特別活動編では、「学習や生活の基盤として、教師と児童(生徒)との信頼関係及び児童(生徒)相互のよりよい人間関係を育てるため、日頃から学級経営の充実を図ること。」と示されています。

 また、昨年改訂された生徒指導提要には、学級経営は、児童生徒の居場所をつくり、失敗や間違いを通して皆で考え、支え合い、想像する集団づくりにつながるとしています。

 さて、「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指す学習指導、「自主的、自治的な活動」の実現を目指す生徒指導の双方において、学習場面における話合い活動の質の向上は欠かせません。

 目指す学級集団の実現のために、話合い活動を積み重ね、指導改善を進めましょう。

養護教諭のみなさんへ ~ 摂食障害の児童生徒への対応 ~

 みなさんは養護教諭として、摂食障害を抱える児童生徒に出会ったことはありますか。日本摂食障害協会は、「新型ウイルス感染症禍が10代の摂食障害患者に与える影響」を検証するために、養護教諭1363人を対象にアンケートを行いました。調査結果から、約6割が「摂食障害」の児童生徒に対応した経験があると回答しています。また、摂食障害を疑い、早期に介入したきっかけを問う項目では、「身体計測」、「健康診断」、「担任からの相談」、「健康観察」の順で高い割合となっています。「児童生徒本人からの情報」や「家族からの相談」は比較的少ない割合でした。

 摂食障害は、本人に自覚がなく、治療に抵抗することがあります。ときには死に至るほどの飢餓状態に陥ることもあるなど、早期に発見することが極めて重要です。学校保健安全法で定められている定期健康診断は、毎年全ての児童生徒を対象としており、摂食障害の早期発見につながる大切な機会です。成長曲線と肥満度曲線を作成し、異常であると判断した場合には、学校医に相談し、保護者と連携を図りながら、速やかに専門医療機関への受診を勧めます。また、日々の健康観察で得られた情報を健康相談や保健指導につなげます。大切なことは、養護教諭としての専門性を活かし、気付きをそのままにせず、関係者と共有することです。

 摂食障害は卒業・進学後や将来にわたっての健康も視野に入れた対応が望まれます。摂食障害の可能性がある児童生徒との信頼関係の構築に努め、学校、家庭、医療機関で協力し、チームで児童生徒の支援に継続して取り組みます。摂食障害を抱える児童生徒の対応や受診の勧め方などについては、校種別の「エキスパートコンセスによる摂食障害に関する学校と医療のより良い連携のための対応指針」や「厚生労働省:こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」が参考になります。ぜひご活用ください。

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