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教育下越369号

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0573605 更新日:2023年4月6日更新

令和5年度 教育下越369号

新たな挑戦の始まり  所長 小野 裕子

 「グラウンドや舞台に声援が戻ってくる――」 1月 27 日。新型ウイルス対策として続いてき たイベントの収容人数や声出し応援の制限撤廃に、スポーツや芸術を楽しむファンから喜びの声が上がりました。その後、Wbcや選抜高校野球などのスポーツイベント会場には、地鳴りのような応援と、その応援に士気を高める選手の姿が戻ってきました。そして、5月8日からは、新型コロ ナウイルスの感染症法上の分類が5類に引き下げられます。

 平成最後の年、勤務校の2年生生活科「町探検」 の引率中に、散歩をしていた福祉事業所の職員と 利用者の方々に出会いました。放課後、事業所か ら、「子どもたちと挨拶を交わした後、利用者さん の血色がよくなり、表情が緩みました。心が動いて、体(表情)も動いたのでしょうね。今後も、校外学習でこのあたりを通りかかることがあれば、 事前に教えていただけますか。玄関付近で利用者さんと待っています。」という電話がありました。学校の単元構想を超えて、大きな副産物をいただき、地域を歩くことの価値を学んだ一日でした。

 今、子どもたちは、学習用端末の整備により、バーチャルな世界を通じて、自然や文化を間接的に学んだり、疑似体験したりすることが容易にできるようになりました。そして、それらに指一本 でコメントやナレーションをつけて編集し、あっという間にプレゼンテーションスライドを作成できるようにもなってきています。

 一方で、「町探検」での出来事のように、端末越しではなく、実際に現地に足を運んでみなければ触れられない「もの」や「こと」はたくさんあります。それは、生き物のぬくもりやそこに生活する人の心などです。子どもたちは、それらと直に触れ合った時に、その「もの」や「こと」に思いを寄せて、自分にできることは何かと真剣に考え、知恵を出し合い、汗を流し、感動を共有しながら地域の未来を自分ごととしていくのではないかと思います。

 目まぐるしく変化し続ける社会の中で、「なんとなく」見ていた生活を「しっかりと」見る機会が減り、学習と生活のつながりが希薄化してきました。しかしながら、次世代を生きる子どもたちに、 生きる力を育むためには、具体的な体験や事物との直接的な関わりの中で、「問い」をつなぎ解決に向かう「実感を伴った学び」が必要ではないかと考えます。

 現在、徐々にさまざまな制限が緩和され、これまでの3年間と違うフェーズに入ってきているのを感じます。ぜひ子どもたちの豊かな学びのため、 ダイナミックに教育活動を構想していただきたいと思います。

 また、そうした豊かな学びを実現するためには、 子どもの微妙な表情の根底にあるものを洞察し、子どもの心の声を柔らかく理解する力が必要です。子どもの学びの状況を温かく語ることができる教職員が、Teach(教える)から learn(学ぶ)への 移行を実現できる学びの伴走者であると考えます。

 ダーウィンは、「生き残るのは、最も強いものや賢いものではなく、変化にうまく対応できるものだ」と発言しています。「君たちは、どう生きるか」 という教師側の問いかけが、「私たちは、どう生きるか」という子どもたち自身の問いとして立ち上 がることを目指し続けたい。

 さあ、新たな挑戦が始まります。下越教育事務所は、今年も皆様への支援を丁寧に進めてまいります。どうぞ、よろしくお願いいたします。

授業改善に向けた取組の視点

 児童生徒も教師も、新しいスタートに期待を 大きく膨らませる4月。このスタートの時点で、「主体的・対話的で深い学び」に向かう授業づくりの方向をしっかりと定め、計画的・継続的に取り組んでいくことが大切です。下越教育事務所では、今年度の授業改善に向けた取組の視点を、以下のように捉えました。(詳しくは、Teachers'2021・22・23、2023 プラス 「授業改善 15 のポイント」を参照ください。)

視点1

 「単元における「見方・考え方を働か せた姿」を明確にし、「深い学び」に向かう授業 を展開する」学習指導要領の内容を精査し、単元における「見方・考え方を働かせた姿」を明確にします。それをもとに「深める問い」を設定し「深い学び」に向かうようにします。

視点2

 「指導と評価の一体化により、児童生徒一人一人の学習の成立を促す」「記録に残す評価」「指導に生かす評価」の意味を理解し、単元に位置付けます。「指導に生かす評価」により、児童生徒の状況 をつぶさにみとり、児童生徒の学びの文脈に沿ってねらいが達成されるようにします。 この視点1・2を踏まえ、以下の事業により、 児童生徒の「主体的・対話的で深い学び」を保障する授業づくりを支援します。

1 プロジェクト支援訪問

  市町村教育委員会や学校の要請に応じた支援

2 指導資料の作成と活用促進

  教育下越特別号 Teachers’の発行、活用支援

3 市町村教育委員会指導主事との連携

  学力向上対策会議等の開催と情報の共有

4 学力向上推進システム活用事業

  「にいがた学びチャレンジ」有効活用の支援

5 教科教育専門監事業 ※令和5年度新規

  教科教育専門監事業(授業参観、示範授業、 授業力向上研修会)の継続的な指導・支援

6 教職員研修

  初任研、中堅研、教科リーダー研の指導・支援「1 プロジェクト支援訪問」の要請については、随時受け付けています。訪問内容については、市町村、各学校の御要望にお応えします。いつでもお気軽に御相談ください。(学校支援第2課 0254-27-9157)

児童生徒の非行事故、傷害事故防止を

 年度始めは例年、児童生徒の「ズボン下ろし」 「休み時間の傷害事故」が他の事故よりも多くなる傾向があります。新たな気持ちで、はりきっている児童生徒が多い反面、気持ちがうきうきして落ち着かず、事故につながってしまうことも考えられます。各学校において、どの児童生徒も気持ちよく新年度の生活がスタートできるよう、事故の未然防止にかかわる指導をよろしくお願いします。

扶養親族の状況確認について

 扶養親族の扶養状況が変わっていませんか?

 次のような場合、支給要件が喪失します。 後日に手当や医療費の多額返納を発生させないよう確実に手続をお願いします。

1 給与・諸手当上の扶養手当

<支給要件の主な喪失事例>

・就職や勤務条件変更等により、子や配偶者等の年間収入が 130 万円以上見込まれる。

・子が 22 歳に達した。(取消申請は不要)

・父母等が年金(個人年金等含む)を受給開始し年間収入見込みが 130 万円以上である。

・配偶者等が退職して失業給付(基本日額が 3,612 円以上)を受給した。 等

2 共済組合の被扶養者

<支給要件の主な喪失事例>

・就職や勤務条件変更等により、子や配偶者等の年間収入が 130 万円以上見込まれる。 ※ 共済組合の被扶養者は、扶養手当と異なり、22 歳に達した子が就職等により資格要 件を欠いた場合には取消申請が必要です。

・パート等の収入は年間 130 万円未満であるが、他の健康保険に加入した。

・父母等が年金(個人年金・財形年金含む) を受給開始し、年間収入見込みが 180 万円以上である。

・配偶者等が退職して失業給付(基本日額が 3,612 円以上)を受給した。

教育下越369号 [PDFファイル/1009KB]

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