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「第7期新潟県高齢者保健福祉計画」の進行管理について(平成30年度分)
第7期新潟県高齢者保健福祉計画の進行管理については、毎年度、実績を把握して分析・評価を行い、新潟県高齢者保健福祉推進協議会に報告し、意見を聴取することとしています。
また、介護保険法第118条第8項に基づき、第7期新潟県高齢者保健福祉計画に定めた「市町村が行う自立支援、介護予防又は重度化防止及び介護給付の適正化に関する取組の支援についての目標」に係る取組状況について、厚生労働省へ報告する必要があります。
1 新潟県高齢者保健福祉推進協議会への報告・意見聴取
この度、令和元年5月16日に新潟県高齢者保健福祉推進協議会を開催し、第7期新潟県高齢者保健福祉計画の平成30年度取組状況等を報告し、委員から意見をいただきました。
当日の議事録は以下のとおりです。
1 開会
2 あいさつ(三林副部長)
3 議題
(1)第7期新潟県高齢者保健福祉計画の進行管理について
ア 新潟県における高齢者を取り巻く現状と課題及び将来推計等について
イ 第7期新潟県高齢者保健福祉計画策定後の制度及び施策の動向について
・ 介護施設等の定員数(病床数)の推移について
・ 「健康立県」にいがたの取組(H31施策展開)
ウ 平成30年度における基盤整備等の状況
エ 平成30年度における施策取組結果
(2)介護給付適正化の取組状況(主要5事業)について
4 議事録
(1) 資料1~6について事務局から説明
(2) 質疑応答
(柴山副参事)
(資料1~3に基づき説明)
(丸田座長)
ありがとうございました。
ただ今は、「ア」「イ」についての説明をいただきました。ただ今の説明につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
では、吉沢先生お願いします。
(吉沢委員)
10ページの介護サービス別の1人当たりの給付額についてですけれども、斎藤委員から何か疑問点等あれば伺いたいのですが。
(斎藤委員)
はい。小規模多機能の斎藤です。ご質問ありがとうございます。
10ページを拝見しますと、一人当たりの給付費が高いから良くないのか、低いから良いのかという、その辺の県としてのお考えを伺いたいなというところがあるのですけれども。あるいは、介護給付費を消費しているのは居宅介護サービスがとても多い。居宅系と施設系が多いと。おそらく国も新潟県も地域密着型を増やしていこうという方向があると思うのですけれど、ここで疑問を抱いているのは、小規模多機能の給付費が高いから、これが悪いから押さえろということなのか、実際は小規模多機能をこれからどんどん増やしていこうと。
実は新潟県の事情としては全国に比べて小規模多機能の事業所数は非常に多いです。これは皆さんご存知の通り、小山剛さんが全国に先駆けて新潟県で小規模多機能を普及させようとしてこられたからだと。
現在190以上。ほかの県では見られない。それだけ小規模多機能というものの仕組みが地域密着型で、あくまでも住み慣れた地域でというのをスローガンにしておりますので、この形でこれを増やしていきたいという、いろんな方向性に合致していると読んでいただければ。
新潟はショートステイと施設、デイサービスがやはり多いというのが現状かと思います。お答えになりますでしょうか。
(吉沢委員)
決して多いからいけないとか、そういう風に意見を言っているわけではありませんので。
(丸田座長)
はい、お願いします。
(若杉課長)
基本的には、福祉のサービスというのは地域ごとに求められるものが違うのだと思います。
地域包括ケアということで、在宅というのが大勢の方向性かもしれませんけれども私どもが市町村の話を聞いていく中では、やはり認知症であったり介護度が進んだ方であったり、自宅で見ていくことが難しくて施設というお話もありますので、それはもう地域、地域で市町村がサービスの提供をしていくのが大切だと考えております。
10ページからは少し離れるのですけれども、手元にあるデータで、高齢者10万人当たりの入所定員というのがございまして、資料には示してございませんが、特徴として、施設の整備がだいぶ高くなっています。特養は全国2位、特養、老健、介護療養型医療施設の施設トータルでは全国1位、施設系の整備が進んでいる。一方で、それ以外のサービスについてはそれほどでないというのが本県の特徴。その中でも小規模多機能についてはかなり全国では高くなっておりまして全国6位と高い数字になっています。
(丸田座長)
ありがとうございました。はい。お願いします。
(山岸委員)
すみません、今おっしゃったのは新潟県も市町村においてすごく違うと思うのです。都市部と山間地域と。というと今のサービス、特に地方に行くと小規模多機能がどうなのかなというのがあるのですけれども。市町村ごとの特徴的なものというのはどうなのでしょうか。
(丸田座長)
はい、では、コメントがありましたらお願いします。
(若杉課長)
やはり平場、町場と中山間地はやはり密度の違いからですね、町場であれば集約していますのでビジネスとして在宅系のサービスが成立しやすいという状況がございます。
(髙橋委員)
老人福祉施設協議会、髙橋です。
地域の差というものがあるのですけれども、逆に地域の差を考えたときに、経営できるかできないかというのはすごく大きな問題で、小規模多機能も利用者さんたちが要介護3以上が平均ですと、収支バランスが取れるというモデルとなっている。さらに職員を集めるにしても、小規模多機能は、ユニット型の特養に比べれば随分人員配置は緩いのですけれども、それにしても、今度は要介護3という利用者さんがたくさんいるという地域はそれなりの収入が得られるわけですけど、困ったことに山の方ですとか島の方ですと、高齢者の人口が少ないわけですよね。そうすると、基準の定員といいますか、利用者さんをきちんと集めることができないと、要支援の利用者の方が多くなるなどとなってくるとなかなか経営的には難しいという向きがあります。
そのような状況で、どこの市町村も介護保険の事業計画で説明会を行って地域密着、開所してください、開所してくださいと言っても、いま先般の計画というのは、満足に地域密着型の整備は計画数には届いていないわけです。田舎に行けば行くほど、最後まで責任を持たなければならない、社会福祉法人とかが進めていかないとならない現状というのがあるのですけれども、社会福祉法人の経営も厳しいもので、小規模多機能イコール赤字というのが私たちの業界の中ではよく知られているところで、今後の整備という中で、本当に私も昔から在宅のサービスをやっていながら地域密着の小規模多機能という形態はすごくいい形態だと思うのですけれども、それにしても経営は行き詰っているというところ。
あとは、すべての福祉の施設に言えることなのですけれども、人材確保、育成というところが難しい中で、県とか市とかと一緒にやっていかないと難しいのだろうなと思います。
特に小規模多機能は廃業するところもどんどんどんどん増えている、新潟県の中でも増えているのではないかという風に考えています。
(斎藤委員)
小規模多機能の全国の流れとしては、要介護3以上の中重度もきちんと見られるような形でレベルアップしていく、教育研修をしている状況で、やはり要介護3以上でないとなかなか難しいところがあります。
(髙橋委員)
先生がおっしゃるようになんですけれども、でもこれだけ特養ですとか老健とか施設がたくさんあるということですよね。そうすると、在宅の要介護3以上の方が殆どいらっしゃらない。それこそ地域の方にはいらっしゃるわけですけれども、都市部には殆どいらっしゃらないという中で一つの問題は、もともと地域密着型サービスというのは報酬単価が安すぎるわけですよね。そうしますと要介護3以上でお受けになるという部分なのですが、職員は殆どが契約社員で、正規職員は配置できないです。
介護福祉士も配置できないという状況の中で、おのずと重度の方をお受けすることができないという部分の悪循環というのが現状としてあるのではないかと思っております。以上です。
(山岸委員)
例えば、高齢化率、今日、阿賀町の課長さんがいらっしゃっていますけれども、率イコール数ではないところからいくと、需要とその地域における一定程度要介護の方がそれなりに在宅とか施設とかというところで、阿賀町の状況は満たされている状況にあるのでしょうか。
(澤野代理)
阿賀町の澤野です。私もこの4月から就いたばかりで、はっきりとしたところまではまだ把握しておりませんけれども、確かに高齢者の数は人数的には減ってはいますけれども、パーセンテージはあがりつつある。ピークに近いのかもしれませんがそのような状況であります。
今65歳以上が約2人に1人という形になっております。
そういうところから、若い人がいなくて独居世帯、もしくは高齢者のみの世帯だけがかなり増えているというか、多くあるという状況の中で、介護度が上がってくる、また、認知症が進んでくるとなると施設への入所というのが一番希望されているのではないのかなというところで。それを在宅で対応しようとしても自宅で見てくれる家族の人というのが本当に限られている、またはいませんので、そういうところから希望しているわけですが、町の特養、養護施設も定員いっぱいでなかなか空きがないというところもありますし、また、他のそういう風な施設につきましてもなかなか施設自体の経営の部分を考えますと介護度が低い方が多く入っても経営が厳しいということもありまして、町としてはいろいろな方向で民間の施設の方にお手伝いできるものを相談しながらやっている。町としても施設に対して協議しながらできるところは応援していこうとスタンスではいますけれども、お答えになっているかどうかわかりませんけれども、現状ということでお願いします。
(丸田座長)
私の受け止め方は、今ほど提起いただいたのは、評価の視点をずっと問題意識としていらっしゃって、全県レベルでの評価、今日この後、圏域が出てまいりますけれど、全県と圏域、もう一つは保険者である市町村レベル。
でも小さな市町村は、単一の市町村で評価すれば、これからの計画に向けての内部的な評価が出てくるかというと少し限界があって、例えば複数の市町村でもって、それこそサービスの需要と供給を見ていくというような評価することが必要なのではないかという問題意識があって発言されたと受け止めたのですが間違っていますでしょうか。
(山岸委員)
いえ、整理していただいてありがとうございました。座長さんのおっしゃるとおりだと思います。
(丸田座長)
ありがとうございました。
(斎藤委員)
日本医師会が国立社会保障・人口問題研究所と一緒にホームページを2019年3月に開設しました。そこに医療介護需要度推計(JMAP 地域医療情報システム)があり、それを見ると非常に激しい。例えば佐渡ですと、医療需要も介護需要も急速に減少、減速していく。一方で、ここに施設がたくさんあるわけですが、これをこのまましておくと医療を必要とする人がいなくなってしまうのに病院を続けていくのか。
日本医師会のホームページは、2025年における医療・介護とはどうあるべきか考えてほしいということで開設されており、今の介護の現状を見ながら阿賀町は施設が必要だとしても、介護を必要とする人がいなくなってくるので、このまま施設を続けていけばいずれ消滅していくということを国は医師会と一緒に警鐘を鳴らしている。
(丸田座長)
ビックデータの話も出てまいりましたので、大きなデータをどのように活用するかということもご議論いただければと思います。
(河田委員)
私も10ページのところですけれども、訪問介護と訪問看護の部分がですね、新潟県では全国よりぐっと低くなっています。この部分をもう少し高くしていくという形を考えていく、これはもちろん人材だけをいうのではなくて、意識改革もあろうかと思うのです。
家の中に他人を入れたくない、例えば、同じ介護度でデイサービスと訪問介護のどちらを選びますかといいますと、誰も迷わずに通所を選ぶわけですね。それはやはり家に入れたくないとかプライバシーの問題とかがこういったことも含めながら、もう少し訪問介護あるいは訪問看護は小規模多機能とつながってくる話だと思うのですが、ここの意識改革というのを、安心といいますか、こういった人材が派遣できるのだという研修をきちんとしていくとか、もう少し広く取り組んでいただく。この2つをもう少し伸ばしていただく。そうすると後でも出てきますが、例えば、シニアカレッジを卒業された方や、老人クラブの方などたくさんの人材がいらっしゃると思うのです。世代を考えなければ。
するとここをどう意識改革していくかということに本気で取り組むことによって、この小規模多機能なども利用しながら生活していけるという状態が出てくるような気がするのですが。
(丸田座長)
今のような発言をいただきますと評価の視点が明確になってくるような気がいたしまして、このあと説明いたします取組とどう整合がとれているかという議論に発展していきますので、是非、計画を評価していくうえで、今のような視点をご指摘いただけるとありがたいと思うのですが、いかがでしょうか。
ほかにないようであれば少し進めさせていただいて、事務局から説明をお願いいたします。
(柴山副参事)
(資料4に基づき説明)
(丸田座長)
ここもかなり活発な意見が出ようと思いますが、まずは委員の方からご発言いただきたいと思います。
例えば、要介護者の認定者数が全県で減っているのはどこの圏域で減少しているのが影響しているのかということも議論となろうかと思いますし、それから河田委員からもご指摘いただきました訪問リハ、あるいは訪問介護についてどう評価しておられるかご意見を伺いたいですし、それから、小規模多機能については、斎藤先生がおいででございますので、いろいろなご意見がおありだと思いますので、ぜひご意見をいただきたいと思います。一番よく御存じの斎藤先生からご発言がありましたらお願いします。
(斎藤委員)
私自身はいま、看護小規模多機能を運営しておりますけれども、基本的には看護小規模多機能という概念が全く理解されていないというのが大きな問題かなと思っております。
看護小規模多機能といいますと、病院から在宅へ向かうのが難しい方を預かる施設だろうと、病院の先生方が考えておられるようです。看護小規模多機能は平成24年にできたのですが、その時に日本看護協会が非常に強力に、あくまでも看護小規模多機能は、小規模多機能プラス訪問看護だという理念で始まったのですが、日本看護協会のサイトウ理事が、ぜひ管理者はやはり訪問看護の経験のある方をということで平成23年に議論になったのですが、残念ながら決定したのは、訪問看護プラス小規模多機能であったはずが、小規模多機能で訪問看護をやる場合は別の事業所ナンバーを取れば良いと。もしくは小規模多機能の同一事業所内に訪問看護を持っていれば、そこの職員を使って構わない。訪問看護をもともと持っているところはそのまま看護小規模多機能になっても良いけれども、小規模多機能で訪問看護をする場合は別の事業所番号がいる。
その代わり2.5人の常勤の看護師がいれば、2.5人というのは訪問看護の基準ですが、その数さえそろえれば訪問看護を外部にしなくても認めてしまったというところが出発の大間違いで、現在も続いている。だから外部に訪問看護をしない看護小規模多機能が結構あるのです。ただし運営は非常に難しい。
平成31年の4月に厚労省からガイドラインが出まして、その中に小規模多機能プラス訪問看護であると記載されておりますが、それを理解しないでやっているところが半分くらいありますので、看護小規模多機能についてきちんとした理解ができていないというのが現状です。
説明して回っているところですが、全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会が看護小規模多機能に関わっていない、その分野は日本看護協会が決める部分であると。それが現在まで続いており普及しない原因となっている。厚労省の補助事業も参考にしながら、あくまで小規模多機能プラス訪問看護であると、普及を始めているところです。
看護協会が全権を持っていて、小規模多機能と看護協会の話し合いがされていない。非常に難しい状況だが、必要性は非常に理解されている。私は医療もやっていますので関われるのですが、一般の小規模多機能は訪問看護、看護協会との話し合いがうまくできていない。訪問看護がうまく理解されていないと。
(丸田座長)
ただ単に看護職が不足だというのでなく、別の要素が働いている。コメントありますでしょうか。
(太田委員)
今、先生の方からお話があったのですが、日本看護協会が全権を持っているというところも一つの要因というのもあるとのことですけれども、現実そうなのか、協会としましては、看多規は必要であろうということで推進していきたいところで、進めているのは事実なのですけれども、人員確保等々の問題があって、進んでいないと考えております。
先ほどからの訪問看護、訪問介護が進んでいないという話がありましたけれども看多規について目標が18の中で実績が13。18という目標値も圏域別で見たときに、新潟圏域9、中越は4、魚沼が2という中で目標値を挙げたところが、それぞれ実績で新潟8、中越1、魚沼2となっていて、地域性があるのかなと。そもそも計画自体には、県央とか上越等に看多機が入っていない。計画自体に入っていないところがある。
今後の高齢者人口等を見ていって、施設の状況等を踏まえたときに、全体として計画そのものの在り方も考えていく必要があるのかと思います。訪問看護につきましては、単価が高いこと等もあり、訪問看護に入ってもらうことでいったい何をしてもらえるかというところでの住民の皆さんの理解もまだ進んでいないのもあるのかなと思っております。早い段階からもしサービスを導入していただけるといいのかなと思われる方にも、なかなかサービスが行きにくいというところがあります。協会としても住民啓発に努めていかないといけないのではと感じております。
(丸田座長)
ありがとうございました。
(斎藤委員)
もう一つ普及しない理由の一つは、いわゆる訪問看護事業所をともに一つの事業所の中で経営していなければ認められていないというところです。基本的に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護では連携型が認められるのですが、看多機だけは訪問看護ステーションを自前でやっていないとできない。ここが大きなネックです。小規模多機能と訪問看護を持っている事業所は非常に少ないのですね。
連携が認められれば可能でも、訪問看護ステーションを自前でやっていないとダメでここが一つのネックとなっている。連携をとれば爆発的に増える。定期巡回は認められて、看多機は認められていない、今、厚労省で議論していただいている。
(丸田座長)
はい、ありがとうございます。
(山岸委員)
訪問介護、訪問看護が伸びていないというお話ですが、一定程度介護度が上がってくると施設入所に移るというような、また、施設入所が以前より改善したという中で訪問看護でもいけるような方が、施設の方に移るとサービスにつながらない。
看護が伸びないのはやはりどうしても皆さんは施設に行きたい。施設のほうは受け入れ大丈夫ですよという状況の変化によるものだと思いますがいかがでしょう。
(丸田座長)
金子委員はどのように受け止めていらっしゃいますか。
(金子委員)
個人的なことを先にお話しさせていただければ、母が要介護3から4になりました時点で訪問看護を入れさせていただいて、週1回お願いしているのですが、主に排便の管理が非常に難しかったのでそのことと、全体の医療の状況で往診を頼むほうがいいのかどうかの判断を含めて非常に心強い存在です。大変感謝しております。
それで私としては単価が高いというお話でしたが、これだけのサービスとか心強さを感じると、救急車騒ぎをしなくてはならない心労を考えると、ある意味妥当な線だなと納得のもとに使わせていただいております。話を始めると、まとまらなくて切ないのですが、在宅から施設への流れは、ある意味、新潟県の核家族化が非常に進んで、高齢世帯が増えていることの裏返しで、子供がいてもみんな遠くにいるということで、どうしても在宅で生活することの安心感を得られないというか、不安の塊だから、どうしても施設、先ほども待機入所、ショートステイが新潟県では多いということも、冬の期間、3か月、4か月ショートステイというかロングステイをお願いすることが本当に多いので、そこがこの数値を上げている原因の一つかと思うのですけれども。
何が言いたいかというと、非常に介護力が乏しい地域であるがために、施設、施設ということで、これは必ずしも悪いことだと決めつけられるとつらいところがありまして、ではどうしたらできるだけ長く自宅で生活できるかというのが今の課題でもあり、別の会議で地域包括ケアについて話し合う会議にも出させていただいているのですが、ご近所同士の助け合いや見守りもある意味限界を迎えている地域もあるように感じています。だから、ここをどうやって、近い将来施設に入る方も少なくなるという見通しもあって、全員を受け入れる状況はもう難しいのでしょうが、そこをどうしたら良いかということ。
もう一つ在宅が厳しいのが認知症介護にありまして、それは、認知症の人と家族の会新潟県支部を発足して今年で24年を迎えますが、当初と同じ状況で家族が介護に切ない思いを抱えるのですね。それはどういうことかというと、家族は、自分の価値観で認知症の人の行動や言動を受け止めますから、そこで、とんでもないことをしたといって家族を困らせる、どうしても家族は注意してしまう。そうすると本人は注意されたのではなく叱られたということで余計怒ってしまって怒鳴ってばっかりいる。そういったことで認知症の初期に家族間の人間関係がズタズタになってしまって、こんな大変な人はとても面倒みられませんということで、聞いてみると要支援の段階だったりするのですね。とてもどこの施設も受け入れられませんということで、しいて言えば要介護1になればグループホームですかねというところ。私が何を言いたいかといいますと、家族がいても、認知症初期の対応をもう少し、家族への啓発も含めて手厚くすることで、認知症の人が早くに施設へという流れを少しでも食い止められたらなと思うところです。少し長くなりましたので申し訳ありません。
(丸田座長)
はい。高橋委員お願いします。
(髙橋委員)
在宅か施設かと、話がずっと昔に戻ったような感じがするのですけれども、施設に入れたら親不孝だ、在宅で親を見たら親孝行だという話は終わっている。多分もう時代はとっくに変わっているのだろうと思っております。もし分けるとしたら、病院か病院以外に私たちは分けていかないといけないと思っておりまして。
先ほど山岸さんの方から施設も増えましたし、最初、要介護4以上の方ということもありまして、措置の時代は3年も4年も待って施設という状況でしたが、いまでしたらせいぜい待って要介護4以上の方でしたら半年くらいでヒットするような時代という部分の中で、施設の使い方を考えていかないとと思っています。
今の議論なのですけれど、施設に入ったら、ターミナルケアということで、何にもしないで寝かせていて亡くなっていくイメージがあります。収容所みたいなイメージという部分がまだありますけれども、施設は通過するものだということを私ども新潟県の老施協としては考えるところです。
マスコミにも出ましたが、おむつ外しにつきましても、自立支援の介護というのは、きちんと水分の摂取量ですとか、下剤の管理をすることで、まだ、おむつ外れるじゃないと、寝たままおむつの中に排便しなくてもいいケースがだいぶ出てきている。
その中で、もともと福祉の仕事は人を変えるのが仕事でありますし、人をつなげる、一回離れたご家族と本人というのをもう一度つなげるというのも福祉の最大の役割と考えています。
トイレで排便ができるようになると表情が変わる。そうするとご家族の変化がみられる。よく面会に来るとか、外泊するとか。在宅復帰にこだわると家族は怖じ気付く。それならと、月に1回自宅に帰りませんかというと、1泊2日、実績としましては。
これができました等と言うと皆ご兄弟などご面会に来られるわけでして、そうすると情が出まして、1回家に連れて帰ろうかということになる。自分たちの生まれ育った家で親御さんと1泊過ごすというと、大変なのだけれど幸せな気持ちになったと言われます。だから私は、1泊2日も在宅復帰と思っている。
人を幸せな気持ちにするのも福祉の仕事と、うちの職員に言って説明するわけですが、その成功の体験が福祉の人材を育てているという現状で、施設の使い方といいますか、要介護4でないとは入れないではなくて、認知症の初期の方にも施設を使っていただければ良いし、今私たちの施設でチャレンジしているのは、もう少しで外れそうな方、ショートステイ1か月でおむつを外そうといってやっています。そうすると現場の職員も自分たちの仕事として、役割が何だかと分かってくる中で、人材確保育成の一つと思い進めています。
中には悪い特養もあります。職員が利用者をケガさせたり。うちの職員に法令を犯す行為をさせるつもりはないからなと話す中で、自立支援をどんどん進めて、いいところも悪いところも、みんなで頑張って、独り勝ちはなしにしてみんなで人材育成を一緒に一生懸命進めているところ。
もう一回家族をつなぐレジデンシャル・ソーシャルワーク、介護職員ではなく福祉職員ということでチェンジさせていこうと思っています。機動力はありますので、困ったことがあれば特養をあたっていただければなんとかします。
(丸田座長)
ありがとうございました。評価の視点からすれば、量的な評価だけでなく、少し質的な評価を入れていくという視点が今日、明らかになってきたと思いますし、それから、金子委員さんからのご指摘では、今後の計画づくりに向けた論点が少し見えてきたように思いますが、ほかの委員の方いかがでしょうか。
(髙橋委員)
すいません。人材育成という部分の中には外国人云々と、小規模多機能も地域密着も含めて職員不足なんですけれども、私に言わせれば「安い」労働力不足にしか聞こえないのです。どういう職員がほしいのと言うと、誰でもいいですと施設長たちが言うのです。
誰でもいいなんて言ったらこの福祉の仕事がしたくて求職している人たちに失礼な話。それよりも現場の職員は一生懸命頑張っているのに誰でもいいなんて人を配置するなんて失礼なのだという観点で進めていかなければならない。いかんせん人がいないという中で、特養は今まで介護保険の考えでは、入所者に対して介護・看護職員は3対1となっていますよね。今まではうちのステータスは2対1でやっています、1.8対1でやっていますと自慢するところもありましたが、不慣れな職員で1.8対1配置しても全然意味がない。それよりも4対1でもできる部分というところ。生産性を求めていくというところでチェンジを図っていかないとというところがあります。
河田先生からいろいろ教えていただこうかなと思っているところです。
(丸田座長)
ありがとうございました。地域の実情をよく御存じの本多委員さんから、今ほどの地域の施設整備状況などについても踏まえながらお話しいただけますでしょうか。
(本多代理)
民生委員の本多でございます。私ども、毎年3月に高齢者現況調査というので、65歳以上のお宅を訪問し調査するのが、市から民生委員に依頼が来ます。
現在、65歳以上でお元気な方は、多数います。また、65歳以上で親を看ている方も多くいます。今回単身の方が増えたという現状があるのと、単身高齢者が年齢を重ねてくると、離れている家族が心配をし、「一緒に住もう」といわれるご家族が増えてきたように思います。
嬉しい気持ちもあり、寂しい気持ちもあり、「お元気で」と、見送る日も多々あります。また、反面、お亡くなりになる方も多くいらっしゃいました。昨日までお元気でいたのに、今日は、電気が付いたまま。おかしい。換気扇も回っている。鍵は、全部かかっている。おかしい、心配。民生委員1人では?と、町内会長などと協議し、市に連絡。市の担当者は、警察、救急隊と連絡をして来てくれる。結果お風呂で亡なっていました。ご家族としては、ご自分の所に引き取るのが良いのか、地元の施設にお願いする方がいいのか悩むところです。
ご本人は、まだまだ一人で頑張れると、限界の見極めが難しいところです。
以上、私が身近に感じたところの意見です。
(丸田座長)
ありがとうございました。時間の制約もありますので、大変勝手ではございますが、
資料5の説明をいただいた後で、まだご発言をいただいていない方にこの後いただいてまいりますことにして、いったん前に進めさせていただきます。
では、事務局から御説明をお願いします。
(柴山副参事)
(資料5に基づき説明)
(丸田座長)
亀倉先生、大変失礼いたしましたが、ご発言の機会をなかなか提供できなくて。
今までの事務局からの説明、ただいまの「エ」に関する説明を含めご意見ありましたらお願いいたします。
(亀倉委員)
歯科医師会の亀倉と申します。よろしくお願いいたします。
以前の会議でも発言したことがあるかと思いますが、歯科医師会としては、結局管理できるというとお口の中の状態、飲み込みのところになりますので、お年寄りが最後、亡くなるまで、楽しんで、おいしく食事できるようにということに、歯科医師会としては関与していきたいと。
施設においても、嚥下ですよね、飲み込みができない人が結構多いかと思います。
基本、やはり人間は口から物を食べて栄養を取るのが一番大事かなと思っておりますので、もし施設におかれて、飲み込みが悪いとか、かみ砕きができないといったそういう状態であれば、歯科医師会としても、在宅とか歯科医療連携室というのがありますので、そういったところに声をかけていただいて、積極的に活用していただければと思います。
また、口の中をきれいにするだけでも誤嚥性肺炎などが減るといわれていますし、認知症に関しても歯があってしっかりかむと脳血流量が増えて、認知症の改善は無理かもしれませんけれども、認知症の発症を遅らせるとかというデータもありますので、いろいろなところで歯科医師会としても関与していきたいので、先ほど髙橋さんがおっしゃっていましたけれど、施設というのは上手に使うというのが大事だということが先生方の議論を聞いてよくわかりました。
多職種連携というのではないのですが、皆さんと協力して、最後まで物をおいしく食べて、笑って、笑顔で暮らせるような高齢者であってほしいなと思っております。
(丸田座長)
関谷委員さんお願いします。
(関谷委員)
社会福祉協議会の関谷でございます。介護人材確保についてですが、1,413名必要なところ210名ということで非常に残念な結果ではあったのですけれども、ただ、これだけ人口が減っている中、210名も増えていることは非常にすごいことかなとも思っています。
ただ、髙橋さんが言われたように、いかに有能な方を育てていくかということと、いかに離職を防いでいくかということが大事かなと思っておりまして、県社協としても力不足ですけれども力を入れていきたいなと思っております。
また、元気な高齢者の方は多いですので、是非生きがい対策といったらよいのか、
そういった方に介護のほうに加わってもらうというようなことも大事かと思っています。以上です。
(丸田座長)
少しスピードを上げてしまって申し訳ありません。燕市さんからおいでいただいておりますのでここまでの意見の交換とまさに保険者としてのお立場でご意見がありましたらお願いいたします。
(佐藤代理)
本日、鈴木市長の代理ということで出席させていただいております健康福祉部長の佐藤と申します。
これまで皆様のいろいろな御発言を聞かせていただきまして、まず1つ、髙橋委員からのお話も聞かせていただき、地元でありますので、量ももちろんですけれども質的にも恵まれた自治体の一つなのだなと改めて感じているところです。
私の方から、いままでの評価の関係で、人材育成というところで、燕市が取り組んだ実績を御紹介させていただければと思います。一昨年でしょうか、市長が会議に参加した折に、人材育成のための新たな取り組みということで提案させていただいたと聞いておりまして、早速平成30年度に表彰制度ですね、次世代を担うキャリア形成事業ということで、これは単独の事業ではなくフェアの一環として介護の職に対する魅力を発信していくというところに合わせての表彰ということで、初めて取り組ませていただきました。
職員の皆様は異動もありますので、基準などもいろいろ検討して、まだ、不足の部分もあるのですが、昨年度は111名の方を表彰させていただきました。引き続き今後も表彰させていただくことで、少しでも皆様のモチベーションアップにつながっていけばということで。
またこのほかにも皆様の、事業所さんの意見なども聞きながら、新たな事業に取り組めればと思っておりますし、資格の助成事業も引き続きサポートさせていただいております。
先程からお話を聞いていて感じたことがあるのですが、介護力について、当市の状況で恐縮なのですけれども、やはり燕市といいますと共働き世帯が多い地域ですので、産業振興という意味でも期待する部分が大きい。ですので、反面、介護したくてもやはり自宅での介護に行き詰まるという、子育てと両面なのですけれども、そういう方がいるのだろうなと思っています
そういう意味では、行政としてもこれまで施設整備に力を入れてきたところですが、福祉の人材不足が話題となっておりますけれども、産業界でも課題となっておりまして、介護のために離職しなければならないという視点もあるかと思いますので、そういう視点を入れて今後検討していく必要があるなと思っております。
認知症のことでは、認知症の初期集中支援チームを作ってやっているところです。各地域共通して評価というところを念頭に置いているかと思いますが、それぞれ今年度は目標を具体的な数字で出しまして、とにかくやれることをやっていこうと、今年は2年目になりますけれども進めております。行政としてできるところを取り組んでいきたいと思っております。
看護小規模多機能のあたりは、燕市でもまだありませんし、県央でも計画がゼロという状態でしたので、行政が支援できることがあればまたお聞かせいただければなと思っております。
(丸田座長)
ありがとうございました。燕市長さんから昨年この会議で介護人材についてリスペクトすることがとても重要でその仕組みとして表彰制度を取り入れていただきましたことに感謝申し上げます。
それから地域における生産性を確保するためには、実は介護の体制の確保していくことがと重要な基盤であることと、こういう視点もいただいておりますので引き続きよろしくお願いします。
柴澤委員様、恐れ入ります。元気な高齢者が社会の中で支え手、担い手になっていく役割というのは言葉の上では対応されるのですが、その辺の現状や課題がありましたらお示しいただきたいと思います。
(柴澤代理)
老人クラブ連合会の事務局長の柴澤でございます
本日はフレイルのパンフレットが配られましたが、偶然、2月に全国老人クラブ連合会の会議がございまして東京大学の飯島先生から伺いました。フレイル予防には人と人のつながりが重要ということで、運動習慣があるなしに関係なく、ほかの活動、地域活動を行っていると非常に予防につながるというお話がございました。
会員が減って苦しい状況でありますけれども、全国老人クラブ連合会の下部組織になります関東ブロックに所属しておりまして、16ぐらいの団体で協議しているのですけれど、ここに光を当てるような施策をしようではないかということで、国を動かしていこうということで、協議中ですので、何とか、地域に貢献するというか、少しでも力になれればいいのかなと考えております。
(丸田座長)
一通りご発言をしていただきました。まだひとつ事務局から説明が残っていますが少し時間が延長してしまうことについてご了解いただきたいと思います。
ここまでの間で次の議題に入ります前に是非御発言という方がおいででしたらお願いいたします。いかがですか。先程は質問で終わってしまいましたので。
(佐藤委員)
はい。2つありまして、皆さんの議論を聞かせていただきながら思ったのですけれども、座長さんの方でも途中まとめておられましたが、質的な視点からの評価をどうしていくのだろうかなというところがすごく課題だと思った部分です。といいますのは、私どものところには、地域密着特養があって、そこに小規模多機能が併設されていて、法人内に訪問看護があるのですけれども、特養でも「自宅で看取りを」という方がいらっしゃって、その方を小多機の方に契約をし直して、御自宅に行っていただいて、小多機の介護を受けていただき、訪問看護も受けて、看取るということを実際としてはやっております。数としては、看護小規模多機能はないということになっておりますが、実際にはそういう試みが行われているというところ、お一人お一人にニーズに合わせて実践されている。髙橋委員のところも施設から御自宅へお返しになってという実践をされているので、そうした実践について、正規の数では表れてこない部分について、どういう風に評価するのか気になっています。
もう一点は、計画の中に位置づけていた権利擁護についての取組について、今回現状のお話があまり聞けなかったのですけれども、私が気になっているのは、足掛け3年くらいですか、新法ができて成年後見の中核機関を設けられることになっている訳ですが、市町村に一つという取組ではないので、複数市町村まとまって設置していくということで、どこの地域も取組が遅々として進まないという風に聞いているのですが、そういうところこそ県の方に入っていただける部分なのかなと思っておりました。そこの支援といいますか、現状についてもう少し明らかになっていると良いのかなと思いました。以上です。
(丸田座長)
なるほど。議論の時間が限られておりますので、今程は御指摘をいただいたということで事務局の方で記録を取らせていただいて、改めて整理をしながら次回の会議に向けてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
もう一つ資料がありますので、重要なことでございますので、事務局の方から説明をしてもらいます。
(柴山副参事)
(資料6に基づき説明)
(丸田座長)
介護給付費の通知についても意見交換したいのですが、今日は県下30市町村の現状を各委員に御認識いただいたということで課長さんよろしいですか。
あえて今日は踏み込まずにしたいと思います。よろしいでしょうか。予定の時間超過をしてしまいまして、申し訳ございませんでした。
(斎藤委員)
柴澤委員からもフレイルについてのお話がありましたが、新潟県医師会の方で既に事業を担っているのですけれども、新潟市の方で、東京大学と健康寿命の延伸ということで、協定を締結しまして、いよいよ5月から養成講座、来月6月からフレイルのチェックということが始まってまいります。
先程の歯科医師会の発言にもありましたが、ここに飯島先生から渡されている資料があります。
サルコペニア、ロコモ、フレイルの関係については、競合するものではないことが示されています。新潟日報にも記事が載っていました。新潟市の方で実験が始まってきたということの紹介です。以上です。
(丸田座長)
ありがとうございました。
私も市民の一人として自らが自らにどういう課題を課して、日々生活を過ごしていけばよいかということも大きなテーマになると思っています。
では途中で進行ミスがありまして御勘弁いただきたいと思います。
以上を持ちまして議事を終了させていただきます。進行に当たりましては、御協力いただきましてありがとうございました。
なお、本日の議事録につきましては、取りまとめの上、皆様に御確認いただきたいと思っております。よろしくお願いします。
それでは事務局にお返しします。
以上
2 介護保険法第118条第8項に基づく厚生労働省への報告
第7期新潟県高齢者保健福祉計画に定めた「市町村が行う自立支援、介護予防又は重度化防止及び介護給付の適正化に関する取組の支援についての目標」に係る取組状況について、厚生労働省へ平成30年度分の報告しましたので以下のとおり公表します。
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