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新発田市で「知事と一緒に車座トーク」を開催しました
令和7年9月3日(水曜日)に今年度2回目となる「知事と一緒に車座トーク」を新発田市で開催しました。
「食のしばた~持続可能で稼げる産業にしていくための若手事業者の多様な取組」 と題して、新発田市で活動をしている4名の市民の皆さんと意見交換を行いました。
車座トークの概要
テーマ:「食のしばた~持続可能で稼げる産業にしていくための若手事業者の多様な取組」
日 時:令和7年9月3日(水曜日) 午後3時15分から午後5時まで
会 場:蔵春閣 大広間(新発田市諏訪町一丁目9-20)
出席者:
- 竹井 伸嘉(たけい のぶよし)さん(竹井農園(いちご農家))
- 姉﨑 由紀子(あねざき ゆきこ)さん(姉﨑農園)
- 鈴木 健太郎(すずき けんたろう)さん(寿堂(和菓子屋)4代目店主)
- 若桑 正樹(わかくわ まさき)さん(株式会社アイビーシステム代表取締役社長)
同席 二階堂 馨さん 【新発田市長】
座長 花角 英世 【新潟県知事】
主な発言
開催にあたり花角知事は、「食のしばたで、様々な形で食の魅力に携わっている皆さんが、どんなことを考えて一生懸命やっておられるのかを聞かせていただきたい」と挨拶しました。
出席者の自己紹介・活動内容
竹井 伸嘉さん
竹井農園(いちご農家)
・妻の実家へIターンし、県農業大学校や先進農家などで学んだ後、就農。
・越後姫は、JA、新発田市内の直売所に出荷される他、妻が営む飲食店「Sun.co」(サンコ)で味わうことができる。
・大粒の越後姫「でかひめ」を生産。
姉﨑 由紀子さん
姉﨑農園
・結婚を機に実家を継ぎ夫婦でお米を作っている稲作専業農家。
・地元の小学校より依頼を受け当農園の田んぼを「学校田」として管理。田植、稲刈体験を行っている。
・新発田の農業者と食品関連企業でチームを作り、食を通して新発田のこどもたちのためになにかできないか現在企画中。
鈴木 健太郎さん
寿堂(和菓子屋)4代目店主
・明治38年創業の和菓子店の店主。
・飲食可能な喫茶スペースを併設し、屋外にもウッドデッキを設置。
・アスパラガスや蓬莱柿など、市の特産品を活用した和洋折衷のお菓子づくりに尽力。
・80年以上愛され続けたアイスクリーム店「スギサキ」の商品を継承
若桑 正樹さん
株式会社アイビーシステム代表取締役社長
・有機農業をサポートする「合鴨ロボット」を長岡技術科学大学と共同開発。
・データを画像認識エンジンに学習させ、雑草の画像認識モデルを開発中。
・新発田市シェアオフィス「キネス天王」に「長岡技科大・農創ラボ新発田」とともに入居し、スマート農業の技術開発に取り組む。
課題と今後の取組について
【竹井さん】
・新しく建てるハウスに対する補助のように、中古のハウスでもきれいに直してスタートできるような形がとれれば、いちご農家も増えていくのではないか。
・都市部にいちごを持っていければ高く売れると思う。例えば、収穫したままの状態で運送して、向こうでパック詰めする方法も面白い。輸送用で「ゆりかーご」という輸送資材がある。いちごを並べて蓋をすることができ、果実が傷みにくい製品ではあるが、それでも揺れると傷んでしまい、万全ではないため、なかなか実現するのは難しい。
【姉﨑さん】
・直売のお客様に、「今皆さんが食べているお米は、こういうふうに作っているんですよ」という、農業体験、稲刈り体験を提供し、宿泊は月岡温泉へという形で、地域で何かできたらと思っている。しかし、どうしても屋外作業だと、手を洗う場所とトイレの確保に問題があり踏み切れない。天候にも左右され体験がしづらい。
【鈴木さん】
・本わらび粉を使用したわらび餅を提供しているが、自分が頑張ることで外から人を呼ぶことができ、さらにそのお客様を新発田の各所に誘導することができたらよいと思う。より一層、自分の店のブランド力を高めていきたい。
・うちのお店は、あえてSNS等で発信していない。お客様が発信してくださる情報が、一番説得力があると思っている。あまりにも自ら発信してしまうと、ブランド力が落ちるのではないかと思っている。
【若桑さん】
・まずは新発田を知ってもらい、ファンづくりをしたい。その土地を知ってもらって、その土地に来てもらう。ぜひそういうことを、今日、お会いした皆さんともチームとなって周知をして、多方面にPRをしていきたい。
新発田市 二階堂市長の発言
花角知事にお願いがあるとすれば、新発田市は「食のまち」というよりも「食の循環のまち」なので、新潟県の強みは農業だという、わかりやすいワンフレーズが欲しい。例えば、君知事の時のように、「新潟県を日本の食料供給基地にする」というような、そういう1つのフレーズがあるとよい。
農業は規模の拡大よりも、むしろ高度化が必要なのではないかと考えている。高度化を率先してやると、コスト的にも非常に効率がよい。高度化や、あるいは老朽化したハウスを変える必要があるときに、市では小さい補助をしているが、県で大きなところの支援を考えてもらうと非常に助かる。
知事の発言
アグリツーリズムは、天候など、色々な不確定要素がたくさんあり、安定して満足度を与えるようにするのは難しい。トイレの問題など確かにある。どうしたら商品にまで高められるかは課題。しかし、今の旅行のトレンドが、体験するとか、学ぶとか、ただ見るだけではない時代になっている中で、農業体験を売りにして人を呼び込むというのは、県としても応援したいと思う。
ハウスの改修ニーズや修繕は、どういうふうに支援できるか、あるいはできないかは、検討課題にしてみる価値はある。
【全体集合写真】
(参考)展示品紹介
当日、出席者の皆様から、活動内容に関わる展示を紹介していただきました。
【竹井さん 展示品】
【姉﨑さん 展示品】
【鈴木さん 展示品】
【新発田市 展示品】