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三条市で「知事と一緒に車座トーク」を開催しました
令和7年7月10日(木曜日)に今年度1回目となる「知事と一緒に車座トーク」を三条市で開催しました。
「地域における企業の人材確保について」 と題して、三条市で活動をしている5名の市民の皆さんと意見交換を行いました。
車座トークの概要
テーマ:「地域における企業の人材確保について」
日 時:令和7年7月10日(木曜日) 午後3時15分から午後5時まで
会 場:三条東公民館 多目的ホール2(三条市興野一丁目13番70号)
出席者:
- 相場 義泰(あいば よしやす)さん (相場商事株式会社 専務取締役)
- 五十嵐 徹(いがらし とおる)さん (株式会社スタッフエース 取締役)
- 山脇 健太郎(やまわき けんたろう)さん(本間電機工業株式会社 総務部 課長)
- 渡辺 真奈美(わたなべ まなみ)さん(株式会社コンプケア 取締役)
- 遠藤 玲佳(えんどう れいか)さん(株式会社田中衡機工業所 人事係 係長)
同席 滝沢 亮さん 【三条市長】
座長 花角 英世 【新潟県知事】
主な発言
開催にあたり花角知事は「県内で多くの企業、産業分野が人材の確保、定着、そして育成というところで悩みや困難を抱えている。ある意味で非常に進んでいると思われるこの三条地域の中での取組や将来展望をじっくり聞かせていただきたい。」と挨拶しました。
出席者の自己紹介・活動内容
相場義泰さん
相場商事株式会社 専務取締役
創業160年(1861年(文久元年)創業)を超える金属加工会社
各種金型材の切断販売、高級特殊鋼であるヤスキハガネや金型用鋼の加工品を取り扱う。
従業員数33 名
相場商事株式会社HP<外部リンク>
五十嵐徹さん
株式会社スタッフエース 取締役
1982 年(昭和57 年)設立。設立43 年
新潟市と長岡市にオフィスがあり、県内最大級の人材派遣会社
社員数40 名
株式会社スタッフエースHP<外部リンク>
山脇健太郎さん
本間電機工業株式会社 総務部 課長
1945 年(昭和20 年)創業
電気・通信・空調工事など幅広い分野に携わっている。
トンネル照明や道路情報表示板などのインフラ工事や、工場のお客様の電気設備工事など、最適な提案から設計・施行・メンテナンスまで一貫に手掛ける。
従業員61 名
本間電機工業株式会社HP<外部リンク>
渡辺真奈美さん
株式会社コンプケア 取締役
1990 年(平成2年)設立
創立35 周年。社員数25 名
建築・設備業積算見積ソフトの開発を手掛ける。
「みつもりくん」というソフトを開発
株式会社コンプケアHP<外部リンク>
遠藤玲佳さん
株式会社田中衡機工業所 人事係 係長
1903 年(明治36 年)設立
設立122 年。社員数160 名
産業用・工業用の計量器メーカー
トラックスケールや工場向けの台はかり、農業・畜産用はかり、空港の手荷物はかりなどを手掛ける。
株式会社田中衡機工業所HP<外部リンク>
採用活動・離職防止について
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弊社では業務効率の向上を図り、残業時間の削減に取り組んでいます。現状月平均2時間以内です。また、多能工化を進めることで、一人ひとりが対応可能な業務範囲を広げ、柔軟な働き方を目指しています。有給休暇の取得促進や職場環境の整備にも力を入れており、次世代を担う若い世代にも働きやすい環境づくりを目指しています。(相場さん)
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新潟県自体の給与水準は決して全国的に見て高くない。むしろ低い。その中で、何を売りにするかと言ったときに、やっぱりもう少しとんがったものが出てこないと、なかなか人材を引っ張ってくるのは難しい。(五十嵐さん)
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新潟県もそうだが、三条市はとても魅力的な個性を持っている企業が多い。そのことを知らないということが、就職時の選択肢の1つとして挙がらない理由だと思う。そのために、地元企業が県内の学校などと交流や情報提供する場が必要になってくるが、実際には1企業ではなかなかできないというのが、今の実情で、課題と思っている。(山脇さん)
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当社、ソフトを作っていてお客様に業務改善のために使ってくださいと言っているにもかかわらず、なかなか社内がDX化できていないので、システム化して作業効率を上げていこうとしている。また、休憩スペースがない、リフレッシュする場所がないとのことで、来年、社屋を建設して、いい距離、良い環境で働けるように考えている。(渡辺さん)
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求人サイトで検索するとき、年間休日120日以上というチェックがあり、そもそも求人票を見てもらえないという状況があったので、最低ラインの120日にするために休日の増加を決定。休日出勤をできるだけ削減する取組をしている。今後は、育児・介護と仕事の両立がしやすい環境づくりに注力したい。ここ数年は、たまたま出産を経験して復帰した女性社員がおらず、身近なロールモデルがいないことが若手社員の不安につながっているように感じる。(遠藤さん)
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また、今の多くの若い方が求め、重視しているのは、自分が成長できるかどうかというところ。(遠藤さん)
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多くの企業の方から、ここ数年やはり人不足、人材の確保が難しくなっているという話を本当によく聞く。三条市立大学ができ、この3月に第1期の卒業生が輩出された。ある程度の卒業生がこの地域で働いてほしいので、ブランディング等に力を入れる一方で、並行して、人材にも力を入れていくことに。三条市で令和5年1月に「経済ビジョン」を作成。その中身が、「よく作る、よく生きる」というもので、人材育成に力を入れているし、「地域の人事部」についても、立ち上げに向け動いている。採用や育成のみならず、三条のこどもたちにこの地域の企業のことを知ってもらうための検討もしている。(滝沢市長)
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新潟県内の企業は、人の採用、人材の重要性に気づいていないのか、気づいていても、まだ踏み出せていない企業が多いと思う。今日お集りの皆さんは、もうすでに課題に気づいていてそれをどう克服するかに踏み出している。今の若い20代の人たちの発想、自分の成長を実現させることにもすごく重きを置いているとか、そういう情報をもっと広めていかなければと思っている。(花角知事)
外国人材の活用状況と課題について
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ベトナム人の技能実習生を2010年から受け入れており、常時2、3人の方と一緒に働いている。外国人と一緒に働くことは当たり前の風土になってきているが、やはりコミュニケーションの課題はある。あとは生活面で文化の違いがあり、都度、現場の指導に当たっている社員がサポートしている。(遠藤さん)
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外国人労働者の方は非常にやる気があって、優秀という話はよく聞いているが、電気工事業はどうしても国家資格が必要。国家資格の問題は日本語で物理の問題なので、まずこの資格が取れるかが非常に大きな壁。また、言葉の壁が、現場作業において安全を担保できるか、「危ない」と言った言葉がすぐに伝わらないと、現状では採用は難しい。(山脇さん)
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派遣スタッフとして採用したことはあるが、就労ビザ等々の確認等のチェック項目がすごく多く、会社としてこれから派遣スタッフが不足していく状況の中で、外国人を専門的にやるか検討したが、現状の事務派遣を継続する方向に舵をきった。(五十嵐さん)
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多くの製造業の会社が技能実習生という形で、外国人を雇っている。以前よりも、外国人材の採用も難しくなっていると聞いている。三条市の取組としては、今年度から、外国人技能実習生への援助、日本語の試験をパスしたら、一定の奨励金をその技能実習生自らにお支払いする制度を始めた。(滝沢市長)
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今日お集まりの企業さんは比較的外国人に対してのネガティブな印象を受けたが、業態によってだいぶ状況が違うからなのかなとは思う。全体として見ればもう外国人材の活用は避けて通れないと私は思っているし、三条の中でも、すでに違う業態で随分雇用している人たちもいるのも事実。仕事の部分だけではなくて、いろんな生活でのケアの問題は県も問題意識を持っていて、外国人との共生を地域社会の課題として取り組まなければいけないと思っている。国家資格についても、本当は外国語でも受験できる方に持っていかないといけないのではと思う。(花角知事)
三条市 滝沢市長の発言
この5社の皆様は、三条の中でも、採用・定着・育成に対して先頭を走ってくださっている企業。市全体の底上げを責任を持って続けていきたいと改めて思った。
知事の発言
残念ながら新潟県内でいえば、人材を採ることに対する意識がまだまだ低く、企業の皆さんの意識を高めなければと思っている。人を採ることは、コストではなく、成長のためのまさに必要なこと。それがなければ、会社は存続できないというぐらいの高い意識が必要。そのためには、ぜひ皆さん方の経験とか、課題認識、ノウハウ、知見をいろいろなところで広げさせていただきたい。
人も採用できるぐらいの魅力ある企業が増えないと、今まさに新潟県の最大の課題である、人口減少、特に就職のタイミングで若い世代が首都圏に流出している現状は変わらない。何とか逆回転させていくためにも、1つ1つの企業の採用力向上、或いは魅力ある職場づくりにしっかり取り組んでいきたい。
【全体集合写真】
(参考)展示品紹介
当日、出席者の皆様から、活動内容に関わる展示を紹介していただきました。
(相場さん 展示品)
(五十嵐さん 展示品)
(山脇さん 展示品)
(渡辺さん 展示品)
(遠藤さん 展示品)