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令和5年3月29日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
1 日時 令和5年3月29日(水曜日) 10時02分~10時53分
2 場所 記者会見室
3 知事発表項目(10時02分~10時04分)
・「新潟県農林水産物のブランド化推進に関する条例」に基づく県推進ブランド品目の選定等について
4 質疑項目(10時04分~10時53分)
・「新潟県農林水産物のブランド化推進に関する条例」に基づく県推進ブランド品目の選定等について
知事発表
(「新潟県農林水産物のブランド化推進に関する条例」に基づく県推進ブランド品目の選定等について)
「新潟県農林水産物のブランド化推進に関する条例」が昨年度末に施行されましたけれども、この条例に基づきまして基本方針を定めました。そして、県推進ブランド品目を選定しましたので、そのお知らせです。お配りしている資料の中で、特にご関心が高いのは県推進ブランド品目を8品目選んでいますが、新潟米から南蛮エビまで、この8品目をこれまで有識者会議、それからパブリックコメント、議会、様々なところからのご意見をいただいて選定したものです。今後は、この県推進ブランド品目ごとの推進体制を作りまして、アクションプランを取りまとめて、事業、いろいろなプロモーションを進めてまいりたいと思っています。また、このブランド品目全体を通じた推進会議のようなもの、全体会議を設置しまして、全体の統一的な、例えばキャッチフレーズですとかロゴ、そういったものを定めて、ブランド品目の認知度の向上、あるいは消費の向上につなげてまいりたいと思っています。詳細はこの後、部局の方から説明させていただきます。
(資料)「新潟県農林水産物のブランド化推進に関する条例」に基づく県推進ブランド品目の選定等について [PDFファイル/1.12MB]
質疑
Q 代表幹事(TeNY)
2つまとめて質問させていただきます。一点目ですけれども、検証総括委員会(新潟県原子力発電所事故に関する検証総括委員会)の池内委員長の任期が今月末までとなりました。委員長を続けてもらうのか、それとも退任していただくのか、知事の考えをお伺いしたいと思います。もう一点は原発に関連してなのですけれども、3つの検証委員会の報告書が全て出揃ったということで、今後、柏崎刈羽原発の再稼働の是非を判断する上では、どのような手順を踏んでいくのか、現時点での知事の考えをお聞かせいただければと思います。
A 知事
昨日、防災局長が池内委員長にお会いしました。一昨年の夏頃からずっと折衝を続けてきたことではあるのですけれども、任期の期限も迫っている中で、確認に京都の方までまいりまして、話し合いをした結果を詳細に聞きました。結論的には、これまでずっと申し上げてきたことから変わらないというところです。もう一回要約して言いますと、県としては(福島第一原発事故に関する)3つの検証という個別の検証委員会で出された報告書を取りまとめてくださいということで委員としてお願いをしました。従って、検証の総括委員会という名前をつけたわけです。総括検証ではなくて、検証を総括する委員会と名前をつけて、しかもそのメンバーはそれぞれ個別の検証の委員長と副委員長の6名プラス、ある意味で外部から池内委員長にご就任いただいて、総括をしていただくという枠組みにしたところですが、池内委員長のお考えは取りまとめることに加えて、我々としては加えてというふうに聞こえるのですけれども、取りまとめという範疇に入らないと思うのですけれども、以前この場でも土俵という言い方を使いましたけれども、お願いをした土俵とは別の土俵をお考えで、明示的に仰っているのは、一つは福島第一原発事故での処理水の問題を通じて、東京電力の原発を運転する適格性という、運転を適確に遂行する能力というところを議論したいのだということを仰っていること。それからもう一つは、それも絡むのですけれども、県が平成14年度から設けている技術委員会(新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会)で、柏崎刈羽(原発)の安全対策の確認作業を、もう20年にわたって継続して続けていただいている、この技術委員会でやっている議論を、この検証総括委員会でもやりたいと、つまりこの検証というのは、福島第一原発事故に関わる検証なのですけれども、委員長は柏崎刈羽の安全対策を議論したいと仰っているということで、もちろんそれは、私どもとしては既に技術委員会で継続して議論をしていただいていて、適格性の議論もしていただくことで進めていただいているので、それは土俵が違いますということを申し上げてきて、なかなかそこはご理解いただけなかったということのようです。ですから私どもは委員長がお考えのおやりになりたいこと、それはそれで委員長がご自身でおやりになる分には、そこは全然問題ないと思うのですが、検証の総括というこの7名のメンバーの中でやることとしてお願いしたものではありませんねという、要約するとそういうことであります。残念ながら、そこはご理解いただけなかったということですので、これからどうしようかということは、考えなければならないという状態です。それから、二点目でお聞きになられた今後の再稼働、ご質問の趣旨は要するに再稼働の議論をこれからどうやって進めるのですかということで、これは以前から申し上げている、この3つの検証と言っているのは、福島第一原発事故に関わる検証なのです。事故原因、事故が健康に与えた影響、それから生活に与えた影響。そして安全に避難する方法は、事故そのものというよりも、事故の中で出てきた検証、安全に避難する方法の課題のようなものですけれども、それを検証していただいた。いずれも福島第一原発の事故に関わるところの検証だったのです。これから再稼働の議論はいずれ始めたいと思いますが、様々な判断、議論の材料があると思います。この3つの検証といわれるものは、再稼働を判断していくに当たっての材料を手に入れるためだったわけです。そして、一つ材料はでき上がった。今後は、他にも様々な議論の材料があるわけです。例えば、一番お分かりいただけるのは、今も話題にした技術委員会がずっと進めている柏崎刈羽の安全対策の妥当性、確認ということです。この結果が、ずっと議論を重ねていますので、順次進んでいますけれども、都度オープンにされていますが、もう少し継続して議論をされるということなので、適格性の部分なども、こうした技術委員会の議論がまず材料になってきます。それから、これも皆さんすぐにお分かりいただけるように、国が今、東京電力に対して追加検査をしています。この追加検査の結果が、いつ出てくるか分かりませんけれども、少なくともこの春以降に出てくると思います。それも当然、再稼働の議論の中の大切な材料になっていきます。それから、国が避難計画を含めた原子力災害時の対応というものを最終的にまとめることになりますけれども、それも議論の材料になります。もちろん県が作ってきている避難計画、これも実効性というところで、当然議論の材料になると思っています。様々、再稼働に関しては議論の材料があると思いますので、これらをいろいろな人がご意見などを表明されるケースもあるでしょうし、こちらがお尋ねするようなこともあるかもしれませんが、そうしたやりとりを通じて、いずれかの段階で私としての結論をお出しするときが来ると思っています。そもそも、国が照会をかけてくるときがいずれ来るでしょうけれども、そうした再稼働の議論はいずれ始めなければならない。ただ、今言ったようにまとめるという、3つの検証は基本的にはその検証の報告書が大切なのですけれども、それはもう既に出たものから順番に県民説明会等をこの2年やっていますけれども、改めてそれらをまとめる、総括する作業を経た上で、今申し上げた再稼働に関する議論というものを始めたいと思っています。
Q BSN
3つの検証について、検証総括委員会の開催に向けて、昨日県側が池内委員長に対して、折衝を持ちかけて話し合いの場があったということですけれども、県側からその折衝を持ちかけるのは、任期中では昨日が最後だったという認識なのでしょうか。
A 知事
ですから1年以上前から(検証)総括委員会の開催について、ずっと相談してきていますと。断続的にやってきている中で昨日も行われたということです。
Q BSN
池内委員長の任期がもうあと数日ですけれども、任期中にそういった協議の場を設けるというのは、県側からとしては昨日が最後だという・・・。
A 知事
ですから、昨日お考えは変わらなかったということ。私は何らかの進展があるかという期待もあったのですけれども、変わらなかったということですので、これからどうするかは、今後考えなければならないという状況です。
Q BSN
任期中のこの3月中に進展が見られなくて、4月以降の池内委員長の任期の継続という辺りというのが、昨日進展がなかったとしたら継続がないと考えるのが自然のような気もするのですけれども、その辺りはどうでしょうか。
A 知事
任期は失効するだけのことですよ。別に何らかやりようが見つかれば、また別に再度任命してもいいわけですけれども、そういうやりようが見つかるかですよね。
Q BSN
任期が(3月)31日まででそれが失効した後、さらにまた池内委員長との折衝があるという可能性もあるのでしょうか。
A 知事
ですからこれから考えますと申し上げている。失効する直前まで来てもなかなかお変わりにならないということで、状況は変わらないということであれば、いつまでもこうやっていてもいいのだろうかということになりますよね。
Q BSN
そうすると4月以降、検証総括委員会を開いていくためには、どなたか別の方が検証総括委員長という立場にならないといけないのかなと思うのですけれども、その辺りの次回の開催の道筋というのはどのように考えていますか。
A 知事
ですから今アイデアはない。変わらなかったのでこれからどうしようか考えます。
Q 新潟日報
知事が池内委員長に、例えばもう一度お会いになるお考えは。
A 知事
もう既に二度ぐらいこのところ会っているのですけれども、結局そこから変わっていないということですよね。
Q 新潟日報
改めて知事として会ってということでもない・・・。
A 知事
もちろん今後考えていく中にあるかもしれない。そこに可能性があるならですけれどね。私は不思議でならないのですけれど、お願いしていることは、それをやっていただいた上で、もしおやりになりたいことがあるのならそれはそれで別におやりになればいいではないですかと思うのですけれどね。
Q 新潟日報
先ほどの質問にも少しかぶるのですけれども、年度末も迫っている中で、今後の検証総括の形というか、そういったものというのはいつごろ決めて・・・。
A 知事
これから考えます。
Q 知事
4月に入りそうなのかというのは。
A 知事
だから今は、要するに考えていない状態なので、これから考えるしかないですよね。
Q 読売新聞
検証総括委員会の委員長の任期の関係で確認なのですが、知事は先ほどこれから考えるというお話をしていましたが、委員の任期内に何かしら結論を出したいということ・・・・。
A 知事
別に委員の失効をしても、もしこの体制で何か状況が変わるのなら、またお願いすればいいだけのことですから。
Q 読売新聞
そうすると一時的に空白といいますか、委員が失効していないような状況・・・。
A 知事
失効というか、ない状態になりますね。
Q 読売新聞
それも選択肢としては別に・・・。
A 知事
ですから、ないという状態がそんなに重要な問題ではなくて、もしこの形で何か状況を変えられるのなら、また改めてお願いをすればいいだけだと思います。ただ区切りとしての任期は切れてしまうというだけのこと。
Q 読売新聞
今後、委員長の指名自体は知事が行うと確か要綱でもあると思うのですが、もし委員長の変更をしないと・・・。
A 知事
指名というか県が設置するということです。
Q 読売新聞
変更される場合も知事からある程度何かしらまた説明するようなお考えでいらっしゃるのでしょうか。
A 知事
説明というのは誰に、世間に対して・・・。
Q 読売新聞
もし委員長を変更したり代えたりという場合は、その理由であったりとか・・・。
A 知事
どうするかはこれから考えます。こうしますかということを言われても、今私の頭の中にないです。
Q 読売新聞
その後の議論の話が先ほど出ましたが、複数の材料があるというお話ですが・・・。
A 知事
複数というか議論の材料はたくさんありますよね。
Q 読売新聞
議論自体はこれまで3つの検証が終わってから議論というか・・・。
A 知事
議論を始めましょうと。
Q 読売新聞
他の材料については、それぞれがある程度出揃ってから・・・。
A 知事
議論を始めますよと言っている。その中で例えば国の追加検査の結果もいずれ出てくるでしょう。それから、技術委員会での安全対策の確認作業も進んでいくでしょう。材料も例えばエネルギー情勢もまた変わるかもしれませんし、そうした諸情勢の変化も踏まえながら、議論が深まっていくでしょう。どこかのタイミングでは、判断しなければいけない、結論を出すタイミングが来るだろうと思います。
Q 読売新聞
その議論自体は庁内で行わせるのか、また有識者みたいなところで・・・。
A 知事
まだ議論のやり方については、これから考えなくてはいけない。
Q 読売新聞
3つの検証については報告書が出揃いましたが、その中に提言であったりとか、課題や留意点の指摘だったりいろいろな項目が挙がっていたと思うのですが、議論するに当たってはそれらへの対応という部分も・・・。
A 知事
もちろん課題の進捗がどうなっているかとか、それは当然議論の材料になりますよね。
Q UX
検証総括委員会の関係で、昨日池内さんが、協議終了後に取材に応じまして、そこで結論が4月にずれ込むのではないかというようなことを仰っていて、それは県との協議の中でそういう話があったような感じで話されていて、先ほど詳細のやりとりを聞かれたというお話があったのですけれども、県側からその結論が4月にずれ込むというような話を何かされたような、あるいはしたのであればどういう話をされたのか・・・。
A 知事
私が聞いたのは、結論というか、お互いの考えは変わらなかったと。先ほども説明しましたが、委員長がやりたいことというのは、県が考えている土俵とは違うことをやられたいということで、そこは変わらなかったということで、(防災)局長は分かりましたと、お考えは変わらないのですねと言って持ち帰ったということです。
Q UX
県として何か時期的なものを暗示したり明示したりというような・・・。
A 知事
ないと思います。要するに変わらないということが確認されて、それを持ち帰って上司に報告しますと(防災)局長が言ったという理解です。
Q UX
先ほどの質問に対する答えで聞き取れなかったので確認なのですけれども、そのなくなるというのは、検証総括委員会がなくなるということですか。
A 知事
そうです。設置の期限、委員の任期が実態としての設置の期限です。ただそれが切れるだけのことであって、再度任命をすれば、もしそのやり方で何か答えが進むという判断ができれば、また任命すればいいということです。
Q UX
まだ結論は知事の中でないということを前提に、あくまでテクニカルな話として伺うのですけれど、このまま3月末を迎えて4月に入ったときには、池内委員長が委員長でなくなり、検証総括委員会がなくなると・・・。
A 知事
そうです。なくなるというか、役割を終えてなくなると。
Q UX
4月以降そういう状態が続いていくという・・・。
A 知事
はい。そうなります。
Q UX
その段階でまた知事として、これは進められるという感触を得られたら、また委員をどなたかに・・・。
A 知事
何か状況の変化が起きればそういう判断もあるかもしれません。本当に難しいですね。どうしてお願いしたことが、やっていただけないのだろうというのは、非常に私としても理解できないでいます。
Q UX
そうすると、知事としても年度内に何かを決めないといけないというような・・・。
A 知事
(そういった)意識はないです。
Q UX
意識はなくて、状況の変化があればそれに対応すればいいという・・・。
A 知事
いやでも、その状況の変化が見込めないのなら、何か別のやり方を考えなければいけないかもしれません。つまりパーツ、パーツというか、検証はもう長いものは5年以上かけて検証していただいたわけです。もう大変な労力をかけていただいた大切な報告書が揃って、これは県民にぜひ理解していただいて、再稼働の議論をするに当たっての材料にしてもらいたいわけですから、最後に健康(分科会)の報告書を出していただいた鈴木委員長も仰いましたけれど、重なる部分があるのです。それぞれの報告の中で、その重なりの部分などで、簡単に言えば矛盾とか、あるいは落ちというか、もう少し整理すべきことがあるのかないのか、私はそれがまとめだと思っているのですけれども、そのまとめはやはり何かやらなければいけないというのは思いとしてはあります。それをやった上で、再稼働に関する議論を始めたいと思っています。
Q UX
またテクニカルな話としてなのですけれど、任期が切れた場合、何かあなた任期切れですよとかという、そういう通知などは・・・。
A 知事
それは特にないです。ただ状況は何かお知らせしないといけないと思います。今残っている委員は、各検証委員会の委員長、副委員長と池内さんですから、その方々には状況を共有してもらう必要はあると思います。
Q UX
3月から4月にまたぐ際に、検証総括委員会がなくなりましたと・・・。
A 知事
なくなりましたというか、任期がここまでですけれども、今こういう状況になっておりますということは、少なくともお伝えしないといけないと思っています。
Q UX
これもテクニカルな話としてなのですけれども、検証総括委員会がなくても、その3つの検証を総括することというのは、オプションとしては可能なものなのでしょうか。
A 知事
これから考えるところなので。
Q 新潟日報
原発の関係で、3つの検証が今回出揃って、検証総括委員会の対応はあれですけれども、先ほどの、今回材料を手に入れてこの後にまだ他にも材料がありますよというところですけども・・・。
A 知事
もともとたくさん材料があります。
Q 新潟日報
先ほど発言の中で、これから再稼働議論を始めるというような段階なのでしょうか。
A 知事
それはもういろいろなエネルギーに関する様々な、それはメディアの皆さんの報道もあれば、いろいろな学者やいろいろな評論家なり、様々な声はあります。そういう意味では、広い意味での議論です。
Q 新潟日報
今回3つ出揃ったことで、これからようやく再稼働議論を始めますという段階なのかどうか・・・。
A 知事
いやそれはもう広い意味ではもう議論はされています。ただ、福島第一原発の事故に関わって、それがどうであったのかということを知ることは、再稼働の議論にとって非常に有益だという考えで、(平成)29年から6年前からやってきたこの作業は、議論の材料の中でも大事なものだと思っています。だからそれが揃ったら、いわゆる狭い意味での本格的な議論が始まるという、そういう意味合いでこれまで言われてきていると、私もそういう思いで言ってきています。
Q 新潟日報
そうなると3つ出揃ったので、まさにこれから・・・。
A 知事
そうです。ただ取りまとめはいると思っているのです。
Q 新潟日報
もう様々議論の材料が他にもいっぱいあって、それも不確定要素があると思うのですけれども、議論にかかる期間というのは・・・。
A 知事
それはこれからです。
Q 新潟日報
年単位なのか・・・。
A 知事
まずは最後の健康(分科会)の報告書が出ましたので、県民の皆さんに説明する。これまで過去出たものはすぐにやってきていますけど、説明もしていきたいですし、やはりいろいろな人の意見を聞くには、そんな1週間、1カ月とかいう世界ではないと思います。
Q 新潟日報
明後日、(3月)31日が県議選の告示日となります。統一地方選の前半戦に位置付けられるわけですけれども、どんな論戦を期待されるのか、また知事として県議の選挙戦にはどのように関わるのか、応援演説などの予定はあるのかお聞かせください。
A 知事
論点といいますか、私からこういう論戦であるべきだというのはありませんが、まさにそれぞれの選挙区の、県議の候補者の皆さんが感じている地域の課題というものを、しっかりご自身のご意見を表明して、地域住民の皆さんの考えるきっかけにしていただきたいと思います。県全体を通じては、もちろん人口減少問題、あるいは常々申し上げている選ばれる新潟という目標の中で、今回県が来年度予算の中で大きく力を入れていく、例えば子育て支援の進め方ですとか、そうしたことも当然、議論の中には入ってくるだろうなとは思っています。あるいは頻繁に起こる自然災害、防災・減災対策、医療の問題、経済の活性化、そのための交流人口の拡大、様々な課題はあると思いますが、ぜひ候補者の皆さんは、ご自分のそうした課題に対するお考えなりを表明し、住民の皆さんにお伝えして、地域全体でそうした課題を考えていくきっかけにしていただきたいと思っています。選挙活動そのものに対する私の関わり方ですが、現時点で特にどなたかの候補者のところに行って演説をするとか、そういう予定はありません。
Q 新潟日報
2022年の人口移動調査がこのほどまとまりまして、県人口の減少率がわずかですけれども昨年より上回って過去最大となりました。少子高齢化も一層進んで、このままのペースですと6、7年後には県人口が200万人を切るのではないかということも予想されますけれども、まず今回の調査結果を受けて、知事として最も懸念していることが何か教えてください。
A 知事
その調査結果、数字のまとめだと思いますけれども、詳しく聞いていないのです。新聞の見出しを見ただけで、詳細はもう少し話を聞いて、数字を見てからにしたいと思いますが、はっきり想像できるのは、自然減が非常に増えていることだと思っています。これは高齢化が進む中で、自然減は一定程度、どこまでかは分かりませんけれども、増えるところは致し方ないと思っています。一方、一番政策的な効果を出せる可能性があるのは社会減の方ですけれども、これは多少改善していると理解しています。ただ、改善のスピードとか度合いが、まだまだ満足いくものになってないというところだと思っています。これは引き続きUIターン等、移住の促進、あるいはなかなかいきなりはいかない中で、関係人口を増やし、交流人口を増やすという、そうした段階が必要だと思いますけれども、若い世代を中心に新潟に戻ってきてもらう、新潟を選んでもらう取り組みを、引き続きしっかり進めていくということだと思っています。
Q 新潟日報
詳細の分析はまだご報告を受けていないと思うのですけれども、対東京で見ると、やはり少し前年よりも悪化している状況が分かりまして、少しずつコロナウイルスで停滞していた人の動きがまた戻ってきている・・・。
A 知事
それは全体的に言えるのかもしれません。全国は今東京がまさに一人勝ちになっているのかどうか、その辺りはもう少し数字を比較してみないと分かりませんけれども、確かに一時的にきゅっとしぼんだものが、また徐々に緩んできているようなところはあるのかもしれません。しかし、それを乗り越えるぐらいの魅力ある地域づくり、職場づくり、働く場所づくりをしていかなければいけないなと思います。
Q 新潟日報
県内の個別の市町村別に見てみると、聖籠町、湯沢町、出雲崎町、南魚沼市がわずかではあるのですが、前年より転入超過が増加していたのです。知事からご覧になって、この4市町が増加した要因というのはどんなところにあるのか・・・。
A 知事
それを分析しないと分かりませんが、普通に皆さんが想像できるのは、聖籠町は新潟市のベッドタウンのようなところがあるので、移住している人たちがどこから来ているかというのを見てみないと分かりません。それから湯沢町は、明らかに東京のまさに玄関ですので、新潟に入ってくる一番近いところで、そこは東京からの人たちが、例えば通勤しやすい、何かあれば東京に出やすいとか、そういう持っている特性が評価されて、どういう属性の人が増えているのか分かりませんけれども、人が増えているのかなと。例えば、かつて作られたリゾートマンション等が、今テレワーク等で仕事が進められる人たちの住まいとして選ばれているとか、それはもう少し分析がいるように思います。
Q 新潟日報
出雲崎町も増えていますけれども・・・。
A 知事
長岡のベッドタウンですよね。
Q 新潟日報
子育て支援に非常に力を入れている・・・。
A 知事
小林町長はこの10年以上、非常にそうした子育てをする方のためのアパートですとか、そうしたものを作られたりして、いろいろなアイデアを出されて、引きつけておられますよね。
Q 新潟日報
新型コロナウイルスの関連でお聞きしたいのですけども、知事の後ろボードにもありますけども、個人の判断が基本ですということで、マスクの着用が変わりましたけども、知事の判断的には、知事は今後、マスクをどのように着用されますか。
A 知事
推奨される場面があると思いますけれど、それ以外は基本的にはもとのように着けないで生活したいと思います。
Q 新潟日報
庁内でもそのように・・・。
A 知事
そうですね。それぞれ個人の判断になっている。特に外部から来た人と接するような場所では、外部の方への安心感というところで着けておられる方が多いのかもしれませんが、中ではもうだいぶそれぞれの判断で活動しているように思います。
Q 新潟日報
県庁の庁舎内はもう完全に職員の個人の判断でやられている・・・。
A 知事
それは総務部に確認してもらいたいのですが、特にこうしなさいということは言っていない。先ほど言った窓口、外部の人と接触するところ等では判断が違っているかもしれませんけれども、一般的な執務室では(個人に)任されているのではないかと思います。
Q 新潟日報
知事は、普段知事室ではあまり・・・。
A 知事
今はお客さんが来たときは、最初は着けていますけれど、お客さんの了解のもとに、よかったら外していただいてという。やはり来る方も気を遣われてマスクをされてくる方が多いのですけれど、お茶などを飲むところをきっかけに外していただいても構いませんがということでお話をしています。
Q 新潟日報
医療の関係でお聞きしたいのですけども、新潟県医師会が新潟市内に新しい救急医療の拠点を作りたいということで民間の募集を始めて、厚生連(新潟県厚生農業協同組合連合会)と済生会(社会福祉法人恩賜財団済生会)が実際に応募されたということが明らかになりまして、この部分に関して知事として期待したいことだとか、県としてどのように関与されていくかという話を伺えますか。
A 知事
この問題は、当然県も同じ問題意識を共有しています。新潟市については、特に休日夜間の救急医療の課題が大きいという問題意識を持って共有していまして、今回県医師会が積極的な対応を進められたことを、大変私は評価するという言い方は恐縮ですが、むしろ感謝したい、敬意を表したいと思います。しかもそれに応えてくれる病院が出てきたと。これも素晴らしいことだと思っていまして、そういう意欲ある病院が2社手を挙げられたというところで、そうした意欲をうまく答えに持っていっていただきたいなと思っています。県としては県医師会、そして新潟市、(新潟)大学の医学部、こうしたところとしっかり連携し新潟市の救急医療の問題を、より持続可能な適切なものに再編していく取り組みを後押ししていきたいと思います。
Q 新潟日報
済生会と厚生連という2つの組織についてはどのように・・・。
A 知事
どちらももう既に一定程度、救急医療の実績をお持ちですので、そうした実績のある病院が中核となる病院としてさらに一段高みを目指すというか、中核の度合いを高めるということはありがたいなと思いますね。
Q 新潟日報
実績もあるし、実力もあるといいますか・・・。
A 知事
そうですね。ただ単独では多分、8,000人とか、8,000回を賄うというのは難しいと思いますので、結局何らかの再編がいるのだろうとは思います。
Q 新潟日報
先日、16日に5年ぶりに日韓首脳会談が行われました。両国の関係改善は佐渡金山の世界遺産登録への進展にもいい影響があるのではないかなと思うのですが・・・。
A 知事
佐渡金山の世界遺産登録とは関係ない話ですよ。
Q 新潟日報
関係がないと・・・。
A 知事
前から何度も申し上げているではないですか。世界遺産としての価値の話とは別問題です。
Q 新潟日報
この首脳会談についてはどのような・・・。
A 知事
首脳会談そのものについては、それは隣国ですから関係改善を図っていく。そのことは非常にいい方向だと思いますね。
Q 新潟日報
世界登録には全く関係がないという・・・。
A 知事
ですから登録の価値、世界遺産としての価値とは、徴用工の問題は関係ありませんと何度も申し上げていますけれど、それを結び付けるような発言というのは非常に残念ですけれども、事実上そういう韓国の動きがあるということは、それは事実としてありますけれどもね。きちんとそこは分けて議論が進むことを願っています。徴用工の問題は徴用工の問題として、それは日本と韓国の大きな課題としてあるのは事実ですよね。
Q 新潟日報
徴用工を一つの問題として、それに結び付けてはないですけれども、それによって世界遺産の登録にも抗議があったりですとか、関係が悪いことによって韓国側からの抗議・・・。
A 知事
一般的に二国間の関係がいい方がいいに決まっていますよね。
Q 新潟日報
二国間問題は、一つの県が直接関われない問題ではあると思うのですけれど、ここの関係改善を期待されている地元の方の声もありますし、これがきっかけとして世界遺産登録に進展していくのではないかという期待の声はあるのですけれど・・・。
A 知事
ですから本来の筋としては関係ない話で、ただ二国間の関係がいい方がいいに決まっていますよ。それはいろいろな外交的な課題を前に進めるには、両国の間の信頼関係が高まっていることが望ましいと思います。
Q 新潟日報
先週の月曜日(3月)20日に、新潟テクノスクール修了生の自死事案に関する第三者調査委員会の報告書が県に提出されたと思います。元担任の県職員の方のハラスメント行為を一部認定するという内容になっていたかと思うのですけれども、県としての受け止めと、今後の対応についてどのようにお考えかお聞かせ願えればと思います。
A 知事
まずこの問題については以前から続いている課題なので、何度か申し上げていますが改めて亡くなられた修了生の方には哀悼の意をささげたいと思います。その上で今回3年にわたって丁寧に調査、議論を重ねていただいた委員会の皆さんには、感謝申し上げたいと思っています。内容は、もう少し担当部局で精査、確認していかなくてはいけないとは思いますが、私が理解しているところでは、今お話があったように指導に当たった人間にハラスメントと認められる行為があったということが認定されたということで、このことは重く受け止めなければならないと思います。ただ一方で、亡くなられたこととの因果関係については、複数の要因が絡んでいる可能性が高いということで、直接の因果関係というところについては断定されなかったとも聞いています。そうした状況の中で、いずれにしてもハラスメントということはあってはならないことですので、これはどの職場についても言えることでありますけれども、テクノスクールについても改めてこうしたハラスメントを根絶していく、起きないようにしていく職員の意識改革、あるいはものが言える。既に目安箱ですとかいろいろな仕組みは改善されていると聞いていますが、一層のそうした業務の体制、訓練生等の声を拾っていく仕組みづくり、そうしたものを進めていくということが今後の対応だろうと思います。
Q 新潟日報
ご遺族の方は、今回ハラスメント行為が認められたということで、元指導員の方の直接の謝罪、県からの謝罪ということを求められていますけれども、県としてそういったお考えというのは。
A 知事
そこは今どんな話をされているかは部局に確認していただけますでしょうか。
Q 新潟日報
どなたか県の責任ある立場の方がご遺族に謝罪するとか・・・。
A 知事
指導に当たった人の・・・。
Q 新潟日報
ご遺族は直接謝っていただきたいと言っているのは、まずハラスメントで認定された元指導員の方に直接謝ってもらいたいと仰っていますけれども、あるいは県の責任ある立場の方が出向いて謝罪されるというようなご対応というのは、現時点では。遺族対応ということで。
A 知事
遺族対応についてまだ部局と話をしていないので、この場では何ともお答えしようがないですね。
Q 新潟日報
この件に関しては、第三者委員会とは別に4年前に県が独自に1回調査されて、その時には適正な範囲の中での指導であったと、適正な範囲という結論を一度県としては出していたのが、今回の第三者委員会の調査ではそれが覆る形になっていますけれども、4年前の県調査の報告書のまとめについては、妥当だったとお考えでしょうか。
A 知事
それはしっかり調査されたものだと思います。こうした事案というのは、言うまでもなく裁判でも全く同じで、一審の判断と二審の判断では覆るというか、異なる判断をすることはいくらでもあるので、事実の認定、そしてその事実をどう評価するかというところで、それはその調査に当たったメンバーの、当然ながら解釈なり判断が入ってくるとは思います。ですからどちらかがいい加減だったとか、そういう問題ではないと思いますね。
Q 新潟日報
今回ご遺族に対しては、報告書の概要版しか県に提出された日の同日には示されず、ご遺族としてはできれば全文を公開してもらいたいということで、県に対してはお話をされたようですけれども、概要版しか示されないということで、詳しい調査の過程とか内容がご遺族には伝わっていないという状態になっておりますけれども・・・。
A 知事
事実関係を確認していただきたいのですが、個人情報に関わるところがあるので、それをチェックした上でもうお渡しをしていると聞いていますけれど。
Q 新潟日報
もう既にご遺族に渡っている・・・。
A 知事
それは確認してください。個人情報のところは消さないといけないので、それをした上で、送付したと聞いています。
Q 新潟日報
送ったという段階ということ・・・。
A 知事
どういう送付の仕方か知りませんけれども、郵送だと2日ぐらいかかるのかもしれませんけれど、送付したと私は聞きました。
Q 新潟日報
いずれにしても、そういう手続きが今とられたのかもしれませんけれども、県に提出されたタイミングで一方の当事者であるご遺族の方には、同じものが渡っていないというか・・・。
A 知事
それは部局に聞いてほしいのですけれど、県が依頼した調査委員会ですので、当然委員会としては県に報告をするとお考えになった、それだけのことではないのでしょうか。そしてそれの個人情報に関わる部分を確認した上で、ご遺族の方にお送りをしたということだと思います。
(「新潟県農林水産物のブランド化推進に関する条例」に基づく県推進ブランド品目の選定等について)
Q 新潟日報
発表項目のブランド品目の選定について伺います。県内あまたの品目がある中で、8つに絞るというのは簡単でなかったと思うのですけれども、特に選定に当たって重視した観点ですとか、今後期待する効果について知事のお考えをお願いします。
A 知事
選定は委員会も開いて、パブリックコメントあるいは議会とか様々なディスカッションを経ているので、適正に選ばれたと思います。個々の担当者の苦労とか思いは、ぜひこの後のブリーフィングで聞いてみてください。選定の考え方のポイントはお示ししていますけれども、誇りと愛着、物語性や差別化ができるかどうか、そして継続性を持って取り組んでいけるかとか、そうした点がポイントになったと承知しています。
Q 新潟日報
今後8つの品目が果たしていく、期待する効果についてはどのように・・・。
A 知事
どうしてこれを選んだかと言えば、まさに県全体の農林水産品のブランド化の牽引役、トップリーダーというか、先頭を走る品目ということで、まさに牽引していってもらいたいと思います。彼らが伸びることで、新潟のものは全ておいしいよねという、そういう好循環になっていくということを期待しています。
Q 共同通信
年度最後の定例会見ということで、来週から新年度を迎えることになりますけれども、県議選も控えており、いろいろな変化はあるかと思うのですが、花角知事が今後取り組んでいく、今も取り組んでいらっしゃる、県政の重点課題を改めてメッセージとしてお示しいただきたいのですけれども・・・。
A 知事
足元の様々な課題、物価高騰問題ですとか、新型コロナもだいぶ落ち着いてきて整理が進もうとしていますけれども、そうした足元の課題に加えて、新潟県の発展・成長を図っていくための、中長期的に取り組むべき課題として、常々申し上げている脱炭素社会への取り組み、そしてデジタル化社会への対応、加えて長年の新潟県が抱える深刻な課題である人口減少問題、特に若い世代に選んでもらえる新潟づくり、それはイコール地域の魅力向上であり、働く場所としての企業等の魅力の向上、あるいは新しいことに挑戦する、それを支えていくような環境があるかどうか、そういう環境づくり、こうしたことを進める中で、新潟が選ばれていく、企業にも人にも選ばれていく、特に若い世代に選んでもらうために、子育ての環境を、子育てにやさしい社会づくりを目指していくということ、これに力を入れていきたいと思っています。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
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