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令和5年1月18日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0552052 更新日:2023年1月19日更新

(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

 

1 日時 令和5年1月18日(水曜日) 10時01分~10時39分

 

2 場所 記者会見室

 

3 知事発表項目(10時01分~10時06分

 ・高病原性鳥インフルエンザについて

 ・新潟大学医学部による基金の設置と寄附の呼びかけについて

 ・済生会新潟県央基幹病院の開院予定日とメディカルスタッフの募集について

 

4 質疑項目(10時06分~10時39分)

 ・東南アジアへの訪問について

 ・済生会新潟県央基幹病院の開院予定日とメディカルスタッフの募集について

 ・新潟大学医学部による基金の設置と寄附の呼びかけについて

 ・新型コロナウイルス感染症について

 ・国際線の再開について

 ・地方の公共交通機関について

 

知事発表

(高病原性鳥インフルエンザについて)

 私から冒頭にお話したいのですが、村上市と上越市で相次いで発生しました高病原性鳥インフルエンザにつきましては、自衛隊、市町村、JAや建設業協会など関係団体のご協力をいただいて、全庁挙げて24時間体制で防疫措置を進めた結果、いずれの養鶏場も当初の想定よりも早く殺処分を終了することができました。本当に天候の悪い中、昼夜を問わず24時間体制で防疫作業に従事していただいた関係の皆様に、心から感謝申し上げたいと思います。現在、殺処分は終わりましたが、埋却・焼却、そして清掃、消毒などの作業を実施しているところです。いずれも今週中の防疫措置の完了を見込んでいます。今シーズンは本当に全国で、鳥インフルエンザの発生が続いています。1000万羽を超える殺処分が行われている中にあって、本県でもまだまだシーズンが続きますので、強い危機感を持っています。養鶏事業者の方々には、より一層の衛生管理の徹底、防疫対策の強化をお願いしたいと思いますし、警戒に当たってもらいたいと思っています。

 

(新潟大学医学部による基金の設置と寄附の呼びかけについて)

 発表事項の一つは、新潟大学医学部の基金の設置です。新潟県では医師確保にいろいろな手だてを講じていますが、その中で最も有効なものの一つが地域枠です。医学部の入学時の段階で地域枠という形で、新潟県で将来働いていただくことを前提にした、地域枠というものをいろいろな大学にお願いして、順次増やしてきています。特に地元の大学である新潟大学医学部には大変なご協力をいただいています。令和5年度からは40名という地域枠の設定になります。その結果、大学の医学部医学科の入学定員は140名ということで、これは全国公立大学の中で最も多くなります。私立大学を含めても、140名というのはトップでありまして、他に順天堂大学など2校がありますけれども、まさに日本一の医師育成拠点となるわけです。こうした状況を踏まえまして、新潟大学医学部では、日本一の医師育成拠点を目指すということで、そのためのいろいろな教育の環境整備をしっかり進めていきたいということで、新たに基金を設けることにしています。多くの皆さんからの支援、寄附を呼びかけるということで、県としましても、新潟大学医学部としっかり連携して、協力を行っていきたいと思っています。詳しくは明日、新潟大学医学部と共同で記者発表を行いますので、そこで確認いただきたいと思います。

 (資料1)新潟大学医学部による基金の設置と寄附の呼びかけについて [PDFファイル/202KB]

 

(済生会新潟県央基幹病院の開院予定日とメディカルスタッフの募集について)

 もう一点は済生会新潟県央基幹病院の開院予定日を、来年の3月1日としました。同時に開院に向けて、医師や看護師の募集は今進めていますけれども、病院薬剤師や医療ソーシャルワーカーなどのメディカルスタッフの募集を開始したいと思います。これも詳しくは済生会が記者発表しますので、そこでご確認いただきたいと思います。私からは以上です。

  (資料2)済生会新潟県央基幹病院の開院予定日とメディカルスタッフの募集について [PDFファイル/127KB]

 

質疑

(東南アジアへの訪問について)

Q 代表幹事(NHK)

 先週、知事は東南アジアを訪問されたと思います。タイやベトナム、シンガポールなど、年頭の会見のときには、エアラインに対する働きかけも行っていきたいと述べられていましたが、実際に訪問してどんな働きかけを行ったのか、また手応えについてお聞かせください。

 

A 知事

 タイを訪問した際に、サマーエアーという航空会社を訪問しまして、幹部の方々とお会いし、そこで今年のサマーダイヤが3月末から始まりますけれども、そのサマーダイヤ中に、新潟‐台北‐バンコク線を開設するということです。週2便ということですけれども、全社を挙げて準備を進めているというお話をいただきました。大変熱意のある皆さんで、まだ運航開始日等はこれからですけれども、ダイヤ等が決定され次第、ご連絡をいただくことになっていまして、期待しているところです。

 

Q 新潟日報

 ベトナムのフック国家主席と会談されましたけれども、辞任の方向になったという報道がありました。会談して友好関係を築いたばかりでしたけれども、辞任されることの受け止めを・・・。

 

A 知事

 私も報道で聞いただけですので、驚きでしかないのですけれども、お話した内容は計画投資省の副大臣や外務筆頭次官ともお会いする中で、同じ事を仰っていました。つまり、地方間の交流、地方政府間の交流が大事だということで、これは変わらないと思います。国家主席がどういうお立場で、どういう経緯で辞任ということになるのか、背景は分かりませんけれども、ベトナムとの交流についてはお話をいただいた通り、しっかり進めていきたいと思います。

 

Q 新潟日報

 昨年10月に、日本も水際対策を大幅緩和したわけですけれども、その前後から他県の地方の知事も、エアポートセールスですとか地元食材のセールスなどで、東南アジアに出張しています。今回、かなり過密スケジュールで公務をこなされていましたけれども、こうした他県の動きというのも、乗り遅れてはいけないという思いや危機感があったのでしょうか。

 

A 知事

 他の県の動きは承知していなかったです。むしろ大使とお会いしたら、来週は誰が来ます、先週は誰が来ましたといったお話は伺いましたけれども、他の県も動いているのだなというのは、その時点で感じました。元々の意識にはなかったです。

 

Q 新潟日報

 これから航空路の開設や食材のPRなどでも地域間競争が激化していくのではないかと思うのですけれども・・・。

 

A 知事

 どんなことにおいても、一定の競争というのはあると思います。それぞれが持っている特質や魅力を、よく相手国に理解してもらうということに尽きるのではないでしょうか。

 

Q 新潟日報

 シンガポールで富裕層を対象にした観光商品の説明会でも、知事自らトップセールスをされていました。その時の旅行会社のツアー内容は、東京の羽田から石川県の小松空港に降りて、富山県を経由して、新潟の赤倉や魚沼地域を回るという内容で、新潟県単独のコースではありませんでした。今後、インバウンドが拡大していく中で、北陸や東北など、隣県との広域連携というのも、必要性は感じていますか。

 

A 知事

 必要性といいますか、旅行者のニーズですよね。皆さんが海外に行かれる時も、振り返っていただければ同様かもしれませんけれども、せっかく行ったのだから、目的志向で行かれるときは1カ所ということもあると思いますけれども、多くの日本人の海外訪問は、やはり行ったのだから2つや3つ、いろいろな所を回って行きたいというのが大半だと思います。多分それは同じことで、おいでになる方も、新潟決め打ちというケースもあるのでしょうけれども、やはり広い日本ですので、新潟も行って東北も行って、場合によっては九州から新潟に飛んでくるなど、いろいろなケースがあり得ます。いずれにせよ、広域的なニーズというのは根強くあると思いますので、そこは県が人を呼び込むことを考えるときに、そうした広域的なニーズにも対応できる旅行商品の提供等を考えていかなければいけないと思います。そういう意味では、隣県に限らないとは思うのですけれども、隣県等とタイアップしたプロモーションですとか、例えば東北、新潟、北海道は一つの知事会議のブロックでもありますし、そうしたブロックでのプロモーション。あるいは長野県、山梨県、静岡県と、中央4県の連携の会議もありますので、そうしたいろいろな枠組みを使ったプロモーションは重要なのかなと思っています。

 

Q 新潟日報

 具体的にそういう動きは・・・。

 

A 知事

 これまでも、例えば東北経済連合会や東北観光推進機構などと一緒にプロモーションをやってきています。中央4県は食材ですけれども、農産品の輸出について連携して、シンガポールでプロモーションをやっています。シーズンごとに、それぞれの県の持ち味のある農産品を出していくという試みをやってきています。引き続き、そうした広域の枠組みでのプロモーションや取り組みを進めていきたいと思います。

 

Q 新潟日報

 航空路の話に戻るのですけれども、今回はベトナムでベトジェット社と会う機会があればというところで、そこはかなわなかったのですけれども・・・。

 

A 知事

 拠点がホーチミンなので伺えませんでした。

 

Q 新潟日報

 ベトナム政府で今問題になっている、汚職事件の影響があったりする・・・。

 

A 知事

 国の政治構造がよく分からないところがありますが、汚職事件の影響は直接、今回の訪問にはないと思います。

 

Q 日本経済新聞

 サマーエアーとは、タイ・サマー・エアウェイズでよいでしょうか。

 

A 知事

 はい。

 

Q 日本経済新聞

 今はAOC(航空運送事業許可)取得後の就航に向けた準備段階にあると思うのですけれども、新潟便の手応えを・・・。

 

A 知事

通訳を介しての話でしたので、間違っていたら申し訳ないのですけれども、AOCは2年前に取っているのです。ところが、ちょうどコロナウイルスの拡大という中で就航できなかったのです。その結果として、航空運送事業の許可は期限が切れていると。厳密な意味ではそういう理解で、今それを取り直していると。ただ、全く新たに取るということではなくて、日本は航空運送事業の許可が期限付きではないと思いますが、彼らは期限付きだったのかなということです。いずれにせよ、正確にはそれを取り直している中で、その上で事業計画の第一便といいますか、最初の就航路線をバンコク-台北‐新潟にと考えているという理解です。空港はスワンナプームではなくて、以前の空港(ドンムアン空港)を考えているように伺いました。

 

Q 日本経済新聞

 彼らの拠点空港と台北と新潟・・・。

 

A 知事

 そうですね。台北は桃園だと思います。

 

Q 日本経済新聞

 機材については説明がありましたか。

 

A 知事

 ボーイング737だと思います。

 

Q 日本経済新聞

 例えば2機保有しているとか、3機ですとか・・・。

 

A 知事

 現状は1機で、今2機目が来ると言っていました。年内にさらに増やすということを仰っていました。

 

(済生会新潟県央基幹病院の開院予定日とメディカルスタッフの募集について)

Q 代表幹事(NHK)

 県央基幹病院の開院日の発表がありましたけれども、5病院が関わる病院再編ということで、地域の医療課題をどこまで解決していくかというところに注目が集まるのかなと思うのですけれども、改めてどういった医療体制を築いて、どういった医療課題を解決していきたいのかというところをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

 

A 知事

 それは今まで何度も申し上げていますが、県央地域は圏域外の搬送が非常に大きな割合で、25%以上という状況の中で、圏域内でしっかりと皆さんに必要な医療を提供できるように進めていく、環境整備をするということで、2つの病院を統合し大きな中核となる県央基幹病院を作り、周辺の病院ときちんと役割分担をする中で、ER救急と言っていますけども、救急患者は基本的には県央基幹病院で受けるという、断らない救急ということを目指しているところです。これによりまして、地域内のお住まいの皆さんの、医療に対する適切なサービスの提供が可能になっていくと思っています。

 

Q 新潟日報

 県央基幹病院の薬剤師等の募集も始めるということですけれども、職員確保に向けて実際にかなりハードルの高い部分ですとか、課題になっている部分というのは、認識されているところはありますでしょうか。

 

A 知事

 医師・看護師の方は既に情報提供していますけれども、順次に進んでいまして、今大きな問題という認識ではないのですけれども、メディカルスタッフについては、詳しくは承知してないので、ぜひ済生会や担当部局などに確認していただきたいと思います。一般的に、薬剤師はいろいろな所で活躍されていますけれども、病院薬剤師はなかなか募集が厳しいという話は聞いています。

 

Q 新潟日報

 県は何かキャンペーンではないですけれども、呼びかけに力を入れていく・・・。

 

A 知事

 もちろん、いろいろな手を尽くしていくことになると思います。

 

Q 新潟日報

 医師・看護師についてですけれども、医師は新潟大学を中心にいろいろと調整されている話を聞くのですけれども、看護師の方は統合する2病院の転籍希望の人だけでは足りないということで、県は新規採用を進めていると聞いていますけれども・・・。

 

A 知事

 それは12月議会(定例会)でも繰り返しご説明しています。既に約400名が必要な中、350名を確保しているところで、残り50名程度です。昨年度は年間で70名を確保していますので、その程度の確保、昨年と同程度の努力で充足できるという見通しになっています。

 

Q 新潟日報

 手応えもありそうな・・・。

 

A 知事

 大丈夫だと思いますけれども。特に問題などは聞いていないです。

 

Q BSN

 県央地域で圏域外搬送ですとか医師不足といったいろいろな課題がある中で、開院日が決まったということに際して、地域の期待もより具体的になってくるのかなと思うのですが、知事の今段階での県央基幹病院への期待をお願いします。

 

A 知事

 先ほどもご質問にお答えしましたけれども、まさに救急患者の圏域外搬送が、県央医療圏では25%に達しているという中で、域内で救急患者も対応できる、中核となる病院が必要だということで進めてきたのが県央基幹病院です。日にちがはっきりしたということで、より関係者の準備が明確に進んでいくのではないかなと期待しています。仰るように地域の皆さんも期待が高まっていくとは思っています。ただ、3月1日が開院で、それに向けて関係者のいろいろな努力が集中していきますが、どんな病院もそうなのですけれども、いきなりフルスタート、フルスピードでは走れません。当然、助走期間があって、段階的に拡張・拡充しながら、最終的に、もともとは令和5年度中の開院と申し上げてきたわけですけれども、それが3月1日でそこから走り出します。それなりの助走期間と段階的な拡充があって、そういう意味では、令和6年度のどこかでフル機能に達するものだと思っています。

 

(新潟大学医学部による基金の設置と寄附の呼びかけについて)

Q 新潟日報

 新潟大学医学部が基金を作るということなのですけれども、県も呼びかける立場というと・・・。

 

A 知事

 要は協力をするということです。

 

Q 新潟日報

 県もお金を・・・。

 

A 知事

 県は寄附講座という形で既に支援しています。

 

Q 新潟日報

 今回、日本一の入学定員を目指していかれるということの理由に関する部分なのですが・・・。

 

A 知事

 目指すのではなくて、もう既になったのです。来年度ですね。日本一の医師育成拠点を目指しますと。量だけじゃなくて質もということだと思います。

 

Q 新潟日報

 他県ですと、医師養成機関が県内にいくつかあるというケースもあると思うのですけれども・・・。

 

A 知事

 東京や大阪といった所は別ですけれども、多くの地方の県は一県一医師養成学部です。

 

Q 新潟日報

 最大の定員をとって県も支援していかれるということで、県内での医師養成機関として、特に大きな役割といいますか、重要性を見ていらっしゃるのかなと思ったのですけれども・・・。

 

A 知事

 もちろん新潟県にとって、新潟大学が(県内で)唯一の医師養成の入口ですので、ここはしっかり機能していただきたいと思いますし、県もこれまでいろいろな協力をしてきているつもりです。これからもしっかり、こうした大学が基金を設けて環境整備を充実させていくと仰っているところを、一緒になって協力していきたいと思います。

 

(新型コロナウイルス感染症について)

Q 新潟日報

 12月以降、第8波もかなり顕著になって全国的にも死者が増えて、新潟県でも10月以降に100名以上が亡くなっていると思うのですけれども、死者の増加について知事としてどのように認識されていますでしょうか。

 

A 知事

 圧倒的に70代以上の後期高齢者、基本的には基礎疾患をお持ちの80代の方々で、コロナによって悪化したというケースが大半だと思います。そういう意味では、高齢者を守るということ、特に高齢者施設での集団感染の発生等を防いでいくことが重要なのかなと思っています。

 

Q 新潟日報

 高齢者の集団感染も昨年から結構あると聞いているのですけれども、一方では社会経済を動かさなければいけないということで、やはり意識としては緩んでいる人も多いのかなと思うのですけれども、高齢者を守る意識というのは、県としても呼びかけていかなければいけないと・・・。

 

A 知事

 緩むという言い方は、失礼な言い方だと思いますけれども。

 

Q 新潟日報

 意識が以前よりはやはり・・・。

 

A 知事

 それはやはり感染には注意しながらも、社会経済活動を平常化するということだと思います。そういう意味では気を付けるというところは徹底していただきたいと思います。家庭の中にいる場合の高齢者との接し方ということもあるでしょうし、多くの場合は、施設の中で働いている従業員の皆さんの対応ということが重要になるのだろうと思います。そこはこの3年近いコロナウイルスとの付き合いの中で、随分と対応は進んできているとは思います。ノウハウといいますか、知見もたまってはいると思いますが、ウイルス相手なので、そこは鳥インフルエンザもそうですけれども、どれほど注意したとしても、一定程度は発生してしまうというところは、致し方ないのかなとは思います。

 

Q 新潟日報

 死者が急増していること自体はご認識されていると思うのですけれども、やはり高齢者の方がコロナウイルスによって体力が低下したり、持病が悪化したりしてしまうことは、なかなか防ぎようがないという部分も一定程度あるということでしょうか。

 

A 知事

 そうですね。

 

(国際線の再開について)

Q 新潟日報

 昨日、タイガーエア(台湾)の初便が来まして、3年ぶりに新潟空港の国際線が開いたという状況で、まずは受け止めを・・・。

 

A 知事

 これはセレモニーでも申し上げましたけれども、非常にうれしく思っています。3年ぶり、正確には2年10カ月ぶりの再開で、タイガーエアにとっても航空運送事業の許可を取って、飛ぶだけになっていたところに、コロナウイルスの感染拡大ということで飛べずにいたものが、ようやく実現するということで、新潟県の地域経済、地域社会の活性化という意味においても、非常に歓迎すべき就航だと思っています。これを契機に台湾と新潟の相互の交流、イン・アウトは相互だと思うのですけれども、交流が一層拡大することを期待したいと思います。

 

Q 新潟日報

 タイのサマーエアーが、今年のサマーダイヤで週2便という話もありましたけれども・・・。

 

A 知事

 サマースケジュールのうちにできるだけ早く・・・。

 

Q 新潟日報

 そういう意味で国際線に明るい動きが出ていますけれども、一方で、コロナウイルス前の実績を見ますと、やはりソウルやハルビンといった対岸の方がドル箱になっていたと思うのですけれども、国際線の今後の展望というのは、どうご覧になっていますか。

 

A 知事

 これはエアラインのお考えであり、当該国の水際対策などによりますので、何とも申し上げようがないのですけれども、新潟県としては、空港としては準備ができています、OKですということをしっかりお伝えして、検討を急いでもらいたいと思います。

 

Q 新潟日報

 今の情勢を見ますと、対岸というよりは東南アジア方面との空路開設が先行しそうな感じでしょうか。

 

A 知事

 いえ、県としては全方位です。全方位に早期就航をお願いしたいと思いますけれども、こればかりは各社の経営戦略もありますし、その国の事情もありますので何とも申し上げようがないという中にあって、台湾はいち早く水際を緩和し、人の動きが活発化している地域です。タイ、ベトナム、シンガポールを訪問しましたけれども、いずれの国も、明らかに経済活動、社会活動を活性化しようという方向に舵を切っています。非常にそういう意識を感じました。

 

Q BSN

 新潟-バンコク線の話ですけれども、今ですとソウルや台湾ですとか、3年前は香港もありましたけれども、バンコクというとそのエリアよりも、同じアジア圏でありながら、また一つ距離がある、先に行けるかなという点で、県民の旅行マインドや新潟空港の利用マインドへの良い影響があるように感じるのですけれども、知事はどのように思いますか。

 

A 知事

 そうですね。今までなかった新しいデスティネーションですよね。もちろんタイが好きで何度も旅行されている新潟県民は、結構おいでだとは思いますけれども、新潟空港から直接行けるということは、大きな期待があります。

 

Q BSN

 一方で、タイからのインバウンドへの期待ももちろんあると思うのですが。

 

A 知事

 ありますね。

 

Q BSN

 どんな種類の・・・。

 

A 知事

 タイではサマーエアー社の皆さんともお話をしましたし、大使やジェトロの関係者などともお話したのですけれども、やはり圧倒的に北海道が人気なのです。これは中華圏、シンガポールもそうですけれども、皆さん共通して北海道人気というのがあるのです。温泉があって、雪があって、食が豊かだということは、新潟も引けを取らないのだということは、これからもしっかりアピールしていきたいと思います。バンコクあるいはタイの方々も新潟に対する関心が上がっていく、潜在的な可能性が充分あるのではないかと思っています。

 

(地方の公共交通機関について)

Q 新潟日報

 昨日、国土交通省の方で昨今課題になっている地方鉄道の支援の関係で、地域の公共交通機関の再編に向けた関連法案の骨格のようなものが示されています。昨今話題になっている、路線ごとにつくる協議会の話で国が主導でつくるといったことを法案に盛り込んで、要は国がそういう形で法整備の準備を進めています。背景としては人口減少やコロナウイルスなどで経営的に厳しさを増している中で、移動手段の確保を国としてはしたいと、そのように次の通常国会に提出するという動きがあります。知事の認識もそうだと思うのですけれども、やはり公共交通機関というものがかなり疲弊している中で、こういう国の支援についての期待や法制化の動きについては何かありますか。

 

A 知事

 見出しで今朝見ましたけれども、中身はまだ何も聞いていません。国交省が今検討しているものが、法案としていずれ出てくるのでしょうけれども、内容を少し勉強してからコメントしたいと思います。

 

Q 新潟日報

 法案の中身は確かにまだご覧になっていないと思うのですけども、国としても、国土交通大臣が会見の中で今年は地域公共交通機関の再編の構築元年にしたいと、全力を尽くしたいと。かなり地方の公共(交通)機関の整備に力を入れるという方針を示しているようですけれども・・・。

 

A 知事

 そのこと自身は歓迎すべきことだと思います。国がもう一段、地域の公共交通、あるいは地域住民の足というものをどう守るか、どうつくっていくかということに踏み込んでいただく。もう既に地方自治体は一種の危機感を持っていて、私はこの4年間、本当に足をどう守るか、足をどうつくり出すか、維持するかということに意識を持ってきたつもりです。国もまさにそういう同じ意識の元で一歩を踏み出して、そうした法制度を作ろうと。具体的には予算措置がどんなものになっていくのか分かりませんけれども、お金の部分の支援なども考えていくこと自身は、歓迎すべきだと思っています。

 

Q 新潟日報

 知事のこれまでの発言を見ていると、やはり地域の足というものに非常に問題意識があると思うのですが、知事としても今年というわけではないですけれども、力を入れていきたい・・・。

 

A 知事

 ずっと力を入れてきたつもりです。私は、今ある既存の交通事業者を守るという意識ではなくて、例えばバスという路線を守るということ、結果としてそういうこともあるのですけれども、それよりも生活をしている方々、あるいは学校に行く子どもたちが、自分が思うときに思うように動ける足というものをどう保障してあげるか、どう保つかということが大事だと思っています。その場合には、交通手段にとらわれなくてもいいと思っています。鉄道でなければならないとか、バスでなければならないわけでもないので、あらゆる交通資源をまさに総活用して、しかもIT技術を使えば、それらを効率的に組み合わせることは可能なのだと。そういう思いで、今年度の予算の中でも、交通資源のフル活用というテーマで、佐渡と三条で実証事業的なことも試みています。発想はそういうことで、足をどう守り、つくり出していくかという点で考えていきたいと思っています。もちろん現実的には、そこに鉄道路線があったら、その鉄道路線が機能してもらうことが第一義になるとは思うのです。ただ、それが本当に利用者にとって便利なものなのか、利便性の高いものなのかというところは、やはり吟味しながら、地域の皆さんと一緒に考えながら、5年、10年、15年、20年の持続可能な足として、どうしたらいいのかということは、しっかり考えていきたいと思います。

 

Q 新潟日報

 公共交通資源のフル活用というのは、まだ早いかもしれませんけれども、新年度予算でも反映されるものですか。

 

A 知事

今年度の予算から既に予算措置をしています。佐渡は実証事業を今検討していますし、三条もそうだったように思います。例えば何カ所かでは自家用自動車の活用、市町村が持っているバスの活用、あるいはスクールバスの活用。湯沢町でMaaSの実証事業をやったときには、マンションが持っている送迎バス、あるいはホテルが持っている送迎バスの活用ですとか、動いているものは様々あるわけです。それを旅客運送にも持ってこられないかと。発想はそういうところです。そうした様々な移動のチャンスをうまく組み合わせるということを、実証事業などを通して検討していきたいと思っています。

 

 

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。

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