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令和5年1月4日 新潟県知事 年頭記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
1 日時 令和5年1月4日(水曜日) 11時00分~11時24分
2 場所 記者会見室
3 知事発表項目(11時00分~11時01分)
4 質疑項目(11時01分~11時24分)
知事発表
ご挨拶というものも特にないのですけれども、先ほど職員や幹部の皆さんには挨拶をさせていただきました。記者クラブの皆さんには、昨年の暮れに今年の抱負を漢字一文字で表せば、卯年にかけて「跳」(跳ねる)という字を当てると申し上げました。県の抱える様々な課題や懸案が大きく前進する、ステップアップしていく。そういう年にしていきたいと思っています。引き続きよろしくお願い申し上げます。私からは以上です。
質疑
Q 新潟日報
年末年始、知事ご自身はどのようにお過ごしになりましたか。
A 知事
全く静かに、年末に予報では豪雪が少し心配される状態ではあったのですけれども、大きな混乱もありませんでしたので、私自身は非常に穏やかな三が日でした。
Q 新潟日報
3年ぶりに行動制限がない年末年始ということで、それなりに賑わったようですけれども、初詣は・・・。
A 知事
いえ。初詣は行っていません。混むのではないかと避けていました。少し間を置いてから行きたいと思っています。
Q 新潟日報
新年度予算編成がいよいよ本格化すると思うのですけれども、二期目最初の新年度予算編成ということで、どのような予算にしたいか大枠のイメージをお聞かせください。
A 知事
特に気負っているものはないのですけれども、行財政改革行動計画(新潟県行財政改革行動計画)を令和元年度から作って、(令和)5年度が最終年度ですので、そういう意味では仕上げですよね。きっちりと県財政を健全な方向に向けた上で、様々な懸案が前に進むような予算にしていきたいと思っています。
Q 新潟日報
行動計画は着実に計画通りに進んでいて、収支改善も達成しているところですけれども・・・。
A 知事
そうですね。少しずつ良くなっていますね。
Q 新潟日報
年頭のご挨拶にもありましたけれども、発想は大胆に、実行は緻密にということでしたけれども・・・。
A 知事
そうですね。これは4年前の就任の時と同じことを言っているのです。発想は大胆に、実行は緻密に、決断するときは決断する。
Q 新潟日報
行動計画が最終年度という部分で、どのように方向性というものを・・・
A 知事
行動計画の県財政の健全化の議論であれば、かなりもうやってきて、実績が出てきているというところで、(令和)5年度はまさに総仕上げということです。いい方向に体が向きましたねというところにちゃんと着地できるように、しっかりと数字を作っていきたいと思います。
Q 新潟日報
その上でより一段強い取り組みの必要性も触れられることがありましたけれども・・・。
A 知事
それは今後の新潟県の成長や発展のための3つの大きな課題があるということを常々申し上げていて、これに向けてしっかり課題が前に進むように目配りをしていきたい。メリハリの利いた予算にしていきたいと思います。
Q 新潟日報
新年度予算のイメージみたいなところで、まず今年度予算の柱みたいのが、デジタル化と脱炭素と地方分散という辺りは、やはり引き続き・・・。
A 知事
柱になると思います。まだ部局とディスカッションをしていませんので、何とも言えませんけれども、その3つの政策の柱は、引き続き立てていきたいと思います。
Q 新潟日報
今のところの知事の思いとしては、さらに新たなキャッチフレーズですとか、柱みたいなものの必要性というのは。
A 知事
この3つ(の政策の柱)は変わらないと思います。
Q 新潟日報
その中でも課題の深刻度がありますけれども、人口減少問題は先ほど知事も・・・。
A 知事
長年にわたる深刻な課題ですよね。
Q 新潟日報
知事選(県知事選挙)でも仰っていましたけれども、「選ばれる新潟」というのを実現するにあたって、また予算なり事業なりもいろいろ作られると思うのですけれども、この辺りの何かイメージというのか、思いというのか・・・。
A 知事
まだ具体的な議論はしていませんので何とも言えませんけれど、例えば子育て支援とか、そうしたことは国もこども家庭庁を作られますので、力を入れていくということは大きな政策の方向として示されています。県も負けないように、やはり子育て環境を良くしていくということは、結果として働きやすい、住みやすい「選ばれる新潟」に繋がっていくという思いはあります。
Q 新潟日報
(年頭の)訓示でも仰っていますけども、去年を見た時にいろいろ大きいイベントですとか、社会経済活動が・・・。
A 知事
少しずつ平常化してきているように感じています。
Q 新潟日報
この辺りのポストコロナ、ウイズコロナを見据えての事業というのもの含まれるということでしょうか。
A 知事
ポストコロナへの事業ということよりも、これまであったイベントなどが同様な形でできるような環境をつくっていくということは必要だと思っていますけれども、最後はそれぞれ個々のイベントなり行事の主催者の判断だと思います。
Q 新潟日報
新年度予算の関連でお伺いしたいのですけれども、昨年末に連合新潟とか経済弱者といいますか、社会的立場の弱い方への支援をぜひお願いしたいと要請等がありましたけれども、そういったところの知事の思いとして、予算で意識したりとか・・・。
A 知事
物価高騰等の中で、あるいはこれまでで言えば新型コロナの影響がある中で、非常に厳しい環境に置かれた方々へのセーフティーネットといいますか、支援というところは常に意識してきたつもりであります。補正予算等で、例えば物価高騰等の影響を受けている方々への支援は、これはむしろ市町村がきめ細かく状況を把握しているので、市町村と一緒にその手当てを考えるということが一番適切だろうということで、10億円余りの補正予算を盛って、それぞれの市町村が取り組む、そのような弱い立場に置かれた方々への支援策に県が補充するというか、後押しをするという仕組みを取りました。例えば給食費の支援とか、各市町村でいろいろ取り組まれたと思いますけれども、そうした形でずっと意識してきたテーマ、課題であります。引き続き、来年度予算の中でもそうした非常に厳しい状況に置かれた方々への目配りといいますか、気配りといいますか、手を差し伸べるということはしっかり考えていきたいと思います。
Q 新潟日報
物価高騰の背景に、円安の状況も影響があったかと思うのですけれども、今年に入ってから円高傾向が少し出てきているようなのですけれども、県内経済への影響等をどう見ていらっしゃいますか。
A 知事
これまでの数字的には県内経済は緩やかに持ち直していますし、実際に税収も伸びています。ただ多少のばらつきは業種によってはあるのは事実ですし、それから不確定要素、先々、非常に心配されるものとして、まだまだエネルギー価格の問題、あるいは食料、そして確かに為替という問題が不確定要素としてあるわけです。ただ今、これは一喜一憂してもしょうがないところで、この数日というか、今朝の報道もそうですかね。円高に、それでもまだ2、3年前とは大分違いますけれども、少し戻してきているという話は聞いていますが、それがどれほど直ちに何か大きな影響を持つかという辺りは、私もよく分かりません。いずれにしても、そうした県内の景気経済に影響を与える要因、これをしっかり注視していきたいと思います。
Q 新潟日報
先ほど年頭の訓示で、デジタル化に力を入れなければならないということで、さらに特に教育だとか、医療の分野で大きな働きを期待されているということでしたけれども、もう少し具体的に教育、医療のどんなところに・・・。
A 知事
それは皆さんもすぐご想像がつくと思いますけれど、これまでも遠隔医療というところはすごく意識してきています。また、医療に関するデータをもう少し活用していくというところも、一種の広い意味でのデジタル化なのですけれども、それも意識しています。これらが県民のどこに住んでいても安心して適切な医療を受けることができる。そういう環境づくりに繋がっていく重要な道具になり得るのではないかという期待です。それから教育も、小規模校、特に高校の小規模校が随分できてきています。統廃合の議論が起きるのですけれども、小規模校で何が問題かというと、例えば小規模校に専門科目の物理の先生、化学の先生、生物の先生を(それぞれ)置くのは難しいわけです。そんな中で、遠隔で既に佐渡市や阿賀町でやっていますけれども、新潟市内の高校を配信拠点とした遠隔の教育、授業ができれば、小規模校でも子供たちの学びを支えていくことができるわけです。そうした場面でこのデジタルという技術が重要な道具になっていくという意識です。
Q 新潟日報
新年度の予算編成するにあたって、この教育と医療に関して、そのデジタル化について、新たな取り組みとして、知事として思いがありましたらぜひ・・・。
A 知事
いやまだです。来年度予算の議論をしていないので何とも言えませんけれども、今、実証事業的なものやっていますけれども、もう一段何か進めることができれば、それはそれでいいなと思っています。医療についても、もう既に健康相談のアプリ(AI救急相談アプリ)などは全県展開を昨年しましたので、そうしたものがさらにもう一段何か進展できるものがあればという期待はあります。
Q 新潟日報
県として取り組みが難しい問題かと思うのですけれども、賃上げの必要性がずっと言われています。新潟県としてこの辺りについてはどのように対処していく・・・。
A 知事
昨年の秋以降、経済団体にそういう場面があれば繰り返しお願いしているところです。政府も物価高騰への最大の処方箋は、物価上昇をカバーする継続的な賃上げだということを仰っていて、私もそのように思います。経済団体、その傘下の各企業にはぜひ考えていただきたいと思っています。
Q 新潟日報
なかなか地方が、主体的に賃上げという動きをつくっていくのは難しいかと思うのですけれども・・・。
A 知事
これも全国の経済団体自身が、そういう方向感をちゃんと仰っていますので、それぞれの地方ごとに置かれた状況はもちろん違いますけれども、方向としては揃っているのではないでしょうか。
Q 新潟日報
働く場として選ばれるためにもやはり賃上げが必要だと・・・。
A 知事
そうですね。それも経済団体にお話をする時は常に申し上げています。新潟県の深刻な課題である人口減少、特に社会減少の部分は、やはり若い世代が魅力を感じる働く場所というもの、働く環境をつくっていくことが何よりも重要ですということ。それに協力してくださいということをお願いしています。
Q 新潟日報
今年は、今月になると思うのですが、タイガーエア(台湾)航空が就航・・・。
A 知事
(1月)17日ですね。
Q 新潟日報
知事も就任時からずっと準備されてきたのかなと思うのですけれど、期待する面は。
A 知事
ようやく国際線のドアが開くということで、大きな期待をしています。これに続くネットワークの復活が待たれるところで、来週、東南アジアを訪問いたしますけれども、その中でもエアラインへの働きかけをしっかりやってこようと思っています。
Q 新潟日報
アジアの視察ではタイやベトナム、その辺りからやはり・・・。
A 知事
そうですね。タイ、ベトナムがターゲットであります。
Q 新潟日報
今回の台湾もそうですけれども、冬シーズンへの来客をかなり期待されている部分もあるのでしょうか。
A 知事
これもこの場で何度も申し上げていますけども、入ってくるインバウンドのお客の大半は首都圏から入ってきますので、新潟空港直ということではないのですけれども、この冬、スノーリゾート新潟としては、大いにインバウンドの客に期待していますし、担当部局から聞いている報告では予約は好調だと聞いています。大きな事態の変更がなければ、新潟のスキー場等はインバウンドで、かなり元気になるのではないかなと期待しています。
Q 新潟日報
来るのも行くのも、どちらもやはりお客を確保できることが大事なのかなと思うのですけれども・・・。
A 知事
もちろんそうですね。双方向が望ましいです。
Q 新潟日報
行く方は順調・・・。
A 知事
タイガーエア(台湾)がどういうふうに考えておられるのか分かりませんけれども、8割ぐらいは台湾発の旅行に卸していると聞いています。台湾のお客様が行ったり来たりするところで、それは埋まるのだと思います。残2割を個札で売ると思いますけれども、その中に新潟アウトというのがもちろん大きく入ってくれば、それはそれでよりネットワークといいますか、路線の強化、安定に繋がっていくと思います。
Q 朝日新聞
先ほどの職員向けの(年頭の)ご挨拶の中で、大きくこれから新潟を発展させる取り組みを3点あげられまして、そのうちの最初に脱炭素化社会をあげられました。特に最初に取り上げたという思いがありましたら教えていただきたいのと、またそれが今後始まるであろう原発再稼働の議論を念頭に置かれていることがありましたら教えていただきたいと思います。
A 知事
この3つは何か優劣をつけておりません。その場面、場面で、順番が逆になったりもしていますので特にありません。原発との関係も特に意識していません。
Q UX
昨年の末に、政府が脱炭素に関する基本方針を示して、原発については改めてあらゆる努力、政府の方も前面に立ってやるということが示されたと思うのですけれども、その受け止めと、(県の原発事故に関する)検証委員会の方が大詰めを迎えてきて、(検証総括委員会の)池内委員長の任期も近づいているということで、県としてどんなふうに対応していきたいか改めてお願いいたします。
A 知事
これは年末にもお答えしたことから何も変わっておりませんが、政府の審査に合格し安全性が確認された原発については順次稼働させていくという方針は、政府はずっと言っていますので、特段それについて感想はないです。既定路線通りと政府はそう仰っているだけのこと。それから池内委員長も断続的に担当部局が接触してお願いしているのですけれども、少なくとも年末、今日出て来たばかりですから年明けてからは聞いていませんが、年末で聞いたところでは、やはりなかなかその折り合えない。つまり、お願いしたこと以外のことをやりたいと仰っておられるのです。何度もここで申し上げていますけれども、例えば福島第一原発の事故の処理水の放出について議論して、そこから東京電力の適格性の議論をしたいということを仰っているのですけれど、それはそれにふさわしい委員を選んでいるわけではないので、その議論をするのであれば、そうした知見を持つ人たちをまた集めて議論をするということが必要になる。それはもともとお願いした趣旨が、3つの検証に必要な専門家で、それぞれ検証してきたものを取りまとめるというのが検証ですから、名称は検証総括委員会なのですね。検証を総括する委員会なのです。総括検証ではありません。検証総括委員会にお願いしたことは、それぞれ各検証委員会で議論してきたものを取りまとめていただくことであって、従ってメンバーとしては委員長だけが新しいメンバーなのですよね。あとは全て各検証委員会の委員長と副委員長なので、議論をしてきたことを持ち寄って、取りまとめていただくということであったわけなので、その任務を果たしていただきたいということを今お願いしているところですが、なかなかこういうこともやりたい、ああいうこともやりたいということを仰っていて、まとまってないというのが現状です。
Q UX
いよいよ今年、政府が夏以降(の原発再稼働)というところを目指している年になりましたけれども、県としてはどんなふうに地元の理解ですとか、進めていきたいと考えていらっしゃいますか。
A 知事
ですから、政府がそういうことを言っているのは、もうずっと前からですから、特にそれについてどうこう言うこと、それによって何かバタバタと何かしなくてはいけないとは思っていません。
Q 新潟日報
政府が柏崎刈羽原発の今年夏以降の再稼働を目指して前面に立つと。国として積極的にアクションを何らかすると言っているのですけれども、県側、立地自治体側として、逆に国の方にどういうことをしてほしいとか、どういう対応してほしいとかありましたら、あるいはそういうことを伝える機会を持つ考えがあるかどうか伺います。
A 知事
その議論は検証が終わってから始めたいと思っています。仰りたいのは、稼働のために今の段階で何かああしてください、こうしてくださいということですか。
Q 新潟日報
国は稼働のために何らかアクションを取るということを言っていることについて・・・。
A 知事
そうですね。今それについて議論する段階ではないと思っています。
Q NHK
池内委員長の任期が迫っておりますけども、交代していただくことをお考え・・・。
A 知事
それは昨年も質問をいただいて、考えておりませんと。まずはお願いしたことをやっていただきたいという思いです。
Q NHK
新型コロナウイルスの対応で、経済との両立ということを昨年からずっと仰っていましたけれども、そのお考えはこれからも継続されていくという・・・。
A 知事
ですから、感染拡大の防止と社会経済活動の平常化は、両立させていかなければいけない。その両立を図っていかなければならないということで取り組んできたつもりです。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。