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令和4年2月16日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0464653 更新日:2022年2月17日更新

(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

 

1 日時 令和4年2月16日(水曜日) 10時31分~12時19分

 

2 場所 記者会見室

 

3 知事発表項目(10時31分~11時20分)

 ・令和4年度当初予算案について

 ・新潟県行財政改革行動計画の取組状況等について

 ・令和3年度2月補正(冒頭提案)予算案について

 ・令和4年2月議会定例会提出議案について

 ・令和4年度組織改正について

 ・新潟県知事選挙について

 

4 質疑項目(11時20分~12時19分)

 ・令和4年度当初予算案等について

 ・新潟県知事選挙について

 ・新型コロナウイルス感染症について

 ・北京冬季オリンピックでの本県関係選手の活躍について

 

知事発表

(令和4年度当初予算案について)

 それでは、来年度当初予算の概要をお話ししたいと思います。お手元にたくさんの資料があるかと思いますが、中心は資料1-1の「令和4年度新潟県当初予算案の概要」という資料で主な要点をご説明申し上げたいと思います。最初に、1ページの令和4年度当初予算案の全体フレームをご覧いただきたいと思います。まずこの予算案の基本的な考え方ですが、1ページの冒頭に書いていますけれども、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、ポスト・コロナ社会を見据えて「住んでよし、訪れてよしの新潟県」づくりをしっかりと前に進めていく予算と位置付けています。具体的には、まず国が16カ月予算ということで、今、補正予算と来年度当初予算を合わせて編成されていますけれども、国の予算編成と歩調を合わせまして、令和4年度当初予算と令和3年度2月冒頭補正予算を一体的に編成したものということで、数字としては1兆4623億円。これは令和2年度(2月冒頭)補正予算と今年度の令和3年度当初予算を足したものと比較しますと、マイナス29億円、0.2%減ということですが、この1兆5000億円近い数字の中での20数億円ですので、ほぼ前年並みの予算規模だと思っています。予算編成に当たっての視点をご覧いただきたいのですが、冒頭に新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すと申し上げました。その内容としては感染拡大防止対策、特に医療や検査の体制などをしっかり充実させるということと、併せて社会経済活動の維持・回復にしっかり取り組むことで両立を図っていくということであります。そして2番目ですが、社会経済環境の変化を捉え、ポスト・コロナ社会の成長基盤となる「脱炭素社会への転換」、2つ目は「デジタル改革の実行」、3つ目は「分散型社会の実現」。これはいろいろな場面で何回も申し上げていますが、こうした中長期的な課題も踏まえて、新潟県の成長発展を図っていく必要があり、そのための取り組みを盛り込んであります。3番目は先ほど申し上げた通り、国が用意する有利な財源をうまく活用しながら、切れ目のない予算編成をやっていきたいということであります。4番目は感染防止対策と社会経済活動の維持・回復ということ、そして中長期的な成長・発展と申し上げましたが、もう1つ大事なポイントが行財政改革を着実に前に進めるということであります。後ほどお話ししますが、単年度ベースでの収支は均衡するようになりますが、もう1つの大きな課題である令和13年度に公債費の実負担がピークを迎えます。現状よりも100億円以上の新たな出費が必要になるという中で、それに備えた行財政改革をさらに着実に進めていく必要があります。1ページ最後にある歳入のポイントというところで、歳入を見ますと税収(譲与税を含む)は大幅な伸びを予想しています。令和3年度当初予算と比べますと345億円の増を見込んでいますが、実は令和3年度当初予算が、結果としてかなり固めに見ていたものであります。今年の夏には令和3年度の決算が出ますけれども、現状での決算見込みでは令和3年度の税収も、ほぼこの3100億円余りになることを見込んでおります。そういった意味では繰り返しになりますが、令和3年度の決算見込みとほぼ同額の税収を見込んでいます。税収が増えれば当然ながら普通交付税は少し減らされます。これは事実上の交付税である臨時財政対策債を合わせてですけれども、2600億円余りと見込んでおります。それから最後の3行が大切なのですけれども、これまでは収入よりも支出が多くなるということで、いわゆる貯金を取り崩して何とか年度予算を立てていたわけです。その直近の取り崩し、ここに書いてある財源対策的基金繰入金ですけれども、これと次の県債管理基金(公債費調整分)繰入金の2つを合わせて貯金の取り崩しと言ってきたわけです。令和3年度は、この50億円と20億円を合わせて70億円の貯金を取り崩すということを、当初予算で予定していたのですけれども、来年度はこれが40億円で済み、差し引き30億円の収支を改善させることができると見込んでいます。これは後ほど何度か出てきますが、当初予算では40億円の取り崩しなのですけれども、結果としてまた50億円の積み戻しを予定しています。差し引きは先ほど申し上げた(ように)収支は均衡する。結果として、決算になれば均衡すると想定しています。2ページ目をご覧いただきますと、先ほど来何度か申し上げています感染拡大防止対策と社会経済活動の維持・回復の両立というところで、医療提供体制の確保ですとか、特に強調したいのは生活や文化活動等への支援ということです。新型コロナウイルスの影響で生活に困難を抱えた方々、弱い立場の方々、生活に厳しい影響を受けている方々への支援ということに目配りをしているつもりです。真ん中は政策パッケージで13の政策の柱を立てて、そこに関連する事業や政策を並べてあります。次ページ以降で順次ご説明したいと思います。あと2ページ目では投資事業のところに一言触れますが、頻発化・激甚化する自然災害に対応するため、防災・減災、国土強靱化の事業をしっかり進めていかなければならないということは、(知事)就任以来ずっと申し上げてきているところであります。一方で、投資については借金を無謀に増やすことのないようにというところで、「公債費負担適正化計画」で実負担の上限を毎年定めています。この上限の範囲内で、国の(国土強靱化のための)5か年加速化対策、これは非常に地方財政に手厚い予算を盛り込んでおります。こうした有利な財源を活用して、必要な事業をできるように事業量を確保しているということで、結果として令和4年度当初予算、令和3年度補正予算と合わせまして、2160億円の投資事業を予定しています。この前年の令和3年度当初予算と令和2年度補正予算を足した2026億円と比べますと、134億円の増になります。この増加については特殊要因が少しございまして、うち臨時交付金事業プラス病院受託事業45億円が136億円になり、91億円の増と書いていますが、これは何を言っているかというと、臨時交付金は借金ではないのです。国からもらっている臨時交付金を、いわゆる投資的な経費に充てるものです。これは主に何に充てているかというと、少し意外に思うかもしれませんが、今回、高校生に1人1台のタブレット端末を配備します。このタブレット端末に20億円ぐらいの予算がかかるのですけれども、これに臨時交付金を充ててタブレット端末を購入する。これも投資的経費に整理されますので、これが20億円あると。それから、ものづくりの国内回帰補助金というものを設けています。ものづくり産業で、海外から日本に戻ってきてもらうというところで、企業の工場の設備投資に補助金を出す事業を設けています。この補助金も投資事業として整理されますので、これが17億円ある。こうした借金ではなく手元にある臨時交付金を使う投資的経費を含んでいるということ。それからもう1つ大きなものは、病院受託事業で県央基幹病院の建設費。これは一般会計ではなくて病院会計から受託を受けて実施するものです。ちょうど来年度、県央基幹病院の建築のピークですので、これが80億円余りあるということです。こうしたことで来年度は90億円近く膨らんだように見えますけれども、これを差し引けばほぼ同じような投資の規模ということです。あとは3ページ以降から具体的な政策・事業について、目立つものにコメントしていきたいと思います。3ページ目は新型コロナウイルスの感染防止対策の関係です。引き続き、円滑なワクチン接種に向けた体制を確保するとともに、集団接種会場への医療従事者の派遣や職域接種等の支援、こうしたもののためにいろいろな事業を実施する予定です。特に、医療従事者の養成・確保というところにも支援事業を盛り込んでいます。金額的に非常に大きいのは入院病床確保事業で、新型コロナ患者の入院に備えて病床を空けてもらっています。その補填事業で、これが219億円ぐらいございますので、数字的には大きなものになっています。4ページ目に移りまして、一方で社会経済活動をしっかり維持・回復させなければならないということで、今年度もやりましたけれども、新型コロナウイルス対応新事業チャレンジ支援事業、(これは)中小企業が行う新たな商品開発やサービス提供等への取り組みを支援するものです。来年度は特に、デジタル技術を活用した取り組みや脱炭素化に貢献する取り組みに支援枠を用意しています。その他、「消費喚起・需要拡大プロジェクト」応援事業、これも第3弾と書いてありますように今年度も実施したのですが、来年度も第3弾(として)、実施しようと思います。また、新潟県事業継続支援金、これは飲食店には時短要請(営業時間の短縮要請)に応じていただいた事業者に対して協力金を支給していますけれども、その飲食店等と取引がある、例えばお酒や食材を納入している関連事業者については、この事業継続支援金を支給することにしています。それから中小企業金融対策費ということで、新型コロナウイルス感染症対策特別融資の融資枠も設定しています。それから協力金(新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金)は、先ほど申し上げた通り120億円余り用意しています。それから後でも触れるのですが、感染症の状況次第ではありますけれども、落ち着いてきた暁には観光需要の喚起のための県民割(宿泊割引キャンペーン)。これまでもやっていて、今は止めていますけれども、そうした観光需要喚起の事業を行う予定として147億円余り計上しています。その他、新型コロナウイルスの厳しい影響を受けております、地域の公共交通機関への支援として23億円余り、これはバスや離島航路や地方鉄道になりますけれども、支援等を予定しています。その他、米価の下落、需要の減少という中で、米以外の園芸ですとか穀物への転換を進めるための支援事業も盛り込んでいます。次の5ページ目は先ほど申し上げました、新型コロナウイルスの影響で厳しい状況にある、生活に困難を抱えた方々、弱い立場にある方々への支援ということで、ひとり親家庭への支援、女性への支援、子どもたちへの支援、例えばヤングケアラーの支援、普及・啓発活動、あるいは児童養護施設への支援。その他、一つ一つ説明はしませんが、こうした困難な状況に置かれている方々への支援にしっかり目配りしてまいりたいと思います。その他、県議会でも話題になりましたが、医療的ケア児への支援体制(として)、「医療的ケア児支援センター」を設置することにしており、そのための経費を計上しています。補聴器も随分話題になりましたけれども、補聴器の使用実態調査事業なども行うことにしています。6ページ目に移りまして、新型コロナウイルスの影響が文化活動やスポーツ活動にも及んでいます。こうした文化芸術団体の活動を支援する事業を各種盛り込んでいまして、子どもたちが文化芸術に触れることができるステージ提供事業ですとか、あるいは美術館・博物館等支援事業といったものを計上していますし、スポーツの機会を増やそうということで、公園整備費として新たに、鳥屋野潟公園内に多目的運動広場を整備し、スケートボードパークの新設を進めたいと思っています。次に7ページ目になります。分散型社会への対応ということで、選ばれる新潟、まさに人や企業の地方分散の流れを的確に捉えて、新潟が選ばれる地域になるように取り組んでまいりたいと思います。そのためにIT企業の集積を図っていく取り組み、あるいはU・Iターンを促進する取り組みということで、官民連携による新たなプロジェクト展開ということで、既に「にいがた鮭プロジェクト」は官民連携で進められようとしています。そこに参画をして一緒に取り組んでいこうというような事業費も盛り込んでいますし、U・Iターンの促進のための、ターゲットに応じたきめ細やかな情報発信、あるいは相談体制を充実強化するということで、移住促進を図ってまいりたいと思っています。新潟県出身の学生のネットワークを作っていくなど、いろいろな事業を盛り込んでいます。8ページの後半ですが、関係人口の創出というところで、これまで市町村が地域おこし協力隊に積極的に取り組んでいました。新潟県は全国的にも、本当に地域おこし協力隊に活躍いただいている県なのですけれども、新たに県も、この地域おこし協力隊を直接採用する形で取り組んでいこうと思っています。広域的な社会的課題に対応する地域おこし協力隊員を、全県的に配置していこうと思っています。また市町村が取り組んでいる地域おこし協力隊に、OBや先輩たちなど、上手にコーディネートするような方を派遣することで、市町村における協力隊の受入体制の環境を良くしていく支援をしていこうと思っています。次に9ページ目のデジタル改革で、昨日のデジタル改革実行本部(新潟県デジタル改革実行本部会議)の中でも申し上げましたが、産業のデジタルトランスフォーメーション、暮らしのデジタルトランスフォーメーション、最後に行政のデジタルトランスフォーメーション。この3つの分野に分けて整理していますが、例えば産業であれば建設産業や農林水産業のデジタル化、スマート農業という言い方もしていますけれども、これらを促進していきましょうと。あるいは暮らしでは、医療にAIを導入した救急システムですとか、へき地のオンライン診療のモデル事業を実施するとか、医療や教育でもデジタルを活用していきたいと思っています。10ページにありますが、GIGAスクール運営支援センター(整備)事業、(これは)1人1台のタブレット端末が入り、学校の中でも随分デジタル機器が増えましたが、それらにトラブルが起きたときと困ったときの支援ということで「GIGAスクール運営支援センター」を設けます。もちろんソフト面で使い方等をサポートするICT支援員を配置していきます。その他、先ほど申し上げましたが県立高校に1人1台のタブレット端末整備を実現することにしています。そして10ページの最後の行政のデジタルトランスフォーメーションは、来年度から行政手続きのオンライン化(として)、新しいオンラインシステムが導入されますし、キャッシュレス決済も導入されます。また、庁内の事務ですけれども公文書管理システムの運用を始めるということで、行政のデジタルトランスフォーメーションをしっかり進めていきたいと思います。11ページは脱炭素です。国が進めている「脱炭素先行地域づくり」、(これは)県内3つの自治体が手を上げる予定ですけれども、先行的に国が応援する脱炭素先行地域に手を挙げようとしている市町村をしっかり応援するということと、脱炭素先行地域パッケージ支援事業ということで、県独自にこうした脱炭素に先行して取り組もうという地域に、県版のこの先行地域モデル事業を進めていこうと思っています。ここにありますように、県内の脱炭素ドミノの起点とするということで、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や屋根置きの太陽光発電、あるいは次世代自動車の導入促進、こうした先駆的な脱炭素の取り組みを行う市町村を支援することにしています。それから業務・産業部門は業務用建物の脱炭素化、いわゆるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の支援ですとか、率先垂範ということで県有施設の太陽光発電設備設置事業、これは現在、佐渡地域振興局の庁舎を想定しています。新潟県庁の本庁舎の中にも一部太陽光発電を入れていますが、本格的に太陽光発電設備を設置し、導入しようと思っています。12ページは運輸部門や農林水産分野での脱炭素の取り組み、最後は再生可能エネルギーの導入促進というところで、それぞれ事業を新たに盛り込んでございます。13ページは防災・減災対策ですが、先ほど投資のところでお話しましたように、国が進めています防災・減災、(国土強靭化のため)5か年加速化対策。ここには地方財政に大変有利な財源を用意してもらっています。これをフル活用しまして、県民の安全・安心を守る防災・減災対策を加速させていこうと思っています。後の議案のところでも一言触れますが、新たに盛土についての規制条例を制定することとしています。それから安全で安心なまちづくりというところでは、児童相談所の体制強化ということで、今年度に長岡の児童相談所一時保護所の整備が終わりますが、来年度は上越の児童相談所の一時保護所の増築を進めることにしています。道路標識や道路標示、横断歩道の白線などが非常に見にくくなっているようなところを重点的に補修してまいります。また有害鳥獣対策も、例えば広域的に麻酔銃を持って猟ができる、麻酔銃を扱える組織は非常に少ないのですけれども、そうした団体への支援も予定しています。14ページは医療、健康立県の関係です。医師確保のための修学資金貸与事業、いわゆる地域枠です。今年度は33名(の地域枠を)用意していたのですが、来年度は53名まで地域枠を増やして、入学の段階から、新潟県で医師として働いていただける方を確保するということです。確実に医師の確保に繋がっていくということで、お金もかかるのですけれども、この地域枠をさらに拡充していきたいと思っています。その他臨床研修医、あるいは専攻医が国家試験に合格されて臨床研修に入る時に、新潟の病院で研修していただけるように、魅力ある研修プログラムを作る。あるいは研修生を受け入れる病院の指導体制、研修のサポート体制の支援といった事業を盛り込んでいます。15ページは健康づくりというところで食生活の改善、運動習慣の定着、こうしたことについて県民運動を進めています。「からだがよろこぶデリ」のような、健康に配慮した食事の取り組みの支援ですとか、あとは少し細かいのですが、屈折検査導入促進支援事業というものがあります。これは3歳児健診で、これまでは自己申告だったようですけれども、屈折検査というきちんと機械で測る検査機が既にありますが、導入がまだ十分に進んでいないということで、市町村に支援する形で新たに盛り込んでいます。原子力防災対策は3つの検証を着実に進めてまいりたいと思います。あるいは防災訓練も繰り返し実施してまいりたいと思います。16ページは産業構造の転換、意欲ある企業等への支援ということで、先ほどお話しました新事業チャレンジ支援事業ですとか、防災産業のクラスターを新潟に作っていこうということで、これまでも取り組んできていますが、それをさらに進めようというところです。あるいは新たな取り組みですが、県独自の伝統工芸品指定制度を創設しようとしていまして、伝統工芸品など小規模な地場産地、地場産業の支援を進めていこうと思っています。次の17ページの農林水産業は、園芸のさらなる導入拡大に力を入れてまいりたいと思いますし、葉たばこの作付けをやめる農地が大量に出てまいります。これを円滑に園芸産地等へ転換していくための支援。あるいは先ほど来申し上げています、主食用米の需要が落ちて米価が下がっている中にあって、主食用米以外のものへ転換する候補として、麦と大豆についても力を入れていきたいと思っています。それから、農産物の輸出拡大、今実行プランを作ろうとしていますけれども、それに沿って輸出の拡大に努力していきたいと思います。あるいは林業振興の基本戦略を作ろうとしていますけれども、木を切って、また新たに植えるという循環型林業の実現。そのためにも川上、川中、川下をつなぐ、「つなぐプロジェクト」と呼ぶことにしていますが、こうした関係者の連携のもとに、木を切ってそれを活用・製材し、家を作るなり木材を利用していくという、この流れを円滑なものにしていく取り組みを進めてまいりたいと思います。それから18ページは、環境と経済の好循環の実現ということで、ほとんどお話したことの繰り返しです。後はフードバンクの支援を引き続き進めていこうと思っています。19ページは起業・創業(の推進)、これも(知事)就任以来力を入れてきたものですけれども、少しずつ形ができてきています。さらに起業・創業、スタートアップ企業への支援を充実させていこうと思っていまして、エンジェル投資家といいますか、立ち上がりのところの資金調達、資金支援を行う仕組みを考えようということです。企業版ふるさと納税をうまく使えないかとか、「J-Startup NIIGATA」という、これは新潟から20企業が選ばれているのですけども、次の新たなJ-Startup NIIGATAの企業を選抜していくとか、あるいは首都圏のエンジェル投資家とのマッチングを進めるとか、こうしたことにも取り組んでまいりますし、大学がサテライトオフィスを整備し始めてきています。既に県内2大学で整備が進んでいますが、ここの活用を促進していこうという事業も盛り込んでいます。あるいは、企業がサテライトオフィスを新潟県内に整備しようというときに、それを支援する事業も設けています。20ページは女性活躍ですが、女性のキャリアアップ・スキルアップのための支援を各段階で、経営者、管理職、もっと若い女性、それぞれの段階でのキャリアアップを支援するセミナーですとか、そういったものを進めていこうと考えています。その他、女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」というものがあるそうですけれども、女性活躍を推進する企業の支援ということも盛り込んでいます。それから空き家対策もさらに充実させていこうと思っています。21ページは交流人口の拡大というところで、新たに「観光文化スポーツ部」を作りますので、観光と文化、スポーツの連携を進めていきたいと思います。これもいろいろなところで申し上げていますが、ガストロノミー、新潟の食も世界に誇れる豊かな食だと思っていますが、食文化を活用した「ガストロノミーツーリズム」を進めていきたい、あるいは新潟の雪、新潟はスノーリゾートであるということを、さらにプロモーションしていきたいと思っています。22ページは文化観光のさらなる展開ということで、今年の秋は「世界錦鯉サミット」を開催することで準備を始めています。あるいは先ほどお話しましたが、子どもたちがオーケストラや文化芸術に親しめる事業をさらに充実させていきたいと思います。スポーツではサイクルツーリズムを中央4県(山梨県、静岡県、長野県、新潟県)で、日本海側から太平洋側まで繋がる、規模の大きなサイクルルートを作っていこうと4県の知事で合意しておりますけれども、サイクルツーリズムに力を入れていこうと思っています。またアスリートの合宿、トップアスリートに限らず大学や高校等、スポーツ合宿は非常に大きな経済効果を生みます。また地域と交流などが行われれば、非常に多面的な効果があると思うのですけれども、このスポーツ合宿の推進などにも力を入れたいと思っています。23ページは佐渡金銀山の世界遺産登録を見据えた交流拡大ということで、国の方もタスクフォースが動き出しています。県も後ほど資料を提供しますけれども、副知事をヘッドにワーキングチームを立ち上げました。しっかり国や地元佐渡市と連携しながら、世界遺産登録推進に向けて必要な対応、プロモーションなどもやっていきたいと思っています。24ページは交通ネットワークの整備ということで、地域の交通資源、住民の移動の足の問題は非常に大きな課題だと思っています。従来型の路線バス、あるいはタクシーだけでは、もう地域の住民の足としての機能を十分果たしきれないと思っています。地域が持っている様々な交通資源、例えばスクールバス、福祉施設が持っている送迎バス、ホテルや旅館が持っている送迎バス、市町村自身が持っているバスなどもあります。もちろん、地域のまだ若い方が持っているマイカーとか、様々な交通資源を上手に組み合わせて、ITの技術なども使いながら、地域住民の移動の足として機能させていく。そうした従来の概念を超えて、広く交通資源というものを考えていく状況に至っていると思っていまして、そのモデル地域を想定しながら、調査・実証などを進めていきたいと思っています。その他次世代タクシー等導入促進事業ということで、環境性能の高いユニバーサルデザインタクシーの導入や、電気自動車、EVタクシーとしての導入を推進していこうと思っています。それから個別の企業で、トキエアが新潟空港を拠点として新たに航空運送事業を始めようとしていますけれども、トキエアの新規路線開設に向けた支援もしっかりしていこうと思っています。25ページは教育の関係です。先ほど触れましたGIGAスクール、1人1台のタブレット端末が入りましたので、GIGAスクール運営支援センターを整備するとか、あるいは県立学校入学者選抜のウェブ出願システムを導入するといった、ITを活用した教育の推進に力を入れてまいりたいと思います。あとは県央地区特別支援学校設置検討費がございますが、これは県央地域の特別支援学校入学者が増えていまして、既に校舎が狭隘になろうという状況です。県央基幹病院が開院しますと、燕労災病院は跡地になりますが、その有効活用として、特別支援学校の設置を検討していきたいと考えています。26ページはほとんど再掲ですので省略させていただきまして、30ページが「行財政改革の取組」です。行財政改革は着実に取り組んでまいりまして、来年度も例えば歳入を増やす、財源の確保というところでは、地方交付税に係る制度改正を働きかけまして、例えば公立病院の建築に対して交付税措置を拡充していただけるように(なりました)。建築単価を引き上げるというところで7億円くらい(の増)。これは県央基幹病院ですけれども支援が拡充されているとか、支出の方は部局枠事業のさらなる節減・効率化。例えばここにありますように、庁内のデジタル化による旅費や需用費などの削減ですとか、非常に具体的な努力も積み上げて収支の改善を図っています。31ページは行財政改革の一連の中に、例えばより効率的な行政体制の構築ということで、地域振興局の体制の見直し、本庁組織の見直し、それから出資法人も見直してきています。最後に、若手職員の政策提案を毎年やっていまして、年々レベルアップしていると思いますけれども、積極的に採用させてもらっています。32ページは、先ほど申し上げましたが投資事業をもう少し詳しく解説したものであります。33ページは具体的なことを書いていますが、特に大規模施設というところでは県央基幹病院の建設、それから国の直轄事業ですけれども、日本海東北自動車道(朝日温海道路)の整備、大河津分水路の整備が着実に進んでまいります。以上の行財政改革の取り組みを含めて予算編成をしたところ、34ページをご覧いただきたいのですが、令和3年度末で270億円の財源対策的基金、県債管理基金は237億円ということです。これが令和4年度末の見込みですけれども、230億円の財源対策的基金。これがミニマムといいますか、最低限230億円は大規模災害に備えて持っていなければならないということを行動計画(新潟県行財政改革行動計画)の中で決めていて、これ以上は削りません。あとは公債費調整分といいますか県債管理基金。これは何度も申し上げていますが、令和13年度に新潟県の借金の返済、公債費がぐっと膨らんでいきます。特に実負担がぐっと膨らんでいきますが、それに備えてその山を乗り越えるために貯金をしていかなければいけない。その貯金が287億円までたまるというところです。以上が予算案の概要です。引き続いて資料1-2と1-3は係数ですので省略します。

 

(新潟県行財政改革行動計画の取組状況等について)

 資料2-1は「新潟県行財政改革行動計画の取組状況」ということで、1ページ目は先ほど触れましたが、令和3年度は70億円貯金を崩しましたが、令和4年度は40億円の貯金の取り崩しです。この行財政改革行動計画の取り組みを始めた令和元年度は234億円を取り崩していましたので、それから比べますと194億円の改善であるということを示しています。2ページ目がこの資料のポイントですけれども、先ほど申し上げた通り230億円の財源対策的基金。この貯金はしっかり維持した上で、令和13年度の山に備えて、県債管理基金の方を少しずつ積み増していこうということです。令和4年度末は287億円までたまりますが、令和5年度に335億円、令和6年度に360億円、こういった形で積んでいこうと思っています。その結果としてワニの口と言っていましたが、毎年の収入と支出の差が開いてきていたものが、令和元年度から少しずつワニの口が閉じ始めています。令和2年度はさらに閉じて、令和3年度決算の現在の見込みではとうとう閉じきって、逆におつりが出てくる状況にまで至ったということです。令和4年度から令和7年度まで、この収支均衡を達成することが見込まれる状態にまで至りました。しかし行動計画最終年度の令和5年度に、さらに10億円程度の収支改革が必要だということです。もうかなり絞った雑巾ではありますけれども、もう10億円程度の収支改革をすることで、令和13年度の最大の山を乗り越えることができるのではないかと思っています。資料2-1は以上です。資料2-2は、内容的に同じ収支見通しですので省略します。

 

(令和3年度2月補正(冒頭提案)予算案について)

 資料3は2月の冒頭補正予算(令和3年度2月冒頭補正予算)で、先ほどの資料の中に入っていますので詳しくは説明しませんが、補正予算の数字としては1061億円余りの予算規模となっています。その多くは地方創生臨時交付金ですとか緊急包括支援交付金を使いますけれども、いわゆる投資事業で、前倒しで補正予算に盛り込んでいます。その関係で県債発行を290億円程度予定しています。

 

(令和4年2月議会定例会提出議案について)

 資料4は(令和4年2月県議会定例会提出)議案で、先ほど申し上げました第39号議案の盛土等の規制に関する条例(新潟県盛土等の規制に関する条例の制定)ですとか、その他第31号議案で「新潟県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を定めようとしています。

 

(令和4年度組織改正について)

 資料5は組織改正ですが、大きなものは3つあります。1つは「環境局」を作ります。2つ目は「観光文化スポーツ部」を設置します。3つ目は知事政策局に「男女平等・共同参画統括監」を設置しまして、実務的にはそれを支える「男女平等・共同参画推進室」を設置することにしています。その他、2ページ目に書いてありますが「デジタル改革監」の設置、あるいは「基幹病院担当参事」や「新型コロナウイルス感染症担当参事」の設置などを予定しています。私からの説明は以上です。

 

(新潟県知事選挙について)

 ここからはこの機会を活用して昨年来、私がこの後どうするのか(県知事選挙に出馬するのか)ということで度重なる質問をいただいておりますが、この度気持ちを固めまして、5月に予定されている県知事選挙に(出馬して)、2期目を目指すことにしました。今ご説明したこの予算を、できれば私自身の手で実行していきたいと思っています。

 

資料1-1 令和4年度新潟県当初予算案の概要 [PDFファイル/2.85MB]

資料1-2 令和4年度当初予算案における主な事業 [PDFファイル/3.47MB]

資料1-3 令和4年度当初予算案(計数資料編) [PDFファイル/622KB]

資料2 新潟県行財政改革行動計画の取組状況等(報道資料) [PDFファイル/85KB]

資料2-1 行財政改革行動計画(歳出歳入改革の取組状況) [PDFファイル/2.37MB]

資料2-2 行財政改革行動計画(中期財政収支見通し) [PDFファイル/3.89MB]

資料3 令和3年度2月(冒頭提案)補正予算概要 [PDFファイル/322KB]

資料4 令和4年2月議会定例会提出議案 [PDFファイル/172KB]

資料5 令和4年度組織改正の概要 [PDFファイル/235KB]

 

質疑

(令和4年度当初予算案等について)

Q 代表幹事(共同通信)

 今回の予算編成の全体的な話として、知事自身は全体をどう評価されていらっしゃるかということと、その中で、ご自身でこだわった部分や特に意識されたところを伺います。

 

A 知事

 非常に各部局から知恵を絞っていただいたと思っています。これまでも繰り返し言っていますが、(国の)有利な財源や仕組みをうまく使って、必要な事業をしっかり盛り込むことができたのではないかと。つまり一言で言えば、非常にバランスの取れた、しかもいろいろなところに目配りができた予算というふうに思っています。私自身、昨年の夏過ぎから断続的に各部局とはディスカッションをしてまいりましたので、そういう意味では、私自身が思うことは随所に取り入れてもらっていると思います。新型コロナウイルスの感染対応というのはもう何が何でもやらなければいけないことなので、この対応のための予算は置いておいて、意識していたのはその先の中長期的な新潟県の成長・発展をどのように今から種を仕込んでいくのか、苗を植えて育てていくのかというところに一番意識がありました。度々申し上げていますが、「分散型社会への対応」と「デジタル改革の実行」、そして「脱炭素社会への転換」。この3つがとにかくキーワードだということです。これに沿う事業や政策を考えてもらいたいということで、ずっと意識して(各部局には)お願いしてまいりましたので、今回はそれに沿った新たな事業や既存事業の拡大といったものが、かなり盛り込まれたのではないかと思います。

 

Q 代表幹事(共同通信)

 行財政改革のところで知事が仰っていたとおり、(令和4年度から)令和7年度まで収支均衡を達成予定ということでまた前に進んだというか、これまでの成果が出たと思うのですが、改めてどう評価されていますか。

 

A 知事

 (知事に)就任してほどなく、県の財政状況が非常に厳しいということが明らかになった後、有識者の方々のいろいろな知恵もいただいて、令和元年度に新潟県行財政改革行動計画を定めました。それから3年が経とうというところですけれども、一歩一歩着実に進んできたと思います。大きな課題は2つありました。毎年度の収支が赤字であるということ。つまり、どんどん貯金を食い潰して予算を作っていたということ。これを何とか収支均衡させなければいけないというのが、当初の足元の大きな課題だったわけです。それは今ご質問いただいたように、令和3年度の決算で収支が均衡する見込みであり、4年度から7年度まで、均衡した予算を組むことができそうなところまでたどり着くことができたと。もう1つの大きなヤマは、先ほどから申し上げている令和13年度に過去の借金である公債費の返済、特に実負担といわれる、県のお金で払わなければいけないもの。これが令和13年度に大きなヤマを迎えるわけですが、この高いヤマをどう乗り越えるかというところで、今から少しずつお金を貯めて、そのヤマを崩していくという作業が必要なわけです。先ほど資料で申し上げましたけれども、来年度末に287億円まで公債費調整分を県債管理基金に積み上げることができそうな状況まできました。しかし、これではまだ足りないのです。令和10年度までに400億円ぐらいを(県債管理基金に)積まなければいけないという収支試算もあるわけで、もう一段行財政改革を進めなければならない。そういった意味ではまだゴールには届いていない。まだ道半ばであると認識しています。

 

Q 新潟日報

 先ほど知事が仰った、なかなかできなかったという人口減少問題のところで、近年の歴代知事もずっと取り組んできている中でなかなか好転しない。むしろやや悪化しているような状況で、なかなか結果が出ていない一方で、新型コロナウイルスで地方分散の流れがあって、それを捉えようという新規事業もいろいろあると思います。一方で新潟県は近年、年間2万人ぐらいの人口が減っています。総務省の統計でも、地方分散の流れはあるけれども、新潟県が近隣県に比べても受け皿になりきれていないような結果も出ていますけれども、改めてこちらについての決意を。

 

A 知事

 数字的には改善しています。毎月発表される住民基本台帳の移動統計をご覧いただければわかりますが、新潟県と東京都の間の人の動きなどは明らかに改善しています。首都圏との状況も改善してきていますが、まだまだその数字が十分ではないということだと思っています。でもこれは仕方がないです。新潟県が持っているものは、今あるものしかないのですから、ないものねだりをしても仕方がない中で、今あるものの魅力をもっと多くの方に上手に伝えて、新潟をもっと魅力あるものとして評価していただいて、新潟と関係を結びたいと。定住というかたちもあるでしょうし、関係人口というかたちで何らかの繋がりを持ちたいという方々を増やしていくという努力を地道に、しかしできるだけ効果的に努力するということだと思っています。

 

Q 新潟日報

 今回の事業の中でも関連事業がたくさんあると思うのですけれども、何か決め手になる・・・。

 

A 知事

 人口減少問題については、本当にこれをやればすべて解決するといったことはないというのが、まさにこの問題の特徴だと思います。例えば、海に網を投げるようなことではなくて、きちんとターゲットを絞り、ターゲットの属性に応じた効果的な情報発信の仕組みを考えていくなど、従来はアバウトだったものが、もう少しマーケティングの考え方などをうまく取り入れて、同じ情報発信をするにしても効果がより上がるような工夫が凝らされてきていると思います。ただ、それが効果を発揮するのはやはり1年や2年、すぐには出てこないかもしれませんが、繰り返し地道にトライしていくしかないのだろうと思っています。

 

Q 新潟日報

 行財政改革の関係で、もともと行動計画で定めていた目標が、230億円の財源対策的基金を残して収支均衡させるということで、もう既に目標を達成している状況です。令和5年度で計画が終わると思うのですけれども、その後の対応といいますか、また新たな方針を作ったりなどは・・・。

 

A 知事

 行動計画を(令和)5年度以降どうするかは、まだこれから2年余りやらなければいけませんので、これから考えます。

 

Q UX

 行動計画策定当初は、県民の皆さんに我慢をと知事は仰っていましたけれども、そういった意味で県民の皆さんの努力というところについては、どう評価されていますか。

 

A 知事

 例えば、関係団体に(対して)補助金の見直しをさせていただいたり、出資団体への(関与の)あり方を変えたり、そういった意味で様々な影響があった方々も大勢おいでだと思います。そうした方々には、ご理解とご協力をいただいたことに感謝申し上げたいと思います。

 

Q UX

 歳入において県税収入が増えたという意味では、特に法人税収入が増えたという中で、そこに当たっての県の取り組みや県民の努力への評価というのはいかがでしょうか。

 

A 知事

 税収(増)に直接どう繋がったかということは評価が難しいと思います。どうしても予算(歳入)は固めに見ますので、増収になったのは経済が非常によかったからと言えるかどうかも少し難しいところもあるのです。非常に厳しい業種ももちろんございます。飲食業や宿泊業、交通関係の業種等は、引き続きコロナウイルスの影響を大きく受けていると思います。一方で堅調な業種もあります。それは経済全体の評価でも持ち直しているという評価があるわけで、堅調な業種からきちんと税収が入ってきたというところが、結果としてこういう数字になっているのだと思います。

 

Q UX

 令和7年度までは収支均衡を保たれる見通しの一方で、またゴールではないとお話されていましたけれども、まだやはり安心できない状況は変わらないという認識でしょうか。

 

A 知事

 そうですね。あくまでも見通しですので、いろいろな仮定を置いての計算ですから、実際にやってみないとわからないという意味では決して安心はできません。それに、何度も申し上げているように令和13年に大きなヤマが来ることはわかっているのです。単年度で100数十億円の支出が増えるということは本当に大変なことで、それをどう乗り越えるかというところはまだ見えていないのです。そういった意味で、まだまだ道半ばというふうに申し上げたところです。

 

Q UX

 3年前に仰っていた我慢というものの度合いの変化といいますか、この予算案の取り組みの中で今後生活をしていく県民への呼びかけといいますか、メッセージはありますでしょうか。

 

A 知事

 この予算案で、直接何か多くの県民に我慢をお願いするというものは(ないと思いますが)、例えばご存知のとおり、県職員には給与削減をお願いしているのです。令和5年度まで給与削減をお願いしていると。これは本当に申し訳ないことで、職員には大きな影響を与えている予算であるのは間違いないのですけれども、そうしたものを超えて何か新たに(県民の皆さんに)ご負担をお願いしたり、ご不便をお願いするようなものは来年度予算にはないように思います。

 

Q NST

 今回の予算案の大きな柱として、「分散型社会への対応」、「脱炭素社会への転換」、「デジタル改革の実行」ということを掲げています。これは今年度の予算案でも大きな柱として掲げてきたと思いますが、コロナ禍で当初思い描いていたものと、ここまでの取り組みの進捗状況を比べてどう受け止めているかということと、そうした中で新年度にかける思いを改めて教えてください。

 

A 知事

 それぞれ少しずつイメージが違いますけれども、分散型社会(への対応)というのは、昨年からもちろん意識してきているものでありますが、以前にもご質問がありましたけれども、なかなかすぐに結果が(出ません)。いきなり何十万人の人口が増えますとはならない世界の中で、着実に進展している数字として、強いて言えば昨年よりも首都圏との人の往来というところは、数字が改善してきています。少しずつ成果は出てきているように思うのですけれども、引き続きの取り組みが必要という以上のものはありません。一方、脱炭素(社会への転換)の方はすごく国民全体、あるいは世界全体の意識が高まってきていると思います。昨年よりもはるかに、脱炭素ということについての意識は、企業も人もあがっていると思います。したがって、脱炭素に繋がる具体的な事業を令和3年度に比べて令和4年度予算では、かなり拡大して盛り込んでいると思います。先ほどもご説明しましたが、太陽光発電の装置を普及させるための取り組みを県自ら庁舎で行うとか、脱炭素に関しては、随分と事業が拡大して、本格的に取り組みが動き出したという印象を持っています。デジタル(改革の実行)は昨年度と比べてどうかと言われると、意識は昨年よりもあがってきていると思います。デジタル技術をもっと社会の中に取り入れて、我々の暮らしや産業、あるいは行政そのものももっと効率化していかなければいけない、利便性が高いものにしていかなければいけないという意識はあがってきていると思います。実際に昨年度予算と比べれば、かなり事業も増えていると思います。デジタル化に関わる事業として、例えば行政のデジタルトランスフォーメーションを取っても、来年度から新たな行政システムとして、行政手続オンライン化システムが動き出しますし、行政事務で使う公文書管理システムも動き出す。それからキャッシュレスで手数料を納付できるといった事業が盛り込まれて、デジタル化の進み具合はぐっと広がるように思います。以上をまとめると、脱炭素(社会への転換)は非常に意識が高まって本格化しているイメージ。分散型(社会への転換)は、数字的なものは少しずつ出ているとは思うけれども、昨年と同じように、引き続き愚直にいろいろなものに取り組まなければいけないという印象。デジタル(改革の実行)はちょうど(その)真ん中くらいでしょうか。昨年度よりは意識も高まり、いろいろな事業が盛り込まれてきているという印象を持っています。

 

Q NST

 感染対策も引き続きやっていかなければいけないというお話がありました。いろいろな事業を進めていく中で、新年度の感染状況や経済の状況が、どのような状況になっていると想定されていますか。

 

A 知事

 今日が2月16日で1カ月半後が新年度ですけれども、それまでには今の感染のピークを乗り越えて、少なくとも「まん延防止等重点措置」が解除されているような状態であることを願っています。

 

Q 朝日新聞

 個別の事業についてですが、今回の事業のパッケージの中にも、佐渡金銀山の振興というところでまとまり(「佐渡金銀山の世界遺産登録を見据えた交流拡大」)があります。佐渡空港の改修や、トキエアの就航を見越した事業等も盛り込まれましたけれども、改めてユネスコ(国際連合教育科学文化機関)への推薦が決まったということで、登録実現に向けた課題やこの予算をどう活用していきたいかという部分を具体的にお聞かせください。

 

A 知事

 まず、(世界遺産)登録実現に向けては、様々なやるべきことがあると思っています。国や佐渡市としっかり連携しながら取り組んでいくためのプロジェクトチームを立ち上げます。特に佐渡の持つ文化遺産としての価値、「佐渡島の金山」はこういうもので、この金山がある佐渡という土地はこういう土地ですということを、もっと世界各国の多くの方に知っていただくプロモーションといいますか、この取り組みはしっかりやっていきたいと思っています。併せて、我々としては佐渡島の金山と直接関係のない話ではあるのですけれども、戦時中の「徴用工」の話を取り上げる議論があるわけです。それについてはきちんと事実関係を調べ、事実に基づいて説明するという作業もしっかりやっていかなければいけないと。これは国が中心になるのでしょうけれども、資料を集めて事実を調べるというところはしっかりやっていきたいと思っています。そうした登録に向けてやるべき作業はしっかりやりますが、さらに言えば世界遺産登録という事実やプロセスも含めて、それを交流人口の拡大や佐渡地域の活性化にどう繋げていくかというところも大きな課題です。うまく繋げていけるように、佐渡の魅力づくりといったところは本当に幅広い関係者と一緒に、官民を挙げて連携して取り組んでいきたい。さらに佐渡の活性化は、実は新潟県の活性化全体と非常に関わっています。佐渡に行くためには必ず新潟(市)ないしは直江津を通っていくわけで、当然入ってくる人は(県内を)周遊・回遊する可能性のある方々です。新潟県全体の活性化に繋げることができるように知恵を出していきたいと思っています。

 

Q 朝日新聞

 パッケージでもう1つ、今回新しく女性活躍というまとまり(「女性が活躍できる社会づくり」)もできて、新しい部署や役職も新設されます。知事も従前から、男女共同参画の必要性ということは繰り返し強調されていたと思うのですけれども、改めて狙いについてもう少し詳しくお聞かせください。

 

A 知事

 「選ばれる新潟」を目指していきたいということを、第4回新潟県公民協働プロジェクト検討プラットフォーム共同宣言を出して目指しているわけですけれども、選ばれる新潟といったときに、働く場所として選んでもらうためには、やはり新潟の企業が魅力ある職場でないと選んでもらえないわけです。あるいは、新潟が魅力ある地域でなければ、そこに住んでもらえないわけです。そうした企業や地域が魅力あるものとなるように、まさに選んでもらえるような取り組みが必要だと。それが選ばれる新潟だと言っているのですけれども、そのときに女性が活躍している、輝いているということは、非常に大きな魅力だと思っています。それはもちろん地域での活躍もありますけれど、企業の中での女性の活躍というのは本当に大きな要素だと思っています。そのためにいろいろな企業の取り組みを支援する、啓発活動をする、あるいは女性自身が自分のキャリアアップを考えてもらえるような機会をどんどん提供していく。そうした取り組みを強力に進めていきたいと思っています。

 

Q 朝日新聞

 歳入の関係で、ふるさと納税が拡大しているという話がありました。人口が中長期的に減少していく中で、やはり自主財源である税収の減少はどうしても避けられないと思うのですが、こうした魅力発信や関係人口の創出に起因して、ふるさと納税等の歳入を確保する必要性や課題についてお聞かせください。

 

A 知事

 まさに仰ったとおりで、歳入を少しでも増やす努力の1つとして、ふるさと納税制度は活用していきたいと思っています。県内の市町村も随分努力されていて、全国的にも本当に(寄付額が)上位の市町村もあるのですけれども、県も負けずに、本来のふるさと納税の趣旨というところからは少しずれる部分もあるのかもしれませんけれども、歳入の確保というところでは、いろいろな努力や工夫をしていきたいと思います。

 

Q BSN

 来年度以降にトキエアが本格的に始まるということで、喜ばしい部分がある一方で、依然としてコロナ禍が現状としては続いていく中ですけれども、その辺りの期待と課題みたいなものがあればお願いします。

 

A 知事

 航空ネットワークの充実は、本当に新潟空港の活性化という意味ではぜひともお願いしたい中で、既にFDAが神戸線を就航する、あるいは名古屋線を増便するといった前向きな動きが出ています。それは非常に大きな期待を持っていますし、ぜひ伸びていってもらいたいと思っています。その中で、トキエアはまだそもそも就航していないのでこれからですが、今秋を目標に準備が進められているということで、空港の活性化や地域の活性化に大きな効果をもたらすというところで大いに期待をしています。不安というところは、もちろん企業経営という意味で本当にお客様に乗っていただけるか、ビジネスが順調にいくだろうかという不安は、トキエア自身は当然いろいろとお考えでしょうし、気持ちもお持ちでしょうけれども、行政としても安全に安心に、多くのお客さんを乗せて飛び立ってほしいと願っていますので、不安や課題ということについては、行政としてやれることは最大限やって差し上げたいと思っています。佐渡空港の整備や、新潟空港は基本的に国管理なので県ができることは限られている部分もありますけれども、例えばコスト調整に力を入れるとか、あるいはプロモーション費用の支援など、そうした県としてやれることは最大限やってまいりたいと思います。その上で、まさに順調にテイクオフしてもらいたいと願っています。

 

Q BSN

 人口減少についてなのですけれども、少しずつ成果が出ているとは思うのですが、例えば群馬県や山梨県など、人口が増えつつある県がある中で、新潟県は人口が流出している現状があると思います。そうした中で新潟県版の地域おこし協力隊であったり、新潟に実際に来てみて、その良さを知ってもらう取り組みがあると思うのですが、その辺りはどういうふうに・・・。

 

A 知事

 県版の地域おこし協力隊は非常に期待しています。これで何百人、何千人が一気に増えるわけではないのですけれども、こうした方々を核として、それに関わる方々が広がっていく。そういった効果を狙っているわけですけれども、しっかり地域おこし協力隊の方々が成功すると、またその情報が多くの方に拡散して、また第2、第3の新潟を好きになる方、新潟に魅力を感じてくれる方が増えて入ってきてもらえる。そうした相乗効果みたいなものを期待していきたいと思っています。

 

Q BSN

 そういった期待というところを・・・。

 

A 知事

 期待しています。(人口減少問題への対応は)何でもやろうとしています。1つこれをやればすべて解決するという課題ではありませんので、やれることは何でもやろうと。ただし、めったやたらにやっても効果がないわけで、十分効果があるような工夫をしながら、いろいろなことに挑戦して事業や政策を進めてみようという中で、この県版地域おこし協力隊も出てきているということで、期待をしています。

 

Q TeNY

 原発(柏崎刈羽原子力発電所)の検証の件なのですけれども、検証総括委員会(新潟県原子力発電所事故に関する検証総括委員会)が開けない状態が続いていると思います。(新年度)予算が計上されていますが、どういうふうに検証を進めていくお考えでしょうか。

 

A 知事

 検証総括委員会については、本当に歯がゆい部分があるのですが、委員長とは昨年の秋に2度ほどお会いして、今後の進め方についてお話をしているのです。一言で言えば、共通認識を持てないという言い方をしていますけれど、委員長が少し時間がほしいと、考える時間がほしいと仰って待っている状態なのです。我々としては、(検証)総括委員会にお願いした事柄はこういうことですと、取りまとめなのですということを申し上げています。それに対して委員長の方からは、福島第一原発の処理水の問題や賠償問題等も議論して、東京電力の適格性の議論をしたいというようなことを仰ったり、適格性というのは安全性の確認の一部でもあるのでしょうけれども、その安全性の確認を議論したいということを仰っています。それは技術委員会で既にもうずっとやってきていることで、現に技術委員会の安全性の確認の議論は進んでいますと。ここで今、福島第一原発の処理水の議論をやりようがないのではないのですかと。それから適格性の議論を始めるといっても、各分科会の避難(委員会)と、健康・生活(委員会)と、そして技術委員会のそれぞれの専門家が集まって検証作業をしていただいて、そのうちの2つの検証結果が出てきているわけです。それからまた新たに、しかもどのようなメンバーで、福島第一原発の処理水の問題をどう議論するのですかといった会話をしています。いずれにせよ、県としては、この(検証)総括委員会を作った趣旨は、3つの検証委員会でそれぞれ専門家の皆さんが集まって検証作業をしていただいた結果を、最終的に取りまとめることをお願いしたことから、それに沿って進めていただけませんかということをお話して、少し時間をくださいと言われたのが、(昨年の)秋です。年が明けてから、もうそろそろ時間が経ちますよね、どうしましょうかという話をしているというのが率直な状況です。私としては早く認識を共通化して、検証総括委員会を動かしたいという思いでいます。

 

Q TeNY

 この先、共通認識を持てない場合、政治判断で委員長を交代してもらうということも選択肢としてはあるのでしょうか。

 

A 知事

 それは考えていないです。それは池内委員長にお願いしてきて、ここまで来ているのですから、ぜひ最後までやってもらいたいと思っています。

 

Q 新潟日報

 佐渡汽船についてお伺いしたいのですけれども、知事は佐渡汽船が「みちのりホールディングス」の子会社になった後も、行政として関わりは持ち続けると仰っていたと思います。今回、特定有人国境離島地域社会維持推進事業の予算が拡充されているのですが、この辺りからも行政として関わっていくというメッセージのようなものがあるのでしょうか。

 

A 知事

 そうですね。きちんと航路を維持し、利用者にも満足してもらえるような航路にしていく(ための)1つの県の関与として、今回こうした支援をすることで運賃の値上げを回避できるというところです。

 

Q 新潟日報

 毎期赤字が続いている小木‐直江津航路については、続くのだろうかという不安の声も聞きますけれども、その辺りは行政として・・・。

 

A 知事

 小木‐直江津航路は今回の経営変更の前から大きな赤字を出しているわけです。この航路をどういう形で維持していくのか、持続可能な航路にするにはどうしたらいいのかというところは元々の課題なのです。これはこれで議論を今までもやっていますけれども、しっかりと議論しなければいけないと思っています。

 

Q 新潟日報

 今回の新年度予算では、小木-直江津航路に特化したものはない・・・。

 

A 知事

 そうですね。すぐに何かお金に関わるものまで、まだ議論が収れんしていないです。

 

Q 新潟日報

 もう少し議論を・・・。

 

A 知事

 まさにこれから本格的な議論は必要になると思います。もちろんプロモーションの費用等は入っています。

 

Q 新潟日報

 佐渡航路利用拡大の取組・・・。

 

A 知事

 そうです。その中に当然、小木‐直江津航路も入っていると思います。

 

Q 新潟日報

 それは続いている・・・。

 

A 知事

 そうですね。過去からこれまでもやってきているものであり、引き続きやっていきます。

 

(新潟県知事選挙について)

Q 新潟日報

 先ほど仰っていた知事選への対応というところなのですけれども、この間の県議会等でも知事選への対応を問われ、そのときの答弁では、今後の新潟県の発展に何が必要かということを整理して、その中で自分自身の役割を考えたいと述べてきたと思いますが、今回、気持ちが固まったということで、こちらについてはどのようなお考えなのでしょうか。

 

A 知事

 まさに先ほど予算の説明をいたしましたが、新潟県の中長期の成長・発展の礎となる事業を盛り込んできたつもりでありまして、このまいた種、植えた苗をしっかり育てるというのは私自身の責務ではないかと。私自身がその役割を担おう、担わせてもらいたいというふうに考えるに至りました。

 

Q 新潟日報

 (令和3年)12月県議会(定例会)で、ご自身が答弁されているときに「住んでよし、訪れてよしの新潟県」づくりを目指すために必要な政策の中には、十分に取り組めていないものがたくさんあったと仰っていましたけれども、改めてこの4年間で、どの辺りができなかったと・・・。

 

A 知事

 そのときにも少しお話したかもしれませんけれども、この2年近くが新型コロナウイルスの影響で、特に交流人口の拡大という辺りがうまく思うようなことができていないのです。そこはやりきれていない部分ということで意識しています。

 

Q 新潟日報

 交流人口以外でまだ積み残しがある・・・。

 

A 知事

 積み残しというか、まだ成果が出ていないものがいっぱいあります。種を撒いたつもりだけれども、着手はしたけれども本当に育つのか、どのような果実を生むのかというところがまだ見えていないものはあります。例えば起業・創業も、(知事)就任以来いろいろなことに手を付けて、実際に企業が生まれてきています。この2年余りで整備した民間スタートアップ支援拠点では100近い企業が誕生しています。でもこれが本当に、さらに大きく成長していっていただけるかといったところはもう少し時間がかかります。そういう意味では、やり残しているというわけではないのですけれども、まだやりきれていないとも感じていますし、その最たるもので言えば人口減少問題でしょうか。本当に長年にわたる新潟県の深刻な課題であり、1年や2年で状況を大きく変えるというのはなかなか難しいとは思うのですが、(就任以来)3年半余りの中で手をこまねいているわけではないと思います。いろいろなことに着手したつもりではありますけれども、なかなかその成果が見えないというのは、やり残している部分ということなのかもしれません。

 

Q 新潟日報

 この4年間を振り返って、先ほど知事が仰いましたけれども、就任後にまずは財政難だということがわかり、その後の新型コロナウイルスが今もまだ続いています。なかなか思うようにいかないところもあったと思うのですけれども、改めて不測の事態が相次いだということについてはどう感じていますか。

 

A 知事

 それは巡り合わせですから仕方がないですよね。でも、新型コロナウイルスについては先ほど申し上げたとおり、何よりも県民の安全と安心は守らなければいけませんので、コロナウイルス対策については万全を期すというのが至上命題だったと思っています。それについては、私なりに取り組んできたつもりであります。

 

Q 新潟日報

 知事選(への出馬)を今日表明されたと思うのですけれども、過去の現職の新潟県知事の表明の仕方というのは、県議会で質問に答える形で表明するということが続いてきたと思います。その点で言うと、こういった予算(発表)と合わせて(表明というのは)異例なのかなと思うのですけれども、なぜ今日のタイミングにしたかというのは・・・。

 

A 知事

 別に何かルールがあるわけでもないのでしょうから、自分の気持ちが固まったところで表明しただけです。昨年12月の暮れくらいから、(報道機関の)皆さんから(出馬の考えは)決まったかということを何度もお尋ねいただいていましたので、ずっと自分の気持ちをどこかで固めなければいけないということは思っていました。この予算編成作業が一区切りついたところで、気持ちが整理できたということです。まさに、これを自らの手で実行していきたいというふうに思い至ったというところです。

 

Q NHK

 昨年来、熟慮していると仰っていましたけれども、その過程でどなたかにご相談されたとか、どのようなことを検討されたのかということがあれば、まずお伺いできますか。

 

A 知事

 どのようなことというほど、分解して話せるようなものではないと思いますが、気持ちが固まったということです。

 

Q NHK

 何か後押しになったことなどはご自身の中でありますか。

 

A 知事

 気持ちの問題なので、本当に分解して説明するということは難しいと思うのですけれども、強いて言えば、先ほどから申し上げていますけれど、予算編成の中で、新潟をどうするのかと。ご質問いただいたような人口減少問題をはじめ、新潟の活力、元気というものをどうつくっていくのかということを、繰り返し考えることになったわけです。あるいは、言葉が適切かどうかわかりませんけれども、もっとよりよい安全で安心な暮らし、より利便性の高い暮らし、それが住んでよし、訪れてよしということなのですけれども、そういう新潟県をどうつくっていくのかということを考えていく中で、私自身の役割を決めたということです。

 

Q NHK

 予算ともかなり関わるかもしれませんけれども、2期目を目指すに向けて、ご自身が考える新潟の課題やテーマはどのようにお考えでしょうか。

 

A 知事

 先ほどから何度か申し上げていますけれども、今、足元のコロナウイルス対応は、誰であろうとやらなければいけないことで、この先の問題が大切だと思っています。人口減少問題も含めて、分散型社会を構築していく地方創生というところ。あるいは、カーボンニュートラルは新潟県民のみならず、もう世界的な人類の責務のようなものかもしれません。その中にあって、新潟県もしっかりその責務を果たさなければいけないというところ。そして安全で安心で、利便性の高い社会をつくるためには、デジタル技術というものをもっとうまく使っていかなければいけない、社会に取り入れていかなければいけないといったところがポイントだと思っています。それに向けての、私なりの取り組みの答えを盛り込んであるということだと思っています。

 

Q NHK

 選挙公約はどこかのタイミングでまとめてお示しされる・・・。

 

A 知事

 まだ考えていませんけれども、いずれはまとめなければいけないと思っています。

 

Q NHK

 原発(柏崎刈羽原子力発電所)について、これからまとめの中で整理されるかもしれませんけれども、再稼働については3つの検証を踏まえて、県民に信を問うという考え方については変わりない・・・。

 

A 知事

 そうですね。

 

Q 新潟日報

 公約はこれからという話ですけれども、現段階で考える、選挙戦で知事が最も訴えたいことは何でしょうか。

 

A 知事

 これから考えます。

 

Q 新潟日報

 争点は何になると思いますか。

 

A 知事

 申し訳ないですけれども、まだ何もそのようなところまで考えが及んでいません。

 

Q 新潟日報

 今回の選挙戦は前回と違って、国民民主党や連合新潟が支援するといったことを既に表明されていて、与野党相乗りの展開になると思います。双方から広く支持を得て選挙戦に突入できるのかなと思いますけれども、そのことについてはいかがお考えでしょうか。

 

A 知事

 それはご質問なさった方の見立てでありまして、そうなるかどうかはわかりません。

 

Q 新潟日報

 ただ、直接的に国民民主党は知事の前でぜひ出馬してほしいという表明をされていますし、連合新潟からも出馬すれば支援するという意向が伝えられているので、その点は確実なのかなと思うのですけれども、広く支持を得られていることについてはいかがでしょうか。

 

A 知事

 それは何度も申し上げていますが、私自身、あるいは私のやってきたことを評価していただけるということは本当に光栄ですし、ありがたいと思っています。

 

Q 新潟日報

 周りからの広い支持というのは、知事の出馬への背中を押す1つのきっかけになったのでしょうか。

 

A 知事

 そういう意味では、昨日も後援会の会長が総意ということでお越しいただいたことも、気持ちを固める上では大きな要素でした。

 

Q 新潟日報

 これから様々な組織に支援をお願いするという機会は、知事としては考えていますか。

 

A 知事

 この先のことはあまり考えておりませんが、もちろん私がやってきたことを評価していただけるところには、引き続きご支持いただきたいということは、申し上げるときがあるだろうとは思います。

 

Q 朝日新聞

 昨日、後援会の福田会長がいらっしゃって、後援会の総意として出馬を要請されたと思います。少し細かい質問で恐縮なのですけれども、知事がご自身の気持ちの中で、最終的に出馬しようというふうに気持ちが固まったタイミングというのはいつになるのでしょうか。

 

A 知事

 気持ちは徐々に動いていくものですので、ここというのはないと思うのですけれども、まさに先ほど発言したときがそうかもしれません。

 

Q 朝日新聞

 今このタイミングということですか。

 

A 知事

 こういうものは、ある日突然に表と裏が変わるようなものではありませんので・・・。

 

Q 朝日新聞

 何かしら気持ちが行き来していく中で、あるラインに達したという考え方でいいでしょうか。

 

A 知事

 例えて言えばそういうことかもしれません。

 

Q 読売新聞

 主張については今後考えていくと仰っていたのですが、前回の知事選から今回の新年度予算の編成でも「住んでよし、訪れてよし」というのは一貫して知事が仰られている言葉だと思います。このスローガンといいますか、方針というのは今後も訴え続けていく・・・。

 

A 知事

 そこまで考えていないのですけれども、私としては気に入っているというか、端的に目標を表す言葉だと思っていますので、言い続けたいとは思っています。

 

Q 新潟日報

 新年度と補正の一体予算の中で、投資事業が上限ある中でも、若干前年より伸びています。知事から(伸びている)特殊要因的な部分のご説明をいただいたので、あえて聞くのですけれども、投資事業は県議会最大会派の自民党が非常に重視するポイントでもあると思います。具体的に、事業量の確保という辺りの政策要望もあったと思います。他方で知事選の話に絡んでくるのですが、次回の知事選への再選出馬を花角知事がするとすれば、自民党は支援するという姿勢を早くから明確にされていました。先ほど再選出馬されるということを表明されたということで、予算編成を進める中で自民党の要望や意向を投資事業に関して意識されたというか、考慮されたということはありますか。

 

A 知事

 それはないです。防災・減災、国土強靱化というところで必要な事業量を何とか確保しようということで、国の5か年加速化対策(「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」)や補正予算債を上手に使うことで、こうした事業量を確保できたということです。それは私が(知事)就任以来、防災対策・減災対策が県民の安全・安心の1丁目1番地ということを申し上げてきたことに対して、部局から努力してもらった表れだと思っています。

 

Q 新潟日報

 これもあえてお聞きしますけれども、これまでも、例えば先ほどお話があった連合新潟や各政党等から出馬要請的なお話があったと思います。そういった中で、政策要望というのもその前にあったと思うのですけれども、予算編成をしている中で意識するとすれば、政策的に合理性があるとか合致するとか、そういった面で考慮されたということは・・・。

 

A 知事

 当然だと思います。本当に多くの団体や(多くの)方から、11月ぐらいから断続的にいろいろなご要望を聞いています。私が聞く以上にはるかに多くのいろいろな声を、担当部局はそれぞれ集めて聞いているわけで、その中から必要性や優先度等を吟味しながらこの予算ができあがっていると思っています。

 

Q 新潟日報

 もう1つだけあえて聞きますけれども、予算編成をする中で知事選を意識してということは特になかった・・・。

 

A 知事

 そんな意識はないです。

 

(新型コロナウイルス感染症について)

Q 新潟日報

 知事の方で先ほど説明していただいた、中長期的な県の成長・発展のための政策を進めるためには、目下の新型コロナウイルスの第6波の収束がやはり土台になると思います。県の方でもワクチンの追加接種を要として進めていると思います。今日、記者会見に先立って医療調整本部から、知事が今週末の19日に新潟空港で追加接種を受けるというリリースがありました。3回目の接種に向けて、知事ご自身がこうやって機運を高めたいという思いだと思うのですが・・・。

 

A 知事

 そうですね。私は過去2回ともモデルナ製ですけれども、新潟空港で県が行っている大規模接種はモデルナ製なのです。ファイザー製にこだわる方は、新潟県内はそうでもないのではないかと思うのですが、全国知事会でもモデルナ製ではなくファイザー製がいいという声があるという話が発言の中であったりしますけれども、(モデルナ製も)安全で効果があるということは、皆さんにお伝えしたいと思っています。

 

Q 新潟日報

 やはりご自身が先頭に立って・・・。

 

A 知事

 そんなに大げさな話ではないと思いますが、やはり3回目の接種は安全・安心に繋がりますということは申し上げたいと思います。

 

Q 新潟日報

 前回の記者会見の時に、(2回目接種から)6カ月が経ったけれども、新潟市から接種券が届いていないというお話をされていましたけれど、もう届いたのですか。

 

A 知事

 今日発送するということなので、間違いなく(今週の)土曜日までには届くと思っています。

 

(北京冬季オリンピックでの本県関係選手の活躍について)

Q 新潟日報

 今開催中の北京(冬季)オリンピックで、県勢が活躍しています。平野歩夢選手が(スノーボード男子ハーフパイプで)金メダルを獲得し、冨田せな選手が(スノーボード女子ハーフパイプ)で銅メダルを獲得していますが、こちらについての受け止めをお願いします。

 

A 知事

 本当に嬉しいですよね。平野選手は3大会連続(のメダル獲得)ですからね。すごいと思います。まさにスーパーマンという言い方が適切なのかどうかはわかりませんけれども、とにかくすごいの一言です。本当に県民のみならず日本全体が感動した。少し陳腐な言い方かもしれませんけれども、勇気をもらったとか元気をもらったとか、そういうことは本当に言えると思います。冨田選手も前回(のオリンピック)は残念ながらメダルに届いていなかった中で、今回は女子の(スノーボード)ハーフパイプでは(日本勢で)初めてのメダルで、これも素晴らしいです。しかも、どちらも兄弟や姉妹で出ておられてなかなか数少ないと思うのですが、それがどちらも新潟県の関係選手ということで非常に嬉しく思っています。

 

Q 新潟日報

 ご自身もテレビ等でご覧になりましたか。

 

A 知事

 はい。何度も見ています。

 

Q 新潟日報

 平野歩夢選手には既に県民栄誉賞を授与していますけれども、今回金メダルを取ったということで、何か対応についてお考えはありますか。

 

A 知事

 そこはまだオリンピックの最中ですし、この後にパラリンピックもありますので、すべてが終わってから考えていきたいと思います。とにかく、まさに偉業というかすごいことをやっていただいたということで、何らか県民の気持ちを表したいという思いはありますが、もう少し先のことだと思います。

 

Q 新潟日報

 冨田せな選手については、規定に基づけば・・・。

 

A 知事

 そうですね。(オリンピックで)メダルを取られたので、これも素晴らしい、まさに成果というか、これもなんらかの形で県民の総意として表彰して差し上げたいという思いはあります。

 

Q 新潟日報

 それは冨田選手の場合は、県民栄誉賞ということになるのでしょうか。

 

A 知事

 そこまで今詰めて考える時期ではなくて、オリンピックやパラリンピックが終わってから整理したいと思います。とにかくすごいことをやっていただいた、本当に感動したということは、何らかの形で伝えたいと思います。

 

 

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。

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