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令和元年9月5日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0219695 更新日:2019年9月6日更新

(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

1 日 時 令和元年9月5日(木曜日)

2 場 所 記者会見室

3 質疑項目(10時00分~10時38分)

・県央地域の医療体制について
・行財政改革について
・新潟水俣病について
・原発関連問題について
・新潟-香港線について

質疑

(県央地域の医療体制について)

Q 代表幹事(読売新聞)
先日、県立加茂病院が竣工しまして、一方で県央基幹病院の計画の見直しについて有識者の会議も始まりました。今後の県央地域の医療体制について、有識者によるどのような議論を期待されますか、知事の考えをお聞かせください。

A 知事
この場でも何度かお答えしたような気がしますけれども、県央基幹病院の計画策定時から、現在ではその医療需要が減少している、そういった環境の変化がありますので、最新の状況を踏まえた計画の検証をしてもらいたいということで、医療関係の専門家からなるこの会議を始めたところでありまして、先般の第1回目の会議では、客観的なデータを県側で説明申し上げて、それについていろいろな議論が出たと聞いています。まさにこれから議論が始まるというところで、年内までに一定の方向を出していただきたいというふうに思っています。

Q 新潟日報
県央基幹病院についてですが、昨日三条市の国定市長が、財政難だから見直すのは筋違いだというふうに批判されているのですけれども、改めて再確認したいのですけれども、財政難だから県央基幹病院を見直すという・・・。

A 知事
そういう言い方をしていません。整備計画を作った時点と事情が変わってきていますよねというところで、早急な検証をお願いしています。

Q 新潟日報
そうすると、財政危機が仮になかったとしても、この計画は・・・。

A 知事
そうでしょうね。きっかけとしては、もちろん行財政改革有識者会議から明確に見直すべきだということを言われているというのが1つは大きいと思いますし、もちろん、こういった大きな病院を作るというのは、当然ながら県の財政と大きく関わってくるのは、これは事実ですよね。加茂病院や吉田病院の役割や機能といったところを議論するとすれば、間違いなくそれは県の財政とも関わってくるので、関わりがないということではないですよね。しかし、財政が問題でこれを議論しようとしているわけではない。環境が変わっているよねと、医療を取り巻く環境が。そこで、まさに医療関係者を中心に有識者にご議論いただいているところです。

Q 新潟日報
関連もあるけれども、議論のスタート地点・・・。

A 知事
もちろん関連しています。別に財政の観点から議論してくださいと言っていないですよね。

Q 新潟日報
月曜日に加茂病院の開院式がありましたけれど、知事は式辞の中で、県立病院の役割について再検討を進めているところです、というふうに・・・。

A 知事
役割や機能について見直していく。

Q 新潟日報
新しく開院を迎えようとしている加茂病院に対してもそういうふうな・・・。

A 知事
随時、環境の変化に伴って見直すことはあり得べしでしょうね。

Q 新潟日報
新しい病院が開院しようとしているわけですけれども、役割とか機能を見直す上で、新しい病院ができてしまっていることについては、どのようにお考えですか。

A 知事
それはそれで、50年も経っていた古い病院では、耐震性の問題とかがあったわけですから、現に入院されている方や、外来でおいでになる方の安全・安心という意味では、早急に建て直す必要があったということだと思います。それはそれで、必要があったということだと思うのですけれど、ただその上で、加茂病院というのはどういう機能を持って、今後10年20年機能を果たしていくべきか、地域医療の中で、より良い地域医療を作る上で、どういう役割を果たすべきかというのは、これは議論は別途しなければいけないと思います。

(行財政改革について)

Q 代表幹事(読売新聞)
公共工事の最低制限価格を巡り、県警が最低制限価格の基準を見直して、歳出削減に効果があったとの報道がなされました。財政改革が急務とされる中で、新潟県としても今後独自の基準を見直す可能性があるのかどうか、知事のお考えをお聞かせください。

A 知事
県の最低制限価格については、いわゆるダンピングの防止を目的として、あるいは公共工事の品質確保という観点から、品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律)が定められて、その趣旨を踏まえて、平成23年度に今の形ができ上がったというふうに理解をしていますけれども、国も今年度、制度を少し見直したということなので、そういった状況も踏まえ、改めて今の形がよいのか、他県の状況などもしっかり調べた上で検討していきたいと思います。

Q 新潟日報
他県の状況なども調べた上で検討していきたいということでしたが、最低制限価格のあり方を今後検討・・・。

A 知事
最低制限価格もそうかもしれませんし、そもそも品質確保ですよね。ダンピングが行われたりして、結果として手抜き工事につながったり、あるいは事業者間の過当競争が起きて、そのようなことが発生する。そういったことを防ごうということでできた一定の仕組みなので、今の状況が一番その目的に沿った適切なものなのかどうかということは、しっかり見直していきたいと思います。

Q 新潟日報
全国でも最低制限価格の下限値がかなり高い方だというふうに・・・。

A 知事
下限値だけの問題でもないと思うのです。もちろん下限値も1つのポイントではあると思うのですけれども、要は過当競争をし、不当なダンピング等が起きないようにというところだと思うのです。その結果として、大事な公共施設に手抜き等が起きて、不安全な状態になるということを防ごうということですので、その目的に沿ったものになっているかどうかということだと思います。それと同時にもちろん、入札ということをやっていくというのは、適正な競争を通じて、国民ないし県民の税金を有効活用していくこと、つまり安くて良いものを作っていこうと、そういう本来の入札制度の目的もあるわけですから、そういったものがバランスよく実現できる制度になっているかどうかということを検証する必要があるのだと思います。

Q 新潟日報
現段階で、入札改革は歳出削減や歳入確保の取り組みにはちょっと上がっていないように・・・。

A 知事
会議でも議論していました。有識者会議で明確にご議論があったかどうかちょっと記憶していませんけれども、県の中に作っている行財政改革推進会議では、議論の中に上がっています。

Q 新潟日報
聖域なき見直しを行っていかなければいけない中で、新潟県にとって建設業は大切な・・・。

A 知事
新潟県に限らないと思います。

Q 新潟日報
そこも聖域なく、例外なく・・・。

A 知事
そうです。すべてを俎上に上げるというのは、ずっと繰り返し申し上げています。ただ今言ったように、財政改革の観点だけではないですよね。これは病院の医療などもそうですけれども、それぞれの政策目的なり、いろいろな制度には様々な達成すべき目標はあるわけなので、そういったものとバランスを考えながら、最も適切なものになっているかという検証はいると思うのです。

Q 新潟日報
めどは・・・。

A 知事
明日までにとかそういうことではないですが、当然ながら行動計画の中に、今どういう形で盛り込むか議論の最後ですけれども、当然いつまでも先延ばしするような話ではないと思います。

Q 新潟日報
予定ですと、行動計画は来週にも公表ということですが、現在の進捗状況、知事が今の段階でご覧になられてどのように受け止めていますか。

A 知事
それは、来週発表させていただきます。

Q 新潟日報
段階としては大詰めということで・・・。

A 知事
来週中には皆様にお示しできるようにしたいと思います。

Q 新潟日報
以前、有識者会議の皆さんがまとめられた提言というか、意見の中で、今後、実質公債費比率が18%を超えて、起債許可団体に移行するのが確実だという認識が有識者会議として示されているのですけれども、知事としてもこの認識は・・・。

A 知事
18%は超えてしまうようですね。

Q 新潟日報
そこは避けられない・・・。

A 知事
避けられないのだと思います。

Q 新潟日報
そうすると、公債費負担適正化計画・・・。

A 知事
ですから、それは早晩作らなければいけないと思います。

Q 新潟日報
前倒しで作るべきというふうに意見書がいっているのですけれども・・・。

A 知事
それを踏まえて考えなければいけないと思います。

Q 新潟日報
公債費負担適正化計画を策定すると、例えば今後の公債費のある程度の数値目標を出すということになると思うのですけれども、知事が日頃から一丁目一番地と言われている防災・減災の事業についても、公債費負担適正化計画で示すその枠の中で行うことになるのですか。

A 知事
そうでしょうね。公債費は県の発行する債券全体ですからね。

Q 新潟日報
職員給与を巡っての話なのですけれども、知事は以前この会見で、人事委員会からの勧告を尊重した上で、その上で何かできないかというのを検討しているというお話でしたけれども、職員組合の方からは、その上で何かをやるということは、人事委員会制度の趣旨を踏まえない禁じ手だというふうな反発も上がっているのですけれども、その点についてはどのように。

A 知事
禁じ手という言葉がどういうことを意味するか分かりませんけれども、異例だとは思います。

Q 新潟日報
今後そういう異例の措置についても職員に対して理解を求めていく・・・。

A 知事
それは異例な状態だからです。

Q 読売新聞
入札の最低制限価格に関して、知事の率直なご意見をお聞きしたいのですが、今、新潟県は91%という、全国的にも最高水準の数字で、競争するといっても幅が9%しかないという状況と、ダンピング防止という観点が、現状、公共工事の需給バランスを考えると、供給不足という中で、本当にそのダンピング防止の意味合いで、一定水準の高さの基準が必要なのかという疑問の声も上がっているのですが、その辺り知事のご意見をお聞かせください。

A 知事
今ここで私の、特別な意見があるわけではないので、ただ国は幅で示していますよね。そういったいろいろな考え方が、あり得ると思うのですよね。目指す、達成すべき法目的というのは1つだけではないので、いくつかの達成すべき、目指すべきものの中でどうバランスを取っていくかということだと思いますので、仰られるような社会経済情勢の変化などもしっかり踏まえて、今の制度がベストなのかというところは、検証しなければいけないと思います。

Q 読売新聞
検証すると仰っているのは、具体的に今後・・・。

A 知事
検証するというか、検討すべきだと思うのです。

Q 読売新聞
何か、こうアクションを検討している・・・。

A 知事
それは事務当局に考えてもらいたいと思います。

Q 新潟日報
代表質問であった入札改革のお答えの中で、行財政推進会議の中でも議論があったと知事が話されていましたけど、具体的にはどんな議論があったのでしょうか。具体的にはどのような議論をされたのでしょうか。

A 知事
何について・・・

Q 新潟日報
入札改革についてなのですけれども。

A  知事
県の中に作った行財政改革推進会議では、警察がこういう取り組みをしたらこういう結果になったという話があって、それをきっかけに議論をしたということです。

Q  新潟日報
警察でうまくいったから、県でも検討しようねみたいな、そのようなイメージ。

A  知事
そうですね。警察のこういう良い事例が出ましたよというお話が、議論のきっかけだったと思います。

Q 新潟日報
歳入改革の意味では、増税をするかどうかという部分があるのですけれども・・・。

A 知事
一般論としてはそうです。

Q  新潟日報
有識者会議の後に、小西座長のお話の中で、増税については、県の施策として新しい施策が出てきた場合に、その財源確保のためにやるべきものなのだと、説明を小西さんがされていたのですけれども、実際もし増税をやる場合は、知事のイメージとしても、新しい施策を打ち出してその財源確保というイメージ・・・。

A  知事
多分念頭にあったのが、これはもう皆さんよくご存知でしょうけれど、新潟県以外はほとんどの都県が実施している森林環境税だと思うのです。あれは所得税に上乗せ、超過課税をするという、それを森林の整備に充てるというのが、ほとんどの県でやっておられることで、新潟県はやっていない。そういうものがあれば、それは考えるべきではないかという、それがご発言のベースなのではないかと思います。財政の穴を埋めるために超過課税するというよりも、特定の行政施策を進めるために、その費用を徴収する、税を取るという、それが念頭にあってのご発言だと思います。

Q  新潟日報
小西さんのお話ですと、新しい施策があった場合という言い方だったので、森林という・・・。

A 知事
他の県も、国に先んじてやってこられた県が大半なわけですけれど、国が森林環境税を導入することになったので、それぞれの県は、どういうふうに整理しようか今検討中だというふうに聞いていまして、そういう状況を踏まえながら、新潟県もどうしようかということだと思うのです。そのときに、国の進める森林環境税の使用目的と異なって、何か森林の環境とか、新しい県の仕事として、県民も非常に応援してくれる、賛成してくれるような仕事が整理できれば、それもあり得ると思いますし、この際、森林と離れて、例えばエネルギーとか、医療とか、何かそういう特定の行政目的、新しい行政施策のために必要な財源として、県民に負担をお願いする、というのがあるかどうかということだと思います。

Q  新潟日報
その辺は行動計画には盛り込めそうですか。

A 知事
問題意識はひょっとしたら入れられるかもしれませんけれども、ここのためにこれだけ取るというところまでは、とても時間がないと思います。

Q  新潟日報
新年度予算編成についてですけれども、県財政は厳しい中で、例えばその一般財源について削減目標みたいなものを示してから、組み上げていくのか、それとも個々の事業を見直した上で、積み上がったものから削減幅というか、削減率になるのかっていうのは、その組み立て方っていうのは、知事のお考えがありますでしょうか。

A 知事
まだ来年度の予算の議論まで十分にしていないので、今の質問について、私の今の考えというのは、用意されていないです。

Q 新潟日報
その辺りは来週の素案のところに・・・。

A  知事
まず行動計画の話を片付けてから、来年度の予算の話に持っていきたいと思います。

Q 新潟日報
議会の方なのですけれども、各党会派でも歳費の削減というのは、削減するという方向は一致していると思うのですけれども、自由民主党も大分主導的にいろいろな改革を進めたいという思いがあるみたいなのですが、その辺りの評価と、さらに、例えば交付金・補助金だとか政策についても自由民主党はこうしたらいいのではないかとか提案型で、こう削減みたいな主導を考えているような感じもするのですが、その辺りは何か・・・。

A 知事
具体的には私は聞いておりません。ただ一般論として県もそうですけれども、単純に切って切ってということではなくて、こういうことをきっかけとして、より良い制度に変えていくということの良いチャンスでもあるよね、というふうにとらえていきたいとは思うのです。これは前から補助制度とかについても、目的達成のために本当にこの手法が効率的なのか、効果的なのかということは、見直す良い機会でもありますよねということは申し上げています。議会の方もそういうことで、ある意味で機会にするということであれば、それは大変ありがたいことだと思いますし、県もそういう姿勢で、基本的にはこの行財政改革に前向きに取り組んでいきたいと思います。

(新潟水俣病について)

Q 新潟日報
昨日、水俣病の認定審査会での答申を受けて、(処分)結果が示されたのですけれども23名が棄却、保留が4人ということなのですけれども、コメントもいただいていますけれども、この結果について・・・。

A 知事
それはもうコメントどおりで、やはり一人一人の事情をよく見ながら丁寧な審査をしていただいていると、まさに有識者の方々に丁寧に議論していただいた結果を、そのまま処分という形で行っているだけなので、そこはまさにそれぞれの知見に基づいて判断していただいた結果であるとしか申し上げようがないです。

Q 新潟日報
今、まだ処分というか、判定が下っていない方も142人いらっしゃるという、棄却されても再度申請する方がいらっしゃって、なかなか終わりが見えないというか、そういういわゆる課題があると思うのですけれども、中原新潟市長は迅速な審査をお願いしていきたいというふうなコメントもされていますけれども、この点については・・・。

A 知事
そうですね。そういう意味では早く宙ぶらりの状態ではないようにして差し上げたいと思います。ただ一方で、50年という時間の経過とともに、判定がすごく難しくなっているというふうにも聞いていますし、事実そうだろうと思います。そこはまさに、有識者、医療関係者の判断の中で、しっかり見ていってもらいたいと。そこはもうバランスですよね。

Q 新潟日報
棄却とされても再度申請される方がいるということは、つまり棄却という結果に対して、不服な部分があって再度申請されると思うのですけれども、そういった意味では、棄却となった方への理由の説明とかそういったところを、より慎重さとか丁寧さとか・・・。

A 知事
それは今までもきちんとご説明してると思いますけれども、それを徹底していくということだと思います。この事務は、国の法定受託事務なので、国のルール、国の定めた方針・基準に則って、それはやらざるを得ないし、そこで、一人一人の、適切な有識者の方をお願いをして、それぞれの持っている知見の中でご判断いただいてきていることなので、それはもうしっかりやっていただいていると思います。丁寧にやっていただいていると思います。そのことと、以前こちらでもご質問がありましたけれども、この水俣病というものを社会全体でどう受け止めて、被害に遭った方々をどう社会全体で救済していくかというところは、改めてまだ考える余地があるのではないかというのは、ずっと私はそういう思いは持っていますが、今、どういう形が取れるのかということは、事務当局にも一生懸命考えてもらっています。

(原発関連問題について)

Q 朝日新聞
今月3日に、原発事故の避難の検証委員会(新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会)がありまして、関谷委員長名でこれまでの情報伝達を巡る論点整理という文書が出ていまして、実質的な中間報告のような要素を持っているのですが、情報伝達ということについてですね・・・。

A 知事
中間報告という言葉が適切かどうか分かりません。論点整理と聞いています。

Q 朝日新聞
この内容が、中間報告に反映される・・・。

A 知事
中間報告をする予定はないと聞いています。最終的な報告に向けて、そもそもスタートしたときからどういうことを検討するかという、検討事項を確か10ぐらいに整理をして、その上で順番に検討してきていて、検討をしっぱなしでずっと最後まで行くというのではなくて、今2つ終わったところで1回論点整理をした。そういう意味合いだと聞いています。

Q 朝日新聞
その中で主だって東電の情報伝達のあり方が不十分、十分でないというような状況が中心になっているのですけれども、どう思いますか。

A 知事
どう思いますと言われても、そういうふうに避難委員会の各委員の先生方からは、極めて厳しい評価があったということは聞きました。

Q 朝日新聞
これまで、避難委員会の委員の方でいろいろ質問と、東京電力の回答というやり取りがある中で、委員の方からは答えになっていないということが、噛み合っていないような部分が見受けられるのですけれども、その辺りは・・・。

A 知事
噛み合っていないというのか、私が聞いているのは、パッチワークという言葉が適切かどうか分かりませんけれど、それぞれの課題が起きるたびに、それを何とか乗り越えようという、少なくともそういう努力はされているのだと思うのですけれども、潜在的な課題、場当たり的であって、潜在的な課題の洗い出しが不十分という表現があったと思いますけれど、それが一番しっくりくるのか、想像力の欠如という言葉も確かあったと思うのですけれども、結局どうしてこの問題が起きたのかという、その出てきた事象だけ、もぐらたたきのようにやるのでは不十分で、きちんと全体の状況を把握して、まさにイマジネーションというか、想像力をしっかり働かせて何が課題なのか、どういう事態が起きた、起き得るのかとか、そういう想像力を働かせて課題をしっかりとらまえて、それを踏まえて情報の伝達体制なりを、あるいはその具体的な当直の体制なり、用紙の記載方法なり、そういったものを考えていくという、そういう物事の根本的な考え方が足りないのではないかというようなご趣旨だと思うのですけれども、そういうことなのだろうと思うのです、委員の皆さんが仰りたいのは。

Q 朝日新聞
知事としては、例えば6月の地震の対応というところも、まさに今日明日いざ何か起こったときに、県として対応されるようなところの中でリスク要因があるわけですけれども、そこを踏まえて、知事もそういうご認識・・・。

A 知事
そこまで詰めて詳細には分かりませんけれども、委員の大勢がそういうふうにお感じということであれば、東京電力なりにはしっかりそれを受け止めてもらいたいと思います。これは危機管理の、よく言われることではあるんですよね。想像力を働かせろというのは、よく言われることではありますよね。

Q 朝日新聞
想像力というところは、その企業風土であるとか、経営体制とか、いろいろなマクロの要因とかもあったりするのかなと思うところで、それを委員の議論、委員会で議論して、それで委員が納得する、表現が大きく変わるというかというと、必ずしもそうとは限らない可能性もあると思うのですけれど。

A 知事
それは関係者の取り組み次第なのではないでしょうか。およそ企業風土が変わらないものだとかですね、およそ無理だとか、そういうことではないと思うのです。関係者の努力と熱意は大きいと思いますので、論点整理でこういうことを言われているということであれば、東京電力なり、モニタリングをやる国は、受け止めてもらいたいと思います。

Q 新潟日報
先ほど、避難委員会で厳しい意見が出たというお話がありましたけれども、東京電力の場合、2002年のトラブル隠しからずっとそういう場当たり的だとか、想像力が欠如していると言われ続けてきていて、もう15年以上経つのですが、知事も従来から、言葉よりも行動で示してほしいと言われていますが、やはり県民・住民にしてみれば、ずっと変わらないという思いがあると思うのですが、知事ご自身、行動で示す部分というのは今は不十分だとお考えですか。

A 知事
実績で示してほしいということです。

Q 新潟日報
実績はまだ・・・。

A 知事
この課題にはこういう対応を取りました、こういう課題を取りますとか、それはそれで分かりましたから、2回目は起きないようにしてくださいと。起きないということが実績ですよね。しかし起きているのでそれが残念だというふうに思っています。起きないようにしてくださいと。ヒューマンエラーというのは、一般論で言えば起き得るものではあるので、起きたときにも、きちんとそれをカバーできる仕組みを作るということの方が考え方としては適切だと思うのです。起きるものだというところをすぐ許容してしまうと、本当に大きな事故のときに取り返しがつかないことになるので、できるだけ起きないようにするという努力は最大限詰めてもらいたいというのは思いとしてはあります。そのためには、いろいろな想像力を働かせて、根本から潜在的な課題というものを洗い出して考えてほしいというのが先ほどお答えした趣旨なのですが、変わらないからもうダメなのだというふうには、私は思っていません。

Q 新潟日報
今のところ実績は示されていない・・・。

A 知事
残念ながら繰り返されていますよね。だから実績は出ていないですよね。

Q 新潟日報
今の質問に少し関連するのですが、避難委員会は情報伝達とモニタリングに関してですけれども、安全に緊急時に避難ができる状況が整っていないという現状認識を示されていて、その認識というのは知事も共有されているということでよいのでしょうか。

A 知事
共有というか、論点整理で示されたということだと受け止めています。

Q 新潟日報
その辺りは、委員会が言っていることだというふうに切り分けているのか。

A 知事
切り分けているというか、そうなのですねという意味です。それを共有というのかどうかは分かりませんけれど、それはそれで受け止めます。

Q 新潟日報
知事の現状認識としてはいかがですか。安全に避難と・・・。

A 知事
私は一から十まで、いろいろな議論をたたかわせて自分の頭を整理してきているわけではないので、そういう意味で、そういうことなのですねと、素直に受け入れているということです。

Q 新潟日報
もう1点、その示された考え方というか見方の中で、東京電力と原子力規制委員会もそうですけれども、説明不足というところに非常に強い不満というか、委員会としては示されていたと思うのですけれども・・・。

A 知事
説明がなされていないという言い方でしたかね。

Q 新潟日報
十分な説明がなされないということがずっと繰り返されているというか、続いているというようなことなのですけれども、その姿勢というのはどのように・・・。

A 知事
姿勢なのか、そこは分かりません。要するに現実として委員の皆さんは満足できなかったということなのですよね。答えがなかったということなのですよね。それは姿勢として情報を小出しにしているとか、そういうことではないのだろうと普通は思います。やはり、先ほどのように想像力が十分ではないというところで、根本的に本当にゼロベースで考えたのかというところに、不十分さを感じているということではないのでしょうか。

Q 共同通信
先月、東京電力が柏崎市に廃炉に関する計画を提出して、昨日、柏崎市の櫻井市長が概ね了承する趣旨の発言を定例会見でされました。これに関する県としての受け止めはいかがでしょうか。

A 知事
昨日の発言というのは、私は直接聞いていないので分かりませんけれども、前からこの問題については、県として特にコメントすることはありませんと申し上げたとおりです。

(新潟-香港線について)

Q 新潟日報
10月30日から就航する香港線の関係ですが、香港の方で逃亡犯条例の改正の完全撤回が表明されて、そちらの方の所感を。就航にからめて。

A 知事
そういう事情の変化もあるので、就航までにはまだ時間がありますから、事態をしっかり見守っていきたいと思います。この場でお答えしていますけれど、収束してもらいたいなと。もともと人気のある旅行目的地ですから、県民の皆さんが、アウトバウンドで多くの人が利用していただけるような環境になってほしいと願っています。

Q 新潟日報
今回、逃亡犯条例の改正の完全撤回について、デモの発端となったものの完全撤回ということになると思うのですけれども、知事ご自身も香港線就航が決まった際にも、デモ続いていてその中で少し心配な・・・。

A 知事
心配ですよねと。

Q 新潟日報
そういうところもあったと思うのですけれども、今回完全撤回されたということで、心配というのは少し・・・。

A 知事
少なくとも、事態が好転してくれるのではないかという期待は上がりましたよね。ただ、私も詳しくは承知していませんけれど、4つか5つぐらいデモをされる方は要求しているという話も聞いていまして、1つが達成できた。もうあとは分かったというふうになるのかどうかそこは、分かりません。だからそこは心配です。

Q 新潟日報
いわゆる5つの要求というものの中の1つが解消されて、残り4つデモされている人達も求めている中で、事態が好転してくれるという期待感は上がったけれどもまだ・・・。

A 知事
私の立場から、事態が沈静化する期待はあるのですけれども、そういう意味で1つ事態が前に動いたので、より鎮静化に向かっていってほしいという希望です。

Q 新潟日報                                         
香港線に関連してなのですけれども、間もなく2か月後就航です。現状どのような・・・。

A 知事
詳しくは関係者に聞いてほしいと思いますけれど、私が聞いているのは、予約がまだまだ低調だというところです。これからプロモーションを始めるのでしょうから、様子見をしている人も大勢いると思うのですけれども。

Q 新潟日報
やはり香港の情勢というのも・・・。

A 知事
そうなのでしょうね。ただ、2か月前ですので。まだ十分香港線の就航ということも周知されていない状況でもあるので、そんなに一喜一憂というか、悲観することもないと思うのですが、足元はまだまだ低調だというふうに聞いています。

Q  新潟日報
今後のPRというのは・・・。

A 知事
航空会社からはプロモーションをやると聞いています。

Q 新潟日報
県としても何か・・・。

A 知事
県としても当然応援していきます。


※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。


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