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平成31年1月30日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
- 日時 平成31年1月30日(水曜日)
- 場所 記者会見室
- 知事発表項目(10時00分~10時02分)
「新潟の魅力を考える懇談会」の設置について - 質疑項目(10時02分~10時28分)
- 柏崎刈羽原子力発電所におけるケーブル火災の報告について
- 洋上風力発電の本県沖への誘致の現状及び今後の取組について
- 「新潟の魅力を考える懇談会」の設置について
- 柏崎刈羽原子力発電所に係る積雪時の避難計画について
- 平成31年度当初予算最終調整について
知事発表
「新潟の魅力を考える懇談会」の設置について
「新潟の魅力を考える懇談会」という有識者会議を立ち上げようと思っております。その趣旨はここに縷々書いてございますけれども、私自身、新潟には実に多様な、そして豊かな魅力があると思っておりますが、どうしても県民性もあるのかどうか分かりませんが、県民自身があまりそういう自分たちが持っている新潟の魅力に関心がないのか、気づいていても口にしないだけなのか、正確なところは分かりませんが、もっと県民の皆様に一緒に考えていただいて、新潟が持つ魅力、新潟らしさといったものをもう少し県民の皆様で共有をし、そして表現をしていただく。周りの人に伝えていく。そういう環境づくりを進めたいと思っているところであります。文章として書いてありますのは、「住んでよし、訪れてよしの新潟県」という、就任以来ずっと申し上げているキャッチコピーですけれども、県民の皆様が新潟の魅力を改めて考え、そして気づいていただき、そして積極的に表現していただく。そういう環境づくりに取り組んでいきたいと思っております。(構成員は)当面、このメンバーを考えましたが、別に固定的に考えているものではありませんし、この懇談会の中でぜひ多くの方からヒアリングをしたりお話を伺ったりしながら、あるいは調査もしたりして、新潟の魅力、新潟らしさを多くの県民の皆様と一緒に考える、そういう機会にしていきたいと思っています。
報道資料(「新潟の魅力を考える懇談会」の設置について)[PDFファイル/183KB]
質疑
柏崎刈羽原子力発電所におけるケーブル火災の報告について
Q 代表幹事(TeNY)
去年11月の柏崎刈羽原子力発電所のケーブル火災で、おととい、東京電力から対策と原因をまとめた報告書が県にも出されましたが、知事の所感を教えてください。
A 知事
報告の内容は事務的に伺いましたが、先般来申し上げているとおり、原子力発電所における火災というのは非常に周辺の住民の皆様に大きな不安を与える重要な出来事だと思いますので、ぜひとも東京電力には火災防止、再発防止にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。併せて、あえて申し上げれば、新年のごあいさつで小早川社長にお越しいただいた時にも、ケーブル火災の原因究明と再発防止にしっかり取り組みますというお話をいただきましたが、その時も申し上げたのですが、本当に言葉ではなくて、あとは行動と実績でしっかり示していただきたいと思っています。
Q NHK
報告書でも言っていると思いますが、東京電力の自衛消防隊が、最初火元の構造をよく理解していなかったということもあって、かなり発見に手間取ったというところもあるようなのですが、行動と実績でということで繰り返し仰っていますけれども、こういう火災であるとか、不具合が頻発している中で、どのようにご覧になっているか改めてお願いします。
A 知事
どうしてもミスというのは、基本的には初歩的なもの、単純な思い違いとか、単純に伝えていなかったとか、思い込みとか、ミスの原因は後から調べてみると、極めて単純なところにあるというのは、世の常だと思いますが、そういう意味では、東京電力にはぜひそういう安全に対する想像力といいますか、風土というか、気風、その社内の空気として、雰囲気として、そういう想像力を働かせて、こういうことをやったらこういうことが起きるのではないかみたいな、これは東京電力に限らず県庁も含めていろいろな職場で共通していることかもしれませんが、思い描くというか、想像する。そして、こういうことが起きたときにはこう対処しなければいけないのだということを発想できる、そういう環境というのが大事なのだろうなと。永遠の課題で、県庁、私自身も含めて、すでに自分たちがやれているということを言うつもりもないのですが、言うなれば一人一人が、どういうことが起きたらどうするということを想像しておく、イメージトレーニングしておくということは、すごく大切だと。特に安全に関わる仕事をする方々にとってそういうイメージトレーニングをしておくということは、非常に重要なことではないかと思っています。
Q NHK
今回の報告書をどこまで読まれているかは分かりませんが、かなりそれは行間で感じられた部分があるのですか。
A 知事
そんなに丁寧に読み込めていないと思いますが、一般論として、私が常々これまでの仕事の中でも感じていることであります。
Q 新潟日報
安全について、想像力を働かせて、そういうような風土づくりが必要だという話がありましたが。
A 知事
そうですね。それは全てに言えます。
Q 新潟日報
東京電力は10年ちょっと前の中越沖地震の時に、火災を原発構内で起こして、先ほど問題になった自衛消防隊もその時に作ることにしたものなのですが、結局その自衛消防隊がうまく機能せずに、またそういったミスも相変わらず起こしているのですが、やはり、10年経っても想像力みたいな風土づくりみたいなものができてないのかなという感じがしてしまうのですが。
A 知事
1つのことだけで決め付けるのは控えた方がよいと思いますが、まさにスパイラルアップしていってもらいたいなと思います。
洋上風力発電の本県沖への誘致の現状及び今後の取組について
Q TeNY(代表幹事)
洋上風力発電の情報連絡会議がこの前初めて開かれましたが、新潟県は洋上風力発電を実現しやすい環境が整い始めているのではないかと思うのですが、新潟県沖への誘致の現状、そして今後洋上風力発電に県としてどのように取り組んでいくのか、教えてください。
A 知事
再生可能エネルギーの1つである風力発電は、非常に有力なエネルギーだと思っています。新潟県内でも誘致できればというふうに思っているところで、すでに平成28年度に県では洋上風力発電ポテンシャル調査というものを行っており、それも公表されていますし、そのあとも様々なフォーラムを開いたり、あるいは他の団体が主催するセミナーに積極的に出かけてプレゼンテーションをしたり、それなりに洋上風力発電の新潟県への立地に向けて、これまでも取り組んできていると思います。一昨日行ったこの連絡会議は、新潟県内の関係者を中心に情報の共有を図って、洋上風力発電の誘致への取り組みを進めていこうというものでありますが、実際にも、傍聴という形で10数社の関係事業者が熱心においでいただいていたという報告もいただいておりまして、誘致に向けて県全体で取り組んでいく下地ができたと思っています。今後は、これは情報共有のための連絡会議でありますが、さらに一歩進んで、研究会を立ち上げていきたいと思っておりまして、とりあえず全県で1つになるかと思いますが、いずれ計画がだんだん熟度が増していけばその地域ごとの研究会という形になっているかもしれませんが、当面は県全体での課題解決を目指す、いろいろな課題があるのは分かっていますので、情報共有から一歩進んで課題の解決を目指すような研究会というものに少し段階を上げていきたいと思っています。
Q 日経新聞
研究会はいつ頃立ち上げるのですか。
A 知事
まだいつまでにというのはないのですが、できれば事務的には今年度中にと言っているようですが、年度を越してしまうかもしれませんが、そう遠くないうちに、情報共有の場からもう一段前に動かしたいと思います。
Q 日経新聞
情報共有だけではなくて、課題解決に向けた場にしたいとのことですが、知事として誘致に向けた課題、今一番の課題はどの辺りに。
A 知事
一番はやはり地元調整ですよね。あるいは、自然、動植物等への影響とか、それも巷間いろいろと言われていることですが、漁業等含め地元調整と動植物への影響、これはもうきちんと見ていかなければいけません。あとはもちろん、送電能力とか技術的にはたくさんあると思います。
Q 新潟日報
新潟県の再生可能エネルギーの導入量というのは、全国でもちょっと少ない方だということですが、知事が洋上風力にかける思いというのはどのような、期待感とか。
A 知事
再生可能エネルギー全体の底上げをしていきたい中で、太陽光は新潟で出遅れたというか、雪(の影響がある)というもので皆が手を出すのが遅かったということかもしれませんが、相対的に発電量としてまだ小さいのは、他地域が太陽光で随分稼いでいるからだと思います。その中にあって、この風力は新潟県は長い海岸線を持っていて、かつ平成28年の調査によればそれなりの風力を得られるというところが出てきていますので、そういう意味で期待をしている再生可能エネルギーであります。もちろんこれだけではなく、他にもバイオマスなど多様なエネルギー源というものには関心はありますが、当面、風力は非常に世界的に見ても技術が進んできていますので、可能性が高いというふうに思っています。
「新潟の魅力を考える懇談会」の設置について
Q 新潟日報
確認なのですが、懇談会の議題の1つとしても、新潟の魅力とは何かというのを考えることも議題なのですか。
A 知事
まさにそうです。考えることがテーマです。議論していただく、ああでもないこうでもないと言っていただくことで、県民の皆さんの気持ちを触発したい。
Q 新潟日報
以前にもお聞きしましたけれども、この商品があれだとかあの商品があれだとか、そういうものではなくて。
A 知事
まさに「住んでよし」というのは、この新潟に住んでいることが満足できる、誇りに思える、そういう状態をイメージしているわけですが、何に満足し、何が誇れるのか、何が自慢できるのか。それをみんなで言い合ってみましょうと。平たく言うとそういうイメージであります。
Q 新潟日報
委員の方の名簿を見ますと、専門家、著名な方もいらっしゃるようですが、これは知事ご自身が。
A 知事
もちろん、私自身の発案もありますし、事務的にもいろいろ考えて出てきた案でもあります。正直、もっともっと(名前が)出ていたのですが、お忙しくて委員としてはなかなか厳しいという方は、ヒアリングのような形で一度でもプレゼンしていただけないかなと思っています。
Q 新潟日報
知事が個人として考えられる、新潟の魅力とか新潟らしさというものを、改めて。
A 知事
一言では言えないと思います。あえて言えば、食は本当に豊かだと思います。
Q NHK
新潟の魅力について意見助言をという話ですけれども、といっても、新潟県の政策としてこの意見助言をどうやって落とし込んでいくかというのも興味があるのですが。
A 知事
成果物のイメージは今はないです。ここですごく立派な報告書が出てくるとか政策提言が行われるということでもないのかなと思っています。もちろん、結果として議論が非常に広がって、何らか集約がなされて、政策提言的なものになるのであればそれはもう大歓迎ですし、それはそれでしっかり受け止めて考えていきたいと思います。私自身が懇談会に期待しているのは、まずはそういう議論を起こすということ。そこに期待をしているところで、恐縮ですが雑談のようになってしまいますが、地域の活性化、地域おこしやまちおこしの議論をすると、まず一番大事なのは、その地域に住む人たちが、自分たちは一体何を持っているのかという、自分たちの足元を見る、見つめ直す、そして気づくこと、そしてそれを地域の人達が共有する、そこが出発点であると。ないものねだりをしてもしようがないので、自分たちが一体何を持っていて、それはどういう強みがあるのかというところに、気づくところ、そこからスタートして、初めて地域の活性化、地域おこしというのが始まっていくという話が巷間で言われていることであります。まさに新潟県民自身、自分たちの持っているもの、自分たちの足元を一度多くの人に考えてみていただいて、まさに県民一人一人がセールスマンであって、いろいろなところでそれを表現していただくことが、結果として新潟の魅力を多くの人に伝えるということにつながっていく。それが新潟の地域おこしになっていくというふうに思っています。
Q NHK
まだ、具体的にいついつまでというのは決まっていない感じですけれども、イメージとしては常設なのか。
A 知事
常設では議論も深まらないかもしれませんので、3、4回はぜひ開いて、委員としてはおいでになれなかったけれども、ぜひ伺ってみたい、お話を聞いてみたい方も大勢おいでですので、そういったお話も伺いながら、少なくとも来年度は数回、3、4回以上は開いてお話を伺えたら、議論できたらと思っています。
Q NHK
この結果も発信をすれば、よりよい発信に。
A 知事
そうですね。ぜひ報道の皆様方にも関心を持っていただいて、県民に伝えていただけたらとお願いしたいところです。
Q 読売新聞
現時点でお聞きするのはちょっと早いのかもしれませんが、各県で県のPRをするときに、例えば香川県のように「うどん県」などと一本足打法でいく方法もありますが、知事の期待する方向性としては多様性を見出して訴えていくという。
A 知事
そこは、これを受けての何か新潟県のプロモーションのやり方について考えを持っているわけでありませんが、少なくともこれまで新潟はこの10年近く「うまさぎっしり新潟」というキャッチコピーできているのですよね。これはまさに多様な魅力がありますということを表現して、そのうまさも食のうまさだけではなくて、例えば燕三条の工芸品的な巧みみたいなものもうまさとして表現を含んでいるのですが、多様性の豊かさ、いろいろなものが豊富にあるということのアピールできているのですが、それが同時に、先ほどのうどん県のような、キラーコンテンツというか、ぐっと突き刺さる一番飛び出たものがないではないかと。新潟というのはこれだというものがないよねという批判にもなっているところでもあるのです。そこは非常に難しくて、まさに新潟は大きな県ですので、その多様性があるがゆえに、1つに決めきれないというところは悩みとして持っていると思っています。そういうところもこの懇談会の中で意見を交わしていただきたいと思っています。その中で、もし、皆さんの意見を集約すると、例えば雪なら雪、お酒ならお酒だけに絞って、今後は県のプロモーションもそこにリソースを最大限投入すべきだとか、そういうようなご提言になるかもしれません。そこはこれから、皆さんのお知恵をいろいろと伺いたいと思います。
Q 読売新聞
最終的には、この懇談会で何か提言を出して、県の政策に反映していくという。
A 知事
もちろん、県の政策に取り入れられるものは取り入れていきたいと思います。
Q 新潟日報
やはり県民全体で共有するためには、ここにいる委員の方々だけで話し合っても、なかなかもったいないと思うのですが。
A 知事
そうですね。仰るとおりです。
Q 新潟日報
そういった意味では、県民とみんなで考えるという形をどう作っていくのかなと思うのですが。
A 知事
それは、1つは皆様方の報道にも期待しているところもあるのですが、それだけではなく、アンケート調査みたいなこともやりたいと思いますし、委員の皆様がどのように考えるかですが、場合によっては公開討論とか、公開セミナーとか、そういったことも多くの皆さんに意識啓発をしていく上では、やり方としてあると思います。
Q 新潟日報
その仕掛けはこれから委員の皆さんと考えて。
A 知事
そうですね。一緒に考えてまいりたいと思います。
Q 毎日新聞
これまでも、いろいろなイベントなどで新潟の魅力とは何だというのを考える機会があったと思いますが、今なぜこのタイミングで、今回この魅力というものを切り取って、有識者を交えた懇談会を設置することに、課題とかがあってのことなのでしょうか。
A 知事
まさに私自身が感じていたことなのです。記者会見の場でも言ったことがあるかもしれませんが、新潟の人ってあまり、県民気質かどうか(分かりませんが)、自慢しませんよねと。客観的に見ればすごくよいものを持っていると私自身も思うのですが、よく言われるように駅前でタクシーに乗って、「何か新潟のよいところ、美味しいものとか見るところとかあるんじゃないの。」と言っても、「いや、新潟ってあんまりないんですよね。見に行くところ。」とか、そういうふうに答えられてしまうというのがよく聞く話であり、私もそういうふうに感じているので、ここは先ほど申し上げたように、地域おこしのいろはは、そこに住む人たちが自分たちの持っているものに気づいて、そこをどう生かしていくかというところから始まると先ほどお話をしました。あの発想で、改めて県民の皆さん、もっと我々が持っているものを考えて表現しましょうという、言うなれば呼びかけをしようという、そういう気持ちでの発想です。
Q 毎日新聞
これに至る前段階として、例えばインバウンドの伸び率が隣県に比べて低いですとか、そういった問題点を考えてのことでしょうか。
A 知事
交流人口の拡大というのは、私の関心事として繰り返し申し上げてきていますので、念仏のように交流人口拡大と言ってもそれはしようがないので、いろいろな政策を考えていかなければいけませんが、これもそういうものにつながる政策といえば、政策といえると思います。
Q 毎日新聞
最終的にこの懇談会で出た話を政策提言とかに盛り込みたい。
A 知事
(政策提言)のようなものになっていたら、ありがたいと思ってます。
Q 毎日新聞
まだ始まってもいない中であれですが、例えば、先ほど仰った「うまさぎっしり新潟」に替わる新しいキャッチフレーズをとか、何か今の段階でお考えになっている。
A 知事
そういうミッションというか課題をお願いしているわけではありません。結果としてそういうご提言をいただければ、それはそれで非常にうれしいと思います。
柏崎刈羽原子力発電所に係る積雪時の避難計画について
Q 新潟日報
柏崎市の櫻井市長が先日の夜、冬の雪道を実際(車で)走ってみて、かなり雪道の中で避難する大変さを実感したということで、自宅待機の必要というのを避難計画に盛り込んでほしいというようなことも仰っていたのですが、お聞きにはなっていると思いますが、どう対応していくかとかそういった部分、何か決めたものがあればお願いします。
A 知事
むしろ報道で承知しているだけで詳しくは分かりませんけれども、県の地域防災計画の中でも、避難することがかえって危険を伴う場合は屋内退避することを市町村とともに検討すると定められていますので、もちろん屋内退避ということは十分あり得ると思います。今回は柏崎市としておやりになられたのかよく分かりませんが、以前から申し上げているとおり、避難訓練とか、検証委員会での検証作業もそうですし、そういった課題が出てくれば、それをまた避難計画に反映していくというのは当然やっていくべき作業。そうやって実効性を上げていくことが必要だと思っています。
平成31年度当初予算最終調整について
Q 新潟日報
予算最終調整が昨日始まりましたけれども、まだ最終調整の1回目しかやっていらっしゃらないかと思いますが、終えた上での。
A 知事
まだまだ入り口です。本当にフレームの議論をしただけで、県税収入の見込みとか、これまでの県債発行の推移とか、全体の枠組みのまだ入り口のところです。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
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