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平成30年1月4日 新潟県知事 年頭記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0050452 更新日:2019年3月29日更新

(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

  1. 日時 平成30年1月4日(木曜日)
  2. 場所 記者会見室
  3. 知事発表項目(11時00分~11時01分)
    年頭あいさつ
  4. 質疑項目(11時01分~11時49分)
    • 県管理道路の路面陥没事故について
    • 新年の抱負について
    • 農業について
    • 原発関連問題について
    • 県民健康ビッグデータについて

知事発表

年頭あいさつ

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。新年これから、予算編成、新総合計画の策定が本格化してまいりますが、ぜひ県民の皆さんの幸福を少しでも増やして、不幸を少しでも減らせるように全力で取り組んでまいりたいと考えております。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

質疑

県管理道路の路面陥没事故について

Q 新潟日報
 昨年末に発表がありました県管理道路の陥没について伺います。発生から3週間程度経って新たな事実が発表になったのですが、知事が、与板維持管理事務所に通報が行っていたことを確認したと言うか、知事のところに連絡が来たのはいつだったのでしょうか。

A 知事
 12月28日の11時です。

Q 新潟日報
 それを聞いたときに、それまでに長時間かかったことについて何か疑念ですとか、そういうようなことを感じたことはありましたでしょうか。

A 知事
 疑念と言うよりは、その報告だけでは判断が付かないので、ともかくそこまでに上がってきた報告書を、私宛てに作った報告書ではなくて、それぞれの段階で上がった報告書そのものを持ってきてくださいとお伝えしました。原資料みたいなものですよね。それを持ってきてくださいとお伝えして、正確な時間は忘れましたが、15時か16時ぐらいに、私ではなくて中間管理職に上がるような報告書みたいなものをもう1回見たということになります。それを見て判断する限り、意図的な隠蔽はおそらくないと私は判断しています。だからいいと言いたいわけでは全くなくて、とは言いながら、中間でひたすら、ああでない、こうでないという整合性を取っていたなという形跡が非常にあり、かつそれぞれが微妙な範囲で自分の責任を回避して曖昧な報告をしていて、それがさらに、曖昧な報告をした上でまた整合性を取ろうとするものですから、行ったり来たりして、ものすごい時間を要していたのだろうなと今のところ判断しています。それ自体が非常によくないことなので、体制として改める体制をつくっていきたいと思います。

Q 新潟日報
 ただ一方で、新潟日報社の取材で、事故発生当時の12月7日に陥没した部分についての沈下情報が事前にあったかどうかを確認したところ、それについては回答をいただけなかったのですが、そういう事実がある中で、こういうことが起こっているというのを、知事は弁護士でもいらっしゃいますが、本当に額面どおりに受け取ったということでよろしいでしょうか。

A 知事
 額面どおりに受け取っているわけではないです。それぞれの原資料を見て、今ほど申しましたとおり、それぞれがおそらく自己責任回避的な動きで、いかがなものかという報告書を書いてるわけです。嘘はないです。嘘はないのですが、微妙に言い訳が入って情報が不確定になっている。私が言ったのは、技術者としてこんなものを書いてはいけませんと。技術的な報告書というのは、医師のときに医師としての報告書は書いたりしますし、もちろん弁護士としても書くのですが、事実関係が絶対に分からなくならないように、どこから何センチのどこどこでどうなったと書かなければいけないのに、そういうことが非常に抜けた報告書が上の方に上がっていっているのです。下の段階から。全体としての隠蔽ではないし、個人としても思いっきり隠蔽はしていないのですが、そのままでいいとは全く思えない形の上がり方や調整の仕方をしていると把握しています。通報管理の方法、報告書の書き方から、全部体制をつくり直さなければならないことだと考えています。

Q 新潟日報
 6月にダム管理の話(加治川治水ダムの水難事故)があった中で、同じ部でもう一度こういう事案が発生してしまったと。それについては6月の事案が生かされなかったのではないかという指摘もありますが、知事はどのようにお考えでしょうか。

A 知事
 仰るとおりだと思います。振り返ってみれば、違う事案と言えば違う事案ですが、構図としては比較的似ていて、それぞれが決して思いっきり嘘や思いっきり隠蔽などはしていないのです。本当に隠蔽するつもりなら警察に最初から言わないわけですから。それぞれには(報告が)行っているのに、直属の上司への報告が非常に責任回避的で曖昧なものになっているのです。それが情報の伝達を妨げていると言うか、混乱させてしまっているのです。それぞれの人に(情報が)行っている部分はあるので、いずれにせよしばらくすればこうなるに決まっているのです。数週間すれば結局その情報は整理されて、結局その人の責任になるというのは予想されるのに、ともかくその場では責任回避的な報告を上げるということが繰り返されているなというのを非常に認識しました。加治川の事故のときもそういう図式ではあったので、それをもっと徹底的に洗い出すべきであったと思います。それは私に責任があると思います。もう2回やっているわけですから、これはもうほぼ明白に、体制的な問題があるということなので、そういった報告処理と言いますか、事故になる前のちょっとした案件処理ですよね。案件処理の報告書は必ず作るべきだと思います。かなりきちんとした報告書を作るべきです。技術的な。報告書の作り方、共有の仕方から、そしてそれを上司に上げるときの方式から、一度よく練り直すべきことだと考えています。

Q 新潟日報
 また同じようなことが起こってしまったということで、率直にどのように見られたかというのを聞かせてください。

A 知事
 全くいけないことだと思います。それは大変申し訳ないですし、私の認識不足だったと思います。特に6月の時点できちんと対処できなかったというのは、非常に認識が不十分だったと思います。さらに今回の件はもう一つ大きな問題点を突き付けていて、加治川ダムの放流は今までやっていないことをやったという部分があったわけです。今度は老朽化したインフラの維持管理という問題で、事案としては今後とも必ず発生してくる事案なのです。対処できるできないは別として、少なくともいろいろなところの陥没のような問題は次々と出てくるわけなので、今度こそはきちんとやらないと、同じ問題を放置すると何回も繰り返すということは明白だと思います。ぜひこれはきちんと対応してまいりたいと考えています。

Q 新潟日報
 6月の時点で全庁的に広報の不備などを見直すような会議をされたと思いますが、その時点でどのようなことが足りなくて今回のことが起こってしまったと知事は思っていらっしゃいますか。

A 知事
 あのときに考えたのは、内部できちんと規定したものの手順が守られていないような事案があるかということだったのです。加治川の事故はダムの管理規程みたいなものをきちんと守っていないということだったので、それは洗い出したことは洗い出したわけです。報告みたいなことに関しては、私の不備ですが、ある種、例外的な事象なのだろうと考えてしまったわけです。少なくとも加治川ダムの放流という比較的、例外的なことが起こったので、非常に責任回避的な報告書を上げたのだろうと考えたわけです。対策の基本は、マニュアルをきちんと実施しているかしていないかということに特化していたわけです。今回起こったことは事案としては似ているのですが、マニュアルそのものがない、マニュアルを守らなかったと言うよりも、こういった老朽化管理に対して適切なマニュアルができていないということではあったのだと思います。老朽化したもののいろいろ報告と言いますか、地域から出てくるいろいろな通報に対する処理が体系化されていないし、処理したものの報告書も体系化されていない、それを共有する方法も体系化されていないというような、体系化されたものの手続違反ではなくて、体系化されていないことそのものを把握していなかったということだと思います。また、報告書の上がり方というのが、前回は例外的な事象だと思ったのですが、2回繰り返している以上はそもそも報告書の在り方というものをフォーマット化しなければいけないということなので、(加治川の事故は)例外的ではなかったということだと思います。両方を含めて、本当に2回目になってしまって恐縮ですが、きちんとした体制をつくっていきたいと考えています。

Q 新潟日報
 具体的にこれをするというのはこれからだとは思うのですが、これから。

A 知事
 そうですね。具体的には極めてシンプルに、通報処理簿と言いますか、通報処理表というものをきちんとフォーマットを決めるということです。フォーマットを決めて、5W1Hを必ず書くと。それができていないというのもまた驚きなのですが、それをきちんと決めて、かつそれを共有する方法を決める。共有したら、次の通報があったときにそれを検索する方法を決めるということをするだけで、だいぶ改善するのだと思います。それをやるということは方針としては決まっているのですが、それを具体的にどのようなシステムにするかは少し練らないといけないところだと思います。あとは通報に関しても、ルールをきちんと作って、誰にどのような責任があったかというのは、ゆっくり時間をかけて報告すればいいので、まず事実をその瞬間に上げるということをマニュアル化して徹底しようと思っています。

Q NHK
 加治川の事故が起きたときに、通報と言いますか、情報共有の在り方と広報の在り方ということで2点課題が挙がったのですが、今回も同じことが繰り返されたのかなと思います。まず、広報の方なのですが、結局発表されたのは仕事納めの日の夕方5時半頃ということで、しかも知事のコメントを付けてということなのですが、広報体制の在り方ということについては、今回は適切だったとお考えでしょうか。

A 知事
 適切ではないですよね。ただ夕方5時半になった理由は、県の意図としては午前11時に私に上げてすぐに発表しようとしていたわけです。ところがその報告書では経緯が分からないので原資料を持ってきてくださいと言って(報道発表が)遅くなったので、私の指示が原因ではあるのですが、ただ、最初から(経緯が分かる資料を)付けてくるという話だと思います。いずれにせよ夕方5時半になってしまったのは大変恐縮なのですが、狙ってやったわけではないというところは、それはそうなのだと思います。一応、11時なり12時なりに発表するつもりではあったのだと思います。ただそれも、広報に手間がかかることも含めて、うまく事実を先に上げなければいけないのだと思います。また、問題点としてあるのは、広報の段階で全ての責任関係を明確にしておかなければならないという意識があるのだと思います。広報の段階でそうしないと責任追及になってしまうから回避しなければならないというところがあって、非常に時間を要するみたいなことが複数回起こっているわけなのですが、それをそうしないということだと思います。事実しか分からないときは事実だけを広報すると。責任関係については調査中だから別途発表すると。そこをきちんと分けるべきだというのを、きちんと体系化していきたいと思っています。広報には問題があったと思います。

Q NHK
 情報共有の在り方であるとか、組織としてどのように情報をまとめていくかという力が弱いのかなと感じるのですが、同じ土木部で起きたというのも重大かなと思うのですが、改めて再発防止と言いますか、緊急で指示されたことはどのようなことになりますか。

A 知事
 まず事実を上げてくださいということです。結局、今回の件も前回の件もそうなのですが、やった人は全然得していないのです。ただ単に問題が複雑かつ大きくなっているだけであって、今どき事実は隠しようもないし、そもそも隠す意図でやっていないのです。ひたすら責任の整合性と言いますか、責任というものに関して説明するための調整みたいなものに時間をかけてから発表するということをしている。それが結局、何のプラスにもなっていないのに、それを繰り返すというのがあって、組織の中でそういうことが優先されている風土があるのだろうなとは思います。組織の中で責任の整合性を取らなければいけないのは取らなければいけないでいいとして、それと事実は独立なのだということをぜひ徹底させていただきたいと思います。事実をともかく事実として上げてくださいということです。情報収集も、事実よりもそういったことの方が優先してしまう組織体制と言いますか、事実としてそうなっているからこうなったのだと思うので、それを否定しても始まらないので、まず何に対処するべきかということが分からなくなってしまっては本当にいけないので、まず事実に対して対処すべきだということを組織としてもう一度徹底させていただきたいと思っています。

Q NHK
 先ほどから責任という話もありましたが、ご自身も含めて2回目ということもありますので責任の取られ方、それから関係者の責任。それから新年度の組織改編などもありますが、加治川の件と今回の件に関連して何か組織の在り方を考えるだとか、どういったことを考えていますか。

A 知事
 まず責任はきちんと基準に従って適切に処分も当然検討させていただくというふうに考えています。組織改編そのものはそれほどは考えていなくて、組織の構成をいじってどうなるという話ではなくて、前の質問でお答えしたとおり、情報共有の在り方というものをきちんと体系化すれば解決する問題だと思うので、そちらをしっかりとつくっていくのが重要だと思っています。

Q 新潟日報
 今回、12月21日に与板維持管理事務所から実は通報がありましたという話があって、それが知事に報告が上がるまで1週間かかったということに関しては、知事も遅いということは思っていらっしゃいますか。

A 知事
 当然遅いです。それまで何をしていたかと言うと、いかに知事に説明をするかということをひたすら調整していたわけです。

Q 新潟日報
 遅いということに関しては、遅いよねと指摘されたわけですよね。

A 知事
 もちろん。

Q 新潟日報
 そうすると向こうは遅かった理由については何と知事に言ったのですか。

A 知事
 いろいろなことを言いますよね。

Q 新潟日報
 今まで知事が縷々仰ってきたようなことを言っているのですか。調整に時間がかかりましたとか、そういうことですか。

A 知事
 それはいろいろな理由は付けられるからいろいろ言うわけです。

Q 新潟日報
 知事は就任以来、都合の悪い事実ほど率先して情報を上げてほしいということを繰り返し仰ってきたと思うのですが、まだ浸透し切れていないのかなというのも率直に感じるのですが、その点はいかがですか。

A 知事
 浸透し切れていないのでしょうね。ただ、少なくとも(情報を)上げないということではないので、上がってはきているわけです。もちろん浸透し切れていないのでしょうけれども、不十分な点はあるにせよ、それは多少は理解していただいた上で、ひたすらきちんとした形にしなければ報告できないみたいな文化はあるのでしょうね。そこは本当に改善しなければいけなくて、報告は別にきちんとしなくてもいいのです。要するに今分かっていることを今分かっているように報告すればいいわけなので、多少なりとも整合性が取れなかろうが、誰の責任かよく分からなかろうが、その状態ですということを、分からないことは分からないという状態で言えばいいということがなかなか徹底されないのだなということですよね。きちんとした報告書ができる状態になるまでは、調整してからみたいなのは本当に意味がないと思いますので、そこは徹底していきたいと思います。

Q 新潟日報
 加治川の事故のときもそうだったのですが、県の出先機関、現場と本庁との情報のディスコミュニケーションと言うか、情報共有のなさというのが一つの原因としてあったのかなと思うのですが、出先機関の在り方とか、出先機関と本庁とのコミュニケーションの在り方ということに関しては現状どのようにお考えになっていて、見直すべき点はどのようにお考えになっていますか。

A 知事
 そこはそれほどと言いますか、本庁の中の情報共有の在り方と、出先機関と本庁の情報共有の在り方がそれほど乖離しているとは思わないと言いますか、情報共有は少なくとも1日あれば何だってできるわけです。要は別組織なので、ひたすら出先機関は出先機関の中で一生懸命、整合性を取ろうといろいろな調整をし、どう報告するかと必死で作り、それから本庁に行き、本庁の中でもう1回調整をし、それをしてから知事に行くということをしているというのが原因なわけで、どちらも基本的には共通な話なのだと思います。ただ、出先機関は出先機関である種のまとまりがあるので、その中でまず1回調整し、ワンステップを経てからもう1回調整するから、2回経てしまうということだと思うのですが、そこはほぼ同じ処方箋と言いますか、ともかく事実をちゃんとまず上げなさいと。出先機関の責任者も、とっととそれを本庁にその状態で上げなさいということを徹底するということに尽きるのだと思います。

Q 新潟日報
 昨年の12月22日まで議会が開催されていて、21日の時点では情報がアップデートできたと思うのですが、アップデートされないまま議会で昔の不足している情報に基づいて議論が行われてしまったと思うのですが、今後議会に対しては、今回の情報の遅れですとか、そういった点についてはどのように説明されていくおつもりですか。

A 知事
 率直にそのまま説明させていただいて、もう一度きちんとしたものを示させていただいて議論させていただきますし、またそれに対する対策に関しても議論していただきたいと思います。

Q 新潟日報
 今回現場で事故があった箇所をチェックしながら結果的に事故が防げなかったということだと思うのですが、知事の職員に対するあいさつの中でもインフラのチェックですとか、その辺りの更新についての話もありましたが、まず防ぎ切れなかったことについてはどのように捉えていらっしゃいますか。

A 知事
 本当に非常に残念だと思います。それに対してそれなりの理由があると言いますか、今回に限って言うならば、今回のその場の判断に限って言うならば、それはこの判断でもやむを得なかった部分はあると思います。ただ、きちんと通報処理というものが体系化して(情報が)たまっていれば、このときもあって、このときもあって、比較すれば少し沈下しているのではないかというようなことは分かるのだと思います。そういう同じ通報に対する処理でもきちんとそれが体系化されているかされていないかで全然違うのだと思います。今回のその場の判断そのものはやむを得なかった部分はあるとは思うのですが、そうなってしまった理由は、結構な部分は通報処理というものがきちんと体系的になされていなかったということだと思います。あとは、ずっと言われてきたことでありながら今まで危機感を持っていなかったのかということになってしまうのですが、インフラの老朽化というのは実は非常に大きな問題で、我々が予想していなかったようなことが起こる。もう忘れてしまっている工法で作られているので、こちら側は大丈夫でも反対側で砂が抜けているというようなことがあるということを理解しないとこういうことが起こってしまうので、工法も含めてインフラの維持管理の新しい体制をつくっていかなければいけないと思っています。

Q 新潟日報
 体系化というのは、例えば過去10年とか20年の中できちんと体系化されたものがあれば、ある程度今回も対応できたかもしれないと。そういうイメージですか。

A 知事
 そうです。10年でなくても、今回の件だけでも、一連の通報処理が本当の意味で共有されてないのです。共有しているという言い方を担当者はしていますが、それはメールで回したか回さないかぐらいな話であって、要するに通報があったら必ず直近の同じような通報を参照するというようなことが体系的になされていなくて、今回の1週間以内ぐらいで起こった一連の通報ですら、直前の通報に対する処理状況を参照したかどうか怪しいのです。ちらっとは参照したかもしれないですが、ちゃんと見ていたかどうか怪しい。かつ、それぞれの処理状況が決まったフォーマットで書かれていないので比較できないのです。それがちゃんと決まったフォーマットで書かれていれば比較できますから、そうすると1週間前よりは少し沈下しているみたいなのが分かるのだと思います。それができる状況になっていないということで、それは大いなる改善が必要だと思います。

Q 新潟日報
 今回のケースについては、被害に遭った方や住民の方も含めて、なぜきちんとチェックしたのになぜ防げなかったのかとか、再発防止をきちんとしてほしいという県民の方の思いがあるのですが、知事はそれについてどのように考えていらっしゃいますか。

A 知事
 まさに仰るとおりだと思います。チェック方法は、下の土が抜けるということを想定していないチェック方法なのです。基本的にやっていることは、目視だけなのです。目視だけだったら基本的には点検するのに限界があると言いますか、そういう状況ですし、ほんの直近のものですら数値で比較できるような形になっていないから、結局目視による印象しかないというようなことになっているのだと思います。ここはぜひ本件を教訓として、通報自体はこれから数が増えてくるはずなので、それに対してきちんと、データの入れ方から、参照の仕方から、そして検査の仕方から、ちゃんと本件を教訓にして体制をつくっていきたいと思います。想定できないものはありますので、ゼロにはできないと思いますが、再発防止に努めていきたいと思います。

Q 新潟日報
 識者の中には、現場力が十分だったのかという指摘もあるのですが、現場力のアップと言うか、その辺りの必要性というのは知事は感じていらっしゃいますか。

A 知事
 思いますね。ただ、現場力というような漠然とした言葉で漠然と言ってもいけないわけで、技術者として何をすべきか、技術的なチェックというのは一体どういうものなのかということをもう一度きちんとしたフォーマットにして共有することだと思います。仮に人員が足りなくてそうなっているというのであれば、人員の補充も考えるべきでしょうが、その前段階としてただ勘に頼るみたいな話ではなくて、漠然とした現場力に頼るということではなくて、現場力というものをきちんと定義して、それを共有することだと思います。

Q 新潟日報
 先ほどの発言の中で、上司への説明が責任回避的になっているという趣旨のお話があったと思うのですが、こうしたことがなぜ起きるのか、組織的な宿命なのかを含めて、あるいはこれは改善していけると知事としてはお考えなのか、その辺りについてはどのように思っていらっしゃいますか。

A 知事
 それはおそらく、そうしないといけなかったということを学んでしまったのでしょうね。報告の段階で相当程度にきちんとしたものでないと、処罰を受けるというようなことを経験から学んでしまったのだろうということは推定されるわけですが、少なくとも私はそういうタイプではないと言いますか、分からないという報告が来たところで、特段それを問題視しないと言いますか、分からないことは分からないと言っていただいて構いませんという話です。私自身はそういうタイプです。かつ、分からない部分はもちろん後ほどきちんと解明しますが、報告の段階で全ての話が合っている必要などないというタイプです。そこはもう一度新しく学んでいただきたいと言いますか、私はそれを全く問題視しないので、事実を事実として上げるということをぜひ徹底していきたいと思います。

Q NHK
 今回の件は出先機関と本庁がありますが、瑕疵ないし不作為の主体はどちらになるとお考えですか。先ほど、通報処理が体系的になされていないという話がありましたが、出先機関から本庁に(情報を)上げていなかったのか、それとも本庁にも情報が上がっていたのだけれども、それが管理されていなかったのか。どういうふうに、通報が体系的に処理されていなかったのか。

A 知事
 情報管理そのものに関しては、出先機関の問題です。この件に関しては。ただ、情報管理の方法を決めるのは本庁なのです。職員はそれぞれの出先機関を動くわけですから、それぞれの出先機関で決めろなどというのは、適宜マイ・ルールがあってもいいですが、大きなルールとしては同じでなければいけない。そうしないと、職員がそれを理解できないですから。かつ、違うところ(の情報も)も参照できないですから。きちんとした体制をつくっておかなかったという意味では本庁の責任ですし、この情報がどこで管理されていたかと言えば、出先機関の中だけで管理されていて、本庁に上がるようなものでもなかったので、そういう意味では出先機関の責任ということになるのだと思います。それはある程度やむを得ないと言いますか、出先機関は出先機関の中である程度完結した状態で処理できないと、毎回、全部本庁に上げて、本庁が処理するとなれば、それはそれで本庁がパンクするので、出先機関をつくった意味がありません。そのような分担があるのはいいのですが、その体制をつくらなかったという意味では本庁の責任であり、その状態で情報を(本庁に上げずに)持ったという意味では出先機関の責任であるということだと思います。

Q NHK
 加治川の事故のときは、同様の事例がないか、再点検をされましたが、今回に関しては、そういった指示は。

A 知事
 同様の事例という意味では、同様の構造の橋りょうに関しては、全てチェックしました。そういう意味では、同様の事故が起こり得るようなところは、まずチェックしたわけです。情報の管理というような話に関しては、同様の事例があるもないも、どこにも共通のフォーマットがないという事実はもはや明白なので、チェックするまでもなく、それをつくっていくしかないということだと思います。それは本庁と各出先機関で共通のものをつくらないと意味がないですから、共通の通報処理体制をつくっていく。かつ、全体的にインフラの維持管理システムをつくっていくということになると思います。

新年の抱負について

Q NST
 予算編成がこれから本格化していくという話がありましたが、2018年、知事として具体的にこれに力を入れて取り組みたいというところを教えてください。

A 知事
 どれも力を入れるというのが私のカラーですというのが、繰り返し申し上げているところなのですが、比較的目立つところでは、原発の3つの検証であるとか、県民健康ビッグデータであるとか、給付型奨学金であるとか、さらには新之助やコシヒカリであるとか、インバウンドであるとか、あとはインフラの維持管理体制の構築というのは新たに出てきたのですが、かなり重要な問題であり、かつ、インフラの維持管理の問題点を把握したら、適切なスケジュールで発注して、維持管理していくという維持管理・発注体制の構築というのも出てきますので、そういったことを一つ一つ丁寧にやっていくことだと思います。もちろん産業振興もきちんとやっていくと。それぞれをきちんとやっていくということに尽きるかと思います。

Q NHK
 去年のNHKのインタビューで、ひと言、今年どんな年にということで、前に進むということで「進」という漢字を書いていただきました。今年一年の抱負をお聞かせいただきたいと思います。ひと言ないし漢字一文字か分かりませんけれども。

A 知事
 まさに前に進むということだと思います。1年目は正直、それだけで終わったとは思っていませんが、とは言え、状況に慣れたり、もしくはいろいろな政策を提示するという部分が多かったと思うのですが、それが形になって方向性ができる、そして3年目にはよりそれが進んでいくと信じていただけるような1年にするということが大きな目標であろうと思います。ただ、同時にそういったことを進めるだけでなく、日々の行政をきちんとやるという、先ほどの(インフラの)メンテナンスのようなものもそうなのですが、日々の行政をきちんとやるというのも非常に大きな課題ですので、そこはひたすらきちんとやって、1件でも事故報告のようなものを減らすということも大きな目標として掲げさせていただきたいと思っています。

Q 新潟日報
 知事は新潟県のトップ、リーダーですので、県民に向けて新潟県をこうしていくんだというようなスローガンと言いますか、年頭に当たって県民に対してそういうメッセージがありましたらお願いします。

A 知事
 繰り返しですけれども、それは。

Q 新潟日報
 こういうふうにしたいとか、引っ張っていくとか、そういう意味合いで。

A 知事
 正直それほどないのです。県民のリーダーと言いますが、私が例えば「新潟県は数学よりも英語が得意になるんだ」と言っても、「おれは数学の方が得意だ」という人もいっぱいいますでしょう。新潟県の方向というのは、新潟県民が決めることだと思います。行政がやることというのは、皆さんが自分の目標や自分の幸せというものを実現しやすい環境をひたすら作ることだと私は思っています。それが行政のあるべき姿であり、その中で本当に活躍していただくのは、新潟県民の皆さん一人一人なので、あえて言うなら、県民の皆さん一人一人が活躍しやすいように、活躍できるような環境を作っていきたいと考えていますので、ぜひ活躍していただきたいと思いますし、活躍するためには不幸だと活躍できませんから、本当に不幸を減らせるように全力を尽くしてまいりたいと考えています。

農業について

Q 日本農業新聞
 農業分野で特に力を入れる、あるいは2018年の農業分野でキーワードになるような言葉というのを、もう少し深掘りしていただければと思います。とりわけ、全般のところと、米の生産調整の見直しということでお米と、2通り教えていただければと思います。

A 知事
 農業分野は仰るとおりと言いますか、最大のトピックは何と言っても、平成30年問題に対する対処と言いますか、今年の米ですよね。どうするか。作付けから、さらには最後の値段のところまできちんとやっていくということに尽きるのだと思います。まずは、全量としては作付けのところでだいぶ勝負が決まるので。今のところ、なんとかなるのではないかという観測ですが、作付けのところがありますよね。それは管理とは言えませんが、作付け目標を適正にしていくというのがあります。ただ、作付けがどうであれ、そのあと本当に売れるのは秋口ですから、そこにおいては広報を含めて需要喚起と言いますか、シェアの奪い合いというのは事実としてあるわけですから、シェアの奪い合いできちんと勝っていくというのもあり、やはり平成30年は一つの試金石になる中で、全国的な調和を取りながら、同時に、新潟県としては新潟県として勝つのだということを実行していくことになるかと思います。それは決して主食用米一本足打法でいけるということではなく、それをやっていくには当然、様々な加工や業務用米を含めた幅広い米であり、さらには果樹や畜産を含めた幅広い農業ということになっていくと思います。

Q BSN
 先ほど業務用米への言及もありましたが、県としては推進しようとしている中で、規模が小さい農家にとっては、なかなか取り組みづらい分野ではあると思いますが、こうした状況を踏まえながら、いかに拡大させていくお考えですか。

A 知事
 そもそも売れる、採算が取れるということが大事だと思います。売れる、採算が取れるということであれば、やってくださるわけなので、業務用米としてのブランドを確立していくというのは、一つの重要な観点だろうと思います。新潟はイメージとしては、主食用米で有名になり過ぎて、業務用米をやっているというイメージがないと需要者はよく言われるのです。ただ、業務用米としてあれば、新潟米と銘打てるわけですから、まずは大型の農家やJA等とよく連携して、需要をしっかりと確保する体制をつくっていくということが第一だろうと思います。それがきちんと確立すれば、自然に供給も増えてくるでしょうし、同時に、それはなかなかすぐにはいかないですけれども、より一層の多収性と言いますか、より一層の栽培の簡易化、共通化ということをして業務用米というものを作りやすくしていくことだと思います。需要サイドに応じられるような体制を作っていく。基本的には大型の農家さんと販売側で作っていく。あとは、供給をしやすくすると言いますか、生産技術を高めていくということの二つで進めていきたいと思います。

Q BSN
 県が示した(生産目標の)目安というものがあるかと思いますが、これに沿った形で作ろうとされている場所もあれば、そうでなくて独自にという場所もありますが、これについてはどのような認識ですか。

A 知事
 それはそれぞれでいいのだろうと思います。業務用米は品質の統一というのが重要なところではあるので、同じようにやったら同じような味ができるというのが非常に重要なところではあるので、それはある程度は標準化してほしいところではあります。ただ一方で、お米は果樹ほどちょっとした作り方で味が変わるという作物でもないので、そういう意味ではそれぞれの工夫の余地ももちろんあっていいと思います。

Q BSN
 新潟県はコシヒカリがまずあって、新之助を売り出そうとしていて、業務用米、加工用米にも手を広げようとしている状況だと思うのですが、平成30年の減反廃止と言われるものが、新潟県の米政策にもたらすものというのは、知事はどういう展望を持っていますか。

A 知事
 展望と言いますか、展望と希望と同じなのですが、基本的にこの中で勝ち残るということなのだと思います。結局、平成30年問題と言いますか、減反の終わりではあるわけです。いろいろな言い方をしますが、いずれにしても生産調整の終わりではあるわけなので、基本的にはある種の優勝劣敗というものが産地ごとについていくのだと思います。その中で比較優位のあるところが残るというのが健全な姿だと思いますし、その中で新潟県は随分比較優位はあるのだと思います。ブランドという意味でも、今までは比較的米に特化した生産体制を全国に先駆けてつくってきたという点でも。そういう意味では、ここは新潟県が比較優位の中で生き残る契機にしていかなくてはならないと思いますし、していけると思っています。

原発関連問題について

Q 時事通信
 (原発事故に関する)3つの検証についてですが、検証も年末にかけて進みまして、来年度に向けて到達目標があれば教えてください。

A 知事
 来年度までの3か月でそれほど大きく動かないと思いますが、基本的には検証総括委員会が立ち上がって、その上で本年中に大体の論点が出てくるというのが一つの目標だろうなと思っています。来年度までの3か月は、これから予算編成等が始まるので、ドラスティックにそこを動かせる状況ではないと思うのですが、今年1年で論点をきちんと出し尽くす、とりあえず網羅するということが必要なことだろうと思います。

Q 時事通信
 検証総括委員会に関しては、今年度中に開くという。

A 知事
 そうですね。その方向で調整しています。

Q 時事通信
 来年度の予算編成に向けて、今は3つの検証をされていますが、例えば新たな検証委員会を作るとかですとか、避難委員会の方では、避難訓練もするというお話がありましたが、予算を取るということに関しての新たな動きなど、考えているものがあれば教えてください。

A 知事
 来年度はそこまで(予算額の変化は)大きくはないのではないでしょうか。再来年度と言いますか、来年には避難計画を実行していく段階になってくるので。そういう意味では、再来年度予算ではそこは入ってくる可能性はあります。もしかしたら補正予算で入ってくるのかもしれませんが、現時点で避難計画ができていない状態で、避難訓練の予算は非常に取りづらいので、来年度予算においては、まだ現状からの継続という形だろうと思います。新しい委員会を立ち上げるというのはあまり考えていません。この枠組みの中でやっていくということだと思います。

県民健康ビッグデータについて

Q 新潟日報
 先ほどの職員へのあいさつでも、医療ビッグデータ構想について、怯まずにというようなお話もあったかと思いますが、改めて具体的な姿を作っていくスケジュール感という辺りと、遅れているのだとしたらどのようなところが課題になっているのかという辺りをお聞かせください。

A 知事
 遅れてはいないと言いますか、まず本年中くらいに最初のパイロット(事業)であるところの6病院に、小さな電子カルテを入れてというふうに考えていますので、遅れているという認識ではないです。ただ、そもそもそれが遅れていないという理由は、そもそも時間がかかると思っているからと思っているところがあって、(実際に)時間がかかるのです。こういうものはきちんと時間をかけて、きちんと最初に要件定義と言いますか、制度設計をするのが重要であり、それをしないで急いでやってしまうと大体失敗するのです。ところが、それは(周りから)必ず遅れているのですかと言われ、何をしているのだと言われ、かつ、もちろん専門家の手助けはいろいろ借りるのですが、必ずしも専門家でない人が取り組まなければならない部分も出てくるので、そういう意味で担当になる職員の方にはそれなりにチャレンジングな仕事だろうと思います。きちんと全体的な状態を理解しながら、まず自分が分からないということに関して怯まずに、その次には周りからいろいろ言われていることにも怯まずに、専門家の人もきちんと正しい方向を示してくれますので、専門家の示す、かつ自分でも考えて正しいという方向にひたすら進み続けるということをしていただきたいと思っています。

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。


(過去の知事記者会見の一覧はこちら)

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