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中国 黒龍江省との交流
概要
面積 | 47.3万平方km(日本の総面積の1.2倍。新潟県の36倍) | ||
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人口 | 3,788.7万人(平成29(2017)年) | ||
民族 | 94.74%が漢族。そのほか満州族、朝鮮族、蒙古族、回族、ダフール族、オロチョン族などの少数民族が居住。 | ||
省長 | 王文涛 | ||
省都 | ハルビン(哈爾浜)市 | ||
交通 | 北京-ハルビン | 高速鉄道 | 約7時間30分 |
飛行機 | 約2時間20分(毎日数便) | ||
新潟-ハルビン | 飛行機 | 2時間10分(週4便=月水金と土または日) | |
主要都市 | ハルビン(哈爾浜)市 | ||
チチハル(斉斉哈爾)市 | |||
ジャムス(佳木斯)市 | |||
牡丹江市 | |||
位置 | 中国東北部、北東アジア地域の中心部。日本の北海道より北 | ||
気候 | 大陸性モンスーン気候 | ||
動植物 | 動物:東北虎、丹頂鶴、白鳥 | ||
植物:ライラック |
松花江(ハルビン市内) 聖ソフィア聖堂(ハルビン市内)
新潟県との関わり
新潟市がハルビン市と昭和54年(1979年)12月に友好都市提携を行ったことを背景として、昭和58年(1983年)6月県議会・定例会において「中華人民共和国黒龍江省との友好関係促進に関する決議」が議決され、これに基づき同年8月友好提携が実現しました。
昭和49(1974)年 | 知事を団長とする第1次友好訪中団が訪中 |
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昭和53(1978)年 | 知事を団長とする第2次友好訪中団が訪中 |
昭和56(1981)年 | 中国黒龍江省輸出商品交易会新潟県代表団訪省 |
昭和58(1983)年 | 友好関係促進に関する決議が県議会で議決 |
知事を団長とする第3次友好訪中団が訪中 | |
陳雷省長を団長とする黒龍江省訪日団が来県 8月5日 新潟市において友好協定締結 友好協定締結記念植樹 |
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昭和59(1984)年 | 黒龍江省人民代表大会常務委員会代表団受入開始 |
省留学生受入開始 | |
昭和60(1985)年 | 省医師等研修生受入開始 |
県議会訪中団を派遣開始 | |
昭和61(1986)年 | 県省青年交流事業を開始 |
昭和63(1988)年 | 友好県省提携5周年記念事業を実施 |
友好提携5周年「友好の翼」訪問団 | |
県省経済交流促進会議を開始 | |
平成元(1989)年 | 県職員派遣研修事業を開始 |
平成2(1990)年 | 省政府代表団(省長)を受入 |
県省定期会議を開始 | |
平成3(1991)年 | 県省スポーツ交流を開始 |
県省教育交流事業を開始 | |
平成4(1992)年 | 県省職業訓練指導者相互派遣事業を開始 |
県省水産研究者相互派遣事業を開始 | |
平成5(1993)年 | 黒龍江省からの国際交流員招致を開始 |
省中国語語学講師受入を開始 | |
友好県省提携10周年記念事業を実施 | |
黒龍江省投資環境調査を実施 | |
平成6(1994)年 | 新航路開設セミナーを実施 |
国民文化交流事業による県省高校生代表団の相互派遣を実施 | |
北東アジア地域自治体会議代表団を受入 | |
省婦人代表団を受入 | |
平成7(1995)年 | 新潟県訪中代表団を派遣 |
県省物産の常設展示場を相互に開設 黒龍江省産品常設展示場(三条市) 新潟県産品常設展示場(ハルビン市) |
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ハルビン地方経済貿易商談会出展 | |
東方水上シルクロードによる第1船「同濱」が新潟港、直江津港に入港 | |
平成8(1996)年 | 技術協力可能性調査団を派遣 |
黒龍江省公安交通管理視察団を受入 | |
平成9(1997)年 | 新潟-ハルビン定期航空路開設決定 |
平成10(1998)年 | 中国産加工好適大豆選定のための共同研究開発 |
環境技術研修生受入開始 | |
国際協力プロジェクト調査事業(環境分野)開始 | |
新潟-ハルビン定期航空路開設 | |
友好県省提携15周年記念事業を実施 | |
平成11(1999)年 | 黒龍江省信訪代表団を受入 |
県省環境保全セミナーの開催 | |
平成12(2000)年 | 松花江有害化学物質分析技術移転を実施 |
平成13(2001)年 | 新潟県訪中代表団(知事)を派遣 |
総合国際交流プロジェクト調査事業(医療、寒冷地舗装)を実施 | |
平成14(2002)年 | JICA草の根技術協力事業(医療、寒冷地舗装)を実施 |
平成15(2003)年 | 友好県省提携20周年記念事業を実施(代表団相互派遣、覚書調印、等) |
JICA草の根技術協力事業(医療、寒冷地舗装)を実施 | |
SARS予防対策支援金贈呈 | |
平成16(2004)年 | 黒龍江省政府が新潟県中越大震災に際し、被害者へ防寒服1,000着を贈呈 |
JICA草の根技術協力事業(医療、寒冷地舗装)を実施 | |
平成17(2005)年 | 新潟県・中国交流促進訪問団(新潟県知事)派遣 |
JICA草の根技術協力事業(医療、道路、植林)を実施 | |
平成18(2006)年 | JICA草の根技術協力事業(医療、道路、植林)を実施 |
平成19(2007)年 | JICA草の根技術協力事業(医療、道路、植林)を実施 |
日中経済協力会議出席(知事) | |
新潟県訪中団(知事)派遣 | |
平成20(2008)年 | 友好県省提携25周年記念事業実施(代表団相互訪問、覚書調印等) |
新潟-ハルビン線就航10周年記念セレモニー実施 | |
日中経済協力会議出席(知事)(本県で開催、総勢720名参加) | |
JICA草の根技術協力事業(橋梁)を実施 | |
平成21(2009)年 | JICA草の根技術協力事業(橋梁、農村)を実施 |
平成22(2010)年 | JICA草の根技術協力事業(橋梁、農村)を実施 |
平成23(2011)年 | JICA草の根技術協力事業(農村)を実施 |
新潟県訪中団(知事)派遣 | |
新潟県ハルビンビジネス連絡拠点開設 | |
平成24(2012)年 | JICA草の根技術協力事業(荒漠化対策)を実施 |
日中経済協力会議inハルビン出席(知事) | |
平成25(2013)年 | JICA草の根技術協力事業(荒漠化対策)を実施 |
友好県省提携30周年記念事業実施(代表団訪問、青少年交流等) | |
日中経済協力会議出席(知事)(本県で開催、総勢380名参加) | |
平成26(2014)年 | JICA草の根技術協力事業(荒漠化対策)を実施 |
平成27(2015)年 | 新潟県訪中団(知事)派遣 |
平成28(2016)年 | JICA草の根技術協力事業(農村)実施 |
平成29(2017)年 | 新潟県訪中団(知事)派遣 |
JICA草の根技術協力事業(農村)実施 | |
平成30(2018)年 | 友好県省提携35周年記念訪問団受入(省人代副主任)、派遣(知事) |
JICA草の根技術協力事業(農村)実施 | |
令和元(2019)年 | JICA草の根技術協力事業(農村)実施 |
友好県省40周年に向けた共同プロジェクトの覚書調印 |
主な定期交流事業
- 行政関係県省定期会議
- 黒龍江省留学生・研修生受入事業
- 新潟県・黒龍江省経済交流と貿易促進会議
- 友好県省40周年に向けた共同プロジェクトの実施
- 県職員派遣研修事業
- 日本語教師派遣事業
- 新潟県・黒龍江省スポーツ交流事業
- 農業青年等国際友好交流推進事業
- 水産研研究者相互派遣交流事業
- 新潟県立大学中国語講師受入事業
- 環境分野における交流事業
- 黒龍江省人民代表大会常務委員会との交流
- 黒龍江省における農業農村整備技術協力事業
政治
黒龍江省においては、黒龍江省人民政府省長、中国共産党黒龍江省委員会書記、黒龍江省人民代表大会常務委員会主任、政治協商会議黒龍江省委員会主席が省の幹部と呼ばれ、省の運営にあたっています。
行政部門は人民政府で、幹部は、省長、副省長、秘書長等を配置しています。
省政府の組織は、発展改革委員会、文化・旅遊庁、教育庁、商務庁等全部で23部門あります。他に直属機関として、市場監督管理局や体育局など12の局・室があります。また、部門を管理する部門や調整を行う部門及び省外の駐在機関等もあります。
経済・産業
黒龍江省は農業が盛んです。耕地面積は約1,594万ha(日本の耕地面積の約3.5倍)、主要な農産物は、水稲、トウモロコシ、大豆、馬鈴薯をはじめとする穀物類、油料(植物油の原料)、亜麻などです。そのほか“緑色食品”と呼ばれる自然食品の生産に力を入れています。さらに、省土の約半分が森林であり、林業も盛んです。
黒龍江省は地下鉱物資源にも恵まれています。大慶油田に代表される石油が有名ですが、石油以外の地下鉱物資源の種類も埋蔵量も豊富で、その種類は確認されているだけで84種類に上ります。
2017年の輸出入の総額は189.4億ドルで、前年と比べ14.5%増加しています。特に対ロシア貿易は省全体の輸出入総額の約半分を占めています。そのほか、黒龍江省は中国におけるビール発祥の地であり、1900年に生産を開始したハルビンビールは、今も変わらずハルビン市民に愛されています。
観光
黒龍江省は、中国国内の冬の観光地としてトップクラスの人気を誇り、2017年には、延べ103万9,000人もの外国人観光客が黒龍江省を訪れました。もちろん冬だけではなく、一年を通じて見どころが盛りだくさんです。
ハルビン市内
ハルビン氷雪大世界(氷祭り)
ハルビン氷雪大世界は、世界三大氷祭りの一つとして数えられる氷雪をテーマにした祭典で、毎年クリスマス頃から翌年3月初めまで開催されています。毎年2,000点の氷の彫刻や巨大な氷の滑り台などの30種ほどの氷雪を楽しむイベントがあり、「世界最大の氷雪のテーマパーク」の呼び名に恥じない開催規模です。夜になると色とりどりに氷像がライトアップされ、観客を魅了します。そのほか、市内各地に氷や雪で作られたオブジェが並び、氷像のコンテストが開かれます。
中央大街
中央大街は松花江の防洪記念塔から経緯街まで、全長1,450mある通りです。石畳の歩行者天国の両側には、ルネサンス、バロックなどの様式のヨーロッパ建築が多く立ち並び、異国情緒があふれています。また、中央大街はハルビンで最も人でにぎわうショッピング街でもあり、大型百貨店にはウインドウショッピングを愛する人々が多く訪れます。ロシア料理店や「モデルン冷飲庁」のアイスキャンディは中央大街の名物で、これを目当てに多くの観光客が足を運びます。
ボルガ庄園
ボルガ庄園は、ロシア文化をテーマにしたスポットです。敷地内には芝生と森が広がり、教会や古城などロシア式の建築物が数多くあるなど、訪れた人を魅了する異国情緒が園内の至る所に漂っています。
庄園内にはいくつかレストランがあり、バイキングや中華料理、本場のロシア料理を味わえます。そのほか、観光客が多く訪れる時期には、ロシア舞踊のショーを楽しむことができます。
太陽島公園・ハルビン新潟友誼園
太陽島は、ハルビン市内を流れる松花江という川の中にある自然あふれる島で、心休まるスポットです。島へは船やロープウェーで渡ったり、橋の上を歩いて渡ることもできます。島内の公園内には日本式庭園「ハルビン新潟友誼園」があり、萬代橋が本物さながらに再現されていて、新潟とハルビンの長い交流の歴史を感じることができます。
ハルビン東北虎林園
ハルビン東北虎林園は世界最大規模の東北虎(アムール虎)の繁殖基地で、東北虎の他にもホワイトタイガーやライオンなどの猛獣が飼育されています。園内で放し飼いにされている虎を、専用の車に乗って至近距離で観察することができます。餌を購入すると虎への餌やりを体験することができ、金網に鋭い爪を掛けて餌を食べる様子は迫力満点です。
万達(ワンダ)モール室内スノーパーク
万達(ワンダ)グループが経営するショッピングモール内に、2017年にオープンしました。場内は一年を通して-5℃に保たれ、いつでもスキーを楽しむことができます。斜度の異なる6本のコースが設けられ、同時に3,000人が滑走可能と言われており、2018年には「世界最大の室内スキー施設」としてギネスブックの世界記録に認定されました。家族で雪遊びを楽しめるエリアや、アイススケートリンクなどもあり、ハルビンの新たな娯楽施設として人気を集めています。
ハルビンの夏音楽会
2年に一度、10日間にわたり盛大に開催される、国家級の音楽祭です。著名な音楽家が一堂に会し、「音楽家のゆりかご」と呼べるイベントです。中国三大音楽会の一つとして数えられ、このことからハルビンは「音楽の街」と呼ばれています。
※写真は黒龍江省人民政府文化・旅遊庁提供
ハルビン市外
扎龍(ジャロン)自然保護区 (チチハル市)
扎龍(ジャロン)自然保護区は、葦が自生する世界最大の湿地で、毎年3月~10月に約400羽の丹頂鶴が訪れます。見どころは丹頂鶴の放鳥ショーで、飼育員の合図で20~30羽の丹頂鶴が一斉に飛立ち、空中を悠々と旋回します。訪れた観光客はショーを間近で観察することができ、丹頂鶴の迫力ある飛行とその美しさに魅了されます。
※写真は黒龍江省人民政府文化・旅遊庁提供
鏡泊湖(牡丹江市)
牡丹江市にある中国最大、世界第2位の大きさの堰塞湖で、湖面が鏡のように見えることからこの名前が付けられています。鏡泊湖の北側にある吊水楼瀑布は、幅は300m、落差は20m以上あり、その勢いはナイアガラの滝にも引けを取りません。春から夏が観光シーズンで、この時期は水量が多く、時折幻想的な虹がかかります。
※写真は黒龍江省人民政府文化・旅遊庁提供
漠河北極村(大興安嶺地区)
漠河北極村は中国最北の村で、黒龍江(アムール川)を国境とし、ロシアと隣接しています。北極村は、中国国内で唯一オーロラを見ることができるスポットです。そのほか、毎年夏至の前後数日間は1日20時間近く太陽が出ている白夜となり、その光景を楽しむこともできます。観光シーズンは夏季または冬季ですが、冬季は-40℃まで下がるので、訪問の際は寒さ対策を万全に。
※写真は黒龍江省人民政府文化・旅遊庁提供
五大連池風景区(黒河市)
五大連池という名前は、この地に大きさの異なる5つの堰塞湖があることが由来です。五大連池風景区には14もの火山があり、それらが独特かつ壮観な地形を構成しています。風景区では、火口に登り風景区全体を見渡したり、温泉地らしい風景を鑑賞したり、冷たい鉱泉水を飲んだりなど、様々な見どころがあります。五大連池の鉱泉水は世界三大冷泉水の一つとされ、「薬泉」や「聖水」と呼ばれています。
※写真は黒龍江省人民政府文化・旅遊庁提供