本文
感染症発生動向調査(感染症サーベイランス)について
感染症発生動向調査とは
感染症発生動向調査は、昭和56年から開始され、平成11年4月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)が施行されたことに伴い、感染症法に基づく施策として位置づけられた調査です。
感染症の発生情報の正確な把握と分析、その結果の国民や医療機関への迅速な提供・公開により、感染症に対する有効かつ的確な予防・診断・治療に係る対策を図り、多様な感染症の発生及びまん延を防止することを目的としています。
感染症発生動向調査で把握する疾病
感染症発生動向調査では、医師・獣医師に全数届出を求める「全数把握対象疾患」と指定届出機関(定点医療機関)で診断された患者の報告を求める「定点把握対象疾患」をそれぞれ定めています。
○届出の対象となる感染症の種類(厚生労働省)<外部リンク>
○新潟県感染症情報 年報
感染症発生動向調査 平成30年 事業年報 [PDFファイル/4.65MB]
★各年の報告状況は福祉保健年報の「結核・感染症(年によっては「結核・防疫」)」の項目を御覧ください。
福祉保健年報
○感染症発生動向調査カレンダー
サーベイランス日程表(1999年~2020年) [PDFファイル/132KB]
全数把握対象疾患とは
全数把握が必要な疾患は、周囲への感染拡大防止を図ることが必要な場合、及び発生数が稀少なため、定点方式での正確な傾向把握が不可能なものです。
感染症法第12条により、医師は以下の患者を診断したときは、厚生労働省令で定める内容を、最寄の保健所長を経由して都道府県知事に届け出ることを義務付けられています。
○全数把握対象疾患一覧
1類感染症:ただちに届出をお願いします。 | |||
---|---|---|---|
(1)エボラ出血熱 | (2)クリミア・コンゴ出血熱 | (3)痘そう | (4)南米出血熱 |
(5)ペスト | (6)マールブルグ病 | (7)ラッサ熱 |
2類感染症:ただちに届出をお願いします。 | |||
---|---|---|---|
(1)急性灰白髄炎 | (2)結核 | (3)ジフテリア | (4)重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る) |
(5)中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。) | (6)鳥インフルエンザ(H5N1) | (7)鳥インフルエンザ(H7N9) |
3類感染症:ただちに届出をお願いします。 | |||
---|---|---|---|
(1)コレラ | (2)細菌性赤痢 | (3)腸管出血性大腸菌感染症 | (4)腸チフス |
(5)パラチフス |
4類感染症:ただちに届出をお願いします。 | |||
---|---|---|---|
(1)E型肝炎 | (2)ウエストナイル熱 | (3)A型肝炎 | (4)エキノコックス症 |
(5)黄熱 | (6)オウム病 | (7)オムスク出血熱 | (8)回帰熱 |
(9)キャサヌル森林病 | (10)Q熱 | (11)狂犬病 | (12)コクシジオイデス症 |
(13)サル痘 | (14)ジカウイルス感染症 | (15)重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。) | (16)腎症候性出血熱 |
(17)西部ウマ脳炎 | (18)ダニ媒介脳炎 | (19)炭疽 | (20)チクングニア熱 |
(21)つつが虫病 | (22)デング熱 | (23)東部ウマ脳炎 | (24)鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1及びH7N9)を除く) |
(25)ニパウイルス感染症 | (26)日本紅斑熱 | (27)日本脳炎 | (28)ハンタウイルス肺症候群 |
(29)Bウイルス病 | (30)鼻疽 | (31)ブルセラ症 | (32)ベネズエラウマ脳炎 |
(33)ヘンドラウイルス感染症 | (34)発しんチフス | (35)ボツリヌス症 | (36)マラリア |
(37)野兎病 | (38)ライム病 | (39)リッサウイルス感染症 | (40)リフトバレー熱 |
(41)類鼻疽 | (42)レジオネラ症 | (43)レプトスピラ症 | (44)ロッキー山紅斑熱 |
5類感染症の一部:侵襲性髄膜炎菌感染症、風しん及び麻しんは直ちに届出をお願いします。 その他の感染症は7日以内に届出をお願いします。 |
|||
---|---|---|---|
(1)アメーバ赤痢 | (2)ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く) | (3)カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 | (4)急性弛緩性麻痺(急性灰白髄炎を除く。) |
(5)急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く) | (6)クリプトスポリジウム症 | (7)クロイツフェルト・ヤコブ病 | (8)劇症型溶血性レンサ球菌感染症 |
(9)後天性免疫不全症候群 | (10)ジアルジア症 | (11)侵襲性インフルエンザ菌感染症 | (12)侵襲性髄膜炎菌感染症 |
(13)侵襲性肺炎球菌感染症 | (14)水痘(入院例に限る。) | (15)先天性風しん症候群 | (16)梅毒 |
(17)播種性クリプトコックス症 | (18)破傷風 | (19)バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 | (20)バンコマイシン耐性腸球菌感染症 |
(21)百日咳 | (22)風しん | (23)麻しん | (24)薬剤耐性アシネトバクター感染症 |
指定感染症:ただちに届出をお願いします。 | |||
---|---|---|---|
(1)新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。) |
★全数把握対象疾患 届出票一式 [Wordファイル/1.56MB]
定点把握対象疾患とは
定点把握が必要な疾患は、発生動向の把握が必要なもののうち、患者数が多数で、全数を把握する必要はないものです。
感染症法第14条により、都道府県は「指定届出機関(定点医療機関)」を指定し、指定届出機関は、患者の発生状況を届け出ることになっています。
○定点把握対象疾患一覧(対象は「5類感染症」の一部)
小児科定点医療機関 <週単位(月~日)で届出するもの> |
|||
---|---|---|---|
(1)RSウイルス感染症 | (2)咽頭結膜熱 | (3)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 | (4)感染性胃腸炎 |
(5)水痘 | (6)手足口病 | (7)伝染性紅斑 | (8)突発性発しん |
(9)ヘルパンギーナ | (10)流行性耳下腺炎 |
インフルエンザ定点医療機関 <週単位(月~日)で届出するもの> |
|||
---|---|---|---|
(1)インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。) |
眼科定点医療機関 <週単位(月~日)で届出するもの> |
|||
---|---|---|---|
(1)急性出血性結膜炎 | (2)流行性角結膜炎 |
性感染症定点医療機関 <月単位で届出するもの> |
|||
---|---|---|---|
(1)性器クラミジア感染症 | (2)性器ヘルペスウイルス感染症 | (3)尖圭コンジローマ | (4)淋菌感染症 |
基幹定点医療機関 <週単位(月~日)で届出するもの> |
|||
---|---|---|---|
(1)感染性胃腸炎(病原体がロタウイルスであるものに限る。) | (2)クラミジア肺炎(オウム病を除く) | (3)細菌性髄膜炎(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌を原因として同定された場合を除く。) | (4)マイコプラズマ肺炎 |
(5)無菌性髄膜炎 | |||
<月単位で届出するもの> | |||
(1)ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 | (2)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 | (3)薬剤耐性緑膿菌感染症 |
疑似症定点医療機関 <ただちに届出をお願いします。> |
|||
---|---|---|---|
(1)法第14条第1項に規定する厚生労働省令で定める疑似症 |
★定点把握対象疾患 届出票
○別記様式6-1(小児科定点・別記様式6-2を含む) [Wordファイル/30KB]
○別記様式6-2(インフルエンザ(内科)定点) [Wordファイル/20KB]
○別記様式6-2(2)(基幹定点・インフルエンザ入院患者報告) [Wordファイル/19KB]
○別記様式6-3(眼科定点) [Wordファイル/21KB]
○別記様式6-4(性感染症定点) [Wordファイル/23KB]
○別記様式6-5(基幹定点・週報) [Wordファイル/31KB]
○別記様式6-6(基幹定点・月報) [Wordファイル/23KB]
○別記様式6-7(疑似症定点) [Excelファイル/153KB]
定点医療機関について
定点把握対象の感染症について、患者情報を収集するため、感染症法第14条第1項に規定する指定届出機関として、国の示す一定の基準に基づき患者定点を選定しています。
小児科定点 | 57 |
内科定点 | 32 |
インフルエンザ定点(小児科定点+内科定点) | 89 |
眼科定点 | 10 |
基幹定点 | 13 |
性感染症定点 | 15 |
注意報・警報について
定点医療機関からの患者報告数が一定のレベルを超えた場合、迅速に注意喚起を行うことを目的に、注意報・警報を発信します。
警報レベルは大きな流行が発生または継続しつつあると疑われることを指します。また、注意報レベルは、流行の発生前であれば今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性が高いこと、流行の発生後であれば流行が継続していると疑われることを指します。
警報レベルは1週間の定点当たり報告数がある基準値(開始基準値)以上で開始し、別の基準値(終息基準値)未満で終息します。注意報レベルは1週間の定点当たり報告数がある基準値以上の場合です。警報・注意報レベルの基準値は、これまでの感染症発生動向調査データから、下記の通り定められています。
疾病 | 警報レベル | 注意報レベル | |
開始基準値 | 終息基準値 | 基準値 | |
インフルエンザ | 30.0 | 10.0 | 10.0 |
咽頭結膜熱 | 3.0 | 1.0 | - |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 | 8.0 | 4.0 | - |
感染性胃腸炎 | 20.0 | 12.0 | - |
水痘 | 2.0 | 1.0 | 1.0 |
手足口病 | 5.0 | 2.0 | - |
伝染性紅斑 | 2.0 | 1.0 | - |
ヘルパンギーナ | 6.0 | 2.0 | - |
流行性耳下腺炎 | 6.0 | 2.0 | 3.0 |
急性出血性結膜炎 | 1.0 | 0.1 | - |
流行性角結膜炎 | 8.0 | 4.0 | - |
関連リンク
感染症発生動向調査について(厚生労働省)<外部リンク>
感染症法に基づく医師の届出のお願い(厚生労働省)<外部リンク>
感染症発生動向調査 週報(IDWR)(国立感染症研究所)<外部リンク>
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)