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砂防事業紹介 渓流保全工
砂防事業では、荒廃山地からの土砂の流出を防ぐとともに、河道の安定を図り、土石流災害から人命・財産を守るために砂防設備の整備のほか、火山区域における火山砂防事業も行っています。
土石流の対策工事には「砂防えん堤」や「渓流保全工」、「山腹工」などがありますが、ここでは、妙高砂防事務所管内で行われた砂防事業の中から「渓流保全工」についてご紹介します。
渓流保全工
川の流れを正しい方向に導き、また、川がけずられて土砂が増えるのを抑えるとともに、洪水も防ぎます。
- うど川渓流保全工
- 西谷川渓流保全工
うど川渓流保全工
うど川は、上越市中郷区の高所山付近に源を発し、陸上自衛隊関山演習場内を流下して渋江川に注ぐ延長約2.2kmの普通河川です。
演習場内の荒廃が進行すると、それにともなう土砂流出は河床の上昇を誘発するため、洪水・土砂災害が発生しやすくなります。うど川では災害を未然に防止し、蛇行した渓流を水が流れやすくなるよう渓流保全工工事を下流から行っています。自然環境に配慮し、床固工には魚道を設置し、護岸のブロックは多孔質で稚魚などが生息できるような環境保全型ブロックを採用しています。
上空から見た様子
環境保全型ブロックと床固工
床固工の魚道の様子
西谷川渓流保全工
西谷川は、妙高市の赤倉山(2,141m)の麓に源を発し、妙高高原のスキー場、集落内を流下して関川に注ぐ延長約4.5kmの一級河川です。
1995年(平成7年)7月11日~12日の梅雨前線の集中豪雨時には、土石流が発生し、渓床幅が2mほどの狭い集落内では流出した土砂により河川の断面が狭くなり、民家への浸水が相継ぎました。そのため、渓床幅が狭く曲がりくねっている集落内において、災害防止のために床固工および護岸工を整備しています。
整備前の様子
整備後の様子