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【上越】「上越地域における新田開発のあゆみ(用水編)」 を紹介します
(13) 名立地域の新田開発
改修された川東頭首工(一の堰)
名立の耕地は、中世でほとんど開拓されていましたが、江戸時代になり、新たに用水が開削されて名立新田・瀬戸飛山新田・竹田新田が誕生しました。名立地域で最も長い水路が、川東用水です。
この用水路は名立川の上流、東飛山の幸倉から大菅に至る長さ約16kmあり、この地域最長の用水路です。用水路開削とともに新田開発の大事業を成し遂げたのは、杉野瀬の竹田勘兵衛です。天保年間(1830~1844)に開削され、現在約90ヘクタールの耕地へ用水を供給しています。
山腹を流れる川東用水
この用水は開拓者の名にちなんで竹田用水とも呼ばれています。山の中腹を流れるこの用水路は、融雪や降雨の影響で水路が危険な状況であったことから、県営防災事業(平成11年~平成16年)で水路約3.4kmの改修が行われたほか、昭和40年の台風災害で復旧した「一の堰」と呼ばれる川東頭首工も老朽化が激しくなり、平成26年度に県営事業で改修されました。
また名立川の西側には、江戸時代末期に丸田の渡辺与左衛門が計画した耕地約30ヘクタールを潤す延長13km(下瀬戸~田野上)の川西用水があるほか、平谷から田野上に至る長さ8kmの下江用水や瀬戸東飛山新田を潤す長さ7kmの濁谷用水などがあります。近年、川西用水・濁谷用水は県営事業で用水路の部分改修が行われました。