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にいがたの治山
新潟県の特徴
- 新潟県は県土の3分の2が森林に覆われており、信濃川や阿賀野川などの多くの河川に育まれた緑豊かな平野と丘陵地、国立・国定公園等に指定されている山岳地帯など変化に富んだ自然環境を有しています。
- その一方で、全国有数の豪雪地帯であるとともに急峻な地形やもろくて弱い地質と相まって土砂災害、地すべり、なだれ災害など山地に起因する災害が発生しやすい状況にあります。
- また600kmを超える海岸線を有し、冬期の季節風等により飛砂や強風の被害、海岸の侵食が進行しているところもあります。
- そこで、本県では森林の公益的機能を高度に発揮させるため、治山事業を積極的に推進し、安全で住みよい環境づくりを行っています。
治山事業とは
森林の維持造成を通じて山地に起因する災害から国民の生命・財産を保全し、また水源のかん養、生活環境の保全・形成を図る極めて重要な国土保全政策の一つです。
令和4年県北豪雨災害からの復旧(村上市貝附)
令和4年県北豪雨災害からの復旧(村上市笹川)
1 山地災害の未然防止
山崩れなどが発生しないよう、治山ダム工やのり枠工等を実施しています。

山脚を固定し土砂の流出を抑止する治山ダム工(妙高市)

斜面の風化・侵食を防ぎ、山地の崩壊を防止するのり枠工(長岡市)
2 崩壊した山地の早期復旧
大雨などで崩壊が発生した箇所については、早期復旧を進めるため、治山ダム工や土留工、植栽工等を実施しています。

荒廃した渓流の様子(上越市)

治山ダム工の嵩上げによる復旧(同上)
3 防災林の造成
(1)なだれ防止林の造成
森林は高いなだれ防止機能を持っています。雪崩の発生を防ぐ働きを持つなだれ防止林を早期に育成し、なだれ予防柵などの施設と一体となって、なだれ災害の防止と軽減を図ります。

整備されたなだれ予防柵(魚沼市)
(2)海岸防災林の造成
厳冬期の季節風や台風によって発生する飛砂、潮風、高潮、強風、霧などの被害を防止・軽減するため、海岸に森林を造成しています。

クロマツ林の造成による飛砂防止(胎内市)
4 保安林の整備
治山事業では、水源かん養機能や土砂流出防止機能といった森林の公益的機能を高度に発揮させるため、治山施設を整備するとともに、植林のほか、森林の成長を促進させる保育作業を行っています。

苗木の植栽

整備された保安林
5 地すべりの防止
本県は、比較的新しい地質構造と活発な地殻変動や、豪雪に伴う豊富な融雪水などにより、全国でも屈指の地すべり災害県であり、古くから人命・財産に大きな被害を受けてきました。治山事業では、林野庁所管の地すべり防止区域において、対策工事を実施しています。

地すべりの復旧状況(糸魚川市)

地すべり防止のためのアンカー工(阿賀町)
6 治山施設の長寿命化対策
県内には、明治時代から数多くの治山施設が整備され、山地災害の防止に寄与しています。一方で、整備から時間が経過した施設の老朽化が課題となっています。
本県では、令和3年3月に第2期新潟県治山施設長寿命化計画 [PDFファイル/2.14MB]を策定し、定期的な施設点検および点検結果に基づいた修繕対策を計画的に実施しています。

治山ダム工の点検の様子

機能強化対策を実施した治山ダム工(上越市)
新潟の治山
本県の特徴や治山事業の紹介、あゆみなどをまとめた冊子です。

(発行)
令和7年8月
新潟県農林水産部治山課
冊子は地域振興局農林(水産)振興部で配布しています。
山地防災対策(ソフト事業)
近年、集中豪雨による大規模な崩壊や土石流等による人的被害を伴う山地災害が多発しています。
山地災害から人命・財産を守るためには、治山施設を整備するとともに、災害に対する日頃からの備えも重要であることから、防災意識の向上を図るなどのソフト対策を実施しています。
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