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株式会社 大石組
さまざまな現場で地上型レーザースキャナを活用。計測したデータを、オフィスに帰らずとも現場で計測した点群データの確認等ができる |
ICT技術を活用しながら社内のDX推進へ。社歴10年以上の30代スタッフが中心になってその道筋をつけている |
最新のレーザー機器を使い、省力化と作業効率をアップ
長岡市に本社を置く大石組では、2年前から新型レーザー機器を使った作業の省力化に取り組んでいます。具体的には自動合成機能を搭載した地上型レーザースキャナを導入しました。土木部工事課でDX推進を行う情報化施工推進 高度化担当の2名が地上型レーザースキャナを使った測定を担当しています。この機器は短時間で周辺の正確な点群を計測し、地形データを取得。盛ってある土の体積等を算出できます。これまで2人1組で行ってきた測量作業が1人で可能になり、スキャン後すぐに現場でデータを作れるので、現場の作業が高精度かつスピーディに。業務効率化に大きくつながっています。
また、当初は測量からデータ解析まで外注していましたが、専任担当による内製化を実現。自社内で業務を完結できることはコスト削減やノウハウ蓄積など大きなメリットになっています。今後もより働きやすい建設現場の環境改善を目指し、地上型レーザースキャナなど最新機器を活用し、社内全体で建設DXの推進を目指しています。
情報化施工推進 高度化の担当者が地上型レーザースキャナを操作中。高性能かつ軽量・コンパクトなので気軽に現場に持ち出せる
Xで情報発信。皆さんに完成までの進捗状況を楽しんでもらいたい
今回の取材で地上型レーザースキャナを操作した情報化施工推進 高度化担当の大島真人さんは、7年前に現場で初めてドローンによる空中写真測量を見て、その作業の速さを実感したスタッフ。ただ、当時は「現場作業は素晴らしかったけど、3次元設計データの作成や処理には少し時間がかかるな」と感じたようですが、今はその3次元データも簡単に業務に活かせる時代となりました。ICT技術の活用による建設DXは、同社でも確実に進められています。
2024年9月からはX(旧 Twitter)を開設し、現在手がけている「一級河川 浄土川広域河川改修(大規模)伏せ越し工事」の情報やドローンで撮影した写真を随時アップしています。これは、地元の皆さんに工事による通行止めなどの情報告知とともに、日々利用する道路がどのように作られるか、その完成までの進捗状況を楽しんでもらいたいとの思いでスタートしたものです。
建築や土木事業は、次世代までの生活インフラを支え、重要な役割を担っています。長年の歴史の中で培った技術力と数々の実績をもとに、最新のICT技術も取り入れながら業務品質と労働環境の向上を図り、今後も事業を通じて地域社会の発展を支える存在であり続けたいと語られています。
長岡市・浄土川の広域河川改修を手掛ける。用水・排水用の水路が河川と交錯しているので、逆サイフォン構造によって河底を通過させる「伏せ越し工事」で施行中 |
同工事現場でのひとこま。責任者である30代の現場代理人がベテラン技術者と良きチームを組んで工事に取り組む |
今回取材にご協力いただいた企業
〜株式会社 大石組〜
1938年創業の大石組は、長岡市と中越エリアを対象に、公共工事を中心に地域に密着した土木・建築事業を行っています。
「土木事業のエンドユーザーは地域住民であること」との思いから地域の道路、河川、砂防、上下水道といった社会資本及びライフラインの整備をメインに、災害発生時には地域の人々の守り手として早期復旧・復興に取り組んできました。
1999年からは土木建築で培ってきた技術を活かし、土木・建設会社としては珍しい文化財調査・保存事業にも着手。埋蔵文化財の発掘調査から社寺・民家の復元保存・維持管理を支援し、地域の文化財事業を守り、魅力を再発見するお手伝いをしています。
株式会社 大石組
本社所在地/長岡市
業種:土木工事 建築工事 文化財調査・保存業務 他
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