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平成28年9月定例会(請願第3号)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004251 更新日:2019年1月17日更新

第3号 平成28年8月17日受理 産業経済委員会 付託

指定生乳生産者団体制度の存続を求める意見書提出に関する請願

請願者 新潟県酪農業協同組合連合会 代表理事会長 小林辰一

紹介議員 尾身孝昭君 小野峯生君 帆苅謙治君

(要旨)
 本年3月末の政府の規制改革会議において、国が生乳の集荷・販売を担う全国10団体を指定し、酪農家が販売を委託する指定団体制度が機能不全に陥っているとして、事実上の流通自由化が提言されていたが、5月19日に指定生乳生産者団体制度の抜本的改革については、秋までに検討し結論を得ることなどを盛り込んだ「規制改革に関する第4次答申」が安倍首相に提出されたところである。
 答申には、酪農家の苦労が所得面で報われておらず、その要因として生産・流通構造の問題から所得還元につながっていないなどの認識が示され、現在の指定生乳生産者団体が有している諸機能を評価・検証し、この制度の是非、現行の補給金の交付対象の在り方を含めた抜本的改革について検討し、本年秋までに結論を得ることとされている。
 生乳は日持ちせず、すぐに冷蔵保存しないと腐敗するため、迅速な処理が必要で経費がかかることから、国が指定団体制度を制定している。
 牛乳や乳製品の原料となる生乳価格の乳価は、加工用は飲用に比べ取引価格が低いため、チーズやバター、脱脂粉乳など乳製品向けの生乳を出荷した酪農家へ補給金を給付し、収入を安定させ、再生産ができるよう支援する制度である。
 指定団体は、低コストで生乳を集め個々の生産者では弱い乳業メーカーへの交渉力を高める役割を果たすとともに、飲用の需給状況に合わせて地域間調整をし、乳製品向けへの配分量を決めている。
 指定団体が酪農家から一括して生乳を集荷し、販売委託を受けてメーカーとの価格交渉を担うことができるため、実態は指定団体経由取引がほとんどを占めている状況にある。
 現行制度の廃止により販売先が自由に選択できるようになれば、飲用と加工用の需給バランスが崩れる可能性が指摘されるとともに、都市圏に近く飲用生乳の需要がある生産者と都市圏から遠く加工用に限られる生産者との間に収入の格差が生じるなど、価格競争力の弱い中小酪農家の経営が圧迫されることが強く懸念されている。
 制度に頼る生産者の多くは消費地から離れた零細経営体であり、特に東北の酪農家は条件不利地帯であることから、現行制度の廃止は酪農の廃業に直結する問題であることから、大きな不安を抱いている。
 これまで生産コストの安い北海道産は乳製品向け、北海道産以外は飲用とすみ分けしてきたことからも制度の廃止により価格の高い生乳に供給が偏り、調整機能が失われ北海道の生乳が本州に入ってくることにより最も影響を受けるのが東北の酪農家であることから、現行制度の廃止には強く反対するところである。
 現行の指定団体制度は、乳価が安定し効率的な輸送や販売に大きく寄与していることから、生産者には現行制度の維持が必要不可欠なものであり、現行制度の存続を強く望むところである。
 ついては、貴議会において、酪農家のおかれた現状をご理解いただくとともに、現行の指定団体制度による生乳の安定的な乳価と、効率的な輸送や販売へ大きく寄与している実態をご理解いただき、指定生乳生産者団体制度の存続を求める意見書を国に提出されたい。

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