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平成27年6月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002754 更新日:2019年1月17日更新

平成27年6月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

6月24日 知事説明要旨

 平成27年6月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず初めに、地方共通の最大の課題である、人口減少問題を中心とした地方創生についてです。
 本県人口は平成9年をピークに減少が続いており、本年4月1日現在の推計人口は戦後初めて230万人を割り込みました。昨年度1年間では17,000人を超える減少となっており、減少幅は増大していく傾向にあります。近年、特に顕著なのは12,000人近い自然減であり、中でも問題は出生数の減少です。昨年1年間の出生数は過去最少の16,480人となっており、長年続いてきた進学や就職を契機とした若年層の首都圏等への流出が、出生数の減少にもつながっているという連鎖の構造が背景にあると考えております。
 今日、国も「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、国を挙げて取り組もうとしているように、人口問題は、まさに国家的な課題です。また、出生数に関わる問題は、教育や経済雇用環境に加え、最終的には社会全体の価値観にも及ぶ、様々な要素が複雑に絡み合った極めて難しい問題です。
 人口減少社会は、人口が少ない社会とは異なり痛みを伴う社会を意味します。今後も出生率が改善されず、人口減少が続けば、高齢者が若年者を大きく上回る状況が拡大し続け、経済活動が停滞するだけでなく、様々な社会システムが崩壊し、地域社会の機能が失われていってしまいます。そうした危機感をもって対応していかなくてはならない重大な問題だと受け止めております。
 本県では、これまでも人口減少対策を県政の重要課題として捉え、「夢おこし」政策プランの基本理念や政策目標に掲げるとともに、人口問題対策会議を立ち上げ、議論を重ね、その成果を順次施策へ反映するよう取り組んでまいりました。
 その一つとして、本年度、子どもを持つ上での経済的ゆとりと時間的ゆとりをどのように実現すると効果的かを検証する少子化対策モデル事業に取り組んでいるところです。検証に当たっては、働く環境がこれらと深く関わっていることから、企業等と協力して実施していくこととしております。今後、選定された事業者の実施状況に基づき、年度ごとに事業効果の検証を行い、それを踏まえ、有効な少子化対策と財源確保のあり方等について、国に対して施策提言してまいりたいと考えております。
 また、未婚化・晩婚化も少子化の大きな要因となっています。本県においても、25歳から34歳までの未婚者は約13万人おられます。本年度、県として結婚を希望する方々を後押しする事業を県内全域で展開することとしており、現在、個人同士の出会いあるいは企業間の出会いの場の創出を想定して、実施事業者を募集しているところです。
 一方、若者の社会減への対応は、出生数の増加の観点でも極めて重要な課題です。そのため、県内学生のインターンシップの受入拡大等により県外流出の抑制に努めるほか、U.Iターンの促進に重点的に取り組んでいます。本県への移住を希望する方々に対して、職業の紹介や住居の確保などを総合的にサポートするU.Iターンコンシェルジュを設置するとともに、U.Iターン希望者を発掘するためのネットワークの拡大も図っているところです。
 本県としては、地方政府としてできうる限りの取組を行っていく決意ですが、一方で地方政府だけの取組では限界があるのも事実です。高等教育機関の配置や課税権、労働法制、年金の制度設計、医療資源の配分など、出生の増減や人口の移動に大きな影響のある施策は国に決定権があります。
 今後、権限を持つ国によって実効性のある施策がスピード感を持って実施されるとともに、地方の実情に応じた事業が柔軟かつ継続的に実施できるよう、財源を確保した上で自由度の高い交付金等による支援のスキームをつくっていくことが必要です。先般もそのことを国及び与党に対して要請してきたところです。
 なお、現在、国の人口の長期ビジョンと総合戦略を受け、改めて新潟県の将来の人口を分析・展望するビジョンをお示しするとともに、「夢おこし」政策プランをベースに本県の地方創生総合戦略を策定すべく作業を進めているところです。県議会でのご議論や市町村・関係機関等との十分な情報共有も踏まえ、10月を目処に策定し、来年度の予算編成に結びつけてまいりたいと考えております。

 次に、地域経済の再生に向けた取組についてです。
 我が国経済は、円安基調等を背景に、大都市に立地する輸出型大企業を中心に景気回復の動きが広がりつつあります。先頃公表された本年1月から3月期の実質国内総生産は、前期比の年率換算で3.9%増となり、雇用環境を見ても、有効求人倍率が高い水準で推移しており、これに伴い、人手を確保するために賃金を上げる動きも広がってきております。
 こうした中、本県においては、海外での売上増加や、原油価格下落に伴うコスト減などにより、一部の企業や業種で業績が改善しております。しかし、地域経済で大宗を占める中小企業や小規模事業者に景気回復の効果が十分に及ぶまでに至っておりません。その大きな要因のひとつにデフレ下での消費税増税による消費への影響の長期化があります。
 政府は、財政再建を重視し、既に平成29年4月の消費税率の再引上げを明確にしておりますが、まずはデフレ脱却を確かなものとし、我が国経済を本格的な成長軌道に乗せるべきです。財政再建は、名目GDPに対する長期債務の比率を引き下げることにより達成すべきです。そのためには、適切なマクロ金融・財政政策を講じることにより、名目の経済規模を拡大し、地方創生につながる経済環境を整備していくことが必要です。
 本県としては、現下の経済状況を踏まえ、国の交付金も活用しながら、ふるさと名物商品、ふるさと旅行券、住宅ポイントなどの事業を通じて県内消費と県産品の販売拡大に取り組むとともに、投資事業や設備投資の促進など、県独自での県内需要の拡大も積極的に展開しているところです。
 また、地域経済の再生には、地域に根ざした地場産業の活性化が重要です。そのため、今年度から強化した組織体制の下で、産地が抱える多様な課題に適合する対策を産地とともに検討し、総合的かつきめ細かく支援していくこととしております。
 一方で、将来の本県経済の発展にとって、エネルギーは重要な要素です。県事業として積極的に導入を進めてきた太陽光発電については、夏場の電力需要期に入る7月に、出力15メガワット規模となる東部太陽光発電所3号系列の運転開始を予定しております。あわせて、電気自動車等の使用済み電池の蓄電池としての活用による電力の安定化についても研究していくこととしています。また、新潟ならではの雪冷熱エネルギーを活用したデータセンターの立地に向けて、先般、事業者の募集を開始したところです。海洋エネルギーについても、今年度、粟島沖の実証フィールドの活用促進に向けた海象調査を行うこととしております。
 こうした再生可能エネルギーのほか、上越沖に賦存するメタンハイドレートも大きな可能性を持った貴重な地域資源です。先般、商業化に向けた採掘技術の開発が促進されるよう、日本海沿岸府県で構成する日本海連合として、国に対し要望を行ったところであり、今後の資源開発を見据えた地元技術の活用等の研究も進めることとしております。
 今後も、本県の有する多様な地域資源や技術を活かしながら、高付加価値型の産業構造への転換に向けた取組を積極的に展開してまいります。

 次に、北陸新幹線開業と交流人口の増加についてです。
 北陸新幹線長野・金沢間の開業から3か月が経過しました。昨年の在来線特急と比べて乗車人員が約3倍となるなど、利用状況は好調に推移していると伺っております。
 これを反映して、県内への観光客入り込み状況も、首都圏に加え、関西・北陸圏とのアクセスが向上したことによる効果がみられます。高田観桜会で過去最高の133万2千人が訪れたほか、糸魚川市のフォッサマグナミュージアムでは開業から5月末までの来場者数が前年と比べて2倍となっています。また、4月には、小木直江津航路に新造高速カーフェリー「あかね」が就航し、佐渡の周遊と組み合わせたツアーも造成され、5月末までの利用実績が前年と比べて約1.5倍となるなど、佐渡への誘客にもつながっております。
 また、北陸新幹線開業を睨んで開設した関西情報発信拠点は4月末でオープン1周年を迎えましたが、来店者数、販売額とも当初の想定を大きく上回る状況となっております。
 重要なことは、こうした開業効果を一過性で終わらせることなく、首都圏や関西圏からの継続的な流動をつくり、本県全体の振興に結び付けていくことです。
 そのためには、まずは、旅の目的地となるための魅力づくりが重要であると考えております。着地型観光のコンテンツづくりや、食の更なる魅力づくりに加え、二次交通の整備などの受入体制整備を促進してまいります。また、鉄道の観光資源としての魅力を高めるため、えちごトキめき鉄道において、リゾート列車の導入や運転体験の実施を進めてまいります。加えて、北陸新幹線と上越新幹線の沿線の周遊や、県境を越えた連携による広域周遊ルートなどの提案に積極的に取り組んでまいります。
 また、大幅に増加している訪日外国人観光客の県内への更なる呼び込みに向けても、広域周遊観光ルートの設定は重要であると考えております。そのため、群馬県、埼玉県との3県で取り組んでいる縦断ルートの提案や、外国人の方々の増加もあって回復の兆しが見え始めているスキー観光の更なる復興など、ニーズを的確に捉えた対応に努めてまいります。
 一方、北陸新幹線につきましては、日本海国土軸の形成という観点からも捉えていく必要があります。将来的に北陸新幹線と上越新幹線をフリーゲージトレインによりつなぐことで日本海国土軸の流動をより太いものにすることができれば、首都圏との流動の結節点として大きな可能性が拡がると考えております。まずは、そのための合意形成等に努めてまいります。
 また、北陸新幹線開業を踏まえた地域の鉄道の安定運行の確保や利便性の向上も重要です。このため、えちごトキめき鉄道において、北陸新幹線との接続改善を図るほか、沿線市による新駅設置の検討を支援してまいります。なお、運輸収入の大幅減少が見込まれる北越急行については、沿線地域と連携して持続的な経営体制の確立に向けて、取り組んでまいります。

 次に、農業問題についてです。
 先般、国は農政改革の柱の一つとして昨年度開始した農地中間管理事業の実績を公表し、集約された農地が目標の2割余りにとどまったことを明らかにしました。本県における農地貸借の実績は約1,800haであり、そのうち約1,000haが新たに担い手に貸し付けられたところです。担い手への集積・集約化に一定の効果があったものの、貸付実績は、当初目標の約6割にとどまっております。これは、国が農地集積を支援する協力金に優先配分ルールを提示したことで、市町村の推進にブレーキがかかったことが一つの要因と考えております。
 このため、現場で混乱が生じないよう、一貫した制度運用と必要な予算の確保を、先般、改めて国に対して要望したところです。
 県といたしましては、協力金の運用改善を図るとともに、農地の受け皿となる農業法人や集落営農等の担い手育成と併せ、農地を貸しやすい環境の整備に努めてまいります。
 また、県では、26年産米の米価下落を踏まえ、27年産米の需給環境の改善に向け、主食用米から飼料用米等への転換を進めております。5月15日現在の飼料用米の取組状況は、1万8,700トンと、前年に比べ4倍に増加しておりますが、目標の3万トンには達しておりません。農業者には国の支援制度の継続を不安視する声が残っていることから、平成30年産以降のあるべき姿とその道筋を早期に明確化するよう、国に要望したところです。県としても、農業者ごとの経営を踏まえ、改めて飼料用米の優位性を啓発するなど、一層の取組を推進してまいります。
 全国的な米消費の減少を背景に、各県による厳しい販売競争が行われている中、本県が開発中の水稲晩生新品種について、先般、品種を最終決定したところです。
 今年度は、50トン程度の現地試作を実施しており、年度内に品種登録を国に出願することとしております。今後、平成29年度の一般販売に向けて、生産・販売体制を構築するなど、非コシヒカリのトップブランドとしての地位を目指して戦略的に取り組んでまいります。
 一方で、米の国内消費が減少する中、需要を海外へ拡大し、新たな販路を開拓することも求められております。このため、輸出戦略について、有識者による検討を行ってきたところですが、先般、報告書が提出され、香港、シンガポール等における販路拡大や、新たな市場としてのアメリカへの販路開拓などの取り組むべき方向性が示されたところです。今後、この報告も踏まえ、既存市場における業務用需要の拡大と併せて、新たな市場の獲得に向け、市場調査や情報発信などに取り組んでまいります。
 農業問題の最後に、TPPについてです。
 報道によれば、現在、次回閣僚会合での大筋合意を目指して協議が進められており、その前段である日米協議において、特別輸入枠により米国産主食用米の輸入を増やす案が検討されているとされております。
 県といたしましては、少なくとも主食である米については、関税撤廃の対象から除外し、国内の主食用米に影響を与えないよう断固たる姿勢で交渉に臨むよう、繰り返し求めているところであり、先般も改めて国に要望したところであります。

 次に、原子力発電所の安全確保と防災対策についてであります。
 原子力発電所の安全確保のためには、従前から申し上げているとおり、福島第一原子力発電所事故の検証・総括が不可欠です。それがなければ、同じことを繰り返すおそれもあり、原子力発電所の安全が確保できないものと考えております。事故の検証・総括がないまま策定された規制基準では、安全確保はできません。規制基準には国際原子力機関の深層防護の考え方における、第5層の「過酷事故後の対応」が欠落し、第4層の「過酷事故対策」も十分ではありません。
 原子力規制委員会には、地域の安全をいかに確保するかという組織本来の目的を果たし、実効性のある対策を速やかに構築していただきたいと思います。
 一方、原子力防災対策につきましては、高線量下での災害対応、安定ヨウ素剤の配布・服用、事故発生時の適切な情報発信などの国レベルで解決が必要な課題が浮き彫りになっています。これらの課題については、先月12日、刈羽村で開催したタウンミーティングにおいても、ご参加いただいた県民の皆様と情報を共有することができたと考えております。
 先日、こうした課題について私が委員長を務める全国知事会の危機管理・防災特別委員会において、内閣府と意見交換を行ったところであり、今後も課題解決に向け、引き続き、国に対し必要な要請を行ってまいります。
 なお、安定ヨウ素剤につきましては、今年の秋を目処に、原発から概ね半径5km圏内の地域で事前配布を実施することとしており、現在、地元自治体とともに、その準備を進めているところです。
 県といたしましては、原子力防災対策がより実効性のあるものとなるよう、引き続き、市町村や関係機関と十分に連携し、具体的に取組を進めてまいります。

 次に、災害への対応についてです。
 まず、火山活動の活発化と県の対応についてです。今年度に入ってから、4月に蔵王山、5月に箱根山で火口周辺警報が発表され、5月29日には、口永良部島の新岳で爆発的な噴火が発生し、先週再び噴火したところです。また、浅間山でも、先週16日以降、ごく小規模ながら数回にわたって噴火が確認されているなど、全国各地の火山活動が活発になっています。
 県内で唯一、気象庁が24時間体制で火山活動を常時観測・監視している焼山は、現在、噴火警戒レベル1の「活火山であることに留意」とされる状態ですが、県といたしましては、昨年度末に登山者等への情報伝達強化の観点から避難計画の見直しを行うなど、噴火に備えた取組を進めております。
 また、登山者自身による準備の徹底と遭難防止のため、登山届を義務付けた「新潟焼山における火山災害による遭難の防止に関する条例」を6月1日に施行したところです。県としては、条例の内容周知に努めるとともに、引き続き、新潟焼山火山防災協議会と連携し、火山災害による遭難の防止を図るための対策を進めてまいります。
 次に、土砂災害警戒情報の基準変更についてです。
 6月も下旬に入り、梅雨明け間近の集中豪雨等による災害が心配される時期になってまいりました。県では、平成19年度から運用している土砂災害警戒情報について、新潟地方気象台と連携して近年の降雨や災害実績を調査し、最適な基準への見直しを行い、去る5月28日より運用を開始したところです。
 予測が難しい土砂災害から住民の命を守るためには、より適切な時期に住民に避難を促す必要があります。この基準変更を踏まえ、土砂災害警戒情報等の発表後の市町村による速やかな避難勧告の発令につながることを大いに期待しております。
 より適切なタイミングで、的確な地域の住民避難を促す上では、土砂災害防止法に基づく警戒区域等の指定も重要です。県では、区域指定の完了目標を平成29年度前半とし、基礎調査終了段階での公表を順次行ってまいります。
 今後も、土砂災害の危険性の高い箇所の周知や各種防災情報の提供に努め、ソフト・ハード両面での土砂災害対策を着実に進めてまいります。

 次に新潟水俣病への対応についてです。
 去る5月31日、多くの皆様からご参加をいただき、公式確認50年の式典を開催いたしました。被害者の皆様、原因企業及び行政関係者が、それぞれの立場がありながらも、その垣根を越えて一堂に会したことは、新潟水俣病問題の解決に向けた一つのステップとなると期待しております。
 その場で「ふるさとの環境づくり宣言」として発表したように、公式確認50年を機に、改めて新潟水俣病の教訓を風化させずに次世代へ伝えるとともに、このような悲惨な公害が二度と繰り返されることなく、誰もが安心して暮らせる地域社会を実現できるよう取り組んでいかなければならないという思いを強くしたところです。
 県としては、現在、平成25年の最高裁判決の趣旨に沿って、公健法に基づく認定審査や、特措法の異議申立ての審理を進めているところですが、問題解決のためには、これまでの接ぎ木を重ねたような救済制度の抜本的な見直しが必要です。先般、そのことを改めて国に要請したところであり、国には、第二の水俣病発生を防げなかったことを重く受け止めていただきたいと思います。被害に遭われた方々は、日本全体が豊かさを享受する中で、そのしわ寄せを受けてしまった方々です。こうした方々が、問題解決に向けて声を上げてきたことによって、環境規制が強化され、現在、私たちは、より安全な社会の中で生活できています。こうした歴史に鑑みれば、この方々を社会全体で支えることが必要であると考えております。
 新潟水俣病の発生によって、環境汚染や人々の健康被害だけでなく、偏見や差別、地域の分断が引き起こされました。県といたしましては、今後も引き続き、地域の絆の再生と融和、さらには教育啓発活動等を推進し、偏見・差別の解消に取り組んでまいります。

 次に、地域医療体制の確保についてです。
 今月1日、新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院が開院いたしました。本格的な検討開始から8年余り、ようやく開院の日を迎えられたことは大変喜ばしく、これまでの関係者の皆様のご尽力に、改めて感謝を申し上げます。
 県としては、新大センター・魚沼病院が、県内でも最も人口当たりの医師数の少ない圏域における基幹病院として、救命救急や高度医療の提供等について、地域の皆様の期待に応えるべく役割を果たすことを大いに期待しております。あわせて、県としては、この地域の医療再編による基幹病院と周辺医療機関の適切な役割分担と連携を進め、地域の皆様が安心感を持てる医療体制の構築を図ってまいります。
 また、この圏域は、首都圏からの利便性に優れ、多くの人を呼び込める可能性を持った地域でもあります。今後、この病院が新潟大学との連携による医師等の研修・教育体制も併せ持つ特長を活かし、優秀な医師や看護職員、スタッフ等の集積が図れるマグネットホスピタルとして成長することも大いに期待しているところです。
 一方、県央基幹病院については、現在、昨年お示ししたアウトラインに沿って、燕労災病院の移譲を含め、整備に向けた準備を進めております。今後、具体的な規模や診療機能などの検討を行い、年度内を目途に整備基本計画を策定してまいります。
 県としては、地域医療の確保に向けて様々な取組を進めているところですが、現状においては、その基盤となる医師等の不足は引き続き深刻な状況にあります。この問題について抜本的な解決を図るには、国による医師養成数に関する規制緩和や、医師数が多い地域から少ない地域へ誘導する施策が必要です。先般も、そうした観点から群馬・埼玉・新潟の三県知事で共同して国に対し、抜本的な制度改革を強く要請したところであり、今後も同様に医師不足に悩む他県とも連携し、粘り強く働きかけを行ってまいります。
 平成26年度の県の病院事業会計決算については、大幅な赤字を計上することとなりました。この主たる要因は、地方公営企業会計基準の見直しによるものです。この度の会計基準の見直しでは、一般会計が年々の償還を負担する企業債について、病院事業会計の負債として計上することとされるなど、結果として県立病院の財務状況が著しく悪化したかのような誤解を生みかねないものとなっています。その一方で、国は一般会計から企業会計への出資を実質的に制限しているため、結果として、一般論ではありますが、適切な投資も抑制せざるを得ない方向に向かうのではないかと懸念しております。
 企業会計における財務状況を正しく反映するには、本来、企業会計が行う起債償還への支援という形を取るのではなく、企業会計への出資を基本とし、これについて適切な地方財政措置を行うことが必要です。先般、国に対し、その旨の要望を行ったところです。
 県としては、県立病院についても企業としての経営上の努力を行うことは当然として、県民への医療サービスの提供に大きな役割を担っている県立病院の責任を踏まえ、今後とも必要な医療環境整備のための投資は着実に進めてまいりたいと考えております。

 次に、北朝鮮による拉致問題についてです。
 昨年5月の日朝合意を受けて、北朝鮮が特別調査委員会を設置してから1年が経過しようとしています。しかし、これまで誠意のない対応が続き、いまだに何ら進展が見られておりません。拉致被害者の皆様とご家族の皆様との時間が刻一刻と失われていく状況が続いており、深い悲しみと大きな怒りを感じております。それとともに、この問題を前進させていくには、複雑な国際関係の中、交渉においては対話と圧力のバランスをとらえた緻密な戦略が必要であるとも考えているところです。
 こうしたことを踏まえ、4月には、知事の会として山谷拉致問題担当大臣に対し、関係諸国との連携など拉致問題の早期解決に向けた一層の取組を要望してまいりました。
 先般開催された国民大集会には、これまで以上に多くの国民の皆様からご参加をいただき、拉致問題を最重要課題と位置付ける安倍総理の決意を改めてお聞きいたしましたが、一方で、ご家族の皆様がご高齢となられていることを強く感じさせられました。
 一刻も早く、失われつつある家族との時間を取り戻すという強い思いのもと、政府に対しては、拉致被害者の帰国に与える影響等を考慮の上、損害賠償を請求するなど、北朝鮮の行動を促す圧力となるような方策を検討し、事態の打開を図ることを強く望みます。
 県といたしましても、市町村や支援団体はもとより様々な団体にも働きかけ、県民運動として一人でも多くの皆様の関心と理解が深まるよう、引き続き取組を進めてまいります。

 次に、佐渡金銀山の世界遺産登録に向けた取組についてです。
 佐渡金銀山の世界遺産への登録に向けては、これまでの世界遺産的価値の調査研究等を踏まえ、去る3月25日、推薦書原案を取りまとめ、国へ提出したところです。
 これを受け、先月には、文化庁の青柳長官をお招きして、「佐渡金銀山世界遺産登録推進県民会議」の総会を開催いたしました。500名を超える多くの方々が参加される中、早期の登録実現に向け、国からの本年度の推薦を求める決議が採択され、先般、この決議文を菅官房長官に直接手渡し、早期推薦を強く要請したところです。
 県としては、7月に開催予定の国の世界文化遺産特別委員会において、佐渡金銀山が推薦候補として選定されることを期待しております。その一方で、今年度、ユネスコ世界遺産委員会での審議が予定されている「明治日本の産業革命遺産」についての、いわゆる強制労働問題については、先日の日韓外相会談で協議がなされたとの報道があります。佐渡金銀山に関しては、当時、日本人として同じ条件で働いていたとの記録がありますが、今後の影響も考えられることから、動向を見極めてまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、登録の実現は、佐渡はもちろん、本県の発信力や魅力を飛躍的に向上させるものと考えております。今後とも、登録実現に向け、佐渡金銀山の世界的価値に対する関心と理解が深まるよう、県民全体の運動として推進し、国内外に強くアピールしてまいります。

 次に、地方分権改革の推進についてです。
 地方分権改革は、地方の自己決定力を向上させ、住民の満足度を高めるための改革であり、地方創生の観点からも積極的に推進する必要があります。
 先般、大阪市において実施された、特別区の設置に関する住民投票は、これまで国が一律に法律で定めていた地方自治制度について、地方からの提案により、制度を選択できる機会ができたという点で、意義のあることだったと考えております。
 また、住民投票の結果が僅差だったことから、道府県と政令市との二重行政の解消をはじめとした大都市制度の課題を何とかしてほしいという声も強かったものと受け止めております。
 本県においては、県と政令市との二重行政の解消、役割分担の明確化に向け、全国に先駆けて新潟県・新潟市調整会議を開催するとともに、先導的な取組を進めてまいりました。
 今議会においても、調整会議のテーマの一つである、新潟市内にある県営住宅の新潟市への移管に向けて、必要な条例改正をお諮りしているところであり、今後も、県民・市民の皆様の取組への理解が更に深まるよう、具体例を積み重ねてまいります。

 続いて、提案しております主な議案についてご説明申し上げます。
 第100号議案は、一般会計補正予算でありまして、農産物の安定生産を図るため、市町村等が行う消雪促進対策を支援するための経費として、総額24百万円の増額補正についてお諮りいたしました。
 その結果、補正後の予算規模は、
 1兆3,016億34百万円となります。

 次に、その他の主な条例案件等についてご説明申し上げます。
 第103号議案は、山村振興法の改正に伴い、地方税の不均一課税の適用要件の拡大等を行うため、
 第104号議案は、地方税法等の改正に伴い、法人事業税の税率の改正等を行うため、
 第105号議案は、保育所における准看護師を保育士とみなすため、
 それぞれ、所要の改正を行うものであります。

 次に、第107号議案及び第108号議案は、緊急を要するため、やむを得ず専決処分を行ったものについて、承認を求めるものであります。
 すなわち、第107号議案、第108号議案はそれぞれ、平成26年度一般会計補正予算、平成26年度災害救助事業特別会計補正予算であり、歳入予算及び歳出予算ともに最終見込額又は確定額を計上したものであります。
 次に、第109号議案は、架空雇用等による委託金の不正受給事件について、委託金の返還を請求するため、訴えを提起することについて、
 第110号から第112号までの各議案は、損害賠償額の決定等について、
 最後に、第113号議案は、市の境界変更について、お諮りするものです。

 以上、主な議案の概要につきましてご説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。

7月10日 知事説明要旨

 ただいま上程されました議案4件は、いずれも人事に関する案件であります。

 第114号議案及び第115議案は、副知事を選任するため、
 第116号議案は、公安委員会委員を任命するため、
 第117号議案は、収用委員会委員を任命するため、

 それぞれお諮りいたしました。
 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

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