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平成19年9月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0003624 更新日:2019年1月17日更新

平成19年9月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

9月25日説明要旨

 平成19年9月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 はじめに、去る7月16日に発生した「平成19年新潟県中越沖地震」とこれに対する県の対応についてであります。
 3年前の中越大震災の惨禍からようやく復興に歩み出した中越地域を震度6強の激しいゆれが襲い、住民の方々に再び恐怖と大きな心の傷をもたらしました。
 この地震は、死者11人、重軽傷者1,984人を出し、住宅、宅地の損壊、商工業や農林水産関係施設、道路など公共インフラの被災や水道などのライフラインの寸断などの大きな被害をもたらしました。さらに、度重なる大規模地震の発生や原子力発電所が被災したこと、その上新潟の名前をもつ「新潟-神戸ひずみ集中帯」が取り上げられたことなどにより本県の安全イメージが悪化し、全県的な風評被害を生じさせたところです。現時点での試算では、間接的なものも含め約1.4兆円もの甚大な被害額となっております。
 私も、地震発生後すぐに現地に参り、住宅や店舗が大きく破壊された状況や、避難所で不安の中、水や食糧を待つ皆様にお会いし、3年前の大震災の記憶が蘇り胸が締め付けられる思いでした。改めて、亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。また、負傷された皆様、被災された皆様に対しお見舞い申し上げます。

 県としましては、災害発生後、直ちに「新潟県中越沖地震災害対策本部」を設置し、被災状況の把握と被災者の救援や道路、河川、ライフラインなどの応急対策に努めたところです。また、災害関連死をできるだけ発生させることなく、避難されている方々が健康に過ごせるよう健康相談等や援護が必要な方々の福祉避難所等の開設をはじめ安全な避難生活の確保に全力を尽くして取り組んでまいりました。
 今回の地震は、公共インフラの被害率の高かった中越大震災とは異なり、地方の典型的な中堅都市を襲った災害であり、地盤の液状化も影響して、住宅、宅地、職住一体の商店街など、個人財産の被害率が高く、日常の生活を直撃したことが大きな特徴と考えています。
 これに加えて、原子力発電所の被災により、敷地内での火災や放射性物質の放出などの事故が発生し、安全性への不安、不信感は原子力発電所と共存してきた被災地に極めて深刻な影響をもたらしております。この際、東京電力や国の情報提供等の対応には不適切な部分があったことは、大きな課題を残したと認識しています。

 現在、被災された方々は避難所から仮設住宅へ移り住まわれるなどして、生活再建への第一歩を踏み出されています。県としては、8月2日に「新潟県中越沖地震復旧・復興会議」を設置しました。これにより、早期の生活再建や地域の復興へ向けた中長期的課題や県全体の課題に対応してまいります。
 併せて、全県的に広がった風評被害の払拭に県を挙げて取り組んでまいります。そのため早急に被災地域はもとより県全体として中長期的に目指すべき姿を明らかにした復興ビジョンを策定してまいります。
 このような取組を財政面から支えるため、1,600億円の復興基金の創設について今議会にお諮りしております。行政を補完し、被災者の生活や住宅の再建支援を進めるとともに、被災地のニーズを把握しながら、産業振興、雇用対策などの事業を機動的に進めてまいる所存です。議会でご賛同が得られましたら、速やかに財団法人を設立してまいりたいと考えています。

 なお、去る8月8日には天皇皇后両陛下が御来県され、避難所などを御訪問いただき、多くの被災者一人ひとりに温かいお見舞いのお言葉を賜りました。被災地の方々はもとより県民にとって、復興に向けての大きな励みになったものと思います。両陛下のお心遣いに深く感謝申し上げます。
 さらに、このたびの災害救助活動に際し、多大なご協力をいただいた、政府、自衛隊、全国の消防、警察など関係機関の方々、復旧活動のために県内外から駆けつけていただいたボランティアの皆様と、義援金や救援物資等をいただいた国内及び海外の皆様に、県民を代表して厚く感謝申し上げます。

 次に、原子力発電所の震災対応と原子力行政についてであります。
 今回の中越沖地震では、柏崎刈羽原子力発電所の全号機で、設計時に想定した地震の加速度を大幅に超え、立地地域の住民をはじめ県民の間で、原子力発電所の耐震安全性に大きな疑問が持たれております。
 このため、県としては、東京電力に対し、「地域の了解なしに再稼動しないよう」安全協定に基づく措置要求を行ないました。
 さらに、今回の地震で明らかになった課題への対策として、迅速かつ正確な情報提供と大規模自然災害等による原子力発電所の被災や複合災害にも対応できる体制が構築されるよう原子力災害対策特別措置法を改正すること、併せて危機管理体制の充実・強化及び原子力安全・保安院の分離独立などについて、国に要請を行っているところです。
 現在、国において、「中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会」を設置して、検討を始めておりますが、この委員会が、安易に再開に向けた議論の場ではなく、あらゆる角度から徹底した検証を行なったうえで、十分に対策を議論する場となることを期待するものであります。
 県としては、今後実施する原子力本体に係る点検の進行状況を確認しながら、原子力発電所の安全について技術委員会などの専門家から意見をいただくこととしております。また、県民の皆様の安心を確保するため、専門家でなくても理解できるように情報を提供するとともに、県民の皆様の声を集約し、施策に反映させるよう全力を挙げ、県としての役割を果たしてまいりたいと考えております。

 次に、今後の県財政の運営についてでありますが、中越沖地震により被災した方々の生活の再建や被災地域の自立に向け、被災地の早期復旧・復興を、最優先に取り組んでまいりたいと考えています。
 なお、本県の財政状況は、過去2年間、基金残高は連続して増加しており、震災がなければ県債残高も平成18年度をピークに減少に向かうことが見込まれていたところです。今回災害対応により、基金財団への貸付等のため県債残高は増加しますが、貸付分は10年以内には財団から償還されるため実質的に後世代への負担増とならないものであります。財政構造の基調は地震発生前と大きな変更はないものと考えております。

 次に、県内経済についてであります。
 県内の景気動向については、中越大震災の復旧事業などの実施により、全国平均よりも景況感が良い状態で推移しておりましたが、昨年後半から年末にかけて災害復旧事業の一段落などによる悪化の兆しが現れ、先行きが懸念される状況にきていました。今後、企業動向や雇用面等で中越沖地震の影響を見極める必要がありますが、県内景気は弱含みで推移していると思っています。
 このため、地域産業の活性化に向けた県内企業の活用について、既に中越沖地震の災害復旧事業で実施している取組をさらに促進するため、「新潟県中小企業者の受注機会の増大による地域産業の活性化に関する条例」を今議会にお諮りいたしました。
 中小企業者の自主的努力の促進を基本としながら、県内にある事業者や関係機関等に対し、地元の中小企業の製品などの優先的な調達に配慮を求めています。この条例のもと、県内中小企業の受注拡大を図り、地域の自立・活性化につなげていきたいと考えております。

 次に、新政権への期待についてでありますが、本日新首相が指名されることと聞いております。
 新政権には、年金問題、少子化対策、国際問題などの重要課題が山積していますが、とりわけ地方分権改革と格差是正については、喫緊の課題として位置づけ、取組を期待するものです。
 本県も含め、地方では県外への大学進学や就職等による人口減少、少子化の加速や、平成19年度の地方財政計画に見られるように、景気回復による大都市部を中心とした税収増と地方交付税減額の地方部へのしわ寄せ等、大都市部と地方での格差が生じているところです。
 県としては、県内産業の振興による安定した収入と雇用の場の創出・確保とともに、医療・福祉など、安全・安心で豊かな県民生活の確保の観点から地域格差の是正に努めていきたいと考えております。そのためには、それぞれ暮らしに必要な公共サービスの提供を居住地域にかかわらず保障する地方交付税制度がきちんと機能するとともに、自ら努力している地方が財源を確保した上で、地域の課題は地域で解決できる仕組みの構築が不可欠です。新政権には地方の実情に十分配慮した真の地方分権改革の実現と格差是正に取り組んでいただきたいと考えております。
 また、安倍前首相の所信表明演説では、中越沖地震の復旧・復興に全力を尽くすことや、地震発生時の原子力発電所の対応に万全を期すとともに情報公開を徹底をすること、さらに拉致問題の解決といった、本県に直接関係する問題に対して国として全力を挙げて取り組む決意を表明されたところです。次の内閣でもこれらの課題にもきちんと対応していただけるよう期待しております。
 特に、政治と金の問題については、国民から政治への信頼を維持するうえで新政権でも重要な政治課題と考えます。
 本県においても先の参議院議員選挙で現職議員による公職選挙法違反事件が発生し、県民の不信を招く事態となったことは大変残念に思っております。
 健全な民主社会を構築するため、全ての政治家は、政治と金の問題で疑惑を持たれることのないよう、心して行動すべきであると考えております。

 次に、日本の中での本県の位置づけについてであります。
 本県人口は、平成9年の249万人をピークに減少を続けております。さらに、北陸新幹線延伸の負の側面、いわゆる2014年問題への対応も求められております。本県経済のみならず地域そのものの活力低下を回避する必要があると考えています。
 県としては、国内外の人々、様々な地域との交流・交易の拡大により、企業や人材から選ばれる新潟県づくりを進めてまいります。とりわけ、経済成長著しい対岸諸国とは、これまでの自治体交流による人的つながりや交流を図る上での地理的優位性があります。本県の空港、港湾等の優れた社会資本を活かし、これらの国々との更なる交流・交易を進め、将来に希望の持てる魅力ある新潟県の実現を図ってまいる所存です。
 そのための一つとしての新潟東港は、現在、沖待ち解消のための新たなコンテナターミナルの整備が必要となっております。先般、国土交通省の平成20年度概算要求に盛り込まれました。予算化の実現に向け、引き続き取り組んでまいります。

 次に、医師確保対策についてであります。
 当県では、医師、とりわけ勤務医の絶対数が少なく、地域医療提供体制の確保を図る上で、勤務医確保が最大の課題の一つであります。近年、地域からの医師不足の声は悲鳴に近いものとなっており、極めて厳しい状況にあるものと認識しております。
 今後、勤務医の負担軽減のため病院と地域の開業医との連携をさらに進めていくことが必要と考えています。
 また、勤務医確保のために、医師にとって魅力ある職場環境の構築が必要であります。
 加えて、へき地等の勤務の義務化などの制度改善が必要であり、国に対してあらゆる機会をとらえて要望しているところです。
 さらに、新潟大学医学部の留学生や県立がんセンター新潟病院において研修経験のある外国人医師の活用などを国に提案していきたいと考えております。

 次に、郵政民営化についてであります。
 離島や過疎・山間地域を抱える本県にとって郵便局は地域の核になっている重要な機関であり、10月1日の郵政民営化以降も地域にとって必要不可欠なサービスを提供してくれる特殊会社だと認識しています。本県はこの郵便局の公益性の高さ、そして特殊会社であるという位置づけを勘案して、引き続き道路占用料の免除措置を行い、支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、教育問題についてであります。
 本県においては、近年は差し引き6千人を超える多くの若者が進学等により県外に流出しており、本県の人口減の大きな要因となっています。このため、各方面の有識者からなる「個を伸ばす教育のあり方検討会」を設置し、本県の教育環境、人づくりの方向について検討をいただいているところです。
 検討会においては、今後、県民はもちろん他県からも新潟で学びたいと思うような特色ある教育を目指していく必要があるとの基本認識が示されています。そのためにはある分野のナンバーワン、オンリーワンの人材育成を目標に掲げ、『この分野なら新潟で学ぼう』という特色を打ち出していくことが求められる等の議論がなされており、近々中間報告をいただく予定としているところです。
 今後、年明けには最終報告をいただき、県民の皆様の御意見も頂戴しながら施策を進めてまいりたいと考えております。

 次に、新潟水俣病問題への対応についてであります。去る7月3日に開催された与党水俣病問題に関するプロジェクトチームの会合には、私も出席し、「水俣病については、社会全体の責任として救済していく必要があるのではないか」という意見を申し上げてまいりました。
 現在、与党プロジェクトチームでは、最終提案に向けて取りまとめ中でありますが、県としての独自の対応が必要なのではないかと考えています。このため、新潟水俣病問題に係る懇談会において、「環境・人権教育」、「被害者問題」及び「行政施策」の3つの検討部会を設置し、去る9月14日の懇談会において、最初の部会報告がなされるなど、課題解決に向けた提言についてご議論いただいているところであります。

 次に、公共交通の確保についてであります。
 まず、佐渡航路についてですが、県としては、その維持・確保については地域の声を踏まえて、必要な対応をすべきものと考えているところです。
 このたび佐渡汽船から、過去の不動産投資による債務超過を解消し、財務体質の強化を図るため第三者割当増資の要請があったところです。佐渡汽船は、県で行った債務超過に関する調査を受け、取締役会での再発防止策の決議をはじめグループ企業の再編や役員兼務の見直し、さらには遊休資産の処分など財務体質の改善に向けて取り組んできています。県としては、県の要請に沿ったものとして評価しております。このため増資によりジャスダックへの上場が維持されることが望ましいと判断し、増資に応じることとして、本議会にお諮りしたものです。
 また、先日、全日空から新潟-福岡線の休止の申し入れがあったところですが、同路線は、年間14万人が利用する重要路線です。急遽、全日空社長と面会し、路線の存続の要請を行ったところですが、引き続き国や全日空に対して地方の切り捨てにならないような措置を求めてまいる所存であります。

 続いて、提案しております主な議案についてご説明申し上げます。
 第126号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額1,675億3,126万3千円の増額補正についてお諮りいたしました。
 中越沖地震からの早期復旧を図るため、緊急に必要な経費については、去る8月23日に専決処分により予算措置を行ったところですが、今回の補正は今後の復旧・復興に要する経費を計上するほか、重要性・緊急性のある経費を計上するとともに、国の補助事業の内定又は内定見込みなどに伴う所要の措置を講じることとしたものです。

 以下、補正予算の主な項目につきましてこれまで述べたもの以外について、ご説明申し上げます。
 まず、中越沖地震の災害復旧・復興に関しては、公共土木施設等の復旧に要する経費、被災された方々への健康相談等の経費の他、被災した中小企業を支援するための中越沖地震対策資金等や被災した住宅の再建資金に加え、教育復興加配教員の配置経費等を計上したところです。
 続いて、その他の重要性、緊急性のある経費としては、高齢者の孤立死防止のためのモデル事業への支援経費や糸魚川総合病院へのメディカルクラークの配置の支援経費を計上しました。また、農業の担い手の経営基盤の強化を図るため、農用地の集積等に向けた取組への支援のほか、佐渡中等教育学校の設置に要する経費を措置するとともに2008年G8労働大臣会合における警備に必要な経費などを計上したところです。
 以上、補正の主な内容について説明申し上げましたが、その結果、補正後の財政規模は、1兆3,495億6,822万4千円となった次第であります。
 
 次に、その他の議案についてご説明申し上げます。
第127号から第139号までの各議案は、特別会計及び企業会計に係る補正予算でありまして、中越沖地震関連経費を計上するほか、事業実施上必要とするものについて、それぞれ補正するものであります。

 次に、その他の主な条例案件等についてご説明申し上げます。
 第144号議案は、地方公務員の育児休業等に関する法律の改正に伴い、職員が育児短時間勤務を行うことができるよう必要な事項を定めるため、第147号議案は、被災した法人に対して超過課税を適用せず、標準税率とする不均一課税を行うため、
 第148号議案は、佐渡市に県立中等教育学校を設置するため、第151号議案は、先ほどご説明した、県内中小企業の受注の拡大を促進する環境を整備するため、それぞれ、条例の制定及び所要の改正を行うものであります。

 次に、第156号議案は財産の処分について、第157号から第160号までの各議案は、契約の締結について、お諮りするものです。
 また、第161号議案及び第162号議案は、先程説明いたしました中越沖地震からの早期復旧を図るため、緊急に必要な経費について、急施を要するため、やむを得ず専決処分を行ったものについて、承認を求めるものであります。
 次に、第163号から第166号までの各議案は、旧上越土木事務所の架空物件補償に関与した者に対し、損害の補填を目的として、調停を求めるものであり、第167号議案及び第168号議案は、損害賠償額の決定について、お諮りするものです。
 次に、第169号議案は、村上市、岩船郡荒川町、神林村、朝日村及び山北町を廃し、その区域をもって村上市を置くことについて、第170号議案は、市の境界変更について、それぞれお諮りするものであります。
 最後に、第171号から第174号までの各議案は、企業会計に係る平成18年度決算の認定及び利益剰余金の処分について、お諮りいたしました。

 以上、主な議案の概要につきまして説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。

10月11日説明要旨

 ただいま上程されました第175号議案は、平成18年度一般会計及び特別会計の決算の認定について、お諮りするものであります。
 よろしくご審議のうえ認定を賜りますようお願い申し上げます。

10月12日説明要旨

 ただいま上程されました議案4件は、いずれも人事に関する案件であります。
 第176号議案は、教育委員会委員を任命するため、第177号議案は、人事委員会委員を選任するため、第178号議案は、公安委員会委員を任命するため、第179号議案は、収用委員会予備委員を任命するため、それぞれお諮りいたしました。
 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

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