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平成19年6月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0003526 更新日:2019年1月17日更新

平成19年6月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

6月20日説明要旨

 平成19年6月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、災害からの復旧・復興に向けた取組みについてであります。
 中越大震災からの「復旧」につきましては、各種インフラの復旧も概ね終了し、最後まで残っていた山古志地区5集落の避難指示も去る4月1日に解除されました。しかし、未だ応急仮設住宅での生活を余儀なくされている方々は、5月末で324世帯となっております。県としてはこうした避難生活を長期間続けておられる方々に対し、震災復興基金の活用も図りながら、特に個別にきめ細やかな支援を続けているところです。本年末までには、全ての世帯で公営住宅への入居や再建されたご自宅への入居等が可能となる見込みですが、一日も早く、全ての皆様の住宅再建が実現できますよう努力してまいります。
 今後は、これと同時に、確実な生活・生業の再建、持続可能な地域づくり、そして、災害の教訓・経験の発信など、「復興」に向けた諸課題に積極的に取り組んでまいります。具体的には、集落ごとの営農体制づくりや、養鯉業・畜産業の再建、商店街の再生などを促進いたします。また、新たな産業おこし、地域間交流など、コミュニティの求心力確保の鍵となる取組みに対しても、支援をしてまいります。
 今後とも、被災地の皆様や各界の識者のご意見等を頂戴しながら、様々な支援を鋭意展開し、震災からの復興における「新潟モデル」の実現に向けて息の長い取組みを続けてまいる所存です。

 なお、これに関連し、2009新潟県大観光交流年の推進について触れさせて頂きます。
 中越大震災の発生から5年という節目の年である2009年には、JR各社によるデスティネーションキャンペーンの開催や、本県にゆかりの深い戦国の英雄、直江兼続公を描いたNHK大河ドラマ「天地人」の放映が決定いたしました。さらに、トキめき新潟国体開催なども含め、本県に全国の注目を集めることのできる年です。力強く復興した姿や本県の新たな魅力を発信し、より多くの方々の流れを本県へと向かわせることのできる好機と考えております。
 この機会を最大限に生かしながら、更なる交流人口の拡大につなげるため、2009年を「新潟県大観光交流年」としたいと思います。官民が一体となった体制を構築して、連携強化を図りながら効果的・効率的な取組みを行ってまいります。

 次に、2008年主要国首脳会議労働大臣会合の決定についてであります。
 2008年主要国首脳会議の誘致につきましては、昨年から、新潟市や県内経済界などと連携し、誘致活動を展開してまいりました。その結果、先月11日の閣議において、労働大臣会合の新潟市での開催が正式に決定されました。ひとえに誘致を推進してこられた皆様方のご尽力の結果であり、心より感謝を申し上げる次第です。
 県ではこの決定を受け、庁内連絡会議を設置したところであり、新潟市とともに会議の成功に尽力してまいる所存です。加えて、この会議は世界に「新潟」を発信する好機であることから、中越大震災等からの復興や、佐渡をはじめとする本県の観光資源を積極的にアピールし、会議開催の波及効果を全県的に広げるべく、全力を挙げてまいります。

 次に、東京電力柏崎刈羽原子力発電所における一連のデータ改ざん問題への対応についてであります。
 今回の問題では、過去に行われていたとはいえ、東京電力の法令遵守や安全確保に対する経営姿勢が厳しく問われ、立地地域住民の信頼が大きく損なわれました。
 県としましては、東京電力が今後、地域の理解と信頼回復を図るためには、再発防止策の着実な実施はもちろんのこと、安全を第一とする企業体質の改善を一層図っていくことが重要であると考えます。また、人類が扱う最も複雑な技術の一つである原子力発電所のシステムは未だ発展途上であるとの認識のもと、組織や関連企業の運営を含めて徹底した情報の開示や更なる透明性の確保に取り組み、日々改善の努力を蓄積する必要があると痛感いたしました。
 このため、県、柏崎市、刈羽村では、通報者や請負企業に対し通報したことによる不利益が及ばないようにした上で、トラブル等内部情報の通報を受け付ける窓口を新設することとしました。また、東京電力・協力企業との意見交換会への参画や、各種測定データの信頼性を確保する監視強化にも取り組むこととし、安全協定等の改定を行いました。
 県としましては、今後も県民の安全・安心の確保を第一に考えた対応を行っていく所存です。

 次に、新潟水俣病問題への対応についてであります。
 新潟水俣病については、2月に設置した有識者懇談会の中で、この問題に対して本県が果たすべき役割などが議論されてまいりました。先月23日には、私自身も懇談会の委員とともに、新潟水俣病が発生した阿賀野川流域の現場を視察いたしました。
 現場を拝見し、現在は美しさを取り戻した自然の中で、高度経済成長期、環境破壊が行われていたことに様々な思いをめぐらすことになりました。改めて新潟水俣病の対応に長年奔走された方々の苦労が思い起こされました。それと同時に、今も取り残されている被害者がいらっしゃることに心が痛みました。水俣病の被害に遭われた方々は、現在我々が恩恵を受けているこの生活環境を手に入れるに先立って、大きな犠牲を払われた方々であり、感謝と思いやりの気持ちを持って、問題の解決に全力を尽くす決意を新たにしたところです。
 今後は、過去の対応の検証や、被害地域が抱える諸問題を解決するための方策等について、懇談会で活発なご議論を頂き、県民の皆様に新潟水俣病を正しく理解して頂いた上で、新潟版「もやい直し」や被害者に対する救済等につなげていきたいと考えております。

 次に、並行在来線問題についてであります。
 北陸新幹線の開業に伴い、JRから経営分離されることとなっている並行在来線の安定的な運行維持を図るには、沿線地方公共団体の多額の財政支出も予想されるところです。そのため、本県はもちろん県内の関係市や地域住民の皆様、更には他の沿線県においても様々な議論になっております。
 そのような中、国でも、並行在来線の取扱いについての政府・与党申し合わせの見直しの機運が高まっています。政府・与党において関係プロジェクトチームが設置され、並行在来線のあり方を含めた議論が開始されました。本県も、並行在来線の経営が成り立つような新たな枠組みを構築することなどを提案するとともに、本県選出国会議員や関係省庁に対し積極的に要請しているところです。
 本県の並行在来線は、信越本線と北陸本線の2線があり、また、JR東日本とJR西日本の2社にまたがる特殊な性格を有しています。その役割も、沿線住民の日常生活の足であるだけでなく、日本海国土軸の貨物輸送を担う幹線鉄道であります。県としましては、今後とも、その重要性を国に強く訴え、その存続に全力を傾注してまいります。

 次に、少子化対策についてであります。
 少子化対策については、従前より喫緊の課題と位置づけ、新規施策を鋭意展開しているところです。
 その一例としては、未婚化・晩婚化への対応や子どもを安心して生み育てるための支援策を新たな視点で検討すべく、有識者懇談会を設置し、「出会いの場」の創出や結婚をめぐっての県の役割、ボランティアとの協働など、様々な議論を頂いております。
 また、人口の社会減などへの対応として、「個」を伸ばす人づくりのあり方についても多角的な検討を行うため、昨日、有識者会議を設けました。今後の本県の人づくり政策の立案に適宜反映させてまいる所存であります。
 このほかにも、各種の少子化対策を展開しているところですが、来年度に向け新規施策を精力的に企画・立案し、本県の人口減に歯止めをかけるべく努力してまいります。

 次に、北東アジアとの人的・経済的な交流の強化・促進についてであります。
 ご案内のように、本年は、1972年に本県出身の故田中角栄元総理大臣が訪中し、日中間の国交が正常化されてから35年、また、本県が大連経済事務所を設立してから10年、という節目の年に当たります。また、来年は、本県が黒龍江省と友好提携を結んでから25年という記念の年となります。
 私は常々、この機を逃さず、経済発展の潜在力に富む中国東北部をはじめ北東アジアの各地域に対して、新潟を「北東アジアの玄関口」として強くアピールすることは極めて重要であると考えておりました。そのため、まず、先月31日にハルビン市で開催された「2007年日中経済協力会議」に出席し、中国東北部と日本との結節点としての新潟の優位性や、観光交流への展望を訴えました。さらに、来年の
「2008年日中経済協力会議」の新潟開催が決定したことに伴い、同会議への参加を黒龍江省の銭運禄党書記をはじめ東北三省の政府関係者に広く呼びかけてまいりました。
 また、今月12日から16日にかけては、中国外交部の戴秉国副部長や中日友好協会の井頓泉副会長、黒龍江省の張左己省長、大連市の夏徳仁市長などと相次いで面会したほか、黒龍江省の県費留学生の方々とも懇談し、今後の本県と中国との更なる交流促進等についての意見を交換しました。さらに、大連経済事務所開設10周年記念行事の開催やハルビン国際貿易商談会への参画を通じて、特に東北三省との経済的な結びつきを一層強化するとともに、今後の交流拡大に向けた人的ネットワークの構築に努めたところであります。

 加えて、先月22日には、ミハイル・ベールィ駐日ロシア連邦特命全権大使とお会いし、今後の新潟県とロシアとの交流について意見交換を行いました。
 具体的には、ロシア連邦沿海地方ザルビノ村のトロイツァ港との定期航路の開設への期待や、航空貨物便の就航への協力要請のほか、エネルギー貿易の取組みなどにも話題が及びました。今後の経済交流に向けて有意義な会談であったと考えております。
 大使からも、ビジネス面での「新潟」の可能性を広く伝えたいとの心強いお言葉を頂戴いたしました。これを機に、ロシアとの経済交流が一層拡大するよう、県としても最大限努力してまいります。

 次に、地方分権改革や道州制の最近の動向についてであります。
 まず、地方分権改革につきましては、このたび新たに第二期改革がスタートし、5月末には地方分権改革推進委員会が「基本的な考え方」を示したところです。この中では、地方政府の確立や、条例による法令の上書き権等が掲げられており、全体としては評価できるものと考えております。
 県といたしましては、全国知事会等を通じて具体的な提案を随時行っていくとともに、あらゆる機会をとらえて、地方分権改革の重要性を訴えてまいる所存です。
 一方、道州制についてですが、道州制は、分権型社会にふさわしい広域自治体の一つの姿として有力な選択肢です。しかし、自主性・自立性の高い、住民本位の仕組みとするためには、権限・財源が確実に移譲されることが必要です。このため、地方分権改革の議論についてまず国民的な議論を行い、その上で道州制の議論を国民のコンセンサスを得ながら進めて行かなければならないと考えます。
 現在、国の道州制ビジョン懇談会や自民党道州制調査会のほか、経済団体等においても様々な議論がなされております。その中では「基礎自治体の数を300~500程度とすることを目指す」「都道府県から市町村への事務権限の移譲を先行させる」「8~10年以内に道州制に移行」などが論じられております。基本となる道州制下における国と地方の役割分担の共有イメージがない中で議論が進むことに懸念を感ずるところです。また、道州の区割りについては、経済的・社会的な結びつきや地理的、歴史的、文化的条件等様々な観点から決定されるべきです。現段階では、一県で道州を構成する可能性を排除することなく多様な国民的議論を喚起すべきと考えます。
 県といたしましては、拙速な議論により道州制が単なる都道府県合併に決着することのないよう、こうした論点を十分に整理することが先決であるとの考えを、全国知事会等を通じて訴えてまいりました。また、有識者等による懇談会を設置して、県としての基本的な考え方をまとめてきたところです。
 今後は、県民各層から道州制についての認識を深めて頂くため、積極的な情報提供に努めてまいりたいと考えております。議員各位並びに県民の皆様におかれましても、活発なご議論を頂きますようお願い申し上げます。

 続いて、提案しております主な議案についてご説明申し上げます。
第104号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額1,646万4千円の増額補正についてお諮りいたしました。
 今回の補正予算においては、先ほど申し述べました2008年主要国首脳会議労働大臣会合の新潟開催を推進するための経費を計上するとともに、新潟水俣病認定申請者に対する医療費助成を拡充するための経費を計上いたしました。
 その結果、補正後の財政規模は、
1兆1,767億9,646万4千円となります。
 なお、財源対策的基金は、前年同期を上回る残高を確保しているところです。加えて、今後は県債残高を減少させるなど、県民の皆様に不安を持たれないような財政運営を継続してまいる所存です。

 次に、その他の主な条例案件等についてご説明申し上げます。
 第106号議案は、温泉法の一部改正に伴い、温泉利用許可等に係る手数料を規定するため、
 第108号議案は、公職選挙法の改正に伴い、県知事選挙において頒布できることとなったビラの作成費用を公費負担とするため、
 第114号議案は、警察法施行令の改正に伴い、「犯罪による収益の移転防止」に関する事務を刑事部の所掌事務に追加するため、
 それぞれ、条例の改正を行うものであります。

 次に、第115号議案は、財産の取得について、
 第116号から第119号までの各議案は、契約の締結または変更について、お諮りするものです。
 また、第120号議案及び第121号議案は、急施を要するため、やむを得ず専決処分を行ったものについて、承認を求めるものであります。
 すなわち、第120号議案、第121号議案はそれぞれ、平成18年度一般会計補正予算、平成18年度災害救助事業特別会計補正予算であり、歳入予算及び歳出予算とも最終見込額又は確定額を計上したものです。
 最後に、第122号から第124号までの各議案は、損害賠償額の決定について、お諮りするものであります。

 以上、主な議案の概要につきまして説明申し上げましたが、何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。

7月6日説明要旨

 ただいま上程されました第125号議案は、人事に関する案件でありまして、収用委員会委員及び予備委員を任命するためお諮りしたものであります。

 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

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