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森林研究所たより 平成20年度の試験研究(林業にいがた2008年4月号記事)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0058582 更新日:2019年3月29日更新

 当所の試験研究は、林業関係者などからの要望や林業行政推進上の技術的課題について、県農林水産関係試験研究推進構想に照らし、必要性、緊急性の高いものから課題化しています。
 試験研究の基本方針は「森林の多面的機能の高度発揮と林業の持続的かつ健全な発展のための技術開発」で、「県産材の生産と利用技術の開発」、「多様な森林の育成技術の開発」、「きのこ・山菜の新品種・栽培技術の開発」の3主要課題に対応した19の試験研究課題に取り組んでいます。
 20年度の新規課題は1課題です。近年、競争的資金による公募型研究にも取り組んでおり、平成20年度は継続4課題が予定されています。
 ここでは新規課題を中心に概要を紹介します。

1 平成20年度の新規・関連課題

 スギ樹皮を原料にしたペレット製造試験
 「越後杉」の利用拡大策の推進等により県内産スギの生産量は増加つつありますが、製造過程で生ずる樹皮の処理が問題となっています。その樹皮を有効活用する方法について、ペレット製造とその燃焼特性等の試験をするものです。
 また、当所では平成19年度からの公募型研究として「越後杉の炭素化物研磨剤による次世代プリント基板研磨技術の開発」に取り組んでいます。この課題は、「越後杉」生産過程で生ずる間伐材、林地残材、端材、樹皮などの未利用資源の有効利用が求められており、炭素化して研磨剤としての利用化を研究するものです。
 両課題とも、県内産スギ等の木質資源の有効活用と高付加価値化を図ろうとするものです。

炭素化物、ペレット利用が期待されるスギ原料の画像
炭素化物、ペレット利用が期待されるスギ原料

2 主な継続課題

 木材関係では、県産材の利用拡大を図るため、多様な乾燥方法に対応し高品質化を目的とした「多様な高品質木材乾燥技術の開発」、間伐材製品の利活用拡大を図るための「大径・防腐処理材の性能解明」に引き続き取り組みます。
 多様な森林の育成技術では、花粉症対策として期待されている無花粉のスギ品種育成やマツノザイセンチュウ抵抗性品種の育成等、また、里山広葉樹林の育成技術、近年被害量が増加しているナラ枯れ被害対策等の試験研究に取り組んでいきます。
 きのこ関係では、エノキタケ「雪ぼうし2号」とナメコ「新潟森研Pn1号」の普及定着とともに、次期品種の開発に取り組みます。また、きのこ菌床栽培の生産コスト低減の技術開発に取り組みます。

3 その他

 試験研究課題化が必要であるといった技術的な問題等の要望がありましたら、もよりの地域振興局の森林林業担当を通じてお知らせください。
 また、例年のとおり7月には試験研究成果発表会、10月には一般公開を計画しており、多数の参加をお願いします。

きのこ・特産課 篠田 茂(現森林研究所長)

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