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平成30年度「新潟県建設業新分野進出優良事業表彰式」を開催しました

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0120848 更新日:2019年6月29日更新

 県では、建設業から新分野に進出し、他の模範となる優れた成果を収めている事業を広く情報発信することにより、企業の新分野への進出意欲を喚起し、本県地域経済の活性化及び雇用の維持・安定を図るため、平成25年度から「新潟県建設業新分野進出優良事業表彰」を行っています。
 今年度の表彰式を平成31年1月30日(水曜日)に県庁で開催しましたので、表彰式の様子と受賞事業を紹介します。

新潟県建設業新分野進出優良事業表彰式の画像
(前列)左 五十嵐建設工業(株) 五十嵐代表取締役、中央 吉田県土木部副部長、右 (株)皆建 皆川代表取締役 (後列)左 (株)小池組 小池代表取締役、右 (株)山高建設 高野代表取締役

事業の選定について

 応募のあった事業について、有識者で構成する選定委員会において、「(1)雇用の創出効果」「(2)経営資源の活用状況」「(3)新規性又は独創性」「(4)継続性又は将来性」「(5)地域貢献性」の5つの着眼点により厳正なる審査をした結果、次の事業が表彰対象として選定されました。

受賞企業・受賞事業の紹介

五十嵐建設工業株式会社(新潟市江南区) 【事業名】低コスト建築のノウハウを活用した介護サービス事業

 五十嵐建設工業株式会社は、大正4年に旧亀田町、現在の新潟市江南区で創業され、昭和63年に現在の株式会社に組織変更されました。
 現在まで、公共・民間発注の建築・土木工事で多くの施工実績があります。

 本事業は、地域における介護サービスを充足することを目的に、平成16年に開始した介護サービス事業であり、五十嵐建設工業株式会社のグループ企業として平成14年に設立した株式会社東日本福祉経営サービスが行っています。
 介護施設は、五十嵐建設工業株式会社が、低コスト建築のノウハウを活用し施工しています。各地域の需要に合わせた介護施設の運営を行っており、新潟県内のみならず関東圏においても事業を展開しています。
 介護保険法に規定する記録帳票を電子媒体で入力できる「介護記録システム」を開発し、従業員の業務効率化を図ったことで、従業員と施設利用者の触れ合う時間が増え、サービスの品質向上につながりました。

介護付き有料老人ホーム「ハートフルケア阿賀野」 サービス付き高齢者向け住宅「リーシェ上越さくら」の画像
介護付き有料老人ホーム「ハートフルケア阿賀野」 サービス付き高齢者向け住宅「リーシェ上越さくら」

 有識者による選定委員会の講評は次のとおりです。

雇用の創出効果

  • 職員の離職率については、決して低いわけではなく課題を有するものの、育成計画を立て、職位に合わせた研修を行うことで効果的な能力開発、役割認識を行っている。
  • 今後の人材確保が課題となる可能性がある。

経営資源の有効活用

  • 本業の建築工事で築いた低コスト建築のノウハウを、介護事業の施設建設に活かしている。
  • 施設の建物本体及び設備の維持、修繕においても本業の経営資源が活かされており、それが低料金でのサービス提供を可能とし、低価格での差別的優位性を実現している。

新規性・独創性

  • 認知症予防のトレーニングや機能訓練を目的とした機械を施設に導入し、独自のリハビリサービスを行っている点は評価できる。
  • 介護保険法に規定する記録帳票を電子媒体で入力できる「介護記録システム」の開発により、更なる収益源の開拓を行っている。

継続性・将来性

  • 施設稼働率が高く、本事業のプロモーションと地域における認知度の向上については、スタッフの努力が感じられる。
  • 営業利益率も改善しており、市場も拡大傾向であることから、事業の継続性、将来性の評価は高い。

地域貢献性

  • 地域課題を見据え、介護事業の黎明期から事業継続を行っている。
  • 地域の介護ニーズをとらえ、自社の経営資源である建設業のノウハウを活用し、雇用創出を実現しており、地域貢献の大きい事業を展開している。

株式会社皆建(胎内市) 【事業名】スナゴケを活用した防草緑化一体化シートの製品化・販売

 株式会社皆建は、昭和49年に皆川建築店として旧中条町、現在の胎内市で創業され、その後順調に業績を重ね、平成元年に現在の株式会社皆建となりました。
 現在まで、公共・民間発注の建築・大工工事を中心に多くの施工実績があります。

 本事業は、生命力の強いスナゴケの特徴を活かした「防草緑化一体化シート」の製品開発・製造・販売を行う緑化事業として、平成26年に開始しました。
 スナゴケは、日照が続く環境下においても、生命力の強さから美しい景観を保つことができ、そのスナゴケの特徴に着目し、製品化しました。
 この製品は、防草シートに生育したスナゴケを付着させ、飛散防止ネットで覆ったものであり、主に道路脇の緑地帯等に使用され、防草と緑化の機能を兼ね備えたものとして好評を得ています。
 胎内市と共同でスナゴケの栽培試験を行ったり、地域の休耕畑を活用してスナゴケを栽培しており、地域からも高い注目を集めています。

スナゴケ栽培の様子 「防草緑化一体化シート」施工前と施工後の画像
スナゴケ栽培の様子 「防草緑化一体化シート」施工前と施工後

 有識者による選定委員会の講評は次のとおりです。

経営資源の有効活用

本業の新築・リフォーム工事の設計・施工で培った経営資源の活用が評価できる。

新規性・独創性

  • 「防草」というニーズの発見は、環境問題や人手不足といった課題に対応しており、興味深い。
  • 防草シートにスナゴケを定着させるという独創的な工法により、現場での施工性を格段に高め、景観と合わせて防草機能を付加したことは評価できる。
  • 防草シートへの植生は実用新案を取得しており、独創性は十分に認められる。
  • 自社で防草緑化一体化シートの開発、製造、販売を直接行っている点で、独創性が高い。

継続性・将来性

  • スナゴケの生育コントロールが難しい中、いかに安定的な生産を行っていくかが、本事業継続における課題である。
  • 供給量に限界があることから、更なる増産体制構築への取組が期待される。
  • インパクトある広報活動の展開が望まれる。

地域貢献性

スナゴケの栽培にあたり、胎内市との連携や農家からの土地借用、休耕畑の有効活用など、地域との繋がりや地域への貢献は大きい。

株式会社小池組(新発田市) 【事業名】空き家等の管理による「ふるさと見張り番事業」

 株式会社小池組は、大正5年に旧紫雲寺町、現在の新発田市で創業され、その後順調に業績を重ね、昭和38年に現在の株式会社に組織変更されました。
 現在まで、地域に密着した建設企業として、公共発注の土木工事を中心に多くの施工実績があります。

 本事業は、新潟県外に在住するなどの理由で、空き家や土地の管理が困難な人に代わり、定期的な見回り・点検を行うサービス事業として、平成23年に開始しました。
 新発田市内を中心に下越地方一円で事業を展開しており、空き家等の定期的な見回り・点検を実施するほか、依頼者の要望に応じて除草や剪定、家の修繕等のメンテナンス作業も行うなど、顧客との信頼関係を大切にしたサービス提供が好評を得ています。
 本事業は、地域の環境及び治安の改善にも貢献していることが高く評価され、新発田市ふるさと納税の返礼品に採用されています。

家屋の異常箇所点検の様子 伐採作業の様子の画像
家屋の異常箇所点検の様子 伐採作業の様子

 有識者による選定委員会の講評は次のとおりです。

経営資源の有効活用

空き家・空き地の点検、維持、管理、補修に建設業の経験・ノウハウが活かされている。

新規性・独創性

  • 空き家が社会的に問題になり始めた6年前から先行して取組を開始している点で評価できる。
  • リノベーション等へとつなげる事業スキームと戦略は評価できる。

継続性・将来性

  • 顧客や地域に対し、きめ細かい対応をしながら信頼関係を築いており、リピーターの確保に至っている。
  • 他者に空き家の管理を委託するという心理的な障壁をなくすために、本事業を利用することのメリット等について効果的なPRを行っていくことが求められる。
  • 空き家・空き地を相続する状況を考慮すると、本事業をワンストップサービス化し、各方面と連携しながら展開していくことで、更なる事業拡大が見込まれる。

地域貢献性

  • 今後、高齢化及び人口減が進む中で、将来性及び地域貢献度が高い事業である。
  • 地域の人口減少が進む中で、放置や老朽化した空き家が増えてくることに対処して、町の景観、環境及び防犯面での貢献が期待される。

株式会社山高建設(長岡市)【事業名】重曹ブラストを用いた環境にやさしい洗浄事業

 株式会社山高建設は、昭和43年に山高産業として長岡市で創業され、昭和50年に有限会社山高建設となり、平成4年に現在の株式会社山高建設に組織変更されました。
 長岡地域を拠点として、建設業のほか、クレーンリース、鉄板リース業を中心に営業する建設企業です。

 本事業は、重曹・水・圧力・温度の4つの要素を巧みな職人技で適切に調整して、しつこい汚れを除去するエコロビーム工法による洗浄事業として、平成28年に開始しました。
 重曹を用いて汚れを除去するため、環境や人体にやさしい洗浄方法として注目を集め、これまでに外壁洗浄や落書きの除去、神社の石碑や墓石洗浄など、様々な方面で洗浄事業を展開しています。
 また、高圧の温水により消雪パイプ管内の汚れを洗浄するリバーサルクリーニング工法を用い、消雪パイプの水垢や赤錆等の洗浄に取り組み、活躍の場を広げています。

コンクリート壁の洗浄作業の様子 新潟縣護國神社における石材洗浄作業の様子の画像コンクリート壁の洗浄作業の様子 新潟縣護國神社における石材洗浄作業の様子

 有識者による選定委員会の講評は次のとおりです。

経営資源の有効活用

  • 本業で所有しているトラックやクレーンを、洗浄機材の運搬や高所での洗浄作業に有効活用している。
  • 経営資源である重機については、今後、クリーニング役務全般において更なる活用の拡大が期待できる。

新規性・独創性

  • 重曹・水・圧力・温度の4つの要素を用いて洗浄するエコロビーム工法という他社の技術を、自社が培ってきたノウハウをベースに発展させ、地域の美化に貢献している点で評価できる。
  • 環境に配慮した洗浄方法を追求している点で評価できる。

継続性・将来性

  • 高圧の温水により管内を洗浄するリバーサルクリーニング工法の優位性は評価でき、本事業は、同技術を用いた消雪パイプの洗浄における取組が中心となっていることから継続性が期待できる。
  • 本事業は、現段階では十分な需要確保に至っておらず、更なる事業PRが必要である。

地域貢献性

  • 街の中の目に付く汚れをきれいにすることから、景観に対する貢献度は高い。
  • 地域における消雪パイプの赤錆などの課題に対し、環境に配慮した洗浄事業を展開しており、地域貢献性が評価できる。

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