ページ番号を入力
本文
放射線を出す物質を放射性物質といい、その性質や能力のことを放射能といいます。ここでいう放射線とは、アルファ線、ベータ線、ガンマ線などを指します。いずれも目に見えませんが、光によく似た性質を持つ(光よりも)高いエネルギーの流れです。
言葉は似ていますが、意味は異なります。
例えば、放射線は「放射線を浴びる」、「この場所の放射線の量は多い」などのように使われます。
また、放射能は「この物質は放射能を持っている」「この物質の放射能は強い」などのように使われます。
放射性物質そのものが放射能と呼ばれることもありますが、テレビや新聞などで「放射能がもれた」などと報道された場合、実際は放射線と混同していたこともありましたので注意が必要です。
放射能と放射線の関係は、電球の発光量(光束)と部屋の明るさ(照度)の関係に例えることができます。
電球は光を発します。電球の発光量が大きいと、光が多く出て部屋が明るくなります。
放射性物質は放射線を発します。放射能が強いと、その場の放射線量も多くなります。
この場合、次の表のように対応づけることができます。
なお、単位については「放射線や放射能の単位について教えて」のページでくわしく解説します。
もととなるもの | 電球 | 放射性物質 |
---|---|---|
強さの基準 | 発光量 | 放射能 |
強さの単位 | lm(ルーメン)、 W(ワット)など |
Bq(ベクレル) |
出てくるもの | 光 | 放射線 |
出てくるものの量を |
lx(ルクス)など |
cpm(シーピーエム)など |
表中の単位は一例です。
Wは正確には定格消費電力ですので、明るさの指標にはなりますが、明るさそのものではありません。
cpmは1分あたりの放射線の計測数(count per minute)です。
Gyは放射線が照射された空気が受け取るエネルギー量を表します。
電球から離れると光の量が減るように、放射線も距離を置くと量が減ります。適当な物(紙や壁、鉛の板など)を使えば、さえぎることもできます。