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【魚沼】〔魚沼の風景〕魚沼が生んだ日本文壇の巨匠山岡荘八

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0061854 更新日:2011年4月1日更新

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 山岡荘八は大河ドラマ「徳川家康」の原作者として有名ですが、魚沼市(旧小出町)の出身ということをご存知の方は少ないのではないでしょうか。「徳川家康」をはじめ数々の名作を世に生み出し、その卓越した功績により紫綬褒章などたくさんの賞を受章されました。今回の魚沼の風景では、魚沼が生んだ日本文壇の巨匠、山岡荘八についてご紹介したいと思います。(写真は山岡荘八本人)

【魚沼】〔魚沼の風景〕魚沼が生んだ日本文壇の巨匠山岡荘八 の画像

山岡荘八の業績

 山岡作品の多くはいわゆる歴史・ロマン小説ですが、筆の幅はこれにとどまらず社会評論や政治論評・エッセイと多方面にわたっています。
膨大な作品群が語る国民への熱い眼差しは、「戦争の回避と平和の希求」の思想が生きています。代表作「徳川家康」は山岡の力作として知られていますが、ここに山岡の思想と哲学がふんだんにちりばめられていることは言うまでもありません。
長年の卓越した功績により、「長谷川伸賞」、「吉川英治文学賞」を受賞「紫綬褒章」等を受章し、没後「従四位勲二等瑞宝賞」を受章しました。

代表作「徳川家康」

 小説「徳川家康」は、1950年から北海道新聞が終戦後に夕刊を復刊させる際に執筆を依頼したのがきっかけで書かれた作品です。150回で完結という依頼でしたが、「それではとても家康が生まれるまでいかない」と山岡荘八は難色を示しました。しかし担当者から「とにかく150回でオギャーッと言わせれば題名に嘘は無くなるから書いてくれ」と粘られ、書くこと承諾しました。連載が始まると人気となり、足かけ18年、原稿用紙にして17,000枚以上の大作となりました。小説は全26巻の単行本としても出版され、現在までも続くロングセラーとなっています。

写真の愛蔵決定版は全18巻ですの画像
写真の愛蔵決定版は全18巻です。

 山岡は第二次世界大戦中、従軍作家として多くの特攻隊員を取材した経験から、その際に触れた日本の存続や世界平和への祈りを胸に秘めて散っていった彼らの思いを、徳川家康の欲した「泰平」に重ね合わせて描こうとしました。
作中の家康は、「戦のない世を作ろうと真摯に努力する家康」「大坂の陣を回避し豊臣秀頼を助命しようとする家康」「皇室尊崇の念の篤い家康」として描かれていて、一般的な家康の「狸親父」のイメージから大きくかけ離れるものとなっています。後にはビジネス本としても評判となり、経営者虎の巻のように扱われ各界の著名人も愛読したといわれています。

山岡荘八と俳句

 『菊ひたしわれは百姓の子なりけり』

この句は昭和17年に山岡荘八が詠んだ句で、荘八の代表句と言われています。
香り高く気高い菊の花が、天皇家の御紋章を連想させ、平和と生命尊重の象徴であるとして詠んだもので、この菊の花を育て感動もって賞味できる農民の子としてこの上ないと歌い上げたものです。
この句については自伝の中で、「第2次世界大戦は天皇の決断が無ければ終戦はなく、自分や息子たち、一族の誰彼もみな死んでいただろう。その尊い皇室の御紋章に通じる菊花を庭に植えて食うなどは以てのほかであり、怒りさえ覚える」と書かれています。
「山岡荘八句抄」の囲みの「又生きてまた生きて七十年」に掲載されている句を数えると、72歳の生涯に73句を詠んでいます。

これは「咲くはなも散る花も見ている野の仏」という句。荘八は多くの句を残しましたの画像
これは「咲くはなも散る花も見ている野の仏」という句。荘八は多くの句を残しました。

山岡荘八をたたえる碑

 山岡荘八の33回忌にあたり、魚沼市名誉市民の称号が贈られ、道の駅ゆのたに・深雪の里に生誕之地碑が建立されました。碑に彫られた字は、代表作「徳川家康」にちなみ徳川宗家18代・徳川恒考氏の揮毫によるものです。

生誕之地碑の画像
生誕之地碑

 荘八のふるさとが一望できる小出公園には文学碑があります。昭和56年に建立された碑には、「菊ひたしわれは百姓の子なりけり」の句が刻まれていますが、「小出に碑が建てられるときは『菊ひたし』の句に」との夫人の遺志により選ばれました。

文学碑の画像
文学碑

 上記の山岡荘八生誕地の碑は山岡荘八顕彰会により建立されました。顕彰会のメンバーは現在20名で、山岡荘八にかかわる文化講演会の開催など、精力的に活動されています。事務局長の山森勲さんは「山岡荘八顕彰会は地域興しと文化の振興を目的として取り組んでいます。今後は魚沼から山岡荘八の偉業を全国に発信し、観光振興につながればと念じて顕彰事業を継続したいと思っています。」と話されました。

山岡荘八顕彰会の皆さんの画像
山岡荘八顕彰会の皆さん


レポーターより

 今回の取材を通して山岡荘八の偉業を知り、作品の中に込めた平和を願う気持ちを感じることができました。これまで山岡荘八の作品に触れたことがありませんでしたが、今回の取材で大変興味が湧き、作品を探して読んでみたいと思いました。最後に、大変お忙しいところ取材に協力していただいた、山岡荘八顕彰会事務局長の山森勲さんに感謝いたします。

中越家畜保健衛生所 田中


「魚沼の風景」は、魚沼市内に勤務する県職員が、日々の業務や暮らしの中で見つけた、魚沼のイベント、特産物、観光地など魚沼の魅力をレポートするものです。なお、掲載内容については正確を期するよう努めておりますが、限られた時間での取材であるため、不十分な点がある場合もありますが、ご容赦下さい。

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