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研究成果

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0428186 更新日:2023年12月19日更新

主な研究成果

成果の概要を記載しています。研究成果情報については新潟県農業総合研究所HPをご覧ください。

 

1 米に関する研究成果

(1)米を原料とした容器素材の製造方法

 米粉を蒸練やエクストルーダー処理によりα化し成形することで、ストローやシート状の容器素材が製造できる。これらの素材は、焼成等を行うことで可食となる。

(2)米由来原料のみを用いたチーズ様食品の製造方法

 α化もち米澱粉等の米由来原料のみを用いてチーズのような伸展性や溶融性を示すチーズ様食品を製造できる。この食品は、プラントベース食品素材として活用が可能である。

(3)加工食品の物性調整に利用できる糊化調節米粉の製造方法とその利用法

 過熱水蒸気(アクアガス)、加熱押出(エクストルーダー)、蒸気加熱等による原料(精白米、破砕米、米粉等)の糊化処理により、生の粉やα粉とは異なる性質を有する糊化調節米粉を製造することができる。米粉パン製造時に、物性改良材として糊化調節粉を用いると、焼成後の米粉パンの硬化を抑制することできる。

(4)玄米に含まれる機能性成分の加工による影響

 玄米に含まれる機能性成分含量は、加熱や発酵などの加工により変動する。γ-オリザノール含量は、炊飯による影響を受けず、煎餅やスナック加工でも3~7割程度保持される。遊離フェルラ酸含量は、玄米の麹化により約5倍に増加する。

(5)水戻しで食べられる米粉α化シートの特徴

 米粉α化シートは、加水した米粉を蒸練した後、圧延機でシート状に延して乾燥することにより製造できる。シートは水戻しで食べることができ、米粉の違いによって異なる物性が得られる。

(6)音響振動データを活用する米菓の客観的食感測定法

 貫入応力測定装置に音響振動測定装置を組み合せた食感測定システムにより、米菓の破断時の音響信号と貫入応力の同時測定が可能となり、それらの解析値から米菓の食感を客観的に特徴付けることができる。

(7)米粉で作成したバッターは吸油性が低い

 米粉のバッターは小麦粉と比較して吸油量が少ない。米粉よりバッターを作成する場合、同程度の粒径であれば澱粉損傷度を低くする事でより吸油量を下げることが可能となる。

(8)ピンミル製粉機によるパン用微細米粉の製造方法

 60分以上浸漬したうるち精白米をピンミル製粉し、平均粒径約75μm以下程度、澱粉損傷度4%以下の米粉を製造することができる。この米粉を用いることで比容積4ml/gを超える形状に優れた米粉パンを作製することができる。

(9)米粉を使用した乾麺の製造技術

 生地水分を均一にして製造した米粉麺を、温度と湿度を制御しながら緩慢に乾燥することで、落麺や変形の少ない米粉乾麺を製造することができる。

(10)米と大豆の組み合わせによるクッキー状、パン状完全栄養食品の製造方法

 精白米と大豆を基本とした完全栄養(アミノ酸スコア100、良好なPFCバランス)食品として、成形した生地を125~135℃で30分程度焼成することでクッキー状に、糯米α化澱粉と乳化剤を配合することでパン状に製造できる基本技術を開発した。

(11)食味に優れる低カロリー包装米飯の製造方法

 食味に優れる低カロリー包装米飯は、2.0倍加水による電気炊飯時の硬さが35gw・cm以上の米品種を用いて、洗米後に低タンパク処理して蒸気炊飯することで製造できる。

(12)米胚芽、米糠を用いたγ‐アミノ酪酸(GABA)の大量生産方法

 米胚芽や米糠を触媒として、ピリドキサルリン酸存在下でグルタミン酸と反応させると、血圧上昇抑制効果のあるγ‐アミノ酪酸(GABA)を効率良く生産できる。

2 園芸特産品に関する研究成果 

(1)食感や外観に優れる冷凍えだまめの製造方法

 良食感な冷凍えだまめは、莢厚及びブランチング処理水の条件に応じた適正なブランチング時間で処理し、急速冷凍することにより製造できる。製造後の冷凍えだまめは、-35℃貯蔵することにより冷凍焼けを抑制でき通年供給が可能となる。

(2)冷凍えだまめの冷凍焼け評価方法と良好な外観品質の目安

 冷凍えだまめの冷凍焼け程度は、冷凍焼けチャートを用いて冷凍焼け指数として数値化でき、既存の市販品と比べて商品性が保たれる外観品質は冷凍焼け指数20以下を目安とする。

(3)品出荷のためのシャクヤク薬用成分簡易測定法

 収穫後、風雨を避けた屋外(下屋)等で7日間以上自然乾燥させたシャクヤクの根茎をすり下ろし、50%エタノールで抽出した溶液の吸光度(232nm)を測定することで、短時間で安価に薬用成分(ペオニフロリン)含量を推測することができる。

(4)新潟茶豆における食味関連項目の簡易推定法

 新潟茶豆の食味に関連する官能評価の総合評価値や成分等は、生莢及び生豆を用いて色差計及びBrix糖度計の各測定値から簡易推定できる。本法は、1サンプルあたり30分程度で食味関連項目を算出でき、出荷前及び流通中に迅速に実施できる。

(5)かんしょ“べにはるか”の追熟ステージの特徴

 「べにはるか」は収穫後の追熟により、肉質状態が粉質から粘質、しっとりへと変わる品種であり、その追熟ステージは外観的特徴や官能的特徴、性状及び品質の測定値から5段階に区分される。

(6)長期貯蔵できる金糸瓜の収穫期の目安

 金糸瓜の収獲時期は、日積算温度 900℃・day を目安とする。これにより金糸瓜の品質は、貯蔵後 160 日まで確保できる。

3 発酵・微生物に関する研究成果

(1)無塩発酵味噌の製造方法

 無塩の発酵味噌は、味噌原材料にアルコールによる雑菌低減処理を行い、短期間高温仕込みによる酵素分解処理後、低温条件下で発酵微生物を添加し段階的な昇温管理を行うことで得られる。

(2)米麹を使った新たな甘味料の簡易製造方法

 米麹2~3倍量の温湯を加え55℃・10~15時間の糖化を行い、ろ過分離及び濃縮することで清澄グルコース(ブドウ糖)を主成分とする甘味料ができる。また、糖度(Brix)を48%以上に調整すると水分活性(Aw)が0.90以下になり、利便性が向上する。

(3)新潟オリジナル乳酸菌を用いた衛生的な非加熱食品素材の製造技術

 地域特産農産物のペーストに乳酸菌ウオヌマ株を100万個/g以上接種して5℃で1~2週間以上発酵させることにより、非加熱でも大腸菌群陰性となり、適度な酸味や機能性アミノ酸を付与した食品素材となる。

(4)定量PCRによる乳酸菌ウオヌマ株菌数の迅速測定法

 ウオヌマ株利用製品の菌数は、tuf 遺伝子(タンパク質伸長因子 TU の遺伝子)を検出対象とする定量PCRにより1日以内で測定できる。また、ウオヌマ株定量用プライマーを用いて、ウオヌマ1~3株を株ごとに測定できる。

4 水産物に関する研究成果

(1)イナダを用いた練り製品用調味料の製造技術

 ボイルしたイナダの身にイカの肝臓を添加して加温し熟成して作製したペーストに、濃縮したイナダのボイル液と頭、骨等のエキスを加えることで、イナダの風味とイカの塩辛の風味が合わさった練り製品用調味料ができる。

(2)醤油麹を使った魚醤油の短期製造法

 蒸煮加熱したホッケ等の魚肉部に対して醤油麹及び食塩を加えて発酵・熟成することで、5~15日の短期間で酸化臭及び酪酸臭を低減した魚醤油を製造することができる。

(3)サワラから旨味と弾力のある蒲鉾を作る方法

 市販冷凍すり身のような水晒し工程がないため、旨味が豊富なサワラのすり身ができる。これに重曹を加えpHを調整し食塩等とまぜることで、しなやかで弾力を持つ蒲鉾ができる。

(4)低油量乳化による柔らかく滑らかな中間素材の開発

 魚介類のすり身等を乳化する時に、キサンタンガムを0.5%添加することで、低油量で柔らかく滑らかな食感を有する中間素材ができる。

 

 

 

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