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【新潟】新川・西川立体交差の遺構(底樋)発掘
低湿地の地形のために長年の水害に苦しんでいた、「鎧潟、田潟、大潟」周辺(現在の新潟市西蒲区、西区)の人々は、江戸時代最大級の底樋工事を完成させ、新川と西川の立体交差を実現させた。
この度、付近の土地の再開発を契機に、この底樋の一部が発掘された。ここでは、その発掘の様子をお伝えしたい。
底樋の発掘箇所
底樋の一部が発掘されたところは、西川水路橋のひとつ下流にある人道橋付近。
西川水路橋
西川水路橋の下流にある人道橋
発掘の様子
底樋の発掘に先立ち、土壌調査で使用される掘削機を用いて、底樋の存在の有無及び位置の確認が行われた。
その結果、底樋と思われる遺構の位置が特定されたことから、平成29年6月21日(水曜日)、22日(木曜日)の二日間に渡って、発掘調査が行われた。
地下水位が高いため何台もの排水ポンプが稼働
土砂の崩落を防ぐために鋼矢板を設置しているところ 手前の方が重機のオペレーターに矢板の位置の加減を指示している
遺構の一部を発掘
調査の結果、杭を発掘。記録によれば、底樋の材料は再利用されたようで、杭も上部が切断されていた。底樋の底板の発掘も目指したが、法面の崩落が危惧されたことから断念。
先人の努力の結晶を目の当たりにすることができ、今後は、文化財登録に向けて取り組まれる様子。
発掘された杭の上部
底樋の図面
埋め戻し
調査期間終了後は、埋め戻された。
埋め戻しの様子
底樋以降に設置された新川九門暗閘の残骸