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【新潟】「川を知り地域の魅力を発見する通船川ウォーク」を開催しました
開催概要
平成27年11月21日(土曜日)、新潟県立大学と連携して「川を知り地域の魅力を発見する通船川ウォーク」を開催しました。
県立大学生に地域を流れる通船川を知ってもらい、合わせて地域住民との交流により新たな魅力を発見し、川と地域に親しむ契機とすることを目的として初めて開催しました。
県立大学生21人と地域住民3名が参加し、午前はウォーキングとマイクロバスで沿川を巡り、午後は県立大学で通船川を題材にしたワークショップを行いました。
そのときの様子を紹介します。
(午前の部)通船川沿川見学
午前は通船川沿いを巡り、その歴史、治水・利水、産業、環境を学びました。
1 津島屋閘門排水機場・通船川(津島屋工区)
津島屋閘門排水機場
通船川(津島屋工区)
津島屋閘門排水機場は通船川の最上流部にあり、浄化用水として阿賀野川の水を自然流入させています。通船川の水位は阿賀野川に比べ約2メートル低いため、閘門やポンプ設備を備えています。(左下写真)
学生のみなさんは、水位差や水質を確認していました。
通船川(津島屋工区)では、生物の生息や親水性に配慮した護岸の整備が進んでいます。(右下写真)
学生のみなさんは、護岸に魚の住みかになる魚巣ブロックが設置されていることなどを興味深そうに聴いていました。
2 松崎地区遊歩道
松崎地区遊歩道(スタート地点)
松崎地区遊歩道(かわせみ橋付近)
松崎大橋から松崎地区の親水護岸まで全員で歩きました。この間の遊歩道は住宅地に隣接しており、緑地帯が整備されています。途中にはベンチやあずま屋が設置されており、川と合わせて気持ちのよい景観となっています。
地域住民の方から、この区間が住民主体のワークショップの意見を取り入れて整備されたとの説明がありました。
学生のみなさんは、川と住宅地が一体となった遊歩道沿いの景観を楽しみながら、住民の方の話を熱心に聴いていました。
3 松崎地区親水護岸
松崎地区親水護岸
松崎地区には階段護岸や船着場が整備され、親水性に配慮がなされています。背後には公園が整備され、イベント時には川と一体的な利用がなされています。
地域住民の方から、ここを拠点に鯉のぼりイベント(5月)、灯ろう流し(8月)、クリスマスイベント(12月)など、季節ごとの催しや美化活動を住民主体で行っているとの話がありました。
4 新潟合板振興株式会社及び貯木場
工場内(原木)の説明
隣接する県営第一貯木場を見学
工場内(製造工程)の説明
続いて、バスの中から県営第二貯木場を見学し、新潟合板振興株式会社へ向かいました。
新潟合板振興株式会社は、昭和37年に通船川沿いの現在地に設立されて以来、50年以上にわたり合板製造を続けています。
長い間、通船川とともに歩んできた会社の製造工程を見学させていただきました。
学生のみなさんは、通船川が地域の産業を支えていることを理解し、「合板ができるまで」を興味深く見ていました。
5 通船川右岸遊歩道(鴎橋~焼島橋)
通船川右岸遊歩道
次は、通船川右岸にある遊歩道を鴎橋から焼島橋まで歩きました。この間は、対岸に大きな工場が立ち並ぶ工業地帯となっています。
学生のみなさんは、松崎地区とは異なる景観を楽しみながら歩いていました。
6 河口の森
船小屋
河口の森は、近年、船着場、舟小屋など、親水空間としての整備が進んでおり、NPO法人や高校端艇部の活動の場となっています。
7 山の下閘門排水機場
通船川の成り立ちなどの説明
ポンプを見学
山の下閘門
山の下閘門を見学
午前の部の最後に山の下閘門排水機場を見学しました。
ここでは、当部の担当者が(1)通船川の成り立ち、(2)新潟地震後の災害復旧事業による山の下閘門排水機場の建設、(3)海抜ゼロメートル地帯を水害から守っている役割などをスライドを使って説明しました。
その後、ポンプと閘門設備を見学し県立大学へ戻りました。
学生のみなさんは、見学を通じて防災上重要な施設であることを理解していました。
(午後の部)ワークショップ
午後は県立大学で通船川に関する次の議題によるワークショップを、3班に分かれて行いました。
- 議題1:今までの自分と通船川とのつながり
- 議題2:今回、通船川を知って感じたこと
- 議題3:今後、通船川沿川がどのような「まち」になってほしいか
- 議題4:そのためにあなたやあなた以外の人ができることは何か
1 ワークショップの様子
ワークショップ開始
ワークショップの様子(1班)
ワークショップの様子(1班)まとめ
ワークショップの様子(2班)
ワークショップの様子(2班)まとめ
ワークショップの様子(3班)
ワークショップの様子(3班)まとめ
学生のみなさんは、進行役の指示に従い自分の意見をまとめた後、順番に発表し意見交換していました。
地域住民の方は1名ずつ各班に加わり、一緒に議論しながら交流しました。
2 ワークショップ後の発表
発表の様子(2班)
発表の様子(3班)
発表の様子(1班)
各班での意見交換・まとめの後、順番に発表しました。
ワークショップ後の発表での主な意見
- 今までの自分と通船川とのつながり
通船川と県立大学生との関わりは薄い。 - 今回、通船川を知って感じたこと
- 護岸工事が進み、遊歩道や公園が整備され景観がよい反面、雑草で川の景色が見えない。
- 住民の意見を取り入れて河川整備が進められており、地域住民に親しまれる川。
- 住民の川への気持ちが強く、イベントや美化活動が盛ん。
- 今後、通船川沿川がどのような「まち」になってほしいか
- 子ども、家族連れ、学生など若い世代が、気軽に遊びに行きたくなるような「まち」
- 住民や学生がイベントなどを通して交流し、川に親しみを持つ「まち」
- 水がきれいで、水遊びなど人が川に集まる自然豊かな憩いの「まち」
- そのためにあなたやあなた以外の人ができることは何か
- 川に関心を持ち、イベントに参加するなど関わりを持つ。
- 大学生が住民と一緒にイベントを企画し、通船川と関わる機会を増やす。
- クリーンアップイベントにより環境や川の大切さについて考える機会を持つ。
などの意見が出されました。
イベントを終えて
当部主催のイベント「川を知り地域の魅力を発見する通船川ウォーク」に県立大学生及び地域住民のみなさんに参加いただき、大変ありがとうございました。
県立大学生のみなさんに地域住民と交流しながら通船川を学ぶことを通じて、川と地域の魅力を発見し理解を深めてもらうことを目的に、初めて開催させていただきました。
県立大学生と通船川とのつながりは薄いものでしたが、新たな視点や地域との関わりへの前向きな意見が多く提案されました。
当部としましても、これらの意見を参考とさせていただき、河川整備、イベント開催、美化活動などに生かして参りたいと考えております。
学生のみなさんには、引き続き、通船川及びその周辺地域の今後の姿について、ご意見をいただくようお願いします。