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【新潟】新潟市内の小学校教員のみなさんが、山の下閘門排水機場と新潟浄化センターを見学しました
新潟県管理施設見学会(教員向け)の開催趣旨
新潟県土木部では、広く土木の魅力と重要性を理解してもらうため、県民へのPR事業を行っています。その一環として新潟地域整備部では、近年小学生を対象に施設見学会を開催してきましたが、今年度はより多くの小学校からインフラに興味を持ってもらうため、初めて先生方を対象とした施設見学会を企画しました。
これを機に、インフラの役割を今まで以上に認識いただき、日ごろの教育活動に役立てて頂けると幸いです。
山の下閘門排水機場
最初に、山の下閘門排水機場を見学しました。山の下閘門排水機場は、昭和39年の新潟地震の際に建設された施設で、水位差のある川と川を通航するための閘門と、水位の低い通船川の水を信濃川に排水するポンプ場を併設しており、地域の産業振興や私たちの暮らしを水害から守る要の施設としての役割を担っています。
新潟地域には海面より低い土地が広範囲に存在するため、このほかにも多くの排水機場が設置され、24時間体制で水位を調整しています。
以下に見学会の様子を紹介します。
山の下閘門排水機場の機能説明
山の下閘門排水機場では県の担当者が、低平地の広がる新潟地域を水から守る仕組みを説明しました。
新潟地域は海面下の土地が多く、水が溜まりやすい地形となっていることから、ポンプや放水路による排水が、私たちの生活を水害から守るためになくてはならない存在となっています。
山の下閘門排水機場は、24時間体制で東新潟地域の安全・安心を守っている重要な施設です。
新ポンプを見学
新ポンプは平成10年の8.4水害を契機に建設されました。毎秒30平方メートルの排水能力を持ち、大雨の際には周辺地域を浸水被害から守ります。
新ポンプの完成により、山の下閘門排水機場の排水能力は、以前の2倍以上(毎秒21.6平方メートル→51.6平方メートル)になりました。
閘門で水位の変化を見学
閘門は船のエレベーターと言われており、約2mの水位差のある信濃川と通船川とを通航するための施設です。主に新潟港から通船川中流域の貯木場へ、輸入した材木を運ぶために利用され、地域の産業振興に役立っています。
先生方は、閘門が開き水位の高い信濃川から閘門内へ勢いよく水が流れ込む様子を見て、改めて水位差の大きさに驚いていました。
新潟浄化センター(下水処理場)
次に、新潟浄化センター(下水処理場)を見学しました。この処理場は、東区・江南区の生活排水(下水)を広域的に処理し、きれいな水にして阿賀野川に放流しています。
下水処理施設の仕組みや微生物の役割の説明を施設の担当者から受けたほか、広い施設を歩いて見学して廻りました。
下水道についての説明
下水道の仕組みについて、担当者が分かりやすく説明しました。私たちの生活排水が下水処理場できれいな水になって川に戻る仕組みについて、流れ込む汚水ときれいになった処理水とを比較して見せるなど具体的な説明があり、先生方は興味深そうに聴いていました。
反応タンクを見学
反応タンクでは、汚水に微生物の入った活性汚泥を混ぜ、空気を送り込んでかき混ぜます。すると、微生物が汚れを食べ、汚れの塊になります。
写真に写っている池では、送り込まれた空気が泡となって水面に湧き出ている様子が見られました。
最終沈殿池を見学
最終沈殿池では、ほとんど透明な水と汚れの塊とに分離されます。その後、消毒されて阿賀野川に放流されます。
この処理場では、最終沈殿池を経た水で花苗や鯉の育成を行っています。
参加者アンケートの結果
参加者へのアンケート結果は、概ね良好でした。
以下に参加した先生方からのご意見を抜粋して紹介します。
- 県の様々な施設について見学する機会がありとてもよかったです。他の施設についても同様の見学会があるととても参考になります。
- 実際に施設を見せていただいて、初めて知ることが多くありました。
- 初めて訪問した施設もあったが、今後の学習や見学計画に役立てたり、検討材料としていきたい。
- 新潟での暮らしと水のつながりはとても強いと思うので、両見学とも大変ためになりました。
見学会を終えて
今年度、初めて先生方を対象に県管理施設の見学会を開催しました。
夏休み期間中にもかかわらず、多くの方から参加していただき、ありがとうございました。
今回は、海面下の土地が広がる新潟地域を水害から守っている山の下閘門排水機場と、私たちの生活排水をきれいな水にして川に戻している新潟浄化センター(下水処理場)の2つのインフラを見学していただきました。これを機に、インフラに対する理解をより一層深めていただき、教育活動の一助として当部の施設見学会を利用していただければと思います。
今後も、様々な形で土木事業のPRに努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。