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労働相談トピックス平成30年4月(長岡労働相談所)
毎月1回、労働関連の役立つ情報を分かりやすくお伝えする「労働相談トピックス」。
長岡労働相談所に寄せられた相談の中からよくある相談事例をピックアップして基本的な考え方を解説します。
今月は「労働条件を確認するために~労働条件通知書について~」です。
なお、解決方法や判断要件は内容によって異なりますので、具体的な案件は直接ご相談ください。
最近、就職が決まり働きはじめましたが、会社からは賃金や休日などの労働条件を口頭で説明されただけです。自分の労働条件について書面でもらうことはできますか。
会社に就職するということは、労働者と会社との間に労働契約が成立したということになります。労働者には、「労務を提供する義務」が生じ、会社にはそれに見合った「賃金を支払う義務」が生じます。
労働基準法では、使用者は労働条件である賃金、労働時間、休憩、休日等について、労働者に対し書面で明示(交付)しなければならないと定めています。この書面が、一般に「労働条件通知書」と言われるものです。
仕事を始める際に、会社から「労働条件通知書」を交付されなかった場合は、必ず会社に「労働条件通知書」の交付を求めて下さい。
それにより、お互いが労働条件を確認し合い、納得のうえで仕事を始めることができることになります。また、双方にとって後日のトラブルを防ぐことにもなります。
なお、会社に「労働条件通知書」の交付を求めても、交付してもらえない場合は、労働基準監督署に相談して下さい。
Point1 労働条件の明示事項について
明示しなければならない労働条件については、労働基準法第15条および同法施行規則第5条に次の通り定められています。それによると、必ず明示しなければならない事項と定めをした場合に明示しなければならない事項があります。
必ず明示しなければならない事項
- 労働契約の期間
- 有期労働契約を更新する場合の基準
- 就業の場所・従事する業務の内容
- 始業・終業時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
- 賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
- 昇給に関する事項
※1~6は書面の交付により明示しなければならない事項、7は口頭の明示でもよい事項
定めをした場合に明示しなければならない事項
- 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払い方法、支払いの時期に関する事項
- 臨時に支払われる賃金・賞与などに関する事項
- 労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
- 安全衛生に関する事項
- 職業訓練に関する事項
- 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
- 表彰、制裁に関する事項
- 休職に関する事項
また、就業規則に労働条件が具体的に規定されている場合、労働契約時に労働者に適用される部分を明らかにしたうえで就業規則を交付すれば、同じ事項について書面を交付しなくても良いとされています。
なお、労働条件の明示(第15条)に違反した使用者は、労働基準法第120条により罰金(30万円以下)に処せられることになります。
Point2 パート労働者等への労働条件の明示について
パートで働く人に対しては、上記Point1の他に、パートタイム労働法第6条により、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口についても、会社は書面の交付等により明示しなければならないとされています。
パートなど有期雇用で働く人の場合、「雇入通知書」や「雇用契約書」等で労働条件の明示と雇用契約の締結を兼ねる形態をとっているケースが一般的です。
編集担当コラム
4月は、学生が社会人として飛び立つ季節。
真新しいスーツ姿の若者に出会うと、自分が新入社員だった頃を思い出し、つい応援したい気持ちになります。あの頃は学生気分が抜けきらない新人で、先輩に遅刻は厳禁だと諭されたものでした。そのため、早く就寝するなど生活を夜型から朝型へ切り替えようとささやかな努力をした覚えがあります。
働き始めて、より時間の大切さを知り、また休日の過ごし方も重要だと気づきました。自分らしい充実した休日を過ごすこと。それが心身をリフレッシュさせ、仕事への活力に繋がります。
さて、あなたはどんな休日を過ごしますか?
労働関係にお悩みの方は、
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