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子ども読書レベルアップ研修会(第1回・第2回)の実施報告

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0123311 更新日:2019年6月29日更新

第1回子ども読書レベルアップ研修会

1 期日 平成30年8月7日(火曜日)
2 時間 13時30分~16時30分
3 会場 直江津学びの交流館(上越市)
4 テーマ 「声」をもとめて~日本の子どもの文学、その歴史と現在~
5 講師 武蔵野大学文学部教授 宮川 健郎 様
6 参加者 17名(学校の司書、読書ボランティアなど)
7 内容

(1)講演

 宮川先生の「子どもたちの『聞くことのコップ』は、十分に読んであげることで満たされる。まだまだ読んであげるものが少ないのではないか」との言葉から、講演が始まりました。
 続いて、絵本と児童文学の違い、童話から児童文学への推移について、具体的書名やその中身をもとに学びました。
 絵本は、めくっていくことで展開するもので、工芸的、視覚的文化であるのに対し、児童文学は、挿絵がなくめくらなくとも話が展開するもので、巻物のようなものであることを教えていただきました。また、戦争を契機として、詩的・象徴的・短編である「童話」から、散文的で社会と子どもとの関係を描いた比較的長い文章である「児童文学」へと推移していった経緯を、詳しく解説いただきました。
 最後に「詩」について学びました。詩は改行のたびに前の行とは違った世界がつぎつぎと開かれ、詩の1行1行は絵本の1ページのような展開があるこのことを、「みみをすます」の作者谷川俊太郎氏自身による貴重な朗読のテープを聞くことで、感じることができました。

宮川健郎先生の講演の様子の画像
宮川健郎先生の講演の様子

(2)グループワーク

「うめぼしちゃん」暗唱の様子の画像
「うめぼしちゃん」暗唱の様子

 5、6名の小集団に分かれ、グループワークを行いました。
 最初に、前半の講演に対する感想や質問について意見交換を行い、その後、全体の前で発表しました。
 「絵本から児童文学への移行に際し、どんな本を読んであげるとよいのか」との質問に対し、宮川先生から「チャプターブック(“章”に分かれている本)などがよいと思う。例えば「がまくん」など」とアドバイスをいただきました。
 ほかにも、子どもたちの本を読ませる上での留意点などの質問がありました。
 最後に、まど・みちお作「うめぼしちゃん」の暗唱に、参加者全員で取り組みました。詩の中の“同じ言葉”に線を引き、読むたびに少しずつその言葉を消していくという方法で暗唱しました。暗唱を通し、作者による詩の構成や表現と重なり、“作者側の読者、表現者”になる、ということを体験しました。

8 アンケート集計結果(回答数17名)

(1)講演は有意義でしたか。

項目 回答(人) 割合(%)
(1)大変有意義だった 16人 94.1%
(2)どちらかというと有意義だった 1人 5.9%
(3)どちらかというと有意義でなかった 0人 0%
(4)有意義でなかった 0人 0%
合計 17人 100.0%

(2)グループワークは有意義でしたか。

項目 回答(人) 割合(%)
(1)大変有意義だった 11人 64.7%
(2)どちらかというと有意義だった 5人 29.4%
(3)どちらかというと有意義でなかった 1人 5.9%
(4)有意義でなかった 0人 0%
合計 17人 100.0%

(3)感想やコメント、ご意見などを簡単にご記入ください。

  • 絵本と児童文学との区別がなかったので、お話を聞けてよかったと思います。子どもは自然と絵本から児童文学(文章の長い本)へ移っていくように思います。読みたい本を読ませ、読んであげたらよいのでは、と思いました。
  • 「声」をもとめて、詩の暗唱や谷川俊太郎さんの朗読テープを聴かせていただいたり、詩の絵本を読み聞かせていただいたりしました。五感をフル回転させて味わうことができました。
  • 絵本、童話と児童文学の違いなど、今まであまり深く考えないでいました。深い話、深い文章の読みに心打たれました。自分の未熟さを思い知らされました。
    「詩は、一行一行に作者の思いがこもっている、作者の思いに迫る詩の読みを」というお話に、なるほどと感じました。研鑽しなければならないと自分を省みました。
  • 先生の流れるようなお話に引き込まれました。グループワークでは、様々に御活躍されている皆さんのいろいろな意見が聞け、そして話せ、よい時間でした。
  • グループワークは、普段接点のない人のお話が聞けてよかったです。詩の暗唱は楽しかったです。子どもにも習った暗唱の仕方を教えてあげようと思いました。

第2回子ども読書レベルアップ研修会

1 期日 平成30年8月10日(金曜日)
2 時間 13時30分~16時30分
3 会場 直江津学びの交流館(上越市)
4 テーマ 障がいのある子、どんな子どもにも本を届けるためにすべきこと
5 講師 臨床発達心理士 攪上(かくあげ) 久子 様
6 参加者 29名(学校の司書、読書ボランティアなど)
7 内容

(1)講演

攪上久子先生の講演の様子の画像
攪上久子先生の講演の様子

 「障がい児に向き合うのではなく、ひとりひとりに向き合う」、「障がいは本の方にある。取り除いてあげれば」との基本的な考え方のもと、バリアフリー図書の種類や内容について、以下のように学びました。

  • For:その子のための本、触る絵本、優しく読めるLLブック、CD付きの電子図書など
  • About:障がいについて理解する本、障がいについて説明する本など
  • By:障がい者が書いた本など
  • With:障がい者と一緒に読む本

 特に、「For」の本については、具体的に紹介されました。本の作り手による子どもへのアプローチの仕方や様々な工夫に注目し、いろいろな子のその時々に合わせてアレンジして読むことが重要であることを学ぶことができました。

(2)グループワーク

 以下のような方法で、「読み合い」を行いました。

  1. 自分に好きな“食材”か嫌いな“食材”の名前をつける
  2. 自己紹介をし合う
  3. 互いに知らない者同士が2人組になる
  4. 2人の“食材”を使った料理を考える
  5. 考えた料理を発表する
  6. ワークシートの質問に答える(「今朝空を見ましたか?」、「魔法パワーをもらえたら何をしますか?」、「好きな歌を教えてください」など)
  7. 相手のために本を選ぶ
  8. 互いに本を読み聞かせ合う
  9. シェア 発表する
    1. 「□は△さんのために~(本の名前)を選びました。なぜかというと…」
    2. 「選んで読んでもらった感想は、…です」(□、△は“食材”)
      参加者は、相手のことを考えて本を選ぶことの意義や大切さ、自分のために本を選んでもらうことのうれしさを、一様に味わうことができました。「いろいろな子のその時々に合わせてアレンジして読む」ことを実地で体験することができました。

「読み合い」の様子の画像
「読み合い」の様子

8 アンケート集計結果(回答数29名)

(1)講演は有意義でしたか。

項目 回答(人) 割合(%)
(1)大変有意義だった 26人 89.7%
(2)どちらかというと有意義だった 3人 10.3%
(3)どちらかというと有意義でなかった 0人 0%
(4)有意義でなかった 0人 0%
合計 29人 100.0%

(2)グループワークは有意義でしたか。

項目 回答(人) 割合(%)
(1)大変有意義だった 24人 82.8%
(2)どちらかというと有意義だった 5人 17.2%
(3)どちらかというと有意義でなかった 0人 0%
(4)有意義でなかった 0人 0%
合計 29人 100.0%

(3)感想やコメント、ご意見などを簡単にご記入ください。

  • バリアフリーの視点でいろいろな本を紹介していただきました。たくさんの本を紹介していただいたので、書き留めました。図書館で先生が紹介された本たちに出会うことを楽しみにしています。すてきな出会い(先生、参加された皆様、本)に感謝いっぱいです。
  • 障がい者の方が楽しめる本があるということがわかりました。いろいろな本があり、本の世界は幅があるものだなと、改めて考えさせられました。
  • 自分のために本を選んでもらう。なかなか経験できなくなったことです。とてもよいグループワークでした。
  • 2人での「読み合い」、本選びでよき人と巡り会えました。
  • “With”は障がいのない児童にもとてもよい本です。
  • 「読み合い」で選んでいただいた本が、偶然にも自分の歴史の1ページみたいにぴったりで、驚きました。他のグループにもそんな偶然の一致があったようで、驚いています。
  • グループワークでは、どんな人とも分け隔てなく接しお互いを知るという、人としての本来あるべき姿を、もう一度見直すきっかけにもなりました。

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