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【保環研】 調査研究 《経常研究》

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0180955 更新日:2019年8月3日更新
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経常研究の概要

◆経常研究とは◆
 保健環境行政の技術的水準の維持向上を図るための研究です。

◆平成29年度に行った経常研究は下記のとおりです。表題一覧の後に概要を記載しました。◆
  1.上越地域における深度別地層収縮の評価
  2.薬剤耐性結核菌の迅速検査法の導入及び遺伝子解析に関する検討
  3.新たな食中毒菌等の遺伝子検査体制の確立及び分布に関する検討
  4.ヒトスジシマカの発生状況調査と蚊からの病原体検出法の検討
  5.新潟県内のマダニが保有する病原体の検索
  6.LC-MS/MSによる農産物中残留農薬の新規一斉試験法の検討
  7.新幹線鉄道騒音における列車速度測定手法に関する検討
  8.新潟県における大気中の多環芳香族炭化水素類(PAHs)の調査手法について
  9.水中のダイオキシン類の分析方法の改良についての検討
 10.新潟県内河川中の農薬多成分同時モニタリング調査
 11.県北海域等におけるCOD値に及ぼす要因に関する調査研究

1 上越地域における深度別地層収縮の評価

 上越地域では、消雪等による地下水の過剰な汲み上げに伴う地盤沈下が生じている。地盤沈下対策の検討のためには、地盤全体の沈下量だけではなく、深度別の地層収縮の状況の把握が重要である。
 同一地点に深さの異なる複数の観測井がある場合、水準測量結果から求めたそれぞれの観測井の沈下量及び地表面の沈下量を比較することで、観測井の深さを区分とした深度別の収縮量を求めることができる。
 平成29年度は、上越地域の高田北部地区・高田南部地区の地層収縮量について解析を試みた。その結果、高田北部地区では、12~50 mの深度の収縮量が全体の収縮量の7割以上を占めていた。一方で、高田南部地区では、深度別の収縮量に大きな差は認められなかった。

2 薬剤耐性結核菌の迅速検査法の導入及び遺伝子解析に関する検討

 近年、抗結核薬に耐性を示す薬剤耐性結核菌が見られ、その拡がりが懸念されている。また、薬剤耐性結核菌に効果のない抗結核薬を使用することによりさらに耐性化が進むおそれがあるため、結核の治療には効果的な抗結核薬を選択することが重要である。結核菌は増殖が遅いため従来の培養法による薬剤感受性試験では2週間以上の期間を要する。そこで、結核菌の発育に依存しない迅速かつ簡便な遺伝子検査法による薬剤耐性検査の導入を検討し、薬剤耐性と遺伝子変異との関連を調査することとした。
 薬剤感受性試験実施済みの結核菌株を用いて、迅速に結果が判明するリアルタイムPCR法による薬剤耐性遺伝子の検出を検討した。一部の遺伝子の蛍光強度の上昇が鈍かったが、その他の遺伝子では蛍光強度は上昇した。培養法による薬剤感受性試験で耐性の薬剤は蛍光強度が上昇せず、培養法による結果と一致した。検査法が確立していない一部の耐性遺伝子については今後も検討を継続する。

3 新たな食中毒菌等の遺伝子検査体制の確立及び分布に関する検討

 新たに下痢起因菌として報告されるEscherichia albertii(以下、E.albertii)とProvidensia alcalifaciens(以下、P.alcalifaciens)については県内での食中毒発生事例がなく、現状の食中毒菌検査体制において検出が困難であることが予想される。そこで、E.albertiiとP.alcalifaciensに加え、検出が稀な食中毒菌や下痢原性大腸菌の遺伝子検出を目的とした、マルチプレックスリアルタイムPCR法による検査体制の整備を検討することとした。またE.albertiiとP.alcalifaciensの感染リスクに関する情報収集として、食品や環境中の分布状況を調査することとした。平成29年度は分布状況調査として食品収去検査残品80検体、と体拭き取り299検体(ウシ135検体、ブタ92検体、トリ72検体)、イヌ糞便136検体、ネコ糞便176検体についてPCR法による遺伝子検出検査を実施した。E.albertiiはイヌ糞便1検体、ネコ糞便2検体が陽性であり、P.alcalifaciensはネコ糞便の3検体が陽性であった。

4 ヒトスジシマカの発生状況調査と蚊からの病原体検出法の検討

 平成28年度から、新潟県蚊媒介感染症対策対応指針に基づいて、県内のリスク地点におけるCDCトラップ法による蚊の捕集調査が始まり、2年目となった。
 CDCトラップによるヒトスジシマカの捕集数は、H28年度と同様、気温が最も高くなる8月がピークとなるわけではなく、8月下旬から9月上旬に最も多く捕集された。当所の敷地内の雨水枡に昆虫成長抑制剤を月1回投入したところ、平成28年度に比べヒトスジシマカの捕集数は半減し、その有効性が確認できた。
 平成29年度は、発生状況調査に加えて、デングウイルスのヒトスジシマカへの添加回収試験を行った。デングウイルス培養液をヒトスジシマカに添加して破砕し、核酸抽出を行ってリアルタイムPCR法でウイルスRNAの定量を行ったところ、反応が抑制されることなく高い回収率を得た。県内で蚊媒介感染症発生時に検査可能であることが確認できた。

5 新潟県内のマダニが保有する病原体の検索

 平成26年7月に県内初の日本紅斑熱患者が確認され、患者発生の周辺地域で植生マダニの紅斑熱群リケッチア保有状況を調査した。平成29年度は県内全域に調査を拡大し25地点で植生マダニ2、116個体を採取し、さらに動物愛護センターに収容されたイヌ及びネコに吸着していたマダニ17個体も採取した。計2、133個体940検体について、紅斑熱群リケッチア遺伝子と重症熱性血小板減少症候群ウイルス遺伝子を検索した。
 その結果、日本紅斑熱の原因菌であるR.japonicaは検出されなかったが、47検体からR.japonica以外の紅斑熱群リケッチアが検出された。重症熱性血小板減少症候群ウイルスは全ての検体で検出されなかった。

6 LC-MS/MSによる農産物中残留農薬の新規一斉試験法の検討

 当所で実施している農産物中の残留農薬試験は、国通知一斉試験法を一部改変した方法を用いている。しかし、この方法では試験できない農薬も多くあり、業務量を考慮すると、これらの農薬を一度に試験できる試験法が望まれる。LC-MS/MSを用いて効率的かつ精度良く試験する新たな一斉試験法を検討した。
 平成29年度は、市販の各種精製用ミニカラムを用いて精製条件を検討した。

7 新幹線鉄道騒音における列車速度測定手法に関する検討

 新幹線鉄道騒音に係る環境基準達成状況を監視するため、沿線において騒音及び振動にあわせて列車速度を測定している。
現状のストップウォッチを用いた列車速度の実測は、簡便で優れた方法である反面、測定ミスが生じうること、スノーシェルター区間では測定できないこと等、測定法由来の問題点があることから、新幹線通過時の騒音波形及び振動波形の周期を基に列車速度を算出する手法を検討した。
平成29年度は28年度に引き続き、平成27、28年度に測定した波形を解析した。

8 新潟県における大気中の多環芳香族炭化水素類(PAHs)の調査手法について

 ベンゾ[a]ピレン(BaP)に代表される多環芳香族炭化水素類(PAHs)は、主に化石燃料の燃焼に伴い発生する非意図的生成物であり、一部のPAHsには発がん性や変異原性が指摘されている。県では、BaPについては継続的に調査を行っているが、その他のPAHsについては過去に調査実績はあるものの近年の実態は不明である。
 そこで、県内のPAHsの濃度実態を把握し、発生源解析や大気中のPAHsの挙動解明を目的として平成27年度に研究を開始した。
 平成29年度は、28年度に検討したHPLCによる一斉分析法を用い、県内のPAHs19種の濃度を把握した。

9 水中のダイオキシン類の分析方法の改良についての検討

 水中のダイオキシン類の分析は数十リットルの試料を分析に供する必要があり、その量の試料をろ過・抽出する操作に時間を要し、結果を出すまでに時間がかかってしまうという問題がある。
 そこで近年普及してきているダイオキシン類を捕集する特殊な凝集剤(ダイオフロック)を用いることにより、ろ過を簡便・迅速にし、さらにダイオフロックからの抽出を高速高圧抽出法(PSE)で行うことによる迅速分析の検討を進めている。平成29年度は、河川水の実試料を分析対象とし、ダイオフロックによる捕集法と従来採用してきたディスク型固相抽出法の比較を行い、ダイオフロックが問題なく適用できることを確認した。今後、排水についても従来法との比較を行う。

10 新潟県内河川中の農薬多成分同時モニタリング調査

 新潟県内では多種多様の農薬類が使用されており、生態系を含む環境に影響を与える可能性は否定できないため、環境水中の農薬の実態を把握することが必要である。平成28年度では、県内全一級河川5カ所と農業排水河川である新川1カ所について、県内で流通量の多い農薬を含む178農薬成分のスクリーニング分析を実施した結果、70の農薬成分(除草剤、殺虫剤、殺菌剤)が検出された。また、関川では他河川では検出されていないアセタミプリドが検出されていることが明らかとなった。
 そこで、平成29年度は関川について詳細に調査を実施し、流域での濃度の流出実態を把握した。

11 県北海域等におけるCOD値に及ぼす要因に関する調査研究

 公共用水域水質測定計画に定める県北海域の各測定地点においてはCOD値が漸増し、その多くが環境基準未達成となっているため原因究明が求められている。そのため、県北海域等において、CODのほか、EC、クロロフィルa、栄養塩類等の調査を行い、県北海域の各測定地点のCOD値に及ぼす要因について調査する。また、本研究に関連する情報の収集を行いながら、過去の公共用水域測定結果等のデータ整理・解析を行い、COD値が漸増する原因を解明する。
 平成29年度は平成28年度に引き続き、新潟海域および県北海域の測定地点等5地点において年6回COD等の調査を行った。また、過去のデータの整理・解析を進めたところ、県北海域各地点のCOD年平均値の漸増傾向は、近接する主たる河川の影響に比べ、CODの高い新潟海域方面からの移流の影響が大きいと考えられた。

過去の経常研究一覧(年度別)

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〒  950-2144  新潟市西区曽和314番地1 
電話:  025-263-9411  ファクシミリ: 025-263-9410 
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